日本映画専門チャンネルで放映。
(もう半年以上前の話)
クレージーキャッツを通して
当時のサラリーマン文化、世相を見たいという
多少、ひねくれた観劇理由。
わかっちゃいるけどやめられねえ。
<あらすぢ>
新入社員の第一歩を踏み出した石橋と梅田は、
五人の同僚と一緒に中村課長の下に配属され
こき使われることになった。仕事は忙しいし
どなられ通しだが、少しは良い事がないでもない。
それは女子社員に大いにもてることだ。
だが、石橋君、小森君始め七人の新入社員に
とって、それにうつつを抜かしていられない
大事件が持ち上った。三ヵ月後に社長と社長令嬢が
渡米することになり、二人の随員が七人の中から
選抜されることに。つかめ出世の糸口・・。
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原作は青島幸男とあるが、おそらく
この映画原作ではなく、題の「スーダラ節」の
作詞者だからのクレジットなんじゃないかな。
この辺未確認ですが、どーもすんません。
でも「スーダラ節」って
1)ハシゴ酒でベンチ就寝
2)馬で金もうけした奴はいない
3)女にフラれた
しか歌っていないので
この映画の内容にはあんまりフィットしてない。
「歌」にかこつけて「サラリーマン喜劇」を
作りたかっただけなのかもしれない。
ハナ肇ばっかりで、植木等があんまり出てこない。
開幕冒頭、登場するにはするのだが
なんかマジメに世相を語りだす植木等。
話のあと、ちゃぶ台ひっくり返すかのように
植木笑いでも見せてくれるのかと思えば・・
そんなこともない。
ドリフ大爆笑でいかりや長介が、コントで笑いを
取るためか、司会進行は至極マジメな
進行だったのと似たような感じ。
ゴジラ映画見に行ったのに
モスラばっかで場をつないでいるみたいで
クレージーキャッツの他のメンバーも
終盤になって、物語で必要性ゼロの
謎のよっぱらい集団として
やっと勢ぞろいする体たらく。
”大人の事情”でサービス出演ってのが真相なのか。
観客としてはやっぱ”クレージー=植木等”の歌を
期待して映画館に来るわけですが、
そんな事は華麗にスルーされて
しばらくは若手俳優「川崎敬三」「川口浩」の
初々しい?演技を見せられることになります。
そのダブル主人公。一方は
「そーなんですよ川崎さん」の川崎敬三。
彼の一族はなんと”水上生活者”
一族の期待を一身に背負い、大学を出て
一流企業へ就職した男。
それにしても”水上生活者”・・
今では絶対使えない設定だ。
1960年代にはまだまだ居たんだな。
もう一方が川口浩。貧農の出の彼も
大学の学費をまかなうため、家族は虎の子の
田畑を売ってしまう。こちらも一族の
希望の星なんで、上京時には皆さんでお見送り。
親戚のおばちゃんなんか開口一番。
「早くうんと出世して、お前の学費のために
売りとばした田んぼを買い戻しておくれ!」
お・・重過ぎる。
しかも彼、背広が買えなかったんで
入社式に詰襟学生服で出席です。
時代なんだなあ。
そんな彼なのに物語終盤に
奥さんこそ会社で見つけたものの
「出世より夢を追うんだ」とかで退社する。
(その結果が水曜スペシャルなんですね)
以下はWiki先生より。
「スーダラ節」が大ヒットしたことを受け
当の植木等は
「こんな歌がヒットするようでは悲しいなぁ」
「冗談じゃない」
「こんなのがヒットするってことは、俺が考えてる日本と
本物の日本は違うものなのか」
と思い悩んでいたんだとか・・。
ところで・・
「PON君、古い映画ばっかり観過ぎ。
文化的にドンドン置いて行かれるよ」
と妻が言うため
「オレだって新しい映画だって観るよ」
と2019年のLAが舞台の映画
「ブレードランナーディレクターズカット版」
を観はじめたら、呆れてしまったのか
向こうへ行ってしまいました。
スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねえ
スタッフ
監督:弓削太郎
脚色:高橋二三
原作:青島幸男
企画:竹谷豊一郎
撮影:石田博
キャスト
川口浩:石橋信一
川崎敬三:夢田春夫
藤原礼子:荒牧しのぶ
ハナ肇:中村渉外課長
目黒幸子:松子
製作年:1962年
製作国:日本
配給:大映
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