2012年01月08日

バトル・オブ・ロサンゼルス

バトル・オブ・ロサンゼルス 
〜 Battle of Los Angeles

かつて「ロサンゼルスの戦い」ってのがあった。
本当にあったんだって。詳細はWikiで。

日本軍の真珠湾攻撃でピリピリしていた
アメリカ西海岸で自作自演パニックが発生。
居もしない日本軍あいてに戦争したらしい。
実のトコそれは宇宙人の強行偵察であって
このたび彼らはその復讐というか
本格的侵略にでてきた。

それら一連の侵略行動を描いた作品が
「スカイライン」など、立て続けにハリウッドで映画化されており
その第一弾としてバトルロサンゼルス
だと思い、TSUTAYAで借りたんだけど

・・騙された。

これ、便乗品のC級(B級ですらない)
ビデオ映画でありました。
コイツは「バトル・オブ・ロサンゼルス」
本物は「世界侵略:ロサンゼルス決戦」

どおりでね。
ビックリするぐらい詰まらなかった。
宇宙人と戦うアメリカカリフォルニア州兵の姿を
ジブンは睡魔と戦いながら見たんだけど、
かなり苦痛だった。
あらすぢ
ある日、直径数キロにおよぶ巨大な未確認飛行物体が
ロサンゼルス上空に飛来した。空軍が出撃するが、
迎撃部隊は潰滅してしまう。激戦が続く中、空軍基地に
第二次大戦時の戦闘機が着陸する。操縦していたのは
1942年の“ロサンゼルスの戦い”で行方不明になっていた
ロジャース大尉だった…。

***********************

まずCGがチャチ。こんな低予算映画でも
昔のジェラシックパークバリに
CGが導入されるようになり、そんな意味では
映画界底辺へのCGの浸透を実感しましたが
でもチャチいものはチャチい。

敵UFOの発進シーンはちょっと斬新だったかな。

とにかく各シーンが間延びでイライラさせられる。
せっかく低予算の中から見せ場を作ったんだから・・と
一秒でも水で薄めて長く使おうって製作者の姿勢が
アリアリ。

基本はアメリカ州軍VS宇宙軍の戦いです。
敵機来襲!ってことで州兵の皆さんは
こういう映画では珍しく迅速な基地司令官の指揮もあって
武器庫へ駆け込むのです。それはいい。けど
その武器庫が「掘っ立て小屋」で、
壁なんか単なる波板なのってどうなのよその辺?
案外それがアメリカンスタンダード、
武器管理の実態なんじゃないかって
本気でユルさを信じてしまいそう。

そして戦闘。大きな戦いは連邦軍(米国本軍)に任せ
我々はふるさとを守るのだ!
というのも、まあいいでしょう。
でもさ、いくら州軍でもさあ・・M16やマグナムを
空中にいくら乱射したって・・そら当たらんよ。
たとい当たったところで落ちないだろ。
州軍には対空ミサイルや対空砲は未装備なんか?

待ってましたの空軍力。でも州軍なんで
戦闘機はF16ばっかり。
州軍ってとこは、平時は「民間人」が大多数とか
聞いたことあるけども、アーンステッドという
パイロットが、いざ出撃って時にビビってしまい
滑走路をふさいでしまう、
まったくもってどうでもいいシーンがありまして・・

指令官 「アーンステッド、発進しろ!」
アーン (ビビって)「あわわ・・・」
指    「何やってんだ!」
アーン (ボー然)「・・・・」
女パ  「もーワタシが先に行くわ!!」

こんなことの繰り返しを数分。
要らんだろこんな描写。
なんかジョンカーペンターのゼイリブの喧嘩シーンを
彷彿させたが、当然、敵機は待ってくれないので
地上のF16は、アーンの野郎のせいでほぼ全滅。

豪快な割にリアリティに欠ける爆発のなかで
アーン機も死んでいるものだろうと思ったら、
アーンは出撃してやんの。なにそれ?
予算的な都合でF16を大量に空中乱舞させるのが
難しいので、出撃するF16が妙に少ない理由を
ヤツの所為にしておきたかったとか??

しかもアレだけ犠牲を出して出撃するも
当然ながら彼はまったく戦力にはならず、
観客をも置き去りにしたフシギな演技だけを残し
彼は雲の向こうへ消えるのだ。
いったいなんだったの?ヤツ?

