「腐蝕」 竹本健治 です。
「儀礼とジオイドが。葉緑素とチューリング機械が。
三原色とデネブ蔓(かずら)が。
ブラフマンとヒストン八量体が。
致知格物とタウカプラのケークウォークが。
そして検索せよ。凡例をあげよ・・・」
<あらすぢ>
地球でない星で生まれ育ったティナは、
航宙エンジニアとして宇宙へのフライトを待つ
学生だった。しかし彼女の周りで人々が失踪し、
不可思議なことが起こってくる。
うっすらと浮きでた黄ばみがゆっくりと進む。
逃げなければ。とにかく逃げなければ。
めんどくさくなって一度手放した作品。
(読むのを止めた)
これさー、ホラー文庫に収蔵してしまうのは
ずるいって言うか、反則でしょう。
ホラー文庫担当者がラインアップを
多様化するための苦肉の策って感じ。
まるっきり「SF」ですもん。
実際1986年に新潮文庫から
「腐蝕の惑星」としてが
初出らしいです。
ベースは「マトリックス」な「不思議の国のアリス」
「うる星やつら2」と「メガゾーン23」
あと「トロン」も
すこーし混じってたかな。
我ながらなんだか支離滅裂だが
そういう感触を得たのだから仕方がない。
SF作品にありがちなんだけれど
読者は、その小説の世界観、生活様式など
イチからすべて把握せねばならないわけです。
(料理の名前からしていちいち説明がいる)
現代劇と違って、世界の把握が
結構、疲れるんですよね。
それから、男性が書いている小説なんで
主人公(女性)の言動も
どことなく不自然なんだなあ。
この世界の女性はこういうモンなの!って
作者に言われたらそれでお終いですが。
惑星上に腐蝕が発生していき
荒涼な世界が広がってゆく様は
「うる星やつら2」に近いものがありました。
PONスコープとしては
下の上の出来栄え。
理屈はあくまで理屈に過ぎない。
そしてそれを押し通そうとすれば、
擬科学的な方向に転げ落ちざるを得ないのだ・・
「−−だけどやっぱり人間って、
そうせずにはいられない
生き物かもしれないわ」
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