2006年12月03日

「処刑列車」大石圭

「角川ホラー文庫」より。

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<あらすぢ>
 朝のラッシュアワーを過ぎた頃、東海道本線、
小田原始発・東京行きの『快速アクティー』が、
茅ケ崎・平塚間の鉄橋で突如停止した。
 何者かによって乗っ取られたのだ。
『この電車は彼らが占拠した』。自らを「彼ら」と
名乗る犯人グループは運転手と車掌を射殺し、
すべての乗客を一部の車両に閉じこめた。
そして、殺戮が始まった―。
 無差別な悪意が暴走する戦慄のホラー。

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作品の舞台となった「列車」は
多分これ。

いやぁ・・。
読まなければ良かった。
非常に陰鬱になります。
いわゆる「大人の知恵」もしくは「事情」で
「そこはそういうことなんだ」と
社会の大部分の人達が
暗黙の了解をしているナーバスな
部分を敢えてほじくり返してしまった
事から起きる物語。

社会的に言えば下層に位置する
「一般民」達の
声にならない絶望、怒り、悲しみ。
いつの時代にも、そんな人間は
一定数存在するものだが
その凶暴なパワー(怨念)は
ほとんどの場合、個別に踏みにじられ
他の人々に向くことも無く
いつしか忘れ去られていく存在だった。

が、「ネット」という媒体が登場した時
個別に消えるはずだった怨念は融合し

純粋な悪意

となって炸裂する。

自分達をこの境遇に追いやった
漠然とした顔の見えない社会に
復讐する。

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ダブルデッキの車内は「血」に染まり
「鉄」の臭いが充満した・・はず。

犯人達には結構腹が立った。

「なぜ私が??」
単に「運が悪い」だけで
この世に出られなかった「彼ら」は
「生きとし生ける」すべての生命体を
恨み、根絶する「権利がある」と
彼らは決意表明をネットでアップしている。

百歩譲ってそういう権利もあったとしても
その根絶する権利とやらを
「彼ら」は犯人達に譲渡する
権利はさすがに無い。

犯人はいろいろと理由を述べていたが
結局、同情することもできなければ
納得もできない。
狂った彼らが勝手な理屈で
我々に危害を加えるなら
我々も彼らに抵抗(排除)する権利がある。

「彼ら」は単に狂っているだけだ。



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前知識無しに
「大石圭」氏の作品だから、という理由で
この本をゲットしたんですけど
PONが読んでいる最中、
ちょうど「平塚〜茅ヶ崎」間にある
劇中の問題の鉄橋上を電車で通りかかった

んですよ。

彼が主に「湘南地方」を舞台に
小説を書く事は知っていましたが
あまり気持のいいものではありません。
こわっ。

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「快速アクティー」のほか「湘南ライナー」
(普通乗車券+500円の座席券がいる)
にも使用される、ある意味セレブな列車。


posted by PON at 21:00| ☔| Comment(0) | TrackBack(1) | 読書(ホラー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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■処刑列車 [小説]
Excerpt: 大石 圭/著『処刑列車』(1999)角川ホラー文庫 小田原発東京行き東海道線「
Weblog: *Hello Nico World
Tracked: 2007-05-02 22:20
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