こういう映画にありがちな、アジア系気の強い女性
パイロット(アーンステッドを押し退けて出撃したのは彼女)
は、言うだけのことはあって奮戦してたけれども
敵機のビームを3回も受けてまだ飛んでるってナニ?
頑張りすぎですよ。カテジナさん。
墜落した彼女のF16は地上で串刺しになっているし。
どんだけ丈夫なんだよ。F16、カテジナさん。

死んだと思われていた州軍の基地司令官。
パットン将軍がカウボーイにジョブチェンジした様な
典型的アメリカのジイさんキャラですが
コイツが妙にモノわかりよく、
宇宙人襲撃中のドサクサに突然戻ってきた
第二次世界大戦時のパイロット
(コイツがタカ&トシのボケる方に似ている)を
ひと目見るや、こいつを護衛してMJ12へ
連れてゆけと命令。
かくして話は突然プライベートライアンになるのでした。

それにしても今時、MJ12(マジェスティックトゥエルブ)
とは。久々にその言葉にぶつかりましたよ俺。
今や雑誌ムーでもあつかわないんと違います?

しかもそのMJ12は基地から800メートル程先に
あるらしい。
ちかッ。そんな近いんか。

場面はMJ12へ向けた地獄のローカル戦闘に移りまして・・
敵の殺人ロボが登場。見た目、家電製品の寄せ集めで
頭頂には機関銃一丁。
こいつの姿を見た瞬間、やっとジブンは
「まちがった作品を借りてきてしまった」
という結論に達しました。

他にもブレードランナーに出てきたスピナーを
小型化したような敵の威力偵察機。
ターミネーター世界にも出てきそうだけど
こいつがいかにも「弱点」ですよ〜という銀の玉を
目の前にフヨフヨぶら下げながら飛ぶ。
んで結構手ごわい、つうか、もともと護衛兵も
それほど精強ではないし、生きるか死ぬかって時に
仲間割れしてるしで、そもそもが全滅して当然なんだが
・・一応ピーンチ!やばいぜ全滅かッ?

そのとき現れたのが、ニンジャ剣を背中に背負った
女戦士「カーラ」
まさかと思ったけどMJ12所属。
あんまり遅いからお迎えに来たらしい。

でもイキオイがよかったのは最初だけ。
そのまま劣勢になって一同はかくれんぼに突入。
小型スピナーも生命探知機とか
せめてサーモグラフィーくらい持っていて欲しかったが
かくれんぼ作戦の前にいなくなってしまう始末。

こうなるともうどっちもどっちだ。

やっと連れて行った地下の秘密基地MJ12において
一党は衝撃(というほどでもないです)の事実を知る。

観る人もあんまりいないと思うんでネタバレするけど・・

昔からMJ12には捕虜にしていた同属の宇宙人がいまして
どうも今回の本格的襲撃は、その宇宙人を救出するために
実施されたものらしい。ここまで連れてきた第二次大戦の
タカ&トシ似パイロットは、いままで時を越えて
拉致されていたんだが、なにか重要なメッセージを
宇宙人に託され、引き換えに今回、解放されたんだそう。
そんなの危ないヤツに決まってるじゃんなあ。



はい、危ないヤツでした。

見かけは人間だけどしっかりと、いわゆる「インプラント」
されていまして、それが秘密基地で大暴れ開始。
周囲を惨殺し、捕虜宇宙人を解放して逃げだす。
それでは収まりがつかないってんで
例のキルビルもどきねーちゃんと黒人兵士は
苦労の末、宇宙船に潜入。
宇宙船の中心に鎮座ましていました宇宙人の親玉
イカだかタコだかの化け物と対決、勝利する。

あくまで局地戦での勝利であって
全体の戦局にはまったく寄与しないまま終了。
(追記:え?あれマザーシップだったの?まじで?)

ふう・・。
んーどうしよう・・観んの止めようかなあ。
「世界侵略:ロサンゼルス決戦」

監督: マーク・アトキンス
製作: デヴィッド・マイケル・ラット
製作総指揮: デヴィッド・リマゥイー
脚本: マーク・アトキンス
撮影: マーク・アトキンス
出演: ケル・ミッチェル
   ニア・ピープルズ
   ジェラルド・ウェブ
   ティム・アベル
   ダリン・クーパー

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この マーク・アトキンスさんって検索してみたんだけど
よくもまあ、ゴミ作品を作ること作ること。

ずーっとB級ビデオ作品の撮影係だったようだが
最近ボツボツと監督業に進出しているみたい。

うちの妻にしてみれば、
どれも同じ脳味噌筋肉ドンパチモノじゃん、と
断罪されかねないけれども

おなじ脳筋モノでも、やっぱ作り手のセンスと
なにより予算で、ずいぶんと違ってくるものですな。
posted by PON at 21:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(ハ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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