2019年12月17日

「今なんつった?」「いだてん」宮藤官九郎

「今なんつった?」宮藤官九郎

あまちゃん他、今をときめく
シナリオライター「宮藤官九郎」の
雑誌掲載コラムをまとめたもの。

あらすぢというか内容
セリフを書きセリフを覚えセリフを喋って20年。
人生の半分をセリフとの格闘に費やして来た
宮藤官九郎さんが、思わず「いまなんつった?」と
聞き返したくなるような名セリフをエッセイに!
『♪ドラゴン、ドラゴン、清少納言』、
『喜劇は、誰が笑うか分かんないからね』、
『宮藤くん! 警察!』、
『塩がめっちゃかかってておいしいーっ!』
などなど、テレビ・舞台・映画・音楽・家庭などで
宮藤官九郎が耳にした膨大な言葉の中から選んだ
名セリフばかり。いろいろ妄想しながら
お読みください!

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たまにはいいんじゃないですか。
気軽に読めました。
気軽過ぎて既に内容を
どんどん忘れつつありますが。

私の年齢のせいじゃないと信じたいところです。

クドカンついでに・・

「いだてん」宮藤官九郎

しかし、あの「宮藤官九郎」って
人も不思議だ。
ラジオなんかで半分酔っ払いながら
話している内容を聞いていると
ほんと(話の下手な)その辺のおにーちゃんで
とてもこれまでの作品のように
感動のエンディングを作りあげられる人には思えない。

それぞれは絡み合わない
様々な時代や場所で展開する人間ドラマ。
はじめのほうで伏線をこまかーくばらまき
話が展開する中で丁寧に回収し
気が付けば、一本に集約して大団円。

いや、ほとんど先日、めでたく最終回を迎えた
いだてん」のことなんですけどね。

確かにPONも半分は意地になって観ていた。
PONの周囲の大河ドラマフリークも
たいがいは「早く終わんねーかなーいだてん」って
公言してはばからない輩ばかり。

一方で、毎度、最終回が関ケ原だったり本能寺だったりで
主人公が壮絶な結末を迎える、ってことに
少々、飽きが来ていたのも事実。
だけに近現代史を大河に持ってきたのは
かなり勇気ある決断。
話も新鮮だったし「嘉納治五郎」の偉大さ、
なんの分野でも先人の苦労とかを
知ることができた。

近代オリンピックをドラマ化するのに
「嘉納治五郎」ではなく
「金栗四三」「田畑政治」という
歴史的に無名の人物を主役に据えるあたりに
クドカンやNHK制作陣の壮大な
”へそ曲がり根性”を見た思いだ。

けど、なんだかんだ言っても、大河ドラマが好きな
視聴者は、たいていはPONより上の”大きな男の子”ども。
そんな自分たちの好物は、やっぱ命の華が激突して
舞い散る”戦場”(いくさば)なんだな。
そりゃスポーツだって壮絶な戦いだけど。

おなじNHKのチコちゃん風に言うなら

いだてんが、世間一般に評判が悪かったのは〜
合戦シーンがなかったから〜でんでん。

結局こんなところに落ち着いちゃう。
ミもフタもないが。

最後に「金栗四三」役の中村勘九郎の奥さんが
前田愛であるだことを最近知って
ガメラ女優の彼女が結婚していたことにも
カルく衝撃を受けましたです。

ちがう、そう、いいじゃんね〜。

あれ・・本の話どこへいった?


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2019年08月04日

「神様からひと言」 荻原浩 

「神様からひと言」 荻原浩 光文社文庫

光○社文庫ですから。
そのあたりのレベルの話です。
肩の力を抜いて
読むことはできますけれども。

あらすぢ
食品メーカーへ転職し入社早々の会議でトラブルを
起こしてリストラ要員収容所と目される
「お客様相談室」へ配属された佐倉凉平が、
風変わりな同僚に囲まれながら「お客様の声は、
神様のひと言」というモットーのもとクレーム処理に
振り回される日々の中で仕事や人生に向き合いつつ
成長し、やがてまともな意見を無視する
会社に疑問を抱いて上司の篠崎とともに会社と
対決する姿を描く。

「会社や仕事なんかのために、死ぬな」
「死ぬほどつらいのは、生きてる証拠です」
という、著者の「死ぬな」とのメッセージが
本作に込められている

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いわゆる”サラリーマンへの応援歌”
ですか。
ココで言う「神様」ってのは
「お客様は神様です」と、
罪な言葉を世間に広げて亡くなった
三波春夫さんなんて歌手も
いましたけれども。
主人公が社内島流しにされた部署
「お客様相談室」で
相手をすることになった
「お客様」のことなのか。

あるいは主人公が勤めている
食品会社の創業者の”コレ”
(元芸者にして金持ち)の
ことなのか。

主人公が勝手に「神様」と決め付けた
公園をうろつく怪しげなルンペンの
ことなのか?
はたまた、目立たなくとも
頑張っていれば、どこかで必ず
神様は見ていて下さるよ、
世のサラリーマン諸君
腐らず頑張れ、という解かり易い
寓意からなのか・・。
いろいろと考えられます。

ジブンはこの小説の存在を
全然知らなくって、某古本屋で
100円だったから手にしてみただけでして
すでに目ざといテレビ局は
映像化していたらしいです。
知らなかったのは私だけのようで。
会社を舞台にした現代劇が
いちばん制作費がかからないから。

なにかと主人公の力になってくれる
スチャラカ先輩が出てくるのですが
ジブンがドラマ化するならば
もう少し若かった頃の
高田純次を配役したいトコロ。

イチ、サラリーマンであるPONが
読んでみて、元気が出たかってーと・・
それがですね、あんまり・・。
頭になーんも残らんかった。

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2018年05月29日

SPACE BATTLESHIP ヤマト(キムタクVer・小説)

「宇宙戦艦ヤマト(キムタクVer・小説)」

出渕裕監督がヤマトを完全リメイクした
宇宙戦艦ヤマト2199が世に出回る前だったから
この作品もそんなに嫌いじゃなかったですよ。
SPACE BATTLESHIP ヤマト

なんせそれまでの
ヤマトリメイク暗黒史が酷すぎました。
まずは・・

なんでもシドミードに頼めばいいって
モンじゃないよ
YAMATO2520

先生!いくらなんでもコピペしすぎ!
それになんだよ古代進32世って。
新宇宙戦艦ヤマト

ユキは艦長にまでなったのに
おそらく永遠に行方不明。
宇宙戦艦ヤマト復活編

ヤマトとアルカディア号と
エンタープライズ足したらこうなった。
もうナニが何だか。
大YAMATO零号

(順不同w)

これだけの駄作の死屍累々を
目の当たりにしてきただけに
古代がキムタクだろうと、
艦橋がビンボったらしく狭かろうと、
主砲塔の回転が
いかにもCGっぽく