なんだっけ。
NHKで放映してたんじゃないかな。
有名な”松本サリン事件”のほぼ実録映画。
自分自身、あの時代の狂騒的顛末を
メディアで体験してきたんで、
久々に社会派映画でも見てみるかと
思い立った事もあり・・。
松本サリン事件といえば
有名な”どぶ川で死んでるザリガニ”の映像。
あのザリガニは、サリンで死んだんか
たまたま自然死してひっくり返っていたのか
それは判らないけれど、犯人扱いされた
河野さん(映画では神部さん)の自宅横の
側溝にて死んでいたため、マスコミの
印象操作の格好の材料にされた。
<あらすぢ>
1995年6月上旬、長野県松本市に住む高校生の
島尾エミと山本ヒロは、松本サリン事件報道の
検証ドキュメンタリーを制作していた。
NHK長野放送局をはじめとするテレビ局が取材を
拒否する中で、ローカルテレビ局「テレビ信濃」
は取材に応じるという。報道部長の笹野、
そして記者の浅川・圭子・野田の口から
誤報につながった原因が語られた。
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分別ある報道キャップがいたおかげで
たまたま加害者から無縁でいられた地方テレビ局が
松本サリン事件当時、自分らが迷いながらも
いかに頑張ったかを女子高生(遠野)に
自慢する話が中心。
遠野凪子が女子高生役で出演。
それなりに可愛いのだが・・
あの当時(2002年)でも
なんかコワイ空気を帯びた女性だ。
(まっとう?な女学生に見えない)
それと年上に対してもう少し口のきき方
というモノを覚えような。
仮にも年上にむかって
「ごめんね!」はねーだろ。
吉田警部(演:石橋蓮司)に代表される
松本警察の面々がムカつく。
中央(東京)から馬鹿にされないよう
常に地方警察のメンツにコダワリ
現場の経験則もそりゃ大事だけど
”こいつが犯人じゃないか?”と
一度、空気が醸成されたら最後、トコトン。
現場の人間がこれはシロだな・・と
うすうす感じはじめたとしても
上層部は決して認めない。
そんな連中が捜査していても
さすがに今事件の”凶器”が
毒ガス「サリン」であったことくらいは判明する。
すると、たまたま化学メーカーに勤めていた
経歴をお持ちの神部さん。
自宅にある薬品を化合してホントに
”サリン”なるものが作れるのか?ってな
話になってくる。
自分も当時、新聞を食い入るように読んだけど
いわゆる”知識人”の間でも
”作れる””作れない”と意見が分かれていて
自分も当時大学生。今のようにネットもなく
なによりこの事件で”サリン”って
知ったくらいだから、誰の言ってることが
本当なのか全然わからなかった。
そんな時にある大学教授コメンテーター
(このひとは実在するらしい)が
教授だというだけで専門外なのに
「サリンは薬品をバケツで混ぜ合わせて
簡単に作る事ができる」と発言。
この言葉が”神部”さんを
犯人と断定できる空気にしてしまった。
でも警察発表で”犯人”が逮捕されたことに
ひとまずホッとした事は覚えている。
ニッポン全国が、未曽有の事件に震撼し
早く事件が解決してほしい、から転じ
もう誰でもいいから早く捕まってくれ!的
空気にあったのは否めないと思う。
そう、すべては”空気”なのである。
およそニッポンらしいな。
それにTV局の報道なぞホント恐ろしい。
報道ネタに選択肢が二つあったなら
インパクトある方を選択する。
それに常に時間に追われ
記事の内容をロクに精査もしない。
最後の最後になって
再現映像ながら、松本サリン事件の
現場の生々しい地獄絵図がでてくるあたり
もちろん一番”悪”なのは
オウムであることは言うまでもないけれど
それ以上にマスゴミの腐った中身
民衆の無責任体質に対する
熊井監督の猛烈な怒りが
映画を通じて伝わってきた。
恐ろしいことには
監督が指摘したかった事が
いまだ、何一つ改善されていない所だな。
北村有起哉さんの嫌な奴演技が
すばらしくイイw
日本の黒い夏<冤enzai罪>
監督:熊井啓
脚本:熊井啓
原作:平石耕一
製作:豊忠雄
製作総指揮:中村雅哉
音楽:松村禎三
撮影:奥原一男
編集:井上治
キャスト
笹野誠:中井貴一
浅川浩司(コージ):北村有起哉
野田太郎(ノロ):加藤隆之
花沢圭子(ハナケイ):細川直美
神部俊夫:寺尾聰
神部の妻:二木てるみ
吉田警部:石橋蓮司
永田威雄:北村和夫
鳥尾エミ:遠野凪子
山本ヒロ:斎藤亮太
藤島教授:藤村俊二
大出女医:根岸季衣
製作会社:日活
配給:日活
公開:2001年3月24日
上映時間:118分
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