2007年08月03日

「フェイク」楡 周平

今日のお題はコレ。
角川文庫「フェイク」 
著者 楡 周平(にれしゅうへい)です。
本好きでPONと同じく
電車での移動が多い上司から
借りた本です。

さすがに作者の名前くらいは
聞いたことがありましたが
放っておいたら、人生の最後に至るまで
PONが手にすることは無かったでしょう。

なんたって、読後に表紙すら裏返された
状態で借りたもので、自分がこれから
何を読まされるのか?全く判らない
状態から読書スタートしました。

たまにはいいですね。
こんな読み方も。
とにかく話がどう変化するのか
皆目わかんないのだからw

<あらすぢ>
岩崎陽一は、銀座の高給クラブ「クイーン」の
新米ボーイ。昼夜逆転の長時間労働で
月給わずか15万円。生活はとにかくきつい。
そのうえ素人探偵とは誰にもいえない。
ライバル店から移籍してきた摩耶ママは
同年代で年収1億といわれる。
破格の条件で彼女の運転手を務めることに
なったのはラッキーだったが、
妙な仕事まで依頼されて…。
情けない青春に終止符を打つ、起死回生の
一発は炸裂するのか。抱腹絶倒の
傑作コン・ゲーム。

内容(「BOOK」データベースより)

・・以上はAmazonのHPから
コピペした「あらすじ」なんだけれども。
この記事のために改めて読み直していて、
ヘンに思った。

>そのうえ素人探偵とは誰にもいえない。

・・探偵ものだったっけ??

これね〜、「童貞」の間違い。
打ち間違えたのかな。オペレータの方。
「素人童貞」が正しい。
もし意味が判らない方がいたら
おうちの方に聞いてみよう。
しばらく無視されるぞ。

まあ、主人公が「素人童貞」であることが
物語に多大な影響を与えるって
程でもない設定なんで別にいいけど。
主人公が物語に出てくる女性達と
最後まで「異性交遊関係」とはならない・・
そういった防波堤にはなっている。

効果としては、響子さんに出会えなくって
堕ちるところまで堕ちた五代祐作君と
いったイメージを主人公に与えるってことかな。

でもそれでよかったかもしれない。
この小説は「拝金小説」、
つまり悪知恵を働かせ、自分達より
あくどく儲けている金持ちから
非合法手段で「金」をぶん取る物語。
(こういう話を「コンゲーム小説」
 というらしく、ミステリ小説の
 人気ジャンルなんだとか)

結局は主人公達も敵?も
目クソ歯クソなんだよね。
夜の歌舞伎町とか銀座から悪を
一掃するわけでもなければ
日頃、PONが読んでいるような
小説のように、突然バケモノに変化した
闇の住人どもを抹殺するような話でもない。

だからこの主人公が「島K作」か
「ジェームスボンド」ばりに
とっかえひっかえ、異性とやっちゃう奴だったら
勝手にやってろって感じ?
誰も主人公に感情移入できないだろう。
小説が単なる「生臭い詐欺モノ」に
なってしまうし。

彼が「素人童貞」であるという
その一点だけが、読者も主人公の話に
付き合ってあげてもいいかなと
許せるところなのかもしれない。

文体も非常に読みやすく
夜の銀座のシステム「永久指名」とか
競輪のシステムやノミ屋など
妙なジャンルに対して
局地的に詳しくなれます。
「夜の銀座」を飲み歩くのが大好きで
おまけに「競輪」も大好きな人間だから
作者にはこれしか書ける小説が無かった・・
そんな気がする。



「裏街道の間隙をついて一儲けするには・・
 要は悪さをするにも、それなりの
 「才」と「器」が必要とされる」んだなと
主人公が最後に納得してしまうシーンには
悲しくなりました。

面白さも含めると
PON的スコープは中の中。
結構、お気楽に読めます。

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けどね・・PONが数字に弱いのも
あるんだろうけれども
いまいち「競輪」の配当金システムが
判らなかった。

つまり主人公達がいたるところで

「ああなるほど、3−6に、1000円
 買って、オッズがXXだから、
 差し引きXXX万XX円の儲けだ!」
「すげー!!」

なんて、彼らが予め
電卓叩いているかのような早業で
計算してくれるんだけれども
どうしてその金額になるのか
さっぱり解からない
のでつ。
情けないのお。

ネットで調べてみたけど
「初心者」+「競輪」とかで。
うむむ。
posted by PON at 21:00| ☁| Comment(3) | TrackBack(0) | 読書(ミステリ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
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Posted by ナンパ男 at 2007年08月10日 23:07
>北斗氏
ノミ屋には10%の割引があるらしい。
それでもよく判らん(苦笑)

>1000円×(オッズXX)− 投資金額 =
>XXX万XX円の儲け
うむ、それくらいはワカランでもないのだが
それでもなんか計算結果が違ったのだ。
PONと小説の登場人物と。
まあいいや。むつかしい話は。
要するに、投票率を操作して
競輪で大もうけしたってことでw

北斗氏がいつか読んでみて
解説してください。気長に待ってます。
Posted by PON at 2007年08月05日 00:03
競輪の配当は競馬の配当とほぼ同じだった筈です。
つまりざっぱに言って、
(そのレースの売上−寺銭(約25%))/売れた票数
だと思います。実際は寺銭部分に細かい調整が有り、
かつ配当の端数は切り捨てな訳ですけれど。

「どうして〜」というからには
1000円×(オッズXX)− 投資金額 = XXX万XX円の儲け
になっていないのか。
それとも、オッズを瞬時に計算しているように書いている
のであれば、オッズは各票数(と合計)が分からないと
計算出来ませんので、「ああなるほど」も何もない筈ですし。

もしくは、「ノミ」の場面で「ノンだらいくら儲かるか?」なのでしょうか?
Posted by 北斗 at 2007年08月03日 23:36
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