角川ホラー文庫
マタンゴと入力したら「魔単語」だって。
IMEよ。まあ確かにそうだ。
最近では久々の「角川ホラー文庫」
しかもあの吉川先生作品。
先生は1952年生まれ。
東宝映画「マタンゴ」が1963年作品。
先生も幼少期に影響受けまくった世代なのでしょう。
東宝お墨付きの正式な後編。
ちなみにこの世代には妙に「キノコ嫌い」が
多いという研究結果はさすがにでておりませんが。
この先生の作品は、相変わらず文量は多い。
(文庫の厚みが2センチ以上!)
文体は読みやすいので助かるけども
それでいて中身が薄いんだ。
小説としてこの人の作品には
まったく期待しておりません。ジブン。
んで・・
<あらすぢ>
内容(「BOOK」データベースより)
富士山麓の樹海の奥深く、大型ヨットが浮かび、
亡霊がさまよっている―その「都市伝説」を
確かめようと訪れた五人の男子学生と二人の
女子高生を包み込む極彩色の胞子の霧。
そして現れたキノコの怪物!
十年後―悪夢を忘れ、女優、作家、キャスター、
刑事、実業家、細菌学者、宇宙飛行士として
活躍する彼らのうち、四人の身体に異変が。
十年の潜伏期間を経て、肉体がキノコに
変身しはじめたのだ!その裏には
国際バイオテロ計画が。
伝説のマタンゴが、半世紀ぶりに蘇る。
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先ほど、読破しましたが。
ま、これはこれでアリだと思いました。
正直面白かったし。
でも第一作(名作)至上主義の人には
頭にクル作品でしょうね。
世に「名作」とされるものの続編は誠にムツカシイ。
ご存知スタンリーキューブリックの
「2001年宇宙の旅」にも
続編「2010」が製作されましたが
なんかあんな感じ。
疑問点や解りにくかった点をクリアにしたい、
というのは人として当然の要求だとは思いますが
敢えて「答え」や「詳細設定」を「ボカす」終わらせ方で
読者にいろいろと解釈させる・・という表現方法。
またそういう作り方が、映画であれ小説であれ
名作を名作にさせていたりします。
「世間ではイロイロ解釈があるようだが
あの作品を一番理解している(≒好き)なのは
この俺(わたし)だ!」
なんて作品、誰でも一つや二つはあるはずですよね。
だから、名作品の「主人公のその後」や
後だから話す秘話、外伝、「実はあの時・・」
なんてのはみんな「蛇足」なのかもしれません。
自己流の解釈が、後から出た
公式設定で覆されてしまったら・・
それは「わが心の作品」と、オノレの読解力を
否定されることに他ならないからです。
いやだよなあ。それは。
ありがちですが、この小説を読む前に
東宝映画「マタンゴ」は観ておいたほうがいいです。
もっとも、マタンゴ知らない人間がこの小説を
読むかってーと・・比較的レアケースだと思いますが。
「水の溜まった石畳、
アカシアの花、寂しく浮かんでいる。
水の表を風が吹き抜けて、
思い出をのせて揺れている」
映画マタンゴの最初と最後に
黒ブチメガネにメッシュの靴下、そして七三
というスタイルの60年代のサラリーマンが
憧れていた夜の銀座の風景描写があります。
そしてBGMが、なんていったら良いんだろ?
ムード歌謡?
「銀座の恋の物語」とか「ハイそれまでよ」の
イントロとか、なんかそんなところをイメージ
してください。
あのケバケバしさと水野久美さんの妖艶さ
そして、毒キノコがかぶるんだよなあ。
たのしいロンドン!ゆかいなロンドン
ビバ!高度成長期。
若干ネタバレですが
「秘密機関」がバックにあれば
何でもアリだなおい、とか思いました。
最後の脱出ルートはなんか、あまりに
世界観ぶち壊しな感でしたけど。
それと官房長官、調子に乗りすぎでしょ。
「せんせ〜ぇ せ〜んせ〜」
【参考】狂言 〜茸(くさびら)
文庫: 590ページ
出版社: 角川書店 (2008/1/25)
ISBN-10: 4041789877
ISBN-13: 978-4041789872
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