2012年10月13日

イノセンス

いや〜やっと観ました。
押井カントク。「攻殻機動隊」の続編。

前作「攻殻機動隊」は、大人気漫画の
映画化であって絵のクオリティは
折り紙つき、押井監督らしく話に
判りにくいところもあったけれど
それでもまだ作り手が
映画は「エンターテイメント」なんだ
というトコロを意識していた。

でもこの「イノセンス」
ガンダムで例えれば
第一作で主人公アムロが死んでしまい
残されたサブキャラクター達による物語。
自分としては草薙大佐(モトコ)の活躍を通して、
映画の中に、いわゆるサイバーパンク世界を
体験したいのに、当の主役が不在で
バトーが主役になってもねえ・・。
(いや、バトーもキャラとして好きだけども)

てなわけで、なんかずーっと食指が
動かなかったんです。
が、この間、CSでやっていたモンで拝見。

あらすぢ
舞台は、人々が電脳化され、声を出さずとも、
コンピューター端末を打たなくとも、ネットワークを
通じたデジタルコミュニケーションが可能になる一方、
肉体の機械化も進み、人とサイボーグ(機械化人間)、
ロボット(人形)が共存する、2032年の日本。
魂が希薄になった時代である。主人公は、続発する
テロ犯罪を取り締まる政府直属の機関・公安九課
の刑事バトー(大塚明夫)。彼はサイボーグで、腕も
脚も、その体のすべてが造り物。残されているのは
わずかな脳と、一人の女性、“素子(もとこ)”の記憶だけ。
ある日、少女型の愛玩用ロボットが暴走を起こし、
所有者を惨殺する事件が発生。「人間のために
作られたはずのロボットがなぜ、人間を襲ったのか」。
さっそくバトーは、相棒のトグサ(山寺宏一)と共に
捜査に向かう。電脳ネットワークを駆使して、
自分の「脳」を攻撃する“謎のハッカー”の妨害に
苦しみながら、事件の真相に近づいていく。

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なんかですねぇ、押井監督ったら
まーだやっているんか?
というツブヤキが先に来ました。

こんな捻くれたオッサンになった今だから
斜めからこの映画を観ていますが
中学生くらいだったら、めちゃくちゃ信奉者に
なっていたかもしれないな。

この世界の人間たちは、割合には
差がありますけども、基本的に、体の一部を
電脳化(≒機械化)しています。
キアヌリーブスの昔の映画「JM」みたいなもん。
USBコネクタが体にあったら、感覚的に
不気味でしょうが、案外便利かも知れませんぜ?

だから、彼らの会話のなかには
古今東西の偉人の名言や
著作物の言い回し、四字熟語、格言みたいのが
間違えることなくすらすらと出てくる。
というのも、電脳化した頭ん中で
ググって検索しながら会話しているからなんだって。
へー。なんだかなあ。



ネタばれ御免ですが、今回の騒動の元凶は
急に反乱を起こした
「少女型の性的愛玩用ロボット」たち。
彼女たちは表面上はロボットってことですが
中身は違法(でもなんでもなく単に犯罪)
ルートで拉致され、ロボットのコアにされた
人間の少女たち。その彼女たちが、自分たちの
置かれた悲惨な状況を、世間に訴え、
助けてもらおうとしたというのが真相らしい。
実にゴモットモで正当な怒りである。

ところが、ようやくたどり着いた犯行?現場で
何故かバトーは少女たちを罵倒するのだ。

彼女たち、怒って当然でしょう。
また助けるのが電脳警察のあんたたちでしょうに。
そこが少し理解できない。

映画はもっと解り難くていい。
観る者によって解釈が変わるとか
解釈をめぐる喧々諤々の論争が
あってもいいとか、たしか押井監督と
ジブリのプロデューサーの対談で言ってたけど
自分はそうは思わない。

前作もイノセンスも、結局は
自己って何?他との境界線って?
という禅問答を追求してゆくんですが
映画という表現方法も
自己満足を追求するか(作家性ともいうが)
ハリウッド映画のように
サルでも解りやすさを優先するべきなのか?

自分は、映画はゴラクだと思う。
判らないやつは観なくてもいいというのは
製作者側の横暴だ。

とはいえ、物語の解釈を頭で考えず、
すぐ答えを求めたがる自分のような凡人には
・・素敵な解説がこちら

野良犬の塒 ( ねぐら ) イノセンス FAQ

イノセンス関連情報まとめ FaQ

前作は、川井賢次さんの音楽
アジアと西洋が一緒になったみたいな
まさにサイバーパンクな歌


「あがまえば、くわしめよいにけり〜
  :
 とおかみえみため(遠神恵賜)」

が、大変鳥肌ものでした。



今回も引き続き川井氏が
音楽を担当されているようですが・・
絵も音楽も、前作「攻殻機動隊」よりか
パワーアップしているのは解るんだけど
「ジャパニメーション」の凄さを
海外にアピールするいい材料だとは思うんだけど
前作ほどにインパクトがない。
残り物でもう一品って思えてしまうのが残念。

それにしてもこの映画を英語版に
翻訳する作業は、さぞや苦労されたのでは
ないだろうか?

キャスト
大塚明夫 (バトー)
田中敦子 (草薙素子)
山寺宏一 (トグサ)
大木民夫 (荒巻)
仲野裕 (イシカワ)
榊原良子 (ハラウェイ)
武藤純美 (謎の少女)
竹中直人 (キム)

スタッフ
監督 押井守
演出 西久保利彦
楠美直子
脚本 押井守
原作 士郎正宗
プロデューサー 石川光久
鈴木敏夫
キャラクター・デザイン 沖浦啓之
作画監督 黄瀬和哉
西尾鉄也
美術 平田秀一
音楽 川井憲次

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posted by PON at 21:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(ア行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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