CSザ・シネマで放映。
たしか・・昔のTVCMでは
先日亡くなった「内海賢二」さんが
例のセンベイさんボイスで
「メテオォ」とか唱えてた。
我ら当時の日本人は
空から降ってくる「隕石」を
メテオと呼ぶのか〜ゲーコクでわ、
そんな風に認識した。
あの頃、洋画CMの題名で
聞きなれぬ「横文字」を認識し
自らの数少ない脳内「ボキャブラリー」を
補強していた時代が確かにあったのだ。
ゲーセンのレトロゲーム
「ムーンクレスタ」で
敵キャラに「メテオ」と名付けられたのは
この映画の存在と無関係ではないと思う。
で、このメテオ。
当時TVCMでは散々盛り上げられたが
いざ観たら子供だった自分でさえも
あれ?こんなモンか?なんて
生意気にも思ってしまったキオクがある。
要はその程度。
<あらすぢ>
火星軌道と木星軌道の間に存在する小惑星帯の
一部であるアポロ小惑星群の「オルフェウス」に
彗星が衝突し、砕けた破片の幾つかが、メテオ
(隕石)となって地球に接近し始めた。特に最も
大きなメテオは最大直径が約8キロあり、
一ヶ月後に地球に衝突すると予測された。
これが地球に衝突したら、吹き上げられた土砂が
空を覆い、氷河期が訪れるだろうと推定された。
アメリカ合衆国政府は14基の核ミサイルを
搭載した人工衛星「ハーキュリーズ」を使った
メテオ破壊を企図し、その開発者である
科学者ポール・ブラッドレーを招へいした。
しかしブラッドレーは、元々こういう事態を
想定して開発したハーキュリーズを対ソ軍事兵器
として転用された事に不満を抱いており、しかも
アドロン将軍を筆頭とする軍部は、対ソ問題から
ハーキュリーズの使用に強硬に反対していた。
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ワケあってNASAを退職した
天才科学者ショーンコネリー氏。
この当時の彼は「007」こそ引退はしたものの
渋く年老いてゆく自らの今後を
どのように活かしてゆくか模索中だったみたいで
この映画にしても、ショーンコネリーレベルを
出しておこうか、映画にハクがつくから・・
といった感がアリアリ。
別に天才科学者役をナニがなんでも
ショーンコネリーがやらんでもいいし
なにより彼は「科学者」に向いていない。
三船敏郎や丹波哲郎が科学者だったら
それちょっと違うでしょ?と思いませんか。
私は思います。
そんな違和感満載でした。
科学者ショーンコネリーが何故
ふてくされているのかというと
彼こそが、アメリカが誇る「核ミサイル」搭載
軌道衛星、通称「ハーキュリーズ」を
設計した人で、NASAをはじめ米軍は
対外的な脅威(隕石)が来たとき
(そ、まさに今回のような事態に備えて)
迎撃するシステムだ、と
ショーンコネリーを説得して作らせたらしい。
時は冷戦真っ只中。
米国が対峙するは、疑心悪鬼に凝り固まってる
ブレジネフ書記長率いる悪の大国
USSR「ソ連」である。
こんな素晴らしいオモチャを手に入れてしまった軍は、
喜んで核ミサイルの「向き」を地上に向けてしまった。
騙された、と思ったショーンコネリーだが
(そらそうだろ。どこまで純粋なんだよ)
ムカついて退職した次第。
以後、悠々自適だったのだが
緊急召集がかかった。(これが月曜の話。
ちなみに映画では隕石がぶつかるまで
6日間しかない、という設定)
なんせ、NASAがアポロ計画を推進していた頃
NASAにあるコンピュータと呼ばれるものは
今の「ファミコン」レベルだったと言われるし
(信じられないけれど、そんな環境で
NASAは月に人を送った・・らしい)
電卓が数百万はする時代である。
もちろんスパコンなんて2番も無かったんですよ
(2番じゃダメなんですかカテジナさん!)
きっと軌道計算やら強度計算とか
天才ショーンコネリーにやってもらうしかなかった
のでしょうね。
そして大統領直下の対策会議が
NASA+軍人+政治家が雁首並べて行われる。
そこで「ショーンコネリー」が報告する。
「仮に直径1キロの隕石が地球にぶつかった場合
直径80キロ深さ8キロの穴があくでしょう。
オルフェウス(今回の隕石)はその5倍ですから
TNT火薬250万メガトンの爆発に匹敵。
史上最大の地震の更に10倍の規模に相当。
50億トンの土砂が舞い上がって
地球に氷河期が来る・・」
(字幕版なんで若山弦蔵さんじゃないのが残念)
こりゃエライこっちゃ。
ところがショーンコネリーにナイショで
軍事に転用した将軍が大反対する。
軌道衛星ミサイルシステム「ハーキュリーズ」は
秘密兵器であり、対外的には存在しないことに
なってる。今さらどの面下げて
「公表」できるというのだ?と。
どうも事態の深刻さが解っていない様子。
喧々諤々、フンキューしまくる会議に
ショーンコネリーは離席しかけるが
こんなことを言い残す。
我が国の核ミサイルだけでは
破壊力が足りない。ソ連の協力も必要だ。
(ソ連もそんなミサイルシステムを
持っていればだが)
で、仇敵ソ連にダメ元でコンタクトをとる。
なに?アメリカの帝国主義者ドモめ!
