2016年02月01日

馬鹿まるだし

「馬鹿まるだし」

NHKプレミアムで放映してたんで観劇。

山田洋次監督の初期の映画。
監督が、誰もがご存知、寅さん(渥美清)
シリーズをヒットさせる前夜に、
試行錯誤していた頃の作品で
いわゆる「馬鹿シリーズ」の一作。

NHKプレミアムでは以前
「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本・喜劇編」
と銘打って映画を続々と放映してた時期が
あったんだけども、その100本の中にもあった。
自分で自作品を選ぶなんてメンタリティ。
凡俗であるPONには到底持ちえないが
だからこそ山田監督は
”名”監督になり得たのかもしれない。

あらすぢ
瀬戸内の小さな町、シベリア帰りの安五郎が
淨念寺に転がり込み、住職の長男の妻
(ご新造さん)夏子に一目惚れ。やがて町のボス
となった安五郎は労働争議を解決するなど
大活躍する。しかし、徐々に町の勢力を
反対派に握られ、人々の目は冷たくなっていき
淨念寺にも出入り禁止となってしまう。
そんな折、誘拐事件が起こる。名誉挽回の
チャンスだと誘拐犯を追いかけた安五郎
だったが・・・
************************

てなわけで、主役を演じるは
クレージーキャッツリーダー、ハナ肇氏。
どうしたって”男はつらいよ”と比べてしまうが
やはり寅さんの渥美清の方が洗練されている。
(かの”車寅次郎”であってもですよ)

寅さんは山田監督、後年の作品なんで
あか抜けるのは当然なのかもしれないけど
男はつらいよの初期(1〜5作位まで?)
だけを思い出してみてもやはりそう思う。

山田監督はもう少し喜劇役者としての
”ハナ肇”を重用しても良かったのではないか?
と生意気にも思ってしまうのだが
この後、”渥美清”という珠玉を
手に入れてしまった山田監督は
以後、”男はつらいよ”シリーズに
ほぼカントク人生を没頭するのであります。

映画の内容としては
おバカで早とちりでお調子者の
”シベリア帰りの安五郎”(演:ハナ肇)が
周囲の勘違いとオダテで
必要以上に頑張ってしまい、地元では
”英雄”としてそれなりの評判を得る。
ところが時代が変わるや、途端にワル扱いされ
お払い箱なってしまう、というお話。

映画”七人の侍”や”荒野の七人”にも
あったように、”英雄”を
利用するだけ利用するくせに
いざとなれば平気でつばを吐く
一番したたかな存在、それが”庶民”(農民)
なのだ。



果たして、この映画で”馬鹿”を指すのは
安五郎(演:ハナ肇)だったのか
それともヒロイン夏子を含めた
安五郎の周囲の一般民だったのか。

”馬鹿まるだし”
スタッフ

制作 : 脇田茂
企画 : 市川喜一
原作 : 藤原審爾「庭にひともと白木蓮」
監督・脚本 : 山田洋次
脚本 : 加藤泰
撮影 : 高羽哲夫
美術 : 佐藤公信
音楽 : 山本直純
照明 : 戸井田康国
録音 : 松本隆司
編集 : 浦岡敬一

キャスト
安五郎 : ハナ肇
夏子 : 桑野みゆき
八郎 : 犬塚弘
伍助 : 桜井センリ
山形 : 安田伸
先生 : 石橋エータロー
浄閑和尚 : 花沢徳衛
きぬ : 橋とよ
日之出巡査 : 長門勇
泥棒 : 渡辺篤
静子 : 清水まゆみ
睦子 : 水科慶子
主水屋 : 三井弘次
辰巳屋 : 石黒達也
赤木会長 : 小沢栄太郎

萬やん : 渥美清(特別出演)
ナレーション(清十郎) : 植木等(ノンクレジット)

************************
管理人モチーベーション維持のため
クリックしていただけますと助かります!
  ↓ ↓ ↓
e8c67347.gif
ラベル:馬鹿まるだし
posted by PON at 21:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(ハ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック