CSチャンネルで放映してたもんで録画しといた。
以前地上波(たぶんTOKYO MXテレビ)で
放映していたヤツ、途中までしか録画して
なかったんで、ヨシ、今回こそは全部観てやるぜ
と楽しみにしていたのだが・・
結論は自分の猛烈なカンチガイ。
おなじ「日露戦争 日本海海戦」を扱っている
映画は東宝版と東映版があったのです。
自分が以前途中まで見たのは1969年の
東宝版、こいつは1983年の東映版でした。
そしてそのデキは雲泥の差。
<あらすぢ>
明治三十八年。日露戦争は勃発以来二年目を迎え、
大国ロシアと近代国家を目指す日本との大海戦が、
いまその火蓋を切ろうとしていた。
この決戦を迎えるに当って、東郷平八郎はじめ
司令部が頭を悩ましたのはウラジオストックに
入港するバルチック艦隊が、どの航路をとるかであった。
一つに対馬水道を通って日本海を最短で入港する
コース、いま一つは大平洋側を通って津軽海峡
または宗谷海峡を横断するコースである。
連合艦隊を三分したのでは勝ち目はなく、今、決断が
迫られていた。
その頃、連合艦隊旗艦三笠の軍楽隊に、神田
源太郎が配属されてきた。軍楽隊は軍艦の入出港、
閲兵式等に演奏を主にする楽隊であり、直接戦闘員
でないことから軍隊での立場は低いものである。
その源太郎のもとに恋人せつが面会にやって来た。
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この東映版のほうは、日本海海戦よりも
軍楽隊の沖田浩之と国会議員の三原じゅん子の
ぐだぐだな恋愛が全2時間半のうちの1時間くらいを
占めるイキオイでしてね。あらすぢでいうところの
「その頃〜」以下を映画化したかったのかも多分。
やたらと気が強い芸者?三原じゅん子。
一度は彼女と結婚を約束しながら、結局
召集されたために身辺整理の意味で
東京にじゅん子を捨ててきた沖田浩之。
そんな二人が呉の花街で再会。
なだめてすかしてエッチして、そんでもって
張り手打ち。死ぬ死ねと最後は心中騒ぎ・・
そういうスッタモンダは、映画が始まる前に
終わらせておけと。そんな修羅場を見るために
我々は画面の前にいるんじゃないんだよと、
ぜひE気持ちなヒロくんに強調しておきたい。
当然のことながら庶民の生活とは関係無しに、
史実どおり着々とバルチック艦隊は
日本に接近し、佐藤浩市が隊長の側舷副砲チームと
その部下たち愚連隊(演ずるは東映大部屋俳優群)も
大げさすぎる、キタナイ演技をもって
「最悪の出会い⇒喧嘩⇒相互理解⇒友情⇒戦場」と
いった死亡フラグをちゃくちゃくと立てゆく。
ほぼ予算の都合だろうけれど、話は三笠艦上のみ。
どこに行っても僚艦の姿はほとんどなく
明治の戦艦はあんまり区別がつかないこともあり
戦艦三笠一隻で戦っているように見えてしまう。
そしてようやくの日本海海戦。
下の連中には戦況など全然わかるはずもなく
観劇する側にも(映画側の説明不足・・ではなく)
やっぱりよく判らない。
とにかく撃って撃たれて。
(三笠の命中率は当初3%だって)
どこに居たって敵弾が当たれば手足が千切れ、
いい人悪い人位の上下まったく関係なく吹き飛ぶ。
過剰にスプラッタで、過剰に爆発。
昭慶バクハツに巻き込まれる軍人さんは
ホントご苦労様である。
昭慶バクハツはともかく、戦争なんてそんな
もんだと思う。あんな集団戦にヒーローなんて
生まれない。映画を作る側としては難しいところだ。
戦場で呆然とする水兵。
最初は「殺られる前に殺れ」という恐怖心から
とにかく先に撃ってしまおうという心理が働くが
そのうち、こちらが撃つから目立ってしまい
敵の反撃を食らうんじゃないか・・
そんな心理から反撃しなくなる部署も出てくる。
そこを軍楽隊得意のラッパで士気を高めるヒロ君
だったのでした。このほかにも
意外に演技がうまかった「ガッツ石松」
なぜかこんなところに軍楽隊隊長「伊東四朗」
結構かわいいぞ「三原じゅん子」
大作といえば「丹波哲郎」、そして「三船敏郎」
二度見はしません。
「二百三高地」はよかったのになあ。
日本海大海戦 海ゆかば
監督 舛田利雄
脚本 笠原和夫
出演者 沖田浩之、三原順子、三船敏郎
音楽 伊部晴美
配給 東映
公開 1983年
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