アイアン・スカイ(原題: Iron Sky)
それにしても「アイアン・スカイ」って
なんだろう。そりゃ簡単な単語であるが
ネット翻訳してみた。
■機械翻訳の結果
1.鉄の空
2.冷酷な気候
3.アイロン空
4.空に鉄をかぶせてください。
映画としては1〜2あたりのユニゾンかな。
4なんか、なんじゃそりゃ?である。
<あらすぢ>
2018年にアメリカ合衆国大統領選挙キャンペーンの
一環として46年ぶりに月面の裏側に着陸した
アフリカ系アメリカ人のモデル ジェームズ・
ワシントンが発見したものは、ナチスの基地で
あった。ナチスは、1945年のドイツ崩壊の際に
秘密裏に開発した宇宙ロケットで月へと脱出し、
地球侵攻の準備をしていたのである。ナチス基地に
拉致したジェームズを尋問しようとしたナチス幹部
は、彼がアフリカ系であることに驚く。月面親衛隊
准将クラウス・アドラーの婚約者でもあるレナーテ
はナチスの「愛」の信奉者で「地球」学者であった。
彼女は拷問を受けるジェームズへ、生き延びる為に
ナチス信奉者を演じるようアドバイスする。
レナーテの父でナチスの科学主任を務めるリヒター
博士はジェームズの持っていたスマートフォンを
使えば開発中の最終兵器「神々の黄昏」号を完成
できることに気がつく。
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もの凄く爽快なアホ映画。
製作費が足りなくて世の物好き好事家からの
寄付金を受けて制作できたSF映画、
というの前知識くらいしかなく
B級だけどマジメなSFなのかな・・と思いきや。
映画の最初の方でヒロイン
(ゲルマン至上主義者が
大喜びして全ゲルマン女性の鏡
としたがるような女性。
一見、知的で清楚でセクシー)の
”ズロース全開”シーンを観て
この映画は”B級”というよりも、
よくできた”アホ映画”であると悟る。
ナチスは敗戦後、その超絶科学力をもって
月へ逃亡。帝国復興を夢見つつ雌伏する。
時は21世紀となるが
悲しいことに頭の中は1945年のまんま。
現ナチの下っ端は皆、月生まれで
ナチズム純粋培養世代。
敵(地球軍)を前に、手がおろそかになって
いきなり国歌斉唱。
月面親衛隊准将クラウス・アドラーは
次期総統に選抜されたことはあって
「国歌斉唱している場合か!馬鹿か貴様ら」
そんな教育を仕向けたのはアンタラだろうに・・。
一方の地球も大して変わらない。
夢の21世紀だというのに今の有様なのは
ご存知の通り。
イマドキの映画らしく女性とマイノリティ
(黒人)が活躍する。
米国大統領はこれまたイマドキらしく
女性がなっているが、その資質には大いに疑問符。
昔、大統領候補として一瞬だけ
有名になったアラスカの田舎娘
サラ・ペイリンみたい・・つーか
絶対モデルにしてる。
彼女はナチスの地球来襲を大歓迎する。
「アメリカがまともに勝った相手は
ナチスしか無い!」と言い切り
「大統領一期目に開戦した大統領は
再選されるジンクスがあるのよ!」
とのたまう。(そ、そうなの?)
米国宇宙軍の女司令官もヒドイ。
彼女、もともと民間人だったんだが
侵攻前の潜入偵察で地球にいた
ナチの次期総統にフラれ、その怒りをぶつける為
大統領に司令官を志願する。
ナチの巨大宇宙戦艦ラグナロク(神々の黄昏号)
のことを”巨大ち×ぽ宇宙船”とかほざく
他にも放送禁止用語(日本の地上波基準で)
ポンポンでてくるし・・。
女性ならば、平和を愛し、穏健で聡明な
素晴らしい政治家なのか?といえば
当たり前だけど全然んなことない。
いよいよラストの大決戦。
地球攻撃のため出撃するナチス宇宙艦隊
(ハーケンクロイツ印のUFO大軍)
および最終兵器搭載の旗艦ラグナロクが出撃。
超巨大戦艦を目の当たりにした各国は
ようやくこのナチ騒ぎがガチであることを悟り
国連対策会議にて大使たちも
さすがにタブーなしの大激論を展開する。
「あのUFOの大軍、どこの国のよ?
