日本海軍の戦略発想
著 千早正隆 中公文庫
<あらすぢっつーか内容>
内容(「BOOK」データベースより)
欧米の歴史家の間で、その英文コピーが
珍重され、数々の問題作に引用された
幻の『チハヤ・リポート』。
好評名著、決定版の復刊。
内容(「MARC」データベースより)
日本型組織の栄光と挫折、歴史の教訓に
今、何を学ぶか?責任感あふるる
良心的な元海軍軍人が、敗戦の悲運に
泣きながら筆をとった渾身の力作。
欧米の歴史家の間で珍重され、数々の
問題作に引用された幻のリポート。
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上記、内容はAMAZONの本紹介から
コピペしたものだが「珍重」ってなんだろ。
字面だけみれば「珍しがって大事にする」って
ことなんだが、こんな言葉を使ってしまうと
なんか欧米からバカにされている気がするよ。
ま「珍重」はお脇に置いておいても・・
>数々の問題作に引用された幻のリポート。
数々の問題作って何?
どこぞの誰かが無責任に書きたらした
トンデモ歴史書のことでも
指しているのか、それとも西洋の偏った
対日戦争観が見直されるほどの
インパクトや影響力をもった
「問題作」があるのだろうか?
まいいや、少々長いですが、
内容で気になった箇所を書き写したメモが
残っていたので転載します。
・究極において、日本海軍の当局者は
戦争と戦闘を混同した、と推論する。
・牽強付会
戦前の軍人が当時の米海軍の潜水艦の脅威について
分析(したというか、これじゃまるで床屋談義である)
「米国潜水艦については
それほど怖がらなくても良い
なぜなら米国人は享楽的で
質実剛健に乏しいから
潜水艦乗りに相応しくない・・」
・徹底性を欠く日本の国民性
あえて相撲を例に。戦争とスポーツを
同様にかたるが、格闘技とはいえ
日本の相撲にはさまざまな”制約”があり
鮮やかにワザが決まれば、
相手にまだ戦闘力が残っていようと
勝負にはまったく関係ない。
・程度を越えムキになることが
いかに重大な結果をもたらすか。
マージャンもムキになれば
傷が深まるだけというのは
我々が日常で経験していることである。
(このくだりを読みはじめた時、このヒトまじめに
書いているのかな?と少々疑問を感じたw)
・敗北の原因は、圧倒的な物量も
さることながら優秀な人材を豊富に抱え
きちんと機能する組織を持つ
米国という国に負けたということ。
それも惜敗ではなく完敗。
うーん。なるほど。
負けるべくして負けた、と。
日本海軍の戦略発想 (中公文庫)
シンゴジラでも矢口蘭堂(演:長谷川博己)
内閣官房副長官がいってた。
「大臣。先の戦争では旧日本軍の希望的観測、
机上の空論、こうあってほしいという発想などに
しがみついたが為に、国民に300万人以上もの
犠牲者が出ています。根拠のない楽観は禁物です」
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あとこれもPONが好きな
戦時中のエピソード。
戦争中、いくら天皇には実権が無いとしても
我が軍はこれこれこういうことをやります、
と上奏(報告)するのが決まりだった当時。
陸軍大臣の杉山ナニガシが
「今度は太平洋で、連合国と戦います。
戦争は半年くらいで終わります・・」と
説明したところ
(以下、意訳ね)
「ちょっと待て。
お前たちは中国大陸の戦いも
半年で終わらせるとか申していたのに
五年も経った今でも終わらない。
今回は、中国大陸より更に広い
太平洋で戦うのに、
半年で終わるわけないだろう?」
と問い詰められ、真っ赤な顔で
汗をかきかき、ほうほうの体で退出してきた、
と誰かの日記に書かれてる。
大臣はどんなことを言って
ゴマカシたんだろうか。
そこまでの記録は残っていないようだけど
そりゃ勝てるはずがないよ。
あんな連中が戦争遂行者なんだから。
昔から「戦争は終わらせるのが
もっとも難しい」というそうだけど
終わらせ方をまったく考えていなかった、と
白状してるようなモノ。
若き頃の昭和天皇も
「本当に大丈夫なのかコイツら」
と、もう少し格調高い言い回しで
心中でお思いになっていたのでは
ないでしょうかね?