オレオレ詐欺が世の中でメジャー化し始めた頃の話。
PONの実家にも詐欺電話が来た。
前線の電話かけ係に従事する兵隊さん
(ほぼドキュンであることは疑いないところだが)も
大変ゴクロウなことだ。
その仕事に対する情熱をヤミ業界ではなく
まともな業界で発揮すれば、なにも怖いことなど
ないと思うのであるが・・まあそれは言うまい。
もしもし我輩は息子だが風邪で声がオカシイのだ、
それと携帯電話を無くしたんで番号変更したよん、
といった、非常にスタンダードなスクリプト。
自慢するが、この電話がかかってくるだいぶ前から
PONは親に電話するときには折りにつけ
「もしもし、オラだけど」と敢えて
「オラオラ」電話を実施してきたので、
詐欺電話の最初が「オレだけど?」という声に、
母親はオカシイなと思ったらしい。
思ったけど、日常生活が忙しく
息子が発するSOSをすっかり忘れ
そんなに金に困ってるんなら、また電話してくるだろ、の
スタンスで構えていたらしい。
そんな折、なんも知らんホンモノのPONが親に電話。
PONを名乗るアフォがいたことが発覚。
親が言う「新しいPONの携帯番号」という
犯人指定の番号へ駅から公衆電話してみた。
P「あの〜ウチに電話しましたよね?
アンタだれすか?」
犯「ああーーん?なんだテメーは
押しかけるぞ?」
P「この番号に電話するよう、うちの家族の者に
言ったのはあなたですよね?」
すると犯人は・・
犯「なんだよ、ヒキョーじゃねーかよ
公衆電話なんかからかけてきやがって。
今、オレは旅行中なんだよ。
オラ、切るぞ。ガチャ。ツーツー」
公衆電話から電話して、卑怯者呼ばわりされたのは
初めてだった。
なにやら小声で女性とやり取りしている
気配も伝わってきたんで
電話かけ兵隊Aは、ホントにカノジョと
外出中だったのかもしれない。
その意味では愛すべき愚直なアホだった。
警察の調べでは「オレオレ詐欺」に引っかかる連中の
6割は「オレオレ詐欺」という手口を知っており
それでもなお、詐欺に引っかかっていると聞く。
まさか、私がだまされるハズが無い、という
根拠不明の自信に加え、なにより
身内の恥は隠し「金で解決できるならそうしよう」
と考える浅ましさがあるからだろう。
PONがいつも不思議に思うのは
交通事故の示談に金が必要、ってならまだしも
女をはらませたんで慰謝料が欲しいとか
会社の金を使い込んでしまったから建替えてくれ、とか
そんな話が電話口から聞こえてきたとき・・
ウチのミウチがそんなことするハズがない
うちの子に限ってそれはありえん!
・・これはおかしいぞ?
どうしてトッサに、そういった気持ちが
肉親からでてこないのか。
「まず金で示談を考える」の裏に
ああ、我が不肖の孫ならやりかねないな・・
そう言った気持ちが根底にあるように
思えてならない。
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ラベル:オレオレ詐欺