2011年01月19日

「封印されていた文書(ドシエ)」麻生 幾

「封印されていた文書(ドシエ) 麻生 幾」

封印されていた文書(ドシエ)
―昭和・平成裏面史の光芒〈Part1〉
(新潮文庫): 麻生 幾 著

 新聞、テレビで報じられた事実は、事件の
 真相の十パーセントにも及ばない、全ての記録は
 〈文書=ドシエ〉に封じ込められている。
 (あとがきより)

新聞、テレビで報じられた内容が
テキトーかつ無分別である、という意見には賛成。
この作者が連発する「ドシエ」って言葉。
よほどお気に入りであるらしい。

「おエライさんにいつも泣かされつづける
 ”現場”の残酷物語」
風の中のすばるぅ〜である。

あらすぢっつーか内容
ホテルニュージャパン火災と戦った消防隊の
秘められたオペレーション、あさま山荘事件で
封印されていた死闘の真実、そして三菱銀行
「梅川事件」の鬼気迫る犯行内容
―日本人を驚愕させたあの事件は、重大な事実が
伏せられていた!トップ・シークレットを追って、
衝撃的な文書や証言を引き出し、10大事件の
全貌と真相に迫った傑作ドラマ。

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たぶん「ドキュメンタリ」なんだろうけど
ちょっとドラマチックに書きすぎ。
この作者、根は小説家なんだな。

とにかく助かった人命には
すべて「尊い」という形容詞がついてしまう。

せっかく助けたんだから、少しでも
その功績を際立たせようと筆ががんばり・・
「こうして現場の死闘により**名という「尊い」人命が
 救われたのである」とかなんとか。

そりゃ命は尊いし、人命救助とは、記録に残らない
現場の人々の「知恵」と「勇気」と「自己犠牲」の
タマモノなんだろうけど・・。

・・なんか「ドシエ」なる言葉を見つけてしまったんで
無暗に使いたくって仕方なかったみたい。
ドシエ。

1.三菱銀行事件
  犯人「梅川昭美」VS大阪府警捜査第1課

 〜被害者たちは語る。
 「人を殺して一年半で出てくるような
  日本の法律を直ちに改めるべきです!」

 この畜生の起した事件は確かに衝撃的で
 普段、ニュースなどめったに見ない
 当時の子供PONでも、まだ解決しないのかぁ・・
 とニュースをながめていた記憶がある。

 真っ先に駆けつけて殉職された警察官(2名)
 には涙が出る。
 更に無意味に射殺された若い銀行員
(顔半分が破壊されても、まだ息があった!)
 同僚に生きたまま耳を切り取られた銀行員

 ビックリなのは、生き残った銀行員の方には
 おなじ銀行にそのまま勤務し、つい最近
(といっても10年ほど前)定年退職したらしい。

2.幻のオウムVS自衛隊治安出動
 「よろしくやってくれ!」と
 政治が何の判断もせず現場で押し付ける例1。

3.〈あさま山荘銃撃攻防〉未公開資料の全貌
 警察官の殉職にはただもう涙。
 あんなにまでして逮捕した「テロリスト」を
 人道的見地からの超法規的措置とかで解放した日本政府・・
 アホすぎる。

4.ホテルニュージャパン大火災 
  埋れたままの消防隊六百七十七名全記録

 火事の原因が、イギリスから来た営業マン
 (当時23歳)の寝タバコ?だったらしく。
 本人も焼死したようだけど。
 それと表題の
「消防隊六百七十七名全記録」は大げさ。
 そんなに書かれていないし読んでもいられない。

5.特捜部VS田中総理 知られざる密室の攻防
 特捜部の捜査のやり方がよーくわかった。
 (失礼の無い様に丁寧な応対ながら
  ねちねちと、なんども同じ事を聞きまくり
  矛盾点を突くという方法)

6.ペルー日本大使公邸事件 
  存在しなかった「国家の決断」

 「よろしくやってくれ!」と
 政治が何の判断もせず現場で押し付ける例2。

 橋本元首相はただ中継を見ているだけで
 何にもしなかった、フジモリ元大統領が
 独自に決断、解決。橋本元首相は運が良かっただけ。
 そもそもテロリストと交渉するなんて
 発想は日本にしかない。日本が異常なのだ。

 〜二十一世紀を迎えようと していた時でさえ、
  日本のナショナルクライシスに対応する
  システムは開発途上国並みだった

7.金丸逮捕劇の知られざる真実
 一番かわいがっていた小沢一郎が
 逮捕後に全然姿を見せないことに対して
  金丸「小沢は来ましたか?」
  検事「いいえ」
  金 「そうですか・・(ショボーン)」

8.下山事件50年目の解決
 吉展ちゃん事件とか三億円事件なんかで
 名刑事といわれる割には捜査を振り回した
 平塚刑事のような、いわゆる「職人肌刑事」が
 山ほどいた当時。そのビックリするくらい
 適当な捜査姿勢に驚き。
(科学的捜査という発想がまったくない!)

9.ベレンコ亡命で第3次世界大戦への悪夢
 「よろしくやってくれ!」と
 政治が何の判断もせず現場で押し付ける例3。

 〜防衛庁からの指示は〈必要な対処をせよ〉曖昧な
  たったひと言だけだった。 さらにトップからは
  こう命令された。
 〈武器使用の判断については現地部隊の判断に任せる〉
  すべての責任は、命懸けの戦いを控えた現地部隊に
  押しつけられた。

 当のベレンコさん。亡命先の米国で悠々自適な生活を
 送っているようで、作者だかドシエに載っている
 インタビューで偉そうに答えてる、結構
 嫌なヤツっぽいのだが・・その彼が事件直後に語った
 亡命理由がまた傑作。

 ベ「軍では全く昇格しなかったし、同期の連中が
   昇格してゆくのに、 自分がいかにホサれていたか」
 取「それだけか?」
 ベ「それに妻にも我慢ならなかった・・・

10.北朝鮮「侵入船」を迎え撃った緊迫の8時間
 「よろしくやってくれ!」と
 政治が何の判断もせず現場で押し付ける例4。

 政治屋もさあ、そろそろ現場が快く仕事できるよう
 環境を整えるために権力を使えよ。
 いつまでも現場がデキた人間ばかりじゃねーぞ?
 かつての関東軍のように「中央がアホ」であることを
 理由に、取り返しのつかない「現場の判断」を
 やりまくる輩が出てこないと、どうして言えるね?
 政治主導ってのはそういうことだと思うんだけど。



続編の「消されかけたファイル
    ―昭和・平成裏面史の光芒〈Part2〉」
も以前に読んだんだけど、Part1に、
興味深い事件をほとんど持っていかれた感が。
Part2では「ドシエ」は止めたんだね。

割と面白かった。
今だから・・と、時を経てようやく
明らかに出来ることも多いとは思うけど、
それにしても時の「マスコミ」ってのは、
かなりいい加減で、いつも真実を伝えていない。
それは確か。

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posted by PON at 21:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(社会) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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