映画の名前は聞いたことはあったけど
あんまり気にしていなかった。
いままで見逃していまして
申し訳ありません。
映画にはシュワちゃんもランボーも
ブルースウィルスも出てこない。
苦境をクリアしてくれる英雄がいないのだ。
その代わりと言ってはなんだが
ハメル准将の苦悩は
充分すぎるほど理解できた。
ブラックホークってのは米が開発した
軍用ヘリコプター。それがダウン(墜落)した
ことから負の連鎖が始まる。
誰も助けてくれない。
いつ助けに来るか判らない助けを
ひたすら戦いながら待つ兵士たち。
彼らにしたって、レンジャーや
デルタフォース所属の兵士たちで
一般兵よりもはるかに精強兵だ。
なのに身を守るのが精一杯で、さっきまで
軽口叩き合ってた戦友が死んでゆくのを
見守ることしかできない。
<あらすぢ>
1993年10月3日。東アフリカ、ソマリアの首都
モガディシオのダウンタウンに、100名の米軍
特殊部隊の兵士たちが舞い降りた。彼らの任務は、
現地の独裁者アイディード将軍の副官2名を
捕らえること。当初、作戦は1時間足らずで終了
するはずだったが、ブラックホーク・ヘリが撃墜
されたことから、兵士たちの運命は一変。
スティール大尉(ジェイソン・アイザックス)から
無線で知らせを受けたエヴァーズマン軍曹
(ジョシュ・ハートネット)は、ネルソン
(ユエン・ブレンナー)ら数名の部下に現場の
保守を命じ、残りの部下を連れて墜落地点へ移動。
スティール大尉やサンダーソン軍曹
(ウィリアム・フィシュナー)、マクナイト中佐
(トム・サイズモア)の部隊も墜落地点に向かうが、
市内で迷走状態となり、地獄の戦闘を余儀なく
される。
***********************
自軍の実力を過大に評価し
ソマリア民兵を過小評価した米軍が
地元民兵がもっとも支配している地域に
要人誘拐ミッションを敢行。
1時間で帰ってこれると見込んだはずの
ミッションだったが、ひとりの新兵の怪我が
きっかけに、計画がどんどん綻んでゆく。
仮にも民主主義国家を標榜する国での
「軍」ってヤツにおいて、
敵の攻撃を受けて仲間に被害が出た場合
死んでくれた方がまだマシであり
息も絶え絶えの重傷ってのが
組織にもっとも負担を与える。
簡単に言えば、戦場という非日常空間で
自らの身を守りつつ、敵を殺すという
ギリギリが要求される中、
仲間を助けるなぞ、そんな余裕があろうはずもなく。
戦いながら誰かを助ける、というのは、
これはもうヒト一人の能力を軽く超えてしまう。
そんなに万能じゃないんだ。ヒトは。
それとこれも当たり前だけど、戦場は
某有名ゲーム「大戦略」のように、
敵と味方の識別がクリアーじゃない。
一瞬の躊躇で自分が死ぬことになる・・って時に
誰が敵やら味方やら。
ベトナム戦争でもソンミ村の大虐殺とかあった。
そりゃ民間人の暴行・虐殺は
許されるもんじゃない。
軍だけでなく人間としても最低の行為なんだが
戦場という地獄のなかでクリアな
戦争なんかできるのか?と。
敵か味方かわかんねーならミンナ殺せばいい。
そういう悪魔の誘惑に駆られた兵士も
いたんじゃないかな。戦場を経験した兵士のなかには。
映画も最後のほうになると、観ている自分も
劇中の米兵のように、地元民がみんな「敵」に見え
いっそ、動くものは全部撃っちゃえ!という
気になってくる。
窓ガラスなど、全部なくなったビル窓すべてから
いきなりニュッと銃口が出てきそうで・・
どこから出てくるか全然判らない敵は
映画エイリアンを(この監督が第一作を撮りました)
興奮状態の市民が集団で
ヘリ墜落現場に向かって来るあたりなんかは、
映画ゾンビを髣髴させ、更にはゲーセンで
もう何百円も投入してコンティニュープレイを
し続けている、銃撃ゲームの気分になってくる。
モデルになったこの戦いで
米軍はベトナム戦争以来
米軍側犠牲者19名。負傷者73名。
ソマリアの市民の被害1000名
(負傷者とは永遠に腕とか足を失ったり
再起不能な方も含まれます)
米軍はこの戦い以来、極力地上戦を忌避し、
できる限り空爆でケリをつけるよう戦略を変化させた。
「英雄なんていない
たまたま英雄になっただけさ」
実は戦争の背景なんかどうでもよくって
市街地戦とはどういうものか
殺し合いとはどういうものなのか
目ん玉ひんむいてよく見やがれ!
ミリオタどもよ(つまり俺のこと)、という
リドリー監督からのメッセージだったのです。
映画と作戦の両面の解析批評ブログです。
キャスト
ジョシュ・ハートネット (Eversmann)
ユアン・マクレガー (Grimes)
トム・サイズモア (McKnight)
エリック・バナ (Hoot)
ウィリアム・フィクナー (Sanderson)
ユエン・ブレンナー (Nelson)
サム・シェパード (Garrison)
ジェイソン・アイザックス (Steele)
オーランド・ブルーム (Blackburn)
スタッフ
監督 リドリー・スコット
脚本 ケン・ノーラン
原作 マーク・ボウデン
製作 ジェリー・ブラッカイマー
リドリー・スコット
撮影 スワヴォミール・イジャック
美術 アーサー・マックス
音楽 ハンス・ジマー
***********************
管理人モチーベーション維持のため
クリックしていただけますと助かります!
↓ ↓ ↓
名作コンバットまんが「パイナップルアーミー」
にも、怖い場面がある。
戦場でいちばん怖いのは狙撃兵。
先頭を歩く味方の偵察員が狙われる。
まず足を狙って動けなくさせるが
決して殺しはしない。
味方は助けに行きたくっても行けない。
行けば自分が撃たれるからだ。
でも放置しておくと撃たれた味方の指が
順番に吹き飛ばされてゆく。
敵の正規兵を殺さないんだって。
重傷、つまり半殺しにして戦力外にすればOK。
味方に重傷者が出たら、救出、手当て、搬送
それらの流れを守るために人員を割く必要があり
それだけ、その組織に負担をかけるから。
BHD用語集
↓ ↓
http://bhdaa.sakura.ne.jp/terms.html
ラベル:ブラックホーク・ダウン ソンミ村の大虐殺