「太閤立志伝 (続き)3」
かくして月日は流れ、我らが秀吉くんは「家老」
そして「宿老」に昇格する。そこまで昇格すれば、
信長様はお城を持たせてくれる。
お城に出向いてやれることは、格段に増える。
基本的に城に貯め込んでいる米やお金は信長様の
許可なしに使いほうーだい。信長様なんて太っ腹。
ここで京都に出向いて、買いたくても買えなかった
アノ名刀や書籍
(持ってるだけでスキルアップするものも)を
買い込み、私腹を肥やすことも可能だ。
城持ちの秀吉に、信長様が命令することは、
半年とかの期限を決められ
「○○地方のお城を何個攻略せよ」
とかスケールアップ。
でも独りで出来るはずがない。仕方がないので
「のれん分け」(独立)するとき、信長様が自分の
部下の中から「与力」として貸してくれる。
至れり尽くせり。
しょせん信長様はコンピュータであるから、
秀吉の無理をたいていのことは聞いてくれるが、
ここでも相性などがあり、歴史上ウマが合わないと
されている武将は来てくれない。
が、こっちだってお断りだ。
秀吉がまず最初にやることは、故郷にもどり秀吉の
異母弟「小一郎」(後の大和大納言豊臣秀長)を
部下にすること。彼は、史実でも農民出身で、
秀吉が異常な出世をしなければ、骨ひとつ残ることも
なく歴史に埋もれてゆく一般人だったはず。
兄貴の全国制覇に見事に貢献したが50歳で早世した。
もう少し長生きしていれば、秀吉が晩節を汚す数々の
所業もなく豊臣幕府が何代かは続いていたかもと
言われる。人格者で知られており、農民で終わるはず
だった人間
(たとえ武力も知力もなくとも)でも、やろうと
思えば戦国武将としてしっかりと活躍できるんだ!
といった、ある意味戦国フリークにはたまらない実験を、
身を持って行った人物なのだ。
実は、宿老、老中として城持ち身分になる前から
ある程度偉くなった段階で、部下を集めておくことは
出来る。部下も給料が必要だから、自分がペーペーだった
頃に信長様から頂いていた程度の銭を、高給取りになった
自分の給料から払い続けることになる。彼らは秀吉の
部下であって、織田家の部下ではないので、住居などは
用意してくれない。仕方無いから、ねねの待つ自宅に
彼らを住まわせることになる。落語家とか相撲部屋の
ような感覚。
要は自分がさらに偉くなって、君たちが必要になるときまで
養ってやろうってこと。昔でいう「書生」みたいなもんかな。
豊臣(木下)家の将来を担う人材を
今から囲っておくのである。これはワクワクだ。
一応、織田家でやっているような会議のマネごとを
秀吉の自宅でも開くこともできて、その際に部下候補には
お金をやるから、スキルを身につけてこい、とか、
地方に行って在野の有望人材を見つけてこい、とか、
その程度の命令はできたと思う。
そうしていよいよ時機到来。秀吉が城持ち身分になるや、
彼らは一斉にお引越し。秀吉の城下町に各人、家一軒を
もらい、正式に豊臣(木下)家の「家来」となるのだ。
無論、愛妻ねねも豪邸に引っ越し。
苦労かけたなあ。
城持ちになってから、初めて自城で会議を開くときは
ついにここまで来た!と結構感動もんである。
しかるに、従来の信長の野望シリーズでは、たいてい
いきなり城持ち(というか国持ち)身分からスタート
するわけで、這い上がる辛さも下っ端の苦労もわからん。
徳川家光ではないけど「余は生まれながらにして将軍」的。
それだからこそ、下っ端の痛みも分からないし
分からないからドラスティックなことも平気で実行できる。
信長の野望シリーズでは、米売ってこい、とか
鉄砲買ってこい、とか、安易にコマンドで命令できるが
その命令の下には、さまざまな人間のさまざまな思惑、
血と汗、あるいはドラマが潜んでいるんだんあ・・と
ここでやっと理解。けどまあ上層部としては、鉄砲屋が
苦労しようが、秀吉が苦労しようが期日までに鉄砲が
安く多く手に入ればそれでいいわけで。この辺は
組織観として非常にシビアで現実的。
そうそう、城持ち大名になった秀吉ですが、
大きく分けて3つの選択肢が存在。
1)信長様の一番部下として天下統一
2)本能寺の変イベント発生により
合法的?に権力者に
3)明智光秀ばりに謀反をおこす
2)はイベント発生条件が結構面倒臭くって。
心情的には割と1)で満足してしまう自分がいました。
しかーし、それではいつまでたっても戦国覇者に
なれない。お世話になった信長様を泣く泣く裏切り
戦国大名として名乗りを上げたのはなんと
3回目のプレイの時でありました。
