2007年05月29日

「チューイングボーン」大山尚利

まいどおなじみ
「角川ホラー文庫」の一冊です。

チューイングボーン.jpg

<あらすぢ>
 “ロマンスカーの展望車から三度、
外の風景を撮ってください―”
原戸登は大学の同窓生・嶋田里美から
奇妙なビデオ撮影を依頼された。
 だが、登は一度ならず二度までも、
人身事故の瞬間を撮影してしまう。
そして最後の三回目。登のビデオには
列車に飛び込む里美の姿が…。
 死の連環に秘められた恐るべき真相とは?

「第12回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作」
なのだそうです。

つまらなかった。
何度か挫折しそうになったもの。

PONがホラー話を読むときは
感情移入した主人公の
ホラー体験にどきどき。
そして彼とともに、コトの真相が
次第に明らかになる段取りを楽しむ。

この作品の主人公「原戸登」は
大学まで出ながらフリーターに
甘んじている、少し引き篭り気味な奴。
貴君の、小説中でぶつぶつ言う
ひねくれた世界観なんか
はっきり言ってどうでもいいわけですよ。
行動なりなんなり起こして、
早いとこ話を進めてくれって
切に願いながら
(中盤までは半ば怒りながら)
読んでました。

文学に「エンターテイメント」
(≒わかりやすい)
は不要なのだ!
と思う方なら読んでもよろしいかと。

作者が変わった表現を作品で試み、
それを読み込めない自分が馬鹿なのか?
理解しづらい言い回しを
わざわざ書き連ねることで
悦に入る作者がヘンなのか?
けっこう微妙なところ。
京極夏彦に近い。
主人公も文体も「息苦しい」ので
時代の底辺層に生きる閉塞感は
うまく表現できていると思うが。

自分にとって定義がいまいちだけど、
「純文学」という分野は
わかる人間にだけわかればよい
難解な文体と思索こそが高尚として
わからない人間は排除して
自己完結しているイメージがある。
だとしたら、この小説は
「ホラー」というよりは「純文学」に近いと思う。

確かに「文章力」は有るかもしれないけど
「面白い小説が書けるか」とはまた別。
PON的スコープでは下の中。

林真理子はこの小説のどこを読んだんのだ?

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・・要するに主人公は
死んだんだろうな。

主人公が動き回るエリアが
PONのそれとかぶる所があって
作中に出てくる場所に
今まさに営業で向かっているところ!
という瞬間があった。
この小説を読んでいて
唯一、びっくりしたポイント。
ま、それくらい。

さらに追記。
ご存知でない方のために・・
小田急ロマンスカーは
小田原(箱根)方面から新宿へ向かう列車のほかに
江ノ島〜藤沢〜新宿へ向かう列車などがあります。

この小説の舞台は後者の「片瀬江ノ島発新宿行き」で
主人公は、片瀬江ノ島駅で「展望席」を陣取るシーンが
あるのですが・・

この、江ノ島発のロマンスカー。
途中駅の藤沢駅が特殊な作りをしているため、
(先頭から駅に入り、出発する時はケツから出てゆく)
初めは最前席に座っているお客も
藤沢駅以降、気がつくと新宿まで
最後尾席に居座る事に。
つまり前後逆転してしまうんですねぇ。

話が成り立たない気が。
(それともPONが読み飛ばしたか?)


posted by PON at 20:00| ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書(ホラー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
素直にVSEの「Sはこね」にでも設定しておけば良い物を、わざわざマイナーな「えのしま」にして自爆したような。ただし先頭側最後尾側の方も「展望席」扱いだった筈なので、そちらだったという事にすれば勘定は合うのかもしれません。
Posted by 北斗 at 2007年06月06日 23:49
>北斗様
おお、ようこそであります。
お元気でいらっしゃいますか。

>わざわざマイナーな「えのしま」にして
>自爆したような。
さすが「鉄」の字。
自分もそう思いました。

>ただし先頭側最後尾側の方も
>「展望席」扱いだった筈なので、
>そちらだったという事にすれば
>勘定は合うのかもしれません。
そうなんですよ。片瀬江ノ島からは
背中からスタートしたんだろうなって
一応想像はつきますけどね。
文体が読みにくいわ、腹立つわで
細かいところまで読み込まなかったんですな。
自分。

でもホントに最初から
進行方向へ向けて座る主人公だったら
この小説が突然「ブラックコント」に
なります。そっちの方が面白いかも。
Posted by PON at 2007年06月08日 23:02
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