2014年01月11日

スリザー

「スリザー」

映画専門チャンネルムービープラスより。

題の「スリザー」には風邪薬とか
なんとなくマイコーをイメージしてしまう私。

ネット辞書Weblioによると
SLITHER
【動詞】 【自動詞】
1ずるずる滑る.
2ずるずる滑っていく.
【名詞】【可算名詞】
ずるずる滑ること.

いずれにせよ”ずるずる”が肝要なようで。

ゾンビ映画に宇宙人侵略映画、モンスター映画等々
古今東西のB級映画を観まくったと思われる人が
本気で作ってみたパロディー映画。
一応、意図的な笑いの場面は入れず
真面目なグロホラー映画の体裁ではあるんだが
この路線が好きな人には、パロディー以外の
何物でもなく、ただただ笑うのみ。
(”苦笑”ではなく、ホントの笑い)

その「観まくった人」とは
「ドーン・オブ・ザ・デッド」の脚本を手がけた
ジェームズ・ガン氏。
彼はこの映画で監督デビュー。

映画エイリアン的バイオ襲撃モノ、
物体X的スナッチものでありながら
ゾンビ映画エッセンスもある。
一粒で何度もおいしい。

あらすぢ
アメリカ南西部の田舎町で、隕石(いんせき)が
落下した日を境に、町では奇妙な連続事件が
起きていた。警察署長のビル・パーディ
(ネイサン・フィリオン)は、町の有力者グラント
(マイケル・ルーカー)の異様な変わりように
目をつける。森へ逃げ込んだグラントを
追い込んだ警官たちだったが、無数の未知の
生命体“スリザー”に口から侵入され……。

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いつものようにネタバレで行きます。

大きくて赤いナメクジのような化け物。
こいつが口から入って脳内に侵入。
人間は化け物と化す(以降繰り返し)。

いきなり被害者(グラント)の透視図から。
虫の侵入経路が一目瞭然。解りやす。

名作漫画「寄生獣」や映画「ブロブ」のオープニング
ガメラの敵怪獣「レギオン」の生態にも似てる。
とにかくその手の作品の「あ、あの状況・・
ってのが次々に出てくる。

グラント(ハゲ)は町一番の金持ち。
金に物を言わせて現夫人をモノにする。
とはいっても、奥さんも意に反して
結婚させられたわけでもなく、
実は玉の輿狙い。奥さんしたたか。
旦那も、けっこう真っ当に奥さんを
愛しているようで、DVとか浮気しまくり、
といったこともなく
また、金持ちになったプロセスにしても
これまで町の人の恨みを買っているとか
そんなこともない。

なんだ、いい奴じゃん
見た目はコワイけど。

一方、そんなグラントの奥方。
演じるはエリザベス・バンクス
若干トウがたってきている。
美人であるが、ノーおっぱいなのは
かなり残念な点。
キャスティングに猛省を望むところ。

そんなグラント(ハゲ)だったが、
夜のメイキンラブを一回断られてしまい
プンすか。そのまま夜の街へ飲みに行く。
そこで人生初(?)の浮気を敢行しようと
夜の森へ繰り出す・・のだが
この時モーテルでも選んどけばよかったんに。
金持ちはこういうところでケチるから
金持ちなんだろうな、と妙に納得。

状況が破綻してゆくプロセスは・・

・隕石から出てきたちっさい虫(母体虫)
 ↓
・町の有力者グラント(ハゲ)に寄生
 ↓
・グラントはメイン化け物になる
 ↓
・肉食って、葉っぱあつめて巣作り
 ↓
・グラントは自らの触手で尻軽女を襲撃
 ↓
・尻軽女は巨大な肉の塊モンスター化
(体内は「巨大ナメクジ」の養殖場)
 ↓
・破裂、ナメクジ大量発生、町の人に寄生
(寄生された人は、疑似ゾンビと化す)
 ↓
【今ココ】
・寄生ゾンビとは「グラント」に奉仕するために存在
(餌の搬入および希望者はグラント本体と
 ドロドロぐちゃぐちゃ一体化)
 ↓
【予定】
・いずれは全地球生命体が「グラント」モンスター化

