昨年、「特撮国宝」で放映されながら
レビューし忘れておりました。
地底怪獣と書きまして”バラゴン”ですね。
ご存知の方にはいまさらのお話だけど
”海外版”というのは”通常版”と
エンディングが異なります。
<あらすぢ>
第2次世界大戦末期、陥落寸前のドイツベルリンの
リーゼンドルフ博士の研究室から、ナチによって
はるばる日本に「あるもの」が運ばれ、Uボートを
犠牲にしてまで広島の「広島衛戍病院」に移送された。
いぶかる移送責任者の河井大尉の質問に対し、
軍医長はそれが「フランケンシュタイン博士の
創造した不死の心臓である」と説明する。それは
大戦の切り札として、この永遠の生命力を持つ
心臓をもとに不死身の兵士を作ろうとする
日独の秘密の作戦であった。しかしそれは直後に
米軍によって投下された原子爆弾の爆発で消滅
したかと思われた。
それから時は流れ、15年後の1960年。広島県
のある住宅の飼い犬が何者かによって殺害され、
ある小学校で兎のバラバラ死体が発見される
事件が発生。また、激しく雨が降る晩、謎の
浮浪児がタクシーに轢き逃げされる・・。
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昔から、モンスター映画を作るときは
彼らにどうやって退場していただくか
その理由に苦慮するところでありまして
この映画も唐突に終了します。
”通常版”つまり映画放映時のEDでは
バラゴンをやっつけたフランケンは
突如発生した地震の亀裂に呑みこまれて終了。
さすがの彼(フランケン)も
あれじゃあ助からないよね・・的余韻。
対しましてこの”海外版”。
バラゴンをやっつけたところまでは一緒ですが
なんも前フリ等なく、巨大タコが出現。
山中なのに。
映画「キングコングの逆襲」で
円谷監督が出した巨大タコ。
デビルフィッシュってことで
海外では忌み嫌われている存在だが
妙に海外で好評だったので、もう一回出してくれ!と
外圧がかかった結果がこれ。昔から弱いよね。外圧。
で、このタコが最後にはフランケンを湖に
引きづりこんで終了する。
亀裂にしたってタコにしたって
話を終わらせるために無理やりの登板。
カワイソウだな・・どちらも。
ちなみに、CGがなかった時代、
海外の子供向け特撮といえば、モンスター人形の
コマ撮り撮影が主流で
日本のゴジラが1950年代に
初めてあちらで放映されたとき
日本人はなぜここまでスムースに動く
モンスターを作れるのか?と
一部マニアなぞ不思議に感じたらしい。
フタを開けてみれば、ご存じの通り
着ぐるみに人が入る、方式なのだが
そんな灯台下暗し方式など
夢にも思わない彼らは、
ジャパニーズ・マジック扱いだったそう。
同じように、あのデビルフィッシュ
妙に質感がある、
日本人はなぜここまでスムースに動く
モンスターを作れるのか?と
またまた不思議に思ったそうだが
フタを開ければ、ホンモノの蛸だった。
これまた灯台下暗し。
フランケンシュタイン対地底怪獣
Frankenstein vs. Baragon
監督:本多猪四郎(本編)
円谷英二(特撮)
脚本:馬淵薫
製作:田中友幸
出演者:
高島忠夫
ニック・アダムス
水野久美
佐原健二
音楽:伊福部昭
撮影:小泉一(本編)
有川貞昌(特撮)/富岡素敬(特撮)
編集:藤井良平
配給:東宝
公開:1965年8月8日
上映時間:94分
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