ブックオフの100円文庫コーナーは
素敵なお友達です。
最近ハマってるのが
「角川ホラー文庫」シリーズ
イイですよ〜。
「はよ着け目的地」が
「もう着いちゃったのかよ!この電車」に
変わりますから。
当たり外れも多いんですけどね。
今回のは当たりでした。
<あらすぢ>
僕は藤山真介。徳田と河合、そして
転校していった友達は、本が好きという
共通項で寄り集まった仲だった。
町おこしイベントの失敗がもとで転校を
余儀なくされる同級生、横行するいじめ、
クラス中が熱狂しだした「植物占い」、
友人の行方不明…。混沌とする事態のなか、
夏休みの親子キャンプで真介たちが
目の当たりにした驚愕の事実とは!?
子どもたちの瑞々しい描写と
抜群のストーリーテリングで全選考委員を
うならせた
第八回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。
ホラーを求めている読者には
この「あらすじ」読んでも
なんかツまらなそう・・とか思いませんか?
最初は自分もそうでした。
子供が主人公の作品には
あまりいいのがないし。
読み始めは「ぼくの夏休み」みたいな
地方都市を舞台にした
少年少女の夏の成長物語だったんだけど・・
途中からは読むのやめようかな、とすら
思ってたくらいなのに
最終的にはトンでもない方向に
話が暴走してしまった。
少年の瑞々しい語りがつむぎだす
彼らの生活に、PONも主人公の少年に
感情移入したいのに、したいのに
後一歩のところで
この少年は「クソ餓鬼」と化す。
原因は折につけ出てくる
八重垣という少女への壮絶な「イジメ」。
止めないだけでなく
それに加担する事に
何の疑問も持たないあたり、
それまでがの描写が、
知性を感じる小学生であるだけに、
非常にアンバランスで
奇妙にリアルな「小学生」が
うまく描かれていると思った。
中盤以降、
「この作者はどのように話の収拾を
つけるつもりなんだろう?」と、
残ページと相談すらしてしまいましたよ。
だけに、ラストの力技はもう笑えました。
リアリティーとか細かいところでは
突っ込みどころ満載ですが
「角川ホラー文庫」ですから
楽しめたことでヨシとしましょう。
主人公に陰日なたと付き添い、助力してくれていた
ある登場人物がラスト近くで主人公に言います。
「残酷な子供たち。わたし、
あなたたちのことが大っ嫌いなの」
この一言こそ作者は書きかったのかもしれない。
誇り高き少女「八重垣」さんの生き様を
小説で、ぜひ出会ってあげてください。
日本語としては読みやすかった部類に入るよ。
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<以下少々、ネタバレ>
・あっさりと味方が死んでしまうこと。
・主人公達は
「京極夏彦が大好きな読書好きの小学生」
という嫌な奴らで、明らかにされる真相を
彼らだけでどんどん理解できる
スーパー小学生だったけど、
本来は「船越栄一郎」あたりが演じそうな
主人公を無理に小学生化するための
後付設定のように感じられた。
要するに無理がある気が。
・「植物占い」は作る必要があったの??
・途中からPONの中で「八重垣」さんは
綾波レイ!になってた。
・無論、女性レポーターは「ミサト」さん(笑)