我が国にナイショでそんなシステムを
用意していたんか!
平和を愛する我が国が
そんなミサイルシステムを用意してるはずない。
協力なんかできるわけなかろうハラショー!
でも一応、今後の協議のため
科学者をアメリカに送ってくる。
このソ連科学者が非常にモノわかりがよい人で
祖国でも赤い政治と石頭の軍人に
ヘキエキしていたらしい。
軍のハジ(と軍人は考える)をさらして
軍事機密を明らかにしたのに
やっぱソ連は協力してくれんじゃないか
この責任をどうとるんだ!科学者ドモめ!!
アメリカでもやっぱりおこる似たような
会議のフンキューを前に、
どの国でも政治家や軍人とは相いれないなァと
悟ったソ連科学者はついに言っちゃう。
「ソ連も持ってますよ核ミサイル発射衛星。
名前は「ピョートル大帝」ってイイマス」
えーそうなの?
今度はソ連とアメリカの罵り合い
ソ連では、同志科学者よ、なぜ裏切った・・とか
「政治・外交」という名のもと
いろいろな足の引っ張り合いドラマが続く・・。
この辺かなり眠い。
いい加減にしろー!てなわけで
ここにきてようやく
アメリカ・ソ連の各政治家・軍人・科学者は
いがみ合いを放棄して大同団結。
メテオを前には運命共同体であることに気がつく。
ヘンリー・フォンダが大領領でよかったね。
あとこの決断ができそうな大統領といえば
モーガン・フリーマンくらいかな。
そしてようやくミサイル発射。
まさか我が軍のミサイルを消費させておいて
自分とこは撃たないで済ます・・なんてことは
有りますまいな?疑心暗鬼はどこまでも。
先攻ソ連ミサイル、アメリカは後攻。
ところが発射秒読み段階にて
ショーンコネリー達のミサイル発射管制センター
(なぜかNYC地下にある)に
メテオのかけらが降ってくることが判明。
ええー?発射秒読み止めますか?
いやカウント続けろ!と
ショーンコネリー。
かくて彼ら科学者の果敢な決断で
ミサイルは発射された。
ミサイル発射を成功させた主人公たちの一群は
メテオ破壊まで、実はもうやることないのだが
それでは映画的に面白くない。
ミサイルセンターは土砂で半分埋まってしまった。
どこかららかNYC地下鉄構内に繋がっているらしい。
道中はとんだアスレッチックである。
ここから話はディザスタームービーにお約束の
「脱出」プロセスと、ミサイルの進行状況とが
交互に描かれる。
UnitedStatesの文字がまぶしい
サターンXロケットをたくさん束ねたような
米国側「ハーキュリーズ」システム。
ショーンコネリーによる事前の計算では
米国とソ連の核ミサイルを
全部ブッコめば、いちおうメテオは破壊される。
破壊力を保証する猶予は5発とのこと
つまり6発以上故障してしまうと
計算通りメテオは破壊されないってこと。
案の定・・ソ連製の「ピョートル大帝」は
さっそく3発も故障。戦線離脱する。
あと猶予は2発じゃないか・・
そして米国製ミサイルもついに1発故障。
大丈夫か?地球製品の故障合戦が続く。
先日、ロシアの都市に隕石が落下、
ガラスが割れまくったのは記憶に新しい。
死人こそ出なかった幸いであったが
現実世界ではアルマゲドンの
「ブルースウィルス」のようなヒーローも
「ハーキュリーズ」も存在しない。
実は、あの頃(1979年)より
遥か未来を生きていながら
隕石対策なんか何もなくって、ただ今日を
なんとか何も起きなかったから無事だ、
というだけの現在の地球。
軽くゾッとする。
で、人類を滅ぼす武器が地球を救ったというオチ。
「ね?やっぱ核兵器って役に立つでしょう?」
かくして大義名分を得た軍産複合体は
さらに「軍拡」を推し進め、今の人類社会よりも
更に悲惨な未来が待っていたのでした。嘘。
(途中眠くって、適当に記述している個所がありますが
だいたい合ってると思います)
メテオ Meteor
監督 ロナルド・ニーム
脚本 スタンレー・マン
エドムンド・H・ノース
原案 エドムンド・H・ノース
製作総指揮 サンディ・ハワード
ガブリエル・カッカ
音楽 ローレンス・ローゼンタール
編集 カール・クレス
配給 AIP
松竹/日本ヘラルド映画
公開 1979年10月19日
上映時間 123分
製作国 アメリカ合衆国
キャスト
役名/俳優
ポール・ブラッドレー/ショーン・コネリー
タチアーナ・ドンスカヤ/ナタリー・ウッド
アメリカ合衆国大統領/ヘンリー・フォンダ
アドロン将軍/マーティン・ランドー
ハリー・シャーウッド/カール・マルデン
デュボフ博士/ブライアン・キース
マイケル・ヒューズ卿/トレヴァー・ハワード
国防大臣/リチャード・ダイサート
イーストン将軍/ジョセフ・キャンパネラ
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