2012年08月22日

エクスペリメント

「エクスペリメント」

es ・・思い浮かぶのはミスチルだったり。
ドイツの映画「es」の
ハリウッドリメイク版。

看守は看守らしく、囚人は囚人として
それらしく振舞っていると、そのうちホントに
自分がそういう存在のように思えてきてしまう。

「屈辱を受け入れないと
 人類は進化できないんだよ」


あらすぢ
仕事をレイオフされたトラヴィスは、日当1000ドル
という14日間の心理実験に参加する。その実験に
参加したのは24名の男たち。実験の内容は、
模擬刑務所内で参加者たちが看守と囚人に
分かれて生活するというものだった。トラヴィスは
囚人側となる。実験は24時間監視カメラによって
観察され、暴力行為などがあった場合には即座に
実験は中止されるものだと聞いていた。しかし、
実験が進むうち、看守たちは囚人に暴力を振るう
ようになる…。

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大学の教授たちは、事前に応募者に対し
物凄い数の質問をぶつける面接を実施。
(ブレードランナーでいうところの
 フォークトカンプフ検査みたいな奴)
日給1000ドルという
オイシイ仕事にあぶれたくない応募者は
積極的に協力するし、うそも少ない。

そして、自信がないことが気の弱さに
繋がっていて、日常生活なら「いい人」の
地位確定の黒人(演:フォレスト・ウィテカー)が
看守長に抜擢される。

彼がなーんも考えていないことは
事前の面接で教授連に見抜かれており
(自己の正義と葛藤したら?の質問に
 神にすがっていれば自ずと答えは出る・・と
 彼は答えている。まったく無批判で宗教に
 身をゆだねてきた)
だからこその抜擢と思われ。

この実験を企画立案した
教授連は確かに頭がいいよ。
どうしようもないロクデナシではあるが。

これはあくまで実験なんで
・囚人役、看守役どちらかケガ人がでたら終了
・ただし途中終了は賃金なし

この途中終了は連帯責任ってことで
賃金なしってのがミソだ。

1日1000ドル=14日間で
14,000ドル=1,190,000円
だいたい120万。
この1万4000ドルのために
実験参加者は振り回されることになる。

正当な権威から与えられた権限。
その権限は、ある種の人を苦しめることができ
その責任は自己が負わなくてもよい・・。
メチャメチャむかつきますもん。
この黒人の行動見てると。

そして看守側のゴロツキ白人。
リーダー格をけしかけ、おこぼれに
預かろうとする奴。
いるいる。いつどの時代にも。
こういう輩が事態の悪化に拍車をかける。

あの黒人の行動原理は、いまも昔も
日本にはびこる役人根性に通じるし
この理屈の延長上に
アウシュビッツ、原爆投下や
間接的にカミカゼの強要した
日本のムラ社会という例がある。
そうそう、単にデブな男を絶対視して
サリンをばら撒いた奴らも同様。

権威の下で好き勝手。
俺悪くないもーん。
秩序は守らないとね。
そういうルールなんだから。

ルールを決めたのはどこかの「人間」
なんだから、おかしいトコあるんじゃないか?
とか、そもそも間違っているんじゃないか?
とは考えもしない。

金八先生にもそんなエピソードがあった。
金八が「A生徒、B生徒を殴れ」と
無茶振りをする。すると本当に
A生徒がBを殴ろうとしたので
金八のほうが情けなくなって泣けてきたという・・。

映画のラストでは、この実験で死人が出たことから
実験首謀者の教授が逮捕された、とあるが
ホントなんだろうか。

「これでもサルより進化していると思うか?」
「まあな、行動を起こせるから・・」




ラストシーン。全てが終わったバス内。
フクザツな顔つきで、結局手にいれた報酬と
敵対した主人公の顔を見比べる黒人男。
最後は少しだけホッとするシーンである。

奴、最後まで自分は悪くないって
神を信じ続けるんでしょうね・・。

キャスト - エクスペリメント
出演
エイドリアン・ブロディ (Travis)
フォレスト・ウィテカー (Barris)
キャム・ギガンデット (Chase)
クリフトン・コリンズ・ジュニア (Nix)
フィッシャー・スティーヴンス (Archaleta)
マギー・グレイス (Bay)
イーサン・コーン (Benjy)
トラヴィス・フィメル (Helweg)
ジェイソン・リュウ (Oscar)
デヴィッド・バンナー (Bosch)
ダミエン・リーク (Govenor)

スタッフ - エクスペリメント
監督 ポール・シューリング
脚本 ポール・シューリング
撮影 アメリア・ヴィンセント
音楽 グレーム・レヴェール
編集 ピーター・S・エリオット

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「動物を閉じこめると
 強いものが弱いものを喰らう」


このことば、漫画・浮浪雲にもあった。
子供世界に蔓延する「いじめ」について
渋沢老人がこう語っている。

最近の大人は忙しいから
子供を学校という小さな世界に閉じ込めて
見向きもしない。
本来、大海で育てるべき子魚たちを
小さな水槽に隔離したら
傷つけあうのが道理。

だから子供の教育は世間みんなで
行わねばならないんだよ、と。

確かに人並み以上にあちこちに
連れて行かれた経験を持つ子供は
いじめをしない。
今いる世界よりよりもっと広い外部を
知っているからだ。
卑近な例では花輪クンとか(笑)

あの黒人、マージャンでいう
「リーチ後顔面肥大症候群」にも通じる。
常日頃虐げられてる陣営が
急に優位に立ったときのドヤ顔。
あれ。
posted by PON at 21:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(ア行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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