それも城持ち大名としてのれん分けしてもらってから
すぐ。史実で秀吉が最初に預かったお城は琵琶湖畔の
「長浜」城でしたが、ゲームの進行状況によっては
結構適当なところがあてがわれたりします。
自分のプレイで反旗を翻したのは大垣城だったかな。
反旗を翻すといっても、毎月初めの会議にて
「今月の敵はどこにしますか?」と竹中半兵衛あたりに
聞かれて、「織田家」を指定すると
「真でございまするか?殿が本心を打ち明けていただけた
以上、我ら一同、ついてゆきまする〜」とかなんとか
ほとんど誰も止めてくれないままに決定する。
大垣城なんかは大型の山城で攻められにくく
また、名古屋と京都を結ぶ、重要拠点であり
織田家にとっても反乱されては非常に痛い反面、
自分としても、信長様存命中に織田家に
攻め入るのはさすがに極力避けたい(怖いしw)
出来れば織田家以外に領土を拡張したいが
大垣城はの周囲はみーんな織田家。
スグに討伐部隊がやってくるかと
ドキドキしていたが、意外と信長さんものんきなのか、
なめられているのか、臨戦体制(のつもり)の大垣城下
を前田利家くんなんかが、いつものお使いでのほほんと
歩いていたりする。
それでもそこはPC。月が変われば、最大兵力で攻撃
してくる。しかしこっちは鉄砲を鬼のように持って
いるんだな。部下たちの鉄砲能力もバッチリだし。
3〜4回ほど、戦争というよりも最後は地味な「作業」に
より全部撃退する。
すると、何故かPC信長軍は、秀吉の攻略を断念。
ヨソに活路を見出し始める。いいのかそんなんで?
調子に乗った自分=秀吉は、外交コマンドにある
「脅迫」=おらおら、攻め滅ぼされたくなかったら
傘下に入れや!を実施してみた。
秀吉自ら「安土城」へ。一応、家対家なので
信長様自らが対応してくれた!
当然、超強気の信長様。絶対拒否すると思いきや
「御家の申し出もっともなれど、当家にも事情が
あって無理である。しかしそのまま帰らせるのも
悪い。今日のところはこれで・・」と何故か譲歩。
お城一年間の稼ぎ分位にあたる銭をくれたのである。
これにはビックリ。おそるおそるやってみた恫喝?が
思いのほか効果があって、実は恫喝側の方が驚く
パターン。実社会でもどこかの北朝鮮で見るような
光景である。
譲歩は1回だけかと思いきや、何回でもオッケーだった。
おかげで軍資金はウハウハ。高い鉄砲も部下にガンガン
購入させ、時間を稼いでいるうちに、織田家の軍事行動
が目に見えて鈍くなってきた。部下達に偵察させると
織田家各城は、銭はない、米はない状態であることが判明。
さすが光栄。妙なところでゲームシステムが律儀だ。
これが、バンDイあたりがつくるガンダムSLGだったら
事前調査ではZEROだと思ったから攻め込んだのに
突然、大軍が用意されているような、そんなことになるハズ。
信長様は、織田陣営を弱体化させてまで、この秀吉に
譲歩してくれたのである・・でも何で??
まあいいや。手元が不如意な中で信長様。
よせばいいのに全軍を率いて、武田家へ侵攻していった。
「安土城」はほぼからっぽ。いいの?本当に?
なんかのワナでは??遠慮なく織田家総本山を攻めると
あっさりと落城。織田軍は根拠地を失い信州を撤退。
織田の武将たちは元の拠点だった名古屋の「清洲城」へ
散って行った。
後は書くこともない。本当にあっさりと、織田の
各拠点城を留守の時に奪取。信長様以下は更に都落ちへ・・を
繰り返し織田家は崩壊へ。さすがに大恩ある信長様は
殺さなかったと思う。(部下にもできなかったけれど)
最後になってPCの思考能力の低さが露呈してしまったが
それに助けられたのは事実だ。実際のところ、PCがもっと
お利口だったら最初から勝てない戦いだった。
極端なことをいえば、国力100:1からの謀反だったのだ。
光栄ゲームにありがちだが、こうして軌道に乗ってしまえば
あとは「作業」である。出世シミュレーションゲームとしては
秀逸な「太閤立志伝」シリーズだけど、国主となってから
さて、と顔を上げるとちょっと不出来な戦国国取りゲーム
になってしまったのが残念。
毎度のパターンで恐縮だけど、このリコエーションゲームを
ベースにガンダム世界での立身出世ゲームを作って
くれないかな。リアルバトルは「連邦VSジオン」の
ゲームシステムで。
でも、「太閤立志伝」シリーズは本当にいいゲームですよ。
大変な社会勉強になります。
長文失礼いたしました〜。
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