2007年05月25日

「ぼくは痴漢じゃない!」鈴木健夫

「ぼくは痴漢じゃない!
 〜冤罪事件643日の記録〜」
鈴木健夫 新潮文庫

結論から言えば・・

「駅で痴漢呼ばわりされても
 本当にやっていないのであれば
 駅事務所、もしくは警察に連行される
 のを従容として受け入れてはいけない!」
(連絡先は教えて立ち去るべき)

「警察の仕事は真実を解明することではなく
 怪しい人間はかたっぱしから
 捕まえるところに過ぎない」

「裁判とは、これまた真実の究明する
 場所ではなく、警察と検察が作り上げた
 作文=「調書」を裁判官に気に入って
 いただけるか否か?を単に
 やり取りする場である」

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<あらすぢ>
ある朝、通勤電車の乗り換え駅で、若い女性に
腕を掴まれ、「触ったでしょ!」と糾弾された
一人の会社員。駅員に諭され事務室に行くと、
現れた警察官はすでに彼を痴漢扱い。
そのまま留置場に放り込まれ、ベルト
コンベア式に犯人に仕立てあげられて…。
2年の歳月をかけ、仕事と金を失いながらも、
逆転無罪判決を勝ち取った痴漢冤罪被害者の
渾身の手記。

前半は「冤罪体験者渾身の手記」
後半は彼の弁護活動を補佐した
弁護士の口述記。

当然のことながら、作者と弁護士が
一体化しているわけではなく
解決した現在に至るまで
「見解の相違」や、職業の違いからくる
「発想の違い」が垣間見えて
読み比べてみると
本当に面白い。

口述筆記しているのは女性の弁護士なのだが
その柔らかな口調とは裏腹に
かなり辛らつであるのは
(敵、味方、司法界、警察、すべてに対して)
職業柄なのか?それともそういう人間が
「法曹界」に流れてゆくのか?

いや、痴漢容疑で捕まったら
振り切って逃走しろ!では無くてね
後ろ暗くないなら、すぐ弁護士を呼んで
その前で調書をとるべきってこと。
間違っても「天地神明に誓って
やっていないのだから、堂々と
警察に行って証明してやる
」なんて
考えないように。
私人による現行犯逮捕ってことにより
 自動的に逮捕扱いになることも!)

本当に、「痴漢」で悩むかわいそうな
女性も居るのは事実だと思うし。
その反面「痴漢」容疑を押し付けて
金を巻き上げる脅迫グループや、
ネットで知り合う「集団痴漢団」ってのも
居るらしいし、どっちもどっちなんだけど。

どっちでもない自分は
ホント、乗車率150%のときは
バンザイしていますか。
対応策はそれくらいしか無いよ。
(そうすっと今度は
 「スリ」被害にあったり(笑))



それから「病院」にもスキルの上下があるように
「裁判所」そして「裁判官」によって
ラッキー(物分りが良い=話をきちんと聞いてくれる)
な所と、そうでないところがある、というのは
新たな驚きだった。
そりゃあそうだな。

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美人の被害者と
油ギッシュな「犯人(扱いの人)」
あなたはどっちの話を聞きますか?
ふつー?

怖いにゃ!

参考「痴漢冤罪の話」
posted by PON at 21:00| 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(社会) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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