「今は「何をするか」であるべきなのに
「力を得る」ことばかり優先している」
サッチャーさん。確か今年4月(2013年)に
亡くなったんだよな。
鉄のカーテンを作った元悪の帝国に
鉄の女とあだ名されたイギリスの元首相。
「マーガレット・サッチャー」さんの一代記。
相方が借りてきたので観賞。
最後には自分の方が楽しんでいました。
<あらすぢ>
英国史上初の女性首相として、
世界までも変えたのは、妻であり、母であり、
一人の女性だった。
イギリス史上初の女性首相で、その強硬な性格と
政治方針から「鉄の女」と呼ばれた
マーガレット・サッチャーの半生を
メリル・ストリープ主演で描いたドラマ。
父の影響で政治家を志すようになった
マーガレットは1975年、50歳で保守党党首に
選出され、79年にはイギリス初の女性首相となった。
国を変えるため男社内の中で奮闘する
マーガレットは「鉄の女」と呼ばれるようになるが
そんな彼女にも妻や母としての顔があり、
知られざる孤独と苦悩があった。
マーガレットを支えた夫デニス役に
ジム・ブロードベント。
監督は「マンマ・ミーア!」のフィリダ・ロイド。
第84回アカデミー賞ではストリープが
主演女優賞を受賞。
************************
鉄の女と呼称された女性の内情は?
メリル・ストリープ、いい演技。
というか現実のサッチャーもあんな風だったのだろうと
思わせるモノがあった。
(もっともサッチャーの遺族は
彼女の演技が気に入らなかったようだが・・)
話としては
目の前に浮かんでは消える
かつての輝かしい世界と、亡くなった旦那さん。
マボロシである彼らと共に
自身の栄光の時代を追想するサッチャーの話。
(世間的では認知症にかかったバアさんに
しか見えない)
長らく「英国病」に苦しんでいた国を
曲りなりにも方向性を与えた自国の指導者である
彼女を、さほど英雄的な描写しないあたりに
英国(ハリウッドも以前はそんな傾向があった)の
映画界がまだ政治の圧に屈しない事を感じさせる。
(たとえばですね、我が国にて
「田中角栄 今太閤の涙」なんて伝記映画を
作るとして、かの遺族たちが黙っているだろうか?
って事デス。なにかしら「横やり」が入るでしょう。
下手したら映画会社側もチケットをサバクため
最大限、おもねるんじゃないかな。「お嬢」に対して)
食糧雑貨の家に生まれたサッチャーさんは
オックスフォードに合格。科学の道を進むが
父親がちょっとした地元の名士だった影響もあって
女性ながら政治の世界を目指す。
下院議員に初当選後、1970年から教育科学相。
(この時、教育関連予算を削減する必要から
サッチャーは学校の牛乳無償配給の廃止を決定
「ミルク泥棒」と謗られるなど、猛烈な抗議の嵐を
受けた・・そうだ。(Wiki先生より)
1975年2月の保守党党首選挙で、有力候補が
「舌禍癖」があり、党右派からはサッチャーが出馬。
現党首を破り、保守党党首に就任する。
「ええ?私が英国の首相なんて・・」
ビビるサッチャーに選挙参謀はいう。
「党を変革したければ党のトップになりなさい
国を変革したければ国のトップになりなさい」
「但し見た目は変えても中身は変えてはいけない」
1979年の選挙ではイギリス経済の復活、
小さな政府への転換。保守党を大勝に導く。
選挙後、女性初のイギリス首相に就任した。
英経済の建て直しを図り、政府の市場介入を
抑制する政策を実施。(新自由主義)
仕事より、ストライキに奔る炭鉱労働者に言う。
「権利ばかりで働かない国は
グレートではありません。
国名通り”グレート”に戻りなさい」
※英国病(えいこくびょう)・・経済が停滞していた
1960年代以降のイギリスで、充実した社会保障
制度や基幹産業の国有化等の政策によって
社会保障負担の増加、国民の勤労意欲低下等。
サッチャー政治である程度抑えることには
成功したが、逆に格差は拡大した、と言われる。
