2015年02月22日

ラッシュ/プライドと友情

「ラッシュ/プライドと友情」

かつて・・
馬といえばオグリキャップ
F1といえばセナ
そんな時代がありました。
不肖PONは、あいにくそんな時代にしか
馬もF1も嗜んでおりません。

しかしその前からも
それぞれのフィールドには先駆者が居りまして
数々の伝説を作ってきたわけであります。



PONの幼少期、F1といえば
おもちゃはだいたい”葉巻型”でしたが
それでもスーパーカーブーム(70年代)になると
現在のF1マシンの原型とも呼ぶべきフォルムに
なってきます。
そんな中でも”バケモノ”という呼び名が
相応しいマシンがメディア(主に絵本w)を騒がし、
またタミヤもラジコンで売り出していた為
目にすることも多く、我ら子供たちの
胸をときめかせたものです。
そ、タイレルの六輪マシン
(ティレルP34(Tyrrell P34))です。

ティレルのことをタイレルと
いまだ呼称してしまうあたりオヤジ力全開ですが
この映画、そのバケモノマシンが活躍してた
1975年ごろに最高潮を迎えます。
もっとも主役はハントとニキ・ラウダで
タイレルの六輪マシンは完全に脇役ですけど。



あらすぢ
1970年代、毎年平均2人が事故で死亡するF1の世界で
伝説となった2人のレーサーが存在した。

ジェームズ・ハントは野性的思考であり、毎日を
人生最期の日の様に謳歌する豪放なプレイボーイで、
勘を活かした走りを得意としていたイギリス人。

ニキ・ラウダは「コンピュータ」と評される
論理的思考であり、レーサーのイメージとは
かけ離れた勤勉な男で、工学の知識を活かして
自らマシンを整備する走りを得意としていた
オーストリア人。

全く正反対の性格の2人は
やがてライバル関係となり・・。

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野生のカンで走る男ジェームズ・ハント
この世の欲を謳歌し、出会った女みんなと
仲良くなってしまう。
いつ死ぬかわからないからこそ刹那的に
生きている豪快さんに見えるが、
レース前には必ず陰で吐くような繊細さも持つ。

(なんか観たことあるヒトだと
 思ってたら”マイティ・ソー”だった人だ)

そしてハントとは正反対の男、ニキ・ラウダ
資産家の息子として生まれながら
父親の反対を押し切ってカースポーツ界に。
F3レベルでウダウダしてたら
F1昇格はいつになるか全然わからん、
そう考えた彼は、自分を担保に銀行から金を借り
良いマシンを保有しているが資金難のチームへ
スポンサー兼レーサーとして自分を売り込む。
更に一級のエンジニアでもある彼は
そこのチームのマシンを改良、即結果を出す。

ハントは”ネズミ野郎”と挑発するが
レース結果で見返してこそレーサーだと考える彼は
まったく意に返さない。
またF1という危険な世界にいる以上、死の危険は
常に存在するが、それを20%と見積もる。
ただし、この世のメリットは生きてこそ
享受できるとも考えているため、20%を超える
リスクは決して冒さない。
つまり、我ら日本人によくある
”ヤッテみなければわからない”という
行動は絶対しない主義なのだった。
ところがその”絶対”を冒してしまったがゆえ・・。

ニキ・ラウダの奥さんになる人は
ドイツ系名俳優クルト・ユンゲルスの
パーティーで出会ったと劇中にあるが
その奥さんはクルト・ユンゲルスの元恋人
だったらしい。
モデル人物に故人が多いにしても、
向こうの映画はいろんな事、映画にしちゃうな。

そんな二人がぶつかり合ううちに
共に影響を受け、少しづつ変わってゆくというのが
メインストーリー。

ライバルの存在を呪うな。
 神の恵みだと思え


色々あって、ハントが新聞記者を
(陰で)殴るシーンが好き。
以前のハントだったら
けっして殴らなかったろう。

ラスト、自分に群がる女たちと共に
自家用ジェットでどこかへ出発しようとしてた
ハントは格納庫で偶然、ニキ・ラウダと再会する。

ニキ:「どこへ行くんだ?」
ハント:「誰かの結婚式だったか、誕生パーティー
     だったか、よくわからない」
ハントのこの周囲への関心の無さ。

結局、ハントの心の空洞を埋めることができたのは
地位でも金でも女でもなく
ライバル(”強敵”と書いて友と読む)の
存在だけだったという・・。

監督は”ロン・ハワード”
自分が観た映画では・・
「スプラッシュ」(1984年)
「コクーン」(1985年)
「ガン・ホー」(1986年)
「バックドラフト」(1991年)
「アポロ13」(1995年)など。

自分は観てませんが
「ダ・ヴィンチ・コード」の
監督さんでもあります。
大ヒット作は少ないかも知れないが
安定した良品を生み出してますね。

いや、いい映画を観ましたよ。



しかし、邦題だけはもうちょっと
なんとかならなかったのかなぁ?

ラッシュ/プライドと友情
Rush

監督:ロン・ハワード

脚本:ピーター・モーガン

製作:ロン・ハワード他

出演者:
クリス・ヘムズワース
ダニエル・ブリュール
オリヴィア・ワイルド
アレクサンドラ・マリア・ララ
ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ

音楽:ハンス・ジマー
撮影:アンソニー・ドッド・マントル

配給:ユニバーサル・ピクチャーズ/ギャガ
公開:2013年9月13日(イギリス)
上映時間:122分
製作国:アメリカ/イギリス

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posted by PON at 02:08| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(ラ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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