イラン?違う。中国?違う」
折悪しくインド代表は、逆さ”まんじ”
(寺の地図記号)の指輪をしているのを
見とがめられ
「あー?お前んとこだな!!」
「ちがいますっ(汗)、これ”幸せ”のマークね」
「じゃあどこの国でもないじゃん」
アホみたいな犯人捜しの中、某北の国の大使が
堂々と立ち上がる。
「発表します・・」
「!?」
「あれは偉大なる首領様がお作りになられた」
と真顔で力説。
あの国、あの民族ならいかにもやりそうだが
さすがに各国大使も腹を抱えてバカにする。
米国大統領は
「はい解かりました。北○鮮、着席」
あしらい方がまるで学校の先生だ。
地球人類に打つ手はないのか??
その時、こんなこともあろうかと、
米国の秘密戦艦が登場する。
名前は「ジョージ・W・ブッシュ」号。
ああ強そう。
そこらのハリウッド映画ならば
地球を守る宇宙戦艦だ。
出自を気にされることもなく
壮大なBGMと共に大活躍して終了なところ。
だが、この映画はその辺一筋縄じゃない。
宇宙戦艦を持つことは
国連協定や宇宙平和条約の重大な違反。
会議はさらに紛糾する。
「あーズルい!アメリカのヤロー
あんな兵器で地球征服するつもりだったんだろ!!」
各国大使が揃って米国を非難しようとするが
ゴメン、実はウチも持ってる(ロシア)
うちも(英国)
なんと我が国ニッポンも!
・・もはや作っていない国に聞いた方が早い。
フィンランドだけがそっと挙手。
結果的に心強い援軍ができて喜ぶかと思いきや
米国女性大統領は叫ぶ。
「みんなクズばかりね。
条約守っている国なんてないじゃない。
別れたダンナみたい」
そう言われるとさすがに各国大使も
「オメーのところが一番
とんでもないもの造ってんじゃねーか!」
ついに
「アメリカはいつもだからいいのよ!」
とまで言い切る。ス・・スゲエ。
ま、てなわけで足並みは全然揃っていない地球側。
ひとまず「敵は月ナチス」ということだけ
総意としてナチを迎撃する。
一応、それなりのセリフも用意して
この映画が単にバカ映画なばかりじゃないと
ちょっとだけアピール。
「復讐の物語はいつも悲劇的だ
うまくいったためしがないのだ
・・寂しいものね」
かくして月ナチス軍は敗北。
世界連合宇宙艦隊が勝利する。
ここで終わっておけばいいのに
またまた重大なことが発覚する。
大量入手が可能になれば向こう数千年の
エネルギー問題が一挙に解決するとされる
「ヘリウム3」を米国が月面で独占しようと
企んでいたのだ。
各国代表はバトルロイヤル開始。
国連の会議室は、もはや白いマットの
ジャングルと化し
その騒ぎはそのまま世界連合艦隊の
内ゲバに発展する。
日の丸つけた宇宙戦艦も他国の戦艦に体当たり!
(どうやら日本には”カミカゼアタック”しか
攻撃方法がないらしい)
そして地球は入らんでもいい第三次世界大戦という
核戦争突入して幕。
生き残ったのは、現代ニューヨーカーの
黒人(一応主人公)、考え方が変わったヒロインの
ゲルマン女性。そして偏った思想を植え付けられた
月住民だけという皮肉。
エンディングで意味もなく「火星」が映されるが
これはひょっとしてこの状態から
マーズアタック?
アイアン・スカイ
Iron Sky
監督:ティモ・ヴオレンソラ
脚本:マイケル・カレスニコ
ティモ・ヴオレンソラ
原案:ヨハンナ・シニサロ
ヤルモ・プスカラ
製作:テロ・カウコマー
オリヴァー・ダミアン
キャシー・エヴェレット
マーク・エヴェレット
サムリ・トルソンエン
出演者:
レナーテ・リヒター / ユリア・ディーツェ
クラウス・アドラー / ゲッツ・オットー
ジェームズ・ワシントン/ クリストファー・カービイ
ウォルフガング・コーツフライシュ総統 /ウド・キア
リヒター博士 / ティロ・プリュックナー
ヴィヴィアン・ワグナー / ペータ・サージェント
アメリカ合衆国大統領 / ステファニー・ポール
音楽:ライバッハ
撮影:ミカ・オラスマー
編集:レーシュ・エイアー
製作会社:Energia Productions
上映時間:94分
製作国:フィンランド/ドイツ/オーストラリア
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