「輪廻」大石圭
<あらすぢ>
昭和45年、群馬県のホテルで起きた
大量無差別殺人。法医学教授の大森が
自らの家族も含め、宿泊客、従業員ら
11人の命を奪った。動機は不明。
大森も謎の死を遂げ、警察は狂気の犯行
として片付けた。そして35年後の現代。
映画監督の松村は、この猟奇事件の
映画化に取り組んでいたが…。
日本人初、全米ナンバー1を獲得した、
清水崇監督・最新作を完全ノベライズ。
大石圭作品なので
文体も読みやすかったし、
気が付くとページも進んでしまう
先の見えない面白さはあった。
あと少しで突き抜けた傑作に
なりそうだったけど、
所詮は他者作品である「映画」作品の
代作に近い小説化であるからか
さすがの大石圭氏も自由奔放に
書けなかったきらいがある。
そのためかも知れないが
ちょっと納得いかないというか
なんじゃそら?って感じも受けた。
あと、殺されまくった登場人物
一人一人の背景描写が
見事に書き飛ばされているので
(確かに大筋には関係ないから
やむを得ないとも言えるけど)
作品の奥行きに欠ける。
それから「ネタバレ」に近いが
生き残った「妻」にはもう少し
状況解決に一役買って欲しかった。
あれじゃあ、結局彼女は
事件後の35年間
ぼーーっと暮らしていただけじゃない。
「妻」の奮起に期待。
作品としては「中の中」かな。
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>納得ですねぇ。
有難うございます。
ここのところ角川ホラー文庫を立て続けに
読んでしまいましたよ。
大物では「リング」とかも
既に読んでいるんですが結構前なんで
忘れてしまいました。
>読みやすくはあるがイマヒトツ感
>がぬぐえないというか・・・
「さっぱり」してるんですよね。
読み易くて自分は好きだけども。
>和製ケッチャム
ロバート?(それは「ミッチャム」)
>一人一人の背景描写が
>見事に書き飛ばされているので
納得ですねぇ。
大石氏は、題材とか激しく私好みなんですが、↑のおかげで読みやすくはあるがイマヒトツ感がぬぐえないというか・・・
↑の点が改善されれば、それこそ和製ケッチャムとして拍手したいところなんですケド。