ネストとは「巣穴」の意。
原題は「New daughter」
ケビン・コストナー(個人的にはコスナーのほうが
しっくりくる。タイレル→ティレルみたいなもんか)
久々に見た。
頭薄くなったなあ・・なんて思いながらも
だんだん「スティーブマックイーン」に
似てきたなあ、なんて。
<あらすぢ>
妻と離婚した小説家のジョンは、新たなる生活を
始めるため、思春期の娘ルイーサと7歳になる
息子サムとの3人でサウスカロライナの人里離れた、
自然に囲まれた大きな一軒家に引っ越してきた。
その日から、彼らは想像を絶する恐怖に見舞われ
ることになる。夜な夜な聞こえてくる怪しい物音と
囁き声、そして闇にうごめく得体の知れない
何かの気配、さらには家中に残された泥だらけの
足跡…。やがて、ルイーサは夜になると家を
抜け出し、家のそばにある古墳のような塚に
向かい、泥だらけになって帰ってくるようになる。
その塚こそ、“マウンド・ウォーカー”と呼ばれる
太古から地中で生き続ける呪われた種族の
巣窟だった・・。
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よくまあこんなB級映画に出たモンですよ。
彼の出演作品と知らなければ、録画すら
しなかったと思う、そんな作品。
ケビンコスナーには、
「とにかくもー、作品なんか選んでられんのです。
ドンドン金をかせがんと」
・・なんてそんなウラが有りそう。
私生活でか映画制作でか知らないけど
もしかして巨額の借財でもしてるんじゃないか?
それくらい台本見た段階で一流どころは
全員そっぽ向きそうな作品。
いや、一流どころでもSFやホラーが好きな
役者や女優はいるとは思うけれど
ケビンコスナーが自由意志でこの「ネスト」への
出演を選んだのだとしたら、いったい
この脚本のどの辺を気に入ったのか
是非とも聞いてみたいものである。
いつもの通り、完全ネタばれで行きます。
物語のキーになるケビンコスナーの娘は、
スタートから憎まれ口全開で登場。
「こんなの、あの可愛かったわが娘じゃなーい」と、
ケビンパパが思わず言いたくなってしまうような
ティーンエイジ反抗期。
パパも初めてのシングルファーザー体験なんで
教育って何?父親って何?反抗期って?
とオロオロするばかり。
いかにも最近の映画だなあと思ったのは
不穏な空気が漂い始める当初、
ケビンパパは、ひたすら「ネットサーフィン」。
反抗期、父親失格、謎の塚・・対策といえば
とにかくキーワードを打ち込むばかりの姿に
なんか涙。
結局、敵勢力のせいで娘はオカシクなった訳だが
その辺、パパは不審に思いながらも、
自分の子育てが間違っているからなのでは?
という不安をぬぐうことが出来なかったため、
初動捜査にミソがつき、取り返しのつかない
ことになってしまった。
それにしてもケビンパパ。
なんかヤバイかもと思ったときに
行動に移すのはいいが、チャイルドシッターの
おばさんを自宅に残すってのはないだろ。
そこはキミに好意を寄せている女教師の家にでも
子供たちを預けときなさいって。
この映画で一番恐ろしかったのは
おばさんの叫び声だった。おばさんはホタル族。
玄関のドアだけが映されるなか、
おばさんはドアの向こう側で必死に叫ぶ。
「ギャア・・まだ死にたくないのォ!!!!」
息子の方。小学校でアリの生態を学び
学校から、アリの巣を観察資料としてもらってきた
(学研の科学のフロクについてきた、アリ飼育セット)
んで、女王アリがどうの、兵隊アリがどうのと
パパに知識を披露。
観客はここで、ふんふん、今回の敵は
アリと生態がよく似ているんだな、と判る。
敵の正体は「グランドウォーカー」とかいう
昔からアメリカの地下で暮らしていたらしい
バケモノ。毛が生えていない灰色ヌルヌルお肌で
リトルグレイを縦に伸ばした感。
特徴的なのは口。ヤツメウナギか
アノマロカリスか、まん丸のお口にはズラッと牙だらけ。
で、息子さんも学校の理科で学ばれたように
彼らの社会は、アリのように一匹の女王に多数の野郎ども。
繁殖期になると、地上に出てきて若い人間のメスを
かっさらい、女王とするイヤーな生態を持つ。
(そう、女王というけど単なる産卵マシーンである)
つまり、ケビンパパの娘は16歳にして
あーケフンケフン・・
もうすっげー大変なことになってしまったワケだ。
そりゃあ怒るよな。パパ。
一方、パパはネットで検索したら出てきた
「塚」の研究家である大学教授とその助手。
これがまた使えねー連中で。
ある程度、滅び行く先住民「グランドウォーカー」
という存在を「伝承」としては知っていたらしいが
やることといえば・・
「彼らの巣を壊さないでください。
科学的に貴重なのです」
とパパに訴えるのみ。んだったら、お前の女助手を
まず一晩「塚」においておけってんだ。
息子の小学校の担任。元美人。
なにか重要な行動をするのかと思えば
何もできずにかわいそうな事に。
でも異常事態に対し一般的には
あんなもんかもな。そもそも聖林映画キャラの
行動力のほうが異常なわけで。
映画として、最後なんか酷いもん。
ケビンパパはわが娘を探しに
地下の彼らの本拠に乗り込む。
懐中電灯一本で、地下迷宮に乗り込むパパ。
文字通り画面が真っ暗で、何がおきているのか
全然わかんない。
それでもなんとか巣穴の奥から娘を救い出すパパ。
娘は最後に残った人間の意識で
「見捨てないで・・」と哀願するも
言ってるそばからグランドウォーカーに変貌する。
パパは絶望して火をつけてケリ・・のはずが。
今回のモンスターを、社会に巣くうDQNだと思えば
大事に育ててきたつもりの娘が、
完全に家風が異なる育ちのヤロウに
食い物にされたあげく、その娘もいつの間にか
そのヤロウの家風に感化してしまい、
愛する娘と意思の疎通がとれなくなった
悲劇の父親という、現代社会にありがちな
構図のメタファーか?。
娘を獲られたのがモンスターか
その辺の男にかっつーだけで、
確かに「結婚」ってそういう恐怖もあると思う。
子供が一人娘だったりしたら特に。
でもホント、なぜにケビンコスナー?
※あとで調べたら、この映画の原作って
クトゥルフ作家の一人が書いた短編なんだね。
なるほど、あの陰々滅々さは理解できた・・が。
キャスト
出演
ケヴィン・コスナー (John James)
イバナ・バケロ (Louisa James)
ガトリン・グリフィス (Sam James)
ノア・テイラー (Professor Evan White)
サマンサ・マシス (Cassandra Parker)
エリック・パラディーノ (Officer Ed Lowry)
ジェームズ・ギャモン (Roger Wayne)
サンドラ・エリス・ラファーティ (Mrs. Amworth)
マーガレット・アン・フローレンス (Alexis Danella)
クリストファー・ハーヴェイ (Rick Ross)
ブライン・マッシー (Sally)
マーティン・トンプソン (Stewart Green)
スタッフ
監督 ルイス・A・ベルデホ
脚本 ジョン・トラヴィス
原作 ジョン・コナリー
エグゼクティブプロデューサー スコット・ニーマイヤー
ジョナサン・ショア/ノーム・ウェイト
撮影 チェコ・ヴァレス
美術 クリス・シュライバー
音楽 ハビエル・ナバレーテ
編集 トム・エルキンス
ロブ・サリヴァン
衣裳デザイン ダナ・キャンベル
キャスティング アイド・ベラスコ
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