2005年10月06日

天下のハヤオ氏に喧嘩を売った男

私の素敵な友人のお話です。
友人と申しましてもPONよりも
ひと回り以上年上なんですが。
その方の承認なし
書いちゃいます。

その人は現在「SE(システムエンジニーア)」
をしていますが
20年前までは「アニメーター」を
やっておりました。
通称、「大佐」と申します。

「がんばれ!タブチ君」なんか
 美味しい仕事だったよ。
 タブチ君のホームランボールが
 夜空に小さくなってゆくシーン。
 楕円の白球を描いているだけで
 他とギャラはいっしょ
だったもんな。」

そんな彼に試練がやってまいりました。

「風の谷のナウシカ」にて
物語冒頭、ナウシカが腐海で王蟲の抜け殻を発見。
廃品利用しようと目玉部分をくりぬき
ふわっと持ち上げるシーンがあります。
その原画を担当することになったのです。

当時のアニメ業界なんていうのも
現在のIT業界同様、発注先が
最終的に何を意図しているのかを
類推するヒマもないまま、
今日のノルマ(仕事)を締め切りに
追われてこなしている状態です。

彼もその原画をさらさらっと書き上げ
さっさと発注先に提出したそうです。
ところが彼の描いた原画は
よく解らない赤ペンが入れられて
直ぐに戻ってきてしまいました。
2度目までは描き直しましたが
3度も駄目出しを喰らうとなると
さすがにむかついたそうです。
そこはヒマと熱気に富んだ若者。
こんな訳の解らん指示を出しやがって!
発注元のプロダクションに
乗り込んでいったのだそうな。

「ごめんごめん、意図が伝わらなかったみたいだな〜」
そこに奥から出てきたのは黒ぶちメガネの
この作品の監督
でした。

宮崎駿監督。

彼も名前ぐらいは聞いたことがありましたが
さすがに監督自らが出てくるとは
思わなかったらしく、ちょっと恐縮していると
カントクは目の前で「さらさら」っと
指示書を描き上げてしまいました。
それは、カントクの思惑が一発で伝わり
また、自分のどこが至らなかったのかがよく解る

出来上がりだったそうです。
というか、そのままそれを「原画」として
使えばいいじゃん!
というくらいの
完成度だったとか。

「いくらなんでも乗り込んでいかなくても・・」
というPONに
「若さゆえの過ちだよ」
と大佐は喜んで答えてくれました。



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大佐がSEに転向するきっかけというのは
1980年頃
「ゴルゴ13」が劇場アニメ化されまして
その時に、当時としてはメチャクチャ珍しい
CGが導入されました。
(世界初!とかうたってた)
CGと言っても、現在の「ピクサー」のように
ぐりぐり動かせるだけのスペックのマシンなんか
NASAにだってありませんから、話の象徴として
確か「黄金のドクロ」が、単に「ぺかぺか」光っているだけ
だったように思います。

そのCGに未来を感じてしまった彼は
これからはコンピュータの時代だ!と
SEに転向したと言う次第。
日本のアニメ界は惜しい人材を
流出してしまったのかもしれません。

けれども大佐はこうも言ってました。
「うまい絵を描ける奴なんか腐るほどいるもん」
「圧倒的な才能の差って奴はやっぱりあるよ」
「監督とか作画監督になれるのは
 そういったなかの、ほんの一部」
「でもやっぱそういう奴は、俺ら凡人からすると
 かなり変わった人が多いね」


PONがプログラマーをやっていたときも
大佐は時々仕様書の片隅に
さらさらっと落書きしておりました。


posted by PON at 22:54| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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