「陸奥」とは太平洋戦争に至るまで
国民的戦艦として親しまれていた
「長門(ながと)」の姉妹艦。
昭和18年、日本の基地内にてナゾの
大爆沈を遂げてしまった不運な戦艦。
PONも以前、船の科学館にて
引き揚げられた「陸奥」の大砲身(一本だけ)を
触ってみた経験がありまして。
妙に気になったんで読んでみました。
<あらすぢ>
吉村昭氏が得意とする「記録文学」の名作。
名前の通り、「戦艦陸奥」の爆沈の原因までを
探っていくドキュメンタリー。
PONも爆沈したことは知っていたけど
ここまでは知らなかった。
おそらくこの小説のことは
かなり真実を突いているものと思われる。
興味深かったのは精強を誇り、
諸事、スマートを旨としていた
旧帝国海軍にもかくも多くの不祥事が
あったということ。
(陸奥以前にも軍艦なのに、戦う前に
勝手に沈没してしまった軍艦が結構
あるらしい)
「いくら精強を誇る組織とはいえ
あれだけの人数がいれば
そりゃあ多少おかしい奴もいるさ」
作中で、ある証言者がこぼしていたセリフが
心に残ります。
著者が最初は乗り気で無かったところが意外。
それと言うのも、これまで吉村氏が
好奇心の赴くままに書き上げていった
いくつかの記録文学だが、どうしても
世代的なものもあって戦争の話が多い。
それらが、戦後から今も続く「軍国バンザイ」風潮に
甚だ不本意ながら、荷担しているように
思えてならないからなのだそう。
作家稼業もいろいろ大変だ。
作者が最後にたどりついた「事実」は
「真実」だったのかどうか。
最後に・・(ネタバレ)
爆沈原因は「おばけのQ太郎」
※「吉村昭」氏は
2006年(平成18年)7月31日に
お亡くなりになったそうです。
ご冥福をお祈りします。
※この記事を書いたのはかなり前だったんですが
自分で書いたくせに
「爆沈原因は「おばけのQ太郎」」の意図が
さっぱり判りません。何を書いたつもりなんだろうか?
当時の自分??
誰かご存知ないですかね。
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しかし・・
「陸奥」って名前の船は
不運な船が多いような。
「原子力船むつ」も。
>陸奥爆沈に触れた書籍もいくつか読みましたが、
絶対にそうだろうな〜と思ってました。
>しごきに耐えられなくなった
>水兵さんが自殺したとか、
それも、この本に書いてあった気もしますが
それでも「おばけのQ太郎」は
関係ありませんよねw
>「機雷が落ちていた場所に
>陸奥が係留した事を指摘した方
案外そんなところかもしれません。
海軍の人的ミス=恥であれば
絶対に真相を隠そうとするでしょうし。
まして戦争中であったならばなおのことです。
まあ、亡くなられた方にはお気の毒ですが
「陸奥」が残っていたとしても
最終的には原爆の実験艦になっていたでしょうし。
さすがに「スパイ」の仕業と言う話は
無さそうですね。これが日露戦争時だったら
大変な事だったでしょうけれども。
戦記は私も読むので、陸奥爆沈に触れた書籍もいくつか読みましたが、諸説あるようですねえ。ただ、しごきに耐えられなくなった水兵さんが自殺したとか、そういう手の話を読んでいた記憶がありましたが、最近読んだ中に、機雷が落ちていた場所に陸奥が係留した事を指摘した方の手記がありました。・・・しかし、謎ですね。