グラント(ハゲ)モンスターは
何故か妻には手を出さない。
それは妻に「愛」を教わったから、と書けば
聞こえはいいが、要するに
モンスターは妻に「ドウ×イ」を
奪われてしまったからのようだ。
オリジナルのグラント意思は
母虫に寄生された段階で消滅した模様。
しかし虫には生前のキオクが継承され、
その中に「奥さんを大事にしよう」と
いう意識もあったらしい。

エライじゃん。グラント。
で、奥さんはダンナがいつもとちょっと違うナ
と思いながらも、昨晩のお詫びも兼ねて
かなり盛り上がっちゃう。

さ、ここでセクロスの素晴らしさを
知ってしまったグラントモンスター・・。
「人の世に愛があーる
 人の世に夢があーるぅ〜」


長いこと宇宙を放浪し、かなりの生物を
殺戮、吸収してきたハズなのに
意外に経験不足、ウブなんですな・・。
笑える。

そして状況打破を期待したい主人公の保安官。
彼、若くして田舎警察署長に就任。
この保安官、じつはグラント奥さんに
フラれた(彼が堅物すぎたのと
グラント奥さんが玉の輿を選んだため)
経験をバネにして出世。

で、この保安官、
頼りになるやらならないやら。
なにかってーと、救急車呼びすぎ。
いわゆる「正常性バイアス」が
強く働いてしまっているってことでしょうか?
あんなドロドロぐちゃぐちゃ&ゾンビだらけの場に
「救急車」呼んだところで
どうにもならんでしょうに。

その思考硬直性が奥さんにフラれる原因なんだよ。

途中からヒロイン(奥さん)が豹変する。
思わず周囲がつぶやく・・「女って怖い
ホントだ。

なぜこの人が?みたいなキャラ(ジャック)が
結構しぶとく生き残っていたりして、
そんな程度で観劇者の意表を突いた
つもりなんだろうか?

監督は、シャワーシーンに
グラント奥さん女優(この時32歳)では
さすがに厳しい・・とでも思ったのか
ティーンエイジャーを、もう一方のヒロインに用意。

「大草原の小さな家」を地で行く「農家の娘」
パパ、ママ、双子の妹は全部ゾンビ化。
双子の妹の迫真ゾンビ演技に少々困惑したり。

ティーンエイジャーは最後まで生き残るが
この彼女、途中で何度か寄生されそうになり
理屈は分からんけど、スリザーと意識を共有、
彼らの種としての歴史を垣間見てしまう。
口から侵入しようとする巨大ナメクジとの死闘。
なんか、赤い恵方巻き食っているようだ。

そして・・。
エンディングロールは最後まで観ましょう。
ええ、期待を裏切りません。

息子には見せられないが
それなりに面白かった。

スリザー(2006)
SLITHER

上映時間 96分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(東宝東和)
初公開年月 2007/12/08

彼ら(スリザー)の侵略は、“口”から始まった。

監督: ジェームズ・ガン
脚本: ジェームズ・ガン
撮影: グレゴリー・ミドルトン
特殊メイク:
トッド・マスターズ
ダン・レバート
プロダクションデザイン:
アンドリュー・ネスコロムニー
編集: ジョン・アクセルラッド
音楽: タイラー・ベイツ

出演:
ネイサン・フィリオン/ビル
エリザベス・バンクス/スターラ
マイケル・ルーカー/グラント
グレッグ・ヘンリー/ジャック
ブレンダ・ジェームズ/ブレンダ
タニア・ソルニア/カイリー
ジェナ・フィッシャー
ロイド・カウフマン
ロレーナ・ゲイル

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posted by PON at 21:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(サ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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