2011年10月19日

「川を覆う闇」桐生祐狩

「川を覆う闇 著:桐生祐狩」角川ホラー文庫

角川ホラー作品も気がつけば何作くらい
読んでんのかなあ。
最初は「パラサイトイブ」か「リング」
シリーズあたりから入ったと思うが。

コレも角川ホラー。作者に見覚えが・・
あの斬新で独特な世界観をPONに
見せつけてくれた「夏の滴」の作者じゃないですか。
たしか・・村興し(金儲け)のために
子供らを「木人」に変化させ、一種の漢方薬
としてネットで販売する大人たちの話ですよ?
子供達も子供達で大人顔負けの
陰湿な足の引っ張り合いしているし。
いったいナニそれ?ですや。んで・・。

あらすぢ
内容(「BOOK」データベースより)
警備会社に勤める土岐は、副都心に程近い
マンションから失踪したある女性を捜すよう
依頼を受けた。女性の部屋を訪れた土岐は、
腐乱したゴミが堆積し、想像を絶する悪臭を
放つさまに驚愕する。次第に土岐の周りに
出現し始める汚穢に満ちた空間。
そして中世ヨーロッパで清潔の追求を
基本理念としながら、迫害によって消滅
していた宗教、ドゥーゼ派の復活を目論む
怪しげな組織。現代人の潔癖信仰を揺るがす、
驚天動地の長編ナスティ・ホラー。

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・・・あ、アホな小説。
豊富な文章力、作家とのしての力量を
全力で無駄使いして作品化したうえで
そんなジブンを大いに楽しんでいる。
つまらない、というワケではないけれど。
ナスティって英語では「悪趣味」とか
「吐き気がするような」の意で、俗には
「やるじゃん!」「すげーよ」という意味も
あるらしい・・が。

角川ホラー文庫収蔵。
ホラーじゃなくって・・うーん。
ホラ吹き文庫?そんな感じでおk。

二元論、人間の幸せとか救いとか
ハナから置いてきぼり、
勢力争いだけのために戦う神たち。
聖書だとかなら、善と悪の戦いだったりします。
神対神の構図のなかでは、
けっきょく右往左往するしかない人間。

この話では、ネタバレしますと
「うんこ VS デオドラント剤」
の戦いなのです。いやホント。

もっと神々しい、もっと壮大な叙事詩として
展開できるハズなのに、なんでまた
ああいう方向に行くかなあ(笑)
浄神 VS 不浄神・・

不浄神に目を付けられてしまった東京近郊の町が
(たぶん荻窪とかそんなあたりだと思う)
意味も無く壊滅する。
世界穢(せかいえ)とかいって、要は
我々が想像できるキタナイものってありますよね
ウ×コ、ゲ口、ゴキ×リ、生ゴミ、ウジ、
ネズミの死骸、腐った水
etc・・書いていて嫌になるけど
そういった類のものが次々と出てきては、
渾然融合一体化。
キレイ好き世の中に逆襲を開始するのだ。

掃除といっても、ヨゴレがさっぱり消えるワケも無く
A地点のヨゴレがB地点に移動するだけののこと。
均一だった汚れが、掃除をすることで清潔な場所ができる
反面、いずこかに濃度がこくなった「汚れ」が蓄積される。

極端なキレイ好きはキタナイのと一緒。
と、作者(作中のキャラ)は言うのである。
えーー?でもなあ。

さらに言うなら、汚れとは生命活動の結果。
世界穢こそは「生命のスープ」なのだ!とか
聞こえはいいけども、とにかくヒドイ世界観。
エヴァンゲリオンはLCLの海に世界が飲まれて
同化してしまったけど、ここでは全てが
「ドロドロになったゴミの海」に一体化するという・・。

世界穢とは世界中の「ヨゴレ」のかたまりなんだけど
ヒロインが世界穢と同化してしまい、主人公の土岐と
再会するシーンがある。

映画アビスでは、水の壁に人間の頭が立体的に
浮き出てくるシーンがある(当時はCGの進歩を感じた)
あえて書くが、この小説には、ウンコやらゲロやらの
滝壁に、ヒロインが浮き出てくるシーンがある。

 いかなファンタジー、いやSFでもゴシック小説でも
 よもやこんな現れ方をする女性など
 最も悪趣味で偏屈な書き手ですら発想しないであろう。

と、作者も小説内で自虐する始末だ。あーあ。



先に書いたけども、作者のデビュー作「夏の滴」は
この作品は後日談に相当する作品であるらしい。
自分も「あとがき」で知ったのですが。

あれに出てきた、馬鹿ガキの壮絶なイジメに耐える
裏のヒロイン「八重垣 潤」が転生した姿。
ここに出てくる、かなり困ったヒロイン
「森 志穂子」なのだそう(同一人物ではないけど
かなり意識して書いた様子)ほほう。



途中までは、ほとんどギャグのノリで読んでたんだけど
やっぱホラーだと思ったのはエピローグ。
自分が作ったキャラ、世界にまったく愛着を
感じることなく突き放すエンディング。
あの突き放し方、作者の醒めた製作姿勢は
たしかにホラーだった。

皆殺しのトミノ的?

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でも花の都パリが
汚かった(住民に衛生概念が無い)のは
事実らしい。

ハイヒールのヒールは、女性が道上の馬糞を
踏まないために開発されたのは有名な話だ。

風呂に入るなんて年に何回もない。
トイレはあるが、中身が溜まったら街路にポイ。
時の為政者が何度、禁止令を出しても
無くならなかったんだとか。

当時、上から「水に気をつけて!」と住民の声が
したら、それは2階からトイレの中身が落ちてくる
合図だったんだってさ。

現在のような衛生概念が普及し始めたのも、
小説によれば「ナポレオン3世」の頃らしく。
やれやれ。


posted by PON at 21:00| 神奈川 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(ホラー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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