2012年04月03日

「斉藤家の核弾頭」篠田節子

「斉藤家の核弾頭」篠田節子 著(朝日文庫)

ひさしぶしに立ち寄った例の古本屋。
100円コーナーにて。
表紙がいまいち(メルヘンというか家庭雑誌
の差込イラストみたい。リアルだったら
エグイので、これでよかったのだろうけれど)
だったんで食指が動かなかったが
他に気になる文庫がなかったんで購入してみる。
こういう買い物しちゃうから儲かるんだよな。
例の古本屋さんは。

あらすぢ
内容(「BOOK」データベースより)
われわれは、日本に宣戦布告する!!そもそも
「特A級市民」というエリート中のエリートだった
私が、なぜ政府より、理不尽な転居命令を
受け続けなければならないんだ!
もうこうなったら…。ついに爆発してしまった
斎藤総一郎、心の叫び。
2075年、「国家主義カースト制度」により、
高度に管理された、ニッポン。
住民たちと核爆弾を作りあげ、祖国と対決する
斎藤家の明日は、何処に。

内容(「MARC」データベースより)
「国家主義カースト制」によって超管理国家となった
2075年の日本国・東京。住み慣れた家を政府の策略
により追われた斎藤家の家長・総一郎は、政府の
汚いやり方に怒り心頭。家族を守るために核弾頭を
手に立ち上がる。

***********************

うーん。最後がまさかひょっこりひょうたん島とは。
かなりディティールが大雑把な小説で、緻密な
科学的遊戯を楽しむはずのSFではくくれそうにないし、
これは一応コメディーなんだ、と最後のオチで
そう納得することにしました。

これが書かれたころには、まだ311も
福一の原発事件も起きていなかったわけですが
そのワリに、うんうん、この国の政治家と官僚(役人)
ならやりかねないな、というような描写が多くありまして
そんなところは、とぼけた味わいながら未来を
冷たく描写する小説でありました。

・役人はいつの時代も役人
・法は権力者のためにある
・国家は市民など眼中にない


ちょっとウルっときたのは、斉藤家の末っ子(だった)
女の子「小夜子」の存在。あの「ばけもの」め、とか
母親にいわれてしまうような思わせぶりの登場。
この物語は「斉藤家VS役人」の喧嘩がメインなんで、
なんでこんな設定の子供がいるんだろう?と
最初は思ってた。

 物語の日本政府は、女という奴はウーマンリブ
運動のように、扱いをよくすると増長してロクなことに
ならない。それは20世紀で証明されているのだ。
国力増強のため(一級市民とのだけ)子供を生む
機械に徹するべし。
 しかし子供が大きくなって親離れすると、女は
虚脱感にはしる傾向があり、これは国にとっても
好ましくない。であるから、たくさん子供を生んだ
家庭の末子は、遺伝子操作することで成長を止めさせ
母親のためにほうびとして永遠に乳児であるように
した(以上、小説の中の日本政府の話ですから)

そんな国家の命令で生まれた「小夜子」。
イタリー製ホラー映画「エンブリヨ」の
あの女性みたいなもんです。
その未来はまるで違ってしまったけれども。

主人公の斉藤家の家長、総一郎。ずば抜けた
頭脳をもつ、元「特A級市民」なはずなんだが、
どこかずれていて、読者としてはしっくりこないまま
話が進行する。しかたないから暫定主人公として
彼の奥さんを応援するも、最後、真の主人公は
この「小夜子」と確定した。



この本が天下の「朝日」から出版されているあたり
なるほど、そうだろうな、と納得する。

著者:篠田節子
題名:斉藤家の核弾頭
出版社:朝日文庫
発行:1999年11月第一刷(ハードカヴァーの初版は1997年)
外形:文庫判,514ページ
ISBN: 4-02-264218-1

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核といえば・・

今でこそタブーな空気が漂う気もしますが
1950年代のアメリカやソ連では
普通に使う気マンマンであったようだ。
以下はその実例。

対空核ミサイル
冗談みたいだけれどホントにあった兵器。
ウンカのごとく湧いてくるソ連の爆撃機や
核ミサイルを、ちまちま撃墜していらんね〜。
だったらこれでまとめて落とそう・・そういう発想。

核バズーカ(正確には核迫撃砲?))

冗談みたいだけれどホントにあった兵器2。
毎度強奪されるガンダム2号機の持つような
モビルスーツ用のバズーカじゃないぜ。
歩兵が持つバズーカだ。
死ぬじゃん。間違いなく。撃った人。
射撃主は逃げてください。つかか絶対撃たないで。

核ロケット砲
冗談みたいだけれどホントにあった兵器3。
歩兵用核バズーカよりは若干マシになったけどさ。
撃ったら撃った人間も死ぬという点では
全然変わらない。

核魚雷、核爆雷
多少狙いがそれたって核兵器なら
相手に被害を与えることが可能だ!という
非常に乱暴なコンセプトの兵器。
いや核そのものが乱暴であり論外なのだが。

核地雷
いったい何に使うんだろう・・。
いや人殺しには違いないにしても。
ひとまず作ってみたってことだろうか?

核ミサイル迎撃用核ミサイル
これも何の冗談なのかとも思うけど。
そもそも弾道ミサイルを迎撃するのって
ピストルの弾をピストルで撃ち落すようなモノ
なんだそうで、今ほど精密誘導技術がない昔のこと。
そら当たらないだろうけどカスればOKという
コンセプトでの開発だったんでしょうね。
敵の核ミサイルは打ち落とせるかも知れないが
ジブンとこの核で国土が汚染すること必至。
さすがに使用停止する。よかった。

ソ連なんか
穴掘りたいなー、それも超デッカイの
 ↓  ↓
核爆発で穴掘り
これを平和的核爆発とゆー。
posted by PON at 21:00| 神奈川 🌁| Comment(1) | TrackBack(0) | 読書(SF) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
原発 地雷 で プログ検索中です
テレビ 新聞で 自民党 圧勝の支持率ですね。
このままだと 自民が 過半数を 決めて、衆議院を 決めたところは 参議院も 決めるという説もあるとか?
そうすると 自民党の公約の政策を 始める日本ですね。
民主党に関しては ネット見ていると 不人気かなぁ?
少し ホローしたいけれど やめときます。
第3極も 今のところ 議席過半数に なる ことは ない支持率ですね。
第3極で 終結するとしたら 未来の党になるかなぁ
消費税増税反対 TPP反対 脱原発 
脱原発に関しては ある程度の政党は 脱原発かなぁ
オザワさん 岩手県出身 亀井さん 広島出身 滋賀県には 3つ原発があるのかなぁ。
TPPにしても 国防費についても 20年か30年前から 政治で やっていますね。
今すぐ 政策に進むというのも 心の準備が できていない私です。
国防軍とか 老人達に 聞きたいです。
消費税増税も TPPも 失業者が かなりでるのかなぁ?
国の税収(歳入)は やれるのかなぁ?もっと増税〜ないと願います。
このままいくと 自民党政策ですね。
Posted by 村石太ダー&コピペマン&ザード at 2012年12月13日 21:04
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