そして1982年のフォークランド紛争。
軍部もビビるサッチャーの即決で
28000名の兵士を100隻の軍艦と共に
2万キロの小島へ出撃させる。
対艦ミサイルエグゾゼの攻撃で
ロイヤルネービーの駆逐艦が撃沈。
300名の戦死者にお悔やみの手紙を書く、といい
「人命に代えてでも
我が英国領土を守らなければならない」
と大きく発言するサッチャーだったが
その影では自己の決断が
人の死を招いてしまったことに
「いったい何を書けばいいのか」
(書いたところで遺族に何の慰めにならない)
と呆然自失する一人の女性だった。
戦争終結後、高支持率に支えられ
サッチャー政権は2度目の総選挙にも勝利する。
より保守的かつ急進的な経済改革の断行に向かう。
どちらに転んでも、ワリに合わない職業だ。
一国の宰相。
生きる上でオンナとしての「幸せ」よりも
「生き方」を選択した女性。
「Shall We Dance?」の曲が効果的に使われ
サッチャーの旦那
(デニス氏、サッチャー氏の10年前、2003年に死去)
と踊る。
できた旦那だなぁ。デニス・サッチャー氏。
格差婚なんて某矢口家の例とか
某藤原紀香家の例とかあったけど
卑近すぎて話にならない。
デニス氏と苦労話を共有できるとしたら
同じ国のエリザベス女王の旦那さんくらいなものか。
「報道は皆「どう感じますか?」としか
質問してこないの。
今の時代「どう感じるか」ではなく
「どう考えるか」でしょ」
サッチャー自身が
IRA(マスターキートンででおなじみ)の
爆弾テロに巻き込まれたり
政治の本質は命がけである、ということを
身をもって体験するも
一国の首相を12年もやっていると
当初の初々しさはどこへやら
サッチャーさんも更年期障害の影響?という
ワケでもないのでしょうけれど
どんどん強権的で嫌味な女上司に成り果て
そろそろ首筋が寒くなってまいりました。
にも関わらずサッチャーさんは
「人頭税」の導入を提唱。
※「人頭税」・・納税能力に関係なく、
全ての国民1人につき一定額を課す税金
また、EU(欧州統合)に懐疑的な姿勢を示したため
次々と英政財界が離れてゆき
サッチャーはついに首相、保守党党首を辞職する。
「考え⇒言葉⇒行動⇒習慣⇒人格
⇒運命となるのです
「考え」が人格を作るのですよ。」
英国に限った話ではないが首相なんて
うまく行ってるときは「名宰相」。
一方で、リーダーシップがない
人の意見を聞かない、独善者扱い。
誰かが決断せねばならない。
信条を貫き、ある「決断」を下せば
「独善的、横暴だ!」と騒ぐ勢力があり
見送れば「リーダーの資質に欠ける」と
騒ぎ立てられる。
文字通り、潮を引くように去る人々。
「苦渋の決断を下した日々
あれはなんだったの?
苦渋の決断を下せば
その時は憎まれても
何世代かの感謝を受ける」
「私の願いは「世界を良くしたい」という
思いだけだった・・。
デニス(サッチャーの旦那)
あなたは幸せだった?」
「「鉄の女の涙」を無理なく理解して観るための
19の予備知識・PartT〜新作映画解説S 」
スタッフ
監督フィリダ・ロイド
製作ダミアン・ジョーンズ
脚本アビ・モーガン
美術サイモン・エリオット
撮影エリオット・デイビス
編集ジャスティン・ライト
衣装コンソラータ・ボイルキャスト
メリル・ストリープ
ハリー・ロイド
ジム・ブロードベント
アンソニー・ヘッド
リチャード・E・グラント
ロジャー・アラム
スーザン・ブラウン
オリビア・コールマン
ニック・ダニング
ジュリアン・ワダム
アレクサンドラ・ローチ
マイケル・ペニントン
デビッド・ウェストヘッド
リチャード・ディクソン
ヒュー・ロス
原題 The Iron Lady
製作年 2011年
製作国 イギリス
配給 ギャガ
上映時間 105分
映倫区分 G
************************
管理人モチーベーション維持のため
クリックしていただけますと助かります!
↓ ↓ ↓
