2005年03月08日

お気に漫画Vol.2「センゴク」

スリランカ報告は更に続きますが
今回はコミックのご紹介を・・

言うまでもなく
「戦国時代」の「センゴク」と
主人公「仙石秀久」をかけた題名。

主人公「仙石秀久」とは、
秀吉の九州遠征時に軍監として同行するも
戦が下手すぎ、味方である長曾我部の御曹司をも
死なせてしまい、一時は九州攻略すら
危うくさせた、困った人物・・って知識しかPONにはなく、

司馬史観・・もといコーエーの戦国史観(笑)
からするとぜーんぜん使えないヤツってことで
いつもゲーム内で使い道に困る
武将だったんだけど、
こうして漫画を見てみると
今度は使ってあげようかな?と
思う自分はかなりミーハー。

絵は下手だが勢いがあって
(「からくりサーカス」みたい)
戦国の躍動感が出ている。

この漫画が傑出しているのはこれまでの
人物観とはまったく異なった人物描写であること
センゴクは勢いだけはある気のいい「おバカさん」
として描かれており、この人を主人公にしただけでも
かなりの英断だが、ほかにも・・

・時代を間違えたらニヒルなロックスターみたいな
 「明智光秀」
・最初からすごい男ではなく、ボヤッキーのような
 「羽柴(豊臣)秀吉」
・ドロンジョさまそのもの(笑)の
 「お市の方」
・デブでも「ちんちくりん」でもなく、
 妙に天ぷらと賭け事が好きな
 「徳川家康」
・天才引きこもり
 「竹中半兵衛」
・でもやっぱり知力体力時の運、ついでに人情まで完備
 「織田弾正忠信長」
(ちなみに「だんじょうちゅう」と入力したところ、
 IMEは勝手に「男女宇宙」と変換。「男女宇宙」←さすが信長
 とてもコスモを感じました)
・萌え萌えの
 「寧々(ねね・秀吉の正妻。後の北政所)」反則だ。

さっき気づいたんですけど、
これって時代背景が戦国に移っただけで
描いてることはいわゆる「珍走団」系の漫画だよなあ。
(ビーバップ・・とか、カメレオンとか)

下手に人より頭がいいばっかりに
自分の理屈に縛られ、思うように動けないでいた周囲が
お馬鹿に圧倒、勝手に勘違い。
それぞれ、本来の働きを取り戻してゆく・・ってパターン。
センゴク、お前にはやられたぜ!」みたいな(笑)
馬鹿を主人公にするなら
それくらいしか使い道がない。
それに描き手も描きやすいよね。
PONも含め、現代日本の読者にとって
戦国の常識はまるきり「馬鹿」なわけだから、
センゴク」に説明することにすれば
説明っぽい台詞も全然、違和感がないわけで。

この漫画を読んでいると、
史実が例えばこの世界観の通りならば、
九州で大敗した「センゴク」を怒りながらも
なかば呆れながら許してしまう秀吉の顔が浮かぶようです。
(実際、一時謹慎・領地没収ののち許してます)
バカな奴ほど可愛いのかも。程度によるが。

コーエーの「シブサワコウ」氏も
著書の中で次のような趣旨を書いていました。
「何でも数値で判断するのは良くない。
 数値に現せない活躍しかできない人も多いから」

俺だって自分が数値化されたら見るのが怖い。
政治力、戦闘力、智謀力、行動力、忠誠心、運。
ちょっと反省。

今後が楽しみな漫画。
久々に「信長の野望」やろうかな。

戦国20050304_1507_0000.jpg

センゴク」 宮下英樹
現在1〜4巻 講談社 ヤンマガKC 514円+税

・弱い部隊もひたすら戦ううちに経験値で、
 能力はあるが戦闘経験の少ない部隊と
 同等以上に戦えるようにならんかな・・と思った。
 (コミックでも羽柴隊は弱小集団と笑われていたが
  金ヶ崎城の攻略のように、百姓には百姓の
  戦いがあると、頑張るうちに武名を上げていく)

 ・・けど、PONが実際のゲームだったら
 最初から強い部隊に経験をつませて
 更に強くして使うと思った。
 こりゃダメ。

・コーエーゲームにおける武将は
 史実のエピソードに基づいた能力値設定されているので、
 弱者はどんなに頑張っても高設定者に勝てない。
 (よって今川氏真は常に上杉謙信に瞬殺される)
 でも、能力データをマスク設定にしておいて
 ダビスタみたいに時々PC内部で
 突然変異が起こるように
しておくと
 リアルかも。コイツ使えないはずだけど
 いつの間にか人並み以上にはたらいてる?
 我慢して使ってよかった・・なーんて良いのでは?
 
 一般的に愚鈍と言われているような武将は
 突然変異率を上げ、
 いったん突き抜けると名将よりも凄い。
 また、名将で通っている武将は
 安定してすごいけどそれ以上はあんまり変化がない。
 無論そういうの嫌な人もいると思うので
 初期設定によって変えられるようにしておく。
 ドラクエでいえば遊び人も極めれば
 賢者
みたいな。 

・現実世界にて昨日まで低能力の人が
 いくら努力をしたところで突然スーパーマンになる
 なんてことは基本的に難しい。
・凡人はどんなに頑張っても天才には勝てない。
 現ゲームのままの方がリアルといえばリアルか。

(ここまでの話は信長の野望
 「武将風雲録」〜「烈風伝」を基にしています。)
posted by PON at 00:31| ☁| Comment(3) | TrackBack(5) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>宋江様
管理人PONです。
こういう話を思いっきりできる
相手がいるというのは
とってもいいものですね!
さて、上泉信綱の合戦シーンは
コミック「寄生獣」でおなじみの
作者 岩明均の歴史短編集
『雪の峠・剣の舞』に
ちょこっと出てきます。
(主人公ではありませんが)
ご存知かと思いますが一応↓
http://kodansha.cplaza.ne.jp/hot/shyohyou/books/2001_04/0406_F.html

また、彼と彼の弟子である
疋田文五郎、
更には柳生宗厳、
伊東一刀斎などは
スラムダンクの作者の「バガボンド」
に出てきますね。
これもご存知でしょうが。

別作品で世界がクロスしているのを
発見するとどうして
こんなにうれしいんだろ?
またよろしくお願いします。
Posted by PON at 2005年05月08日 15:00
遅くなりました。どちらにお返ししようか迷いましたが、こちらに。
あれから上泉についていろいろ調べてみたのですが、上泉はもともと合戦も強かったみたいです。ゲームでも強いのはおそらくたまたまだと思われますが…。
でも仰られるとおり、光栄は剣豪の扱いに困っているみたいだと、私も云われて感じました。

丁寧にコメント有難う御座います。
これからもちょくちょくのぞかせてもらいます。
Posted by 宋江 at 2005年05月04日 14:30
TB有難う御座います。
信長の野望をやっていたり、歴史好きの人間にとってはたしかに仙石秀久の人選は驚きだったと思います。
というのも、私も光栄シミュをやってきた人間なのですが、三国志の方ばかりで信長は手付かずでした。それがたまたま手にした廉価版で信長をはじめるようになり、ちょうどセンゴクが始まったのもその頃だったので、新鮮な気持ちと共に「うわぁ、仙石かよ」と思ったものであります。

話変わって、私はどうも上泉信綱が合戦も強いのが納得いきません(嵐世記)。
Posted by 宋江 at 2005年04月26日 00:47
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