「角川ホラー文庫」ですが
PONの近所のブックオフ100円文庫棚から
めぼしいものは読み尽くされつつあります。
誰かが早いところ売ってくれないと(苦笑)
そんなわけでいきなり手にしたのがこれ。
横溝正史氏の「八つ墓村」
<あらすぢ>
鳥取と岡山の県境の村、かつて戦国の頃、
三千両を携えた八人の武士がこの村に落ちのびた。
欲に目が眩んだ村人たちは八人を惨殺。
以来この村は八つ墓村と呼ばれ、
怪異があいついだ…。
PONの中でのキーワードは二つ。
「津山30人殺し」と
「たたりじゃ〜!!
八つ墓村のたたりじゃ〜っ!」
特にこの「たたりじゃ〜!!」は
「志村けん」がこう叫んで
大騒ぎしていたことを思い出す。
これは作品に出てくる
「濃茶の尼」(こいちゃのあま)の
迷フレーズだったんですね。
「濃茶の尼」とは「八つ墓村」在住の
ちょっと気の触れたばばあです。
多少ネタバレなれば
彼女は結局話を「引っ掻き回した」挙句に
殺される役なんですが
彼女の「基地外」ぶりは
不気味な「日本の田舎」の象徴として
映画「エイリアン」で言えば
「スペースジョッキー」の如く
当時の1977年版「八つ墓村」映画CMで
さんざん、放送されたようです。
おかげで
「なんやワカランが
日本の田舎には、子供が触れてならぬ
闇の部分(要するに化け物)が
存在するんだなあ」
という、要らぬ先入観を、
我々ガキどもに植えつけてくれました。
ここまで「濃茶の尼」が
クローズアップされたのは
タダでさえ陰々鬱々な「日本的ホラー映画」に
少しでもお客が来てもらえるよう
解かり易い「モンスター」的要素を
前面に押し出したのでしょう。
ただ、PONが間違っていたのは
1977年映画版は
「角川映画」かと勝手に思っていたら
「松竹映画」だったことです。
小説自体は、実は1950年ごろの作品
ですから、時代背景も古く
文体も読みにくいのでは??と
これまで勝手に敬遠していたのですが
なんのなんの。
申し訳ありませんでした。
横溝先生。
最近のラノベなんかよりも
はるかに読みやすく、面白かったです。
自分が、この小説を理解できるだけの
知識を身につけることが出来た「証」
ともとれますが。
そうですね。
「かまいたちの夜2」が好きな人だったら
アッサリといけるんではないでしょうか?
デキは「上の中」ですかね。
「怖さ」という点では今一歩ですが、
意図的に怪奇モノとして
映画でビジュアル化したならば
まあ、それはそれで。
「私が恐れたものは
わけもなくそういう扇動にのる
村のひとの心であった」
「殺人事件で動機がうまく隠せたら
犯人の計画は半ば以上成功です」
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犯人は結構
最初の方で解かったけど
それにしても「横溝小説」の犯人は
皆さん、殺人に凝りすぎ!!
まさに「劇場型犯罪」って感じ。
人殺しに
そこまで骨折りせんでも・・・。
すっかり常連さんで。どうもです。
「獄門島」はもう少し後に
記事としてアップする予定ですので
そちらも併せてご覧下さい。
それにしても・・このまま行くと
昔の殺人は良かった。格調高かったもの。
それに比べて今の殺人は品が無い!
とか言ってしまいそうですのぅ。
昔だろうと、今だろうと
殺人は殺人、ってゆーか
もともと「フィクション」なんですがw
この頃の「小説は」殺人ですら
「ミステリー」を表現するための
お題目に過ぎず、「犯人」とその「過程」を
楽しむのが主目的だったようにも感じられ。
今だったら即物的に「グロ」を見たいから
意味ない残酷描写をつづるだけでしょう。
ていうより、理由すら要らない。
そういえば、会津の母親殺しは
続報が無いなあ。神戸のShoolKiller事件では
あんなに騒いだのに。
あれも「理由」なんか無いのかもな。
(それが伏線でもあるのですが)、
相関図を書かないと関係が把握できない事があるという特徴が
ありますw
八つ墓村、本陣殺人事件、悪魔の手鞠歌、犬神家の一族、獄門島、迷路荘の惨劇、悪魔が来たりて笛を吹く
そして「金田一耕助最後の事件」こと「病院坂の首縊りの家」
率直に「殺人」と入ったタイトルは少ないのですが、
むしろ「何かありそう」な怪しいタイトルが目白押しです。
105均で買えるのなら、他のもお試しあれ^^