映画チャンネルNECOでやってました。
主演の堺雅人の最新作公開日なので
その宣伝だったらしい。
正直、まったく期待していなかったのだが・・
<あらすぢ>
会計処理の専門家、御算用者として代々加賀藩の
財政に携わってきた猪山家八代目・直之は、家業の
そろばんの腕を磨き、才能を買われて出世する。
江戸時代後期、加賀藩も例にもれず財政状況は
逼迫していた。加えて武家社会では出世するに
つれ出費も増え続けるという構造的な問題があった。
猪山家の家計が窮地にあることを知った直之は、
家財道具を処分し借金の返済にあてることを決断、
家族全員で倹約生活を行うことにする。
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原作は、小説ではなくって「新潮新書」あたりの本。
歴史学者が古本屋で「猪山家」の日記・家計簿他を
見つけて精読した結果、明らかになってきた
江戸時代の武家の生活を記述した、要は学術書が
もとなのだとか。
猪山家は、加賀藩および自分の家の経理帳簿を
明治維新にいたるまで、細かく記載しつづけたらしい。
彼らが残した資料から当時の武士の暮らしが
見えてくる。
元禄時代とまではいかないけれど
まだまだ好景気な時代に現役だった先代。
経理係としてはハカクの70石取りに出世した
父・信之(中村雅俊)
経済的に衰退しつつある江戸時代末期に
猪山家を継いだ、主人公・直之(堺雅人)
そして激動の幕末維新時代
刀でなくソロバンで時代を乗り越えた
その子供・成之 (伊藤祐輝)
堺雅人は経理の才が三代でもイチバン。
加賀藩の不正経理を見つけてしまうが
ストレートに上司に報告してしまったがため
「君、輪島行き決定ね!」と、
うまく立ち回れない不器用さと正義感がある。
この辺、現代にも充分通じる話だ。
さて、コトの発端は、息子の「初袴の儀」だとかで
一族に振舞う「鯛」が買えなかったこと。
セリフでは猪山家の借財は
「父上と私の年収を合わせた額の2年分」という。
武士社会の構造にも問題があるのだけど
とにかく四季折々のイベントには
なにかと親戚を呼び、そのつど散財するもので
あるらしい。いい時代ばかりを知っているから
なにかと昔話にも力が入り
現状(実は家計が火の車)を見ようとしない
「前代夫婦」がいう。
母「おまえ、まさか我が家では
鯛が買えなんだとかいうのでは・・」
堺「その、まさかです」
父「借りてくれば良いではないか」
母「恥ずかしくて表を歩けませぬ」
ここに至り、直之(堺雅人)は
思い切った家計の構造改革に着手する。
服は三枚までであとは売却。
生活に不要なものは全部売却して返済に充てる。
(書籍とか)困ったら借りればいい。
そこまでしながらも、商人に返せたのは
借金総額の半分のみ。
直之のスゴミはここから。彼は商人相手に交渉する。
これまででもう充分利息はお払はらいしたハズ。
であれば、今後は元本のみを10年分割
返済としていただきたいとし、これを呑ませてしまう。
確かに。貸す側としては、できる限り「元本」は
そのままに、利息だけを事故なく払ってくれる客が
一番の上客なんでね。
このあたり、大いに学ぶところアリだ。
さらに、息子に算用を叩き込む父の姿に
自分もしばし考え込んでしまった。
堺「これからお前に我が家の帳簿を付けてもらう・・」
堺「この足りなかった4文はどうしたのだ?」
子「犀川で拾いました」
堺「それではそのお金はお前のものでない。
私たちは物乞いではないのだ。
犀川に戻してきなさい」
堺「帳簿のお金が足りない。このお金
お前ならどうする?」
子「おばば様から借ります」
堺「その手は一回しか使えない」
子「来月のお給金からお返しします」
堺「足りなかったら?」
子「さ来月のお給金から・・」
堺「それを借金というのだ」
堺の演技がいつものように淡々としているからこそ
直之の凄さが際立つ。
身につまされる話でありました。
我が家のみならず、我が国にも
言えることでありますよ。
とくにココ、団塊世代がいかにも言いそうなこと↓
父「借りてくれば良いではないか」
最後に、書いていいすか?
仲間由紀恵、年をとるのが一人だけ
遅いと思うんだが。
作品情報 - 武士の家計簿
ジャンル 任侠/時代劇
製作年 2010年
製作国 日本
配給 アスミック・エース、松竹
キャスト
出演
堺雅人 (猪山直之)
仲間由紀恵 (猪山駒)
松坂慶子 (猪山常)
草笛光子 (おばばさま)
西村雅彦 (西永与三八)
伊藤祐輝 (猪山成之)
藤井美菜 (猪山政)
大八木凱斗 (猪山直吉)
嶋田久作
宮川一朗太
小木茂光
茂山千五郎
中村雅俊 (猪山信之)
スタッフ
監督 森田芳光
脚本 柏田道夫
原作 磯田道史
プロデューサー 元持昌之
撮影 沖村志宏
美術 近藤成之
装飾 鎌田康男
音楽 大島ミチル
録音 橋本文雄
照明 渡邊三雄
編集 川島章正
助監督 増田伸弥
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