―レフェリーだけが知っている表と裏
(講談社プラスアルファ文庫) ミスター高橋 (著)
そう気合入れて見てたという程ではないが
自分ことPONはこれで結構「プロレス」好意派。
なま温かい目で不定期観測をしている。
消防時代のかつて、水曜7時半の新日本プロレス
放映という全盛時代に遭遇していたから。
アントニオ猪木
藤波辰巳
坂口征二
小林邦昭
山本小鉄
長州力
アンドレザジャイアント
ディックマードック
ハルクホーガン
タイガージェットシン
アブドーラザブッチャー
スタンハンセン
ブルーザーブロディ
タイガーマスク
ブラックタイガー
佐々木健介
橋本・蝶野・武藤・馳
前田日明
藤原組長
ストロング金剛
キラーカーン
そしてカールゴッチ(プロレス の神様であるらしい)
(順不同)
以上は自分の頭の中に残っている
新日のレスラー。(全日が混ざっていたらスマヌ)
もちろんホンマモンのマニアには
かなうはずも無いが、もうほとんど知っている
MSの名前リストとかそんなノリである。
<あらすぢっうーか内容>
エンターテインメント宣言の原点ここにあり!!
「教えてもらうことなんてないと思っていたけど、
やっぱりミスターは知っていた!!
この本こそ極上のSRS(スペシャルリングサイド)」
である!!――(浅草キッド)
新日本プロレルのレフェリーとして、アントニオ
猪木らの試合を2万試合以上裁き、また外国人
レスラー担当、マッチメイカー、審判部長を務めた
男が、そこにいた人間のみが知るリング内外の
プロレスの魅力を存分に語り尽くした!!
あのベストセラー『流血の魔術 最強の演技』に
おける「プロレス革命――エンターテインメント
宣言」の原点はここにあった!!
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面白かった。失礼ながらこのミスター高橋氏は
かなりクレバーな方で文もうまい。
写真もエピソードも興味深く秘話だらけ。
まさに当時内部にいた人ならでは。
ミスター高橋氏は新日でながいことレフェリーと
マッチメイカー(対戦組合せをメイキングする)の
かたわら、英語も堪能だったので、来日してくる
外国人選手の国内での世話担当も勤めていた。
彼に言わせれば、自分は外国人学校の担任。
(無論、校長先生はA猪木氏である)
外国人だって人間。レスラーだって人間。
冷徹に計算して自己の人気や演出にまで気を使う
レスラーもいれば、本当のバカ(←そこまで
ズバリとは書いていなかったけれど)や
人間失格者もいて、高橋氏は相当振り回された
ようだ(味方であるはずの校長先生にも)
例えばタイガージェットシンは高橋氏が最初に
手がけた外国人選手だそうだが、巷に言われるほど
狂虎でもなんでもない、非常に知的なビジネスマン。
「真の狂気を演じられるのは冷徹な理性である」
とか言うけど、一般的にヒール(悪役レスラー)
ほどクレバーで性格もよく、逆にベビーフェイス
(正義レスラー)のほうが、性格が悪い傾向が
あるとか。
そういった裏の面(真実の顔)が表に出ることを
非常に恐れるレスラーもいる。
自分に対するイメージが崩れることは飯の種を
奪われるも同様。イメージを大切にし
決して同僚選手とは一緒に飲みに行かない、
サインや写真を拒否する、と日常生活でも
自己演出を大事にする選手も(アンドレとかに顕著)
まさにプロ。
ウルトラマンの神秘性は人間と馴れ合わない
からこそ守られるのである。
ミスター高橋氏の暴露話。
彼は、プロレスとはショウであり、
プロの選手同士の信頼の中から盛り上がり(流れ)が
生まれる。それはけっして八百長なんかではない、
というのがポリシーで、プロ(プロレスというものが
判っている選手)のヒールが「凶器」を
持っていたとしても、安心して気がつかぬフリ、
なんてことを度々行なった。
時々近所のジイさん連中と銭湯で顔を会わせて
しまうと
「昔からお前の面倒を見てきたというのに、
俺はお前を見損なったぞ。何であんなの
(ヒールレスラーが凶器を仕込んでいること)
も見抜けないんだ!」
なんてマジメに抗議されてしまい、非常に辛かった
なんて書いている。お客も純朴な時代だったんだ。
もっともこの「プロレスはショウ」と正面から
言い切ってしまった業界の人間は「ミスター高橋」氏が
ほぼ初めてらしく、プロレス至上原理主義ファン
からすれば、プロレスを八百長呼ばわりした
(よーく読みこめばそこまで書いていないんだけど)
ミスター高橋氏は「殺してもいい」裏切り者と
捉えるむきもある様子。
久々にマンガ「プロレススーパースター列伝」を
読ませてもらったようで楽しかった。
ミスター高橋殿。お疲れ様でした。
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