疾走 重松清
気色悪い表紙。
ちょっと調べたら
外国の前衛芸術家の作品らしい。
こんな表紙で題が「疾走」。
「失踪」の方が
判らなくもないけれど。
疾走 上 (角川文庫)
<あらすぢ>
犯罪へとひた走る14歳の孤独な魂を
描いて読む者を圧倒する現代の黙示録。
一家離散、いじめ、暴力、セックス、
バブル崩壊の爪痕、殺人……。
14歳の孤独な魂にとって、この世に
安息の地はあるのか……。
直木賞作家が圧倒的な筆致で描く
現代の黙示録。
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・・だそうですがw
表紙と題の理由は
読後におぼろげながら判ってきた。
どっちかってーと今までは
”ココロあたたまるお話”
”中年さしかかり世代への応援歌”
といった小説が多かった作者が
オレだってこんな小説も書けるんだぜ?
と猛然とトライしてみた、そんな感じ。
地方都市で家族四人
普通の生活をおくるつもりで居た
少年が、いろいろあって家庭崩壊。
突然、社会に裸で放りだされた少年の話。
昔「短くも美しく燃え」なんて
映画や曲があったとおもうけど
こちらのほうは全然美しくない。
ただただ「短く燃え尽きた」。
宗教は暴力や貧困といった社会的悪意から
積極的には救ってはくれない。
穴に落ちた人間を見守ってくれるくらいだ。
でも見守ってくれている事を力に換えて
自力で立ち上がれる人も居る。
読んでいる間はページをめくる手が
止まらず、なるほど疾走感はあるけれど
読後感はあんまりよろしくないんで
私は再読しようと思わない。
無理にこの本から教訓を導き出すならば、
やくざはどこまでいってもやくざ。
近寄っちゃだめだよ、ってコトかな。
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