「角川ホラー文庫」の一冊です。
<あらすぢ>
“ロマンスカーの展望車から三度、
外の風景を撮ってください―”
原戸登は大学の同窓生・嶋田里美から
奇妙なビデオ撮影を依頼された。
だが、登は一度ならず二度までも、
人身事故の瞬間を撮影してしまう。
そして最後の三回目。登のビデオには
列車に飛び込む里美の姿が…。
死の連環に秘められた恐るべき真相とは?
「第12回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作」
なのだそうです。
つまらなかった。
何度か挫折しそうになったもの。
PONがホラー話を読むときは
感情移入した主人公の
ホラー体験にどきどき。
そして彼とともに、コトの真相が
次第に明らかになる段取りを楽しむ。
この作品の主人公「原戸登」は
大学まで出ながらフリーターに
甘んじている、少し引き篭り気味な奴。
貴君の、小説中でぶつぶつ言う
ひねくれた世界観なんか
はっきり言ってどうでもいいわけですよ。
行動なりなんなり起こして、
早いとこ話を進めてくれって
切に願いながら
(中盤までは半ば怒りながら)
読んでました。
文学に「エンターテイメント」
(≒わかりやすい)
は不要なのだ!
と思う方なら読んでもよろしいかと。
作者が変わった表現を作品で試み、
それを読み込めない自分が馬鹿なのか?
理解しづらい言い回しを
わざわざ書き連ねることで
悦に入る作者がヘンなのか?
けっこう微妙なところ。
京極夏彦に近い。
主人公も文体も「息苦しい」ので
時代の底辺層に生きる閉塞感は
うまく表現できていると思うが。
自分にとって定義がいまいちだけど、
「純文学」という分野は
わかる人間にだけわかればよい
難解な文体と思索こそが高尚として
わからない人間は排除して
自己完結しているイメージがある。
だとしたら、この小説は
「ホラー」というよりは「純文学」に近いと思う。
確かに「文章力」は有るかもしれないけど
「面白い小説が書けるか」とはまた別。
PON的スコープでは下の中。
林真理子はこの小説のどこを読んだんのだ?
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・・要するに主人公は
死んだんだろうな。
主人公が動き回るエリアが
PONのそれとかぶる所があって
作中に出てくる場所に
今まさに営業で向かっているところ!
という瞬間があった。
この小説を読んでいて
唯一、びっくりしたポイント。
ま、それくらい。
さらに追記。
ご存知でない方のために・・
小田急ロマンスカーは
小田原(箱根)方面から新宿へ向かう列車のほかに
江ノ島〜藤沢〜新宿へ向かう列車などがあります。
この小説の舞台は後者の「片瀬江ノ島発新宿行き」で
主人公は、片瀬江ノ島駅で「展望席」を陣取るシーンが
あるのですが・・
この、江ノ島発のロマンスカー。
途中駅の藤沢駅が特殊な作りをしているため、
(先頭から駅に入り、出発する時はケツから出てゆく)
初めは最前席に座っているお客も
藤沢駅以降、気がつくと新宿まで
最後尾席に居座る事に。
つまり前後逆転してしまうんですねぇ。
話が成り立たない気が。
(それともPONが読み飛ばしたか?)
おお、ようこそであります。
お元気でいらっしゃいますか。
>わざわざマイナーな「えのしま」にして
>自爆したような。
さすが「鉄」の字。
自分もそう思いました。
>ただし先頭側最後尾側の方も
>「展望席」扱いだった筈なので、
>そちらだったという事にすれば
>勘定は合うのかもしれません。
そうなんですよ。片瀬江ノ島からは
背中からスタートしたんだろうなって
一応想像はつきますけどね。
文体が読みにくいわ、腹立つわで
細かいところまで読み込まなかったんですな。
自分。
でもホントに最初から
進行方向へ向けて座る主人公だったら
この小説が突然「ブラックコント」に
なります。そっちの方が面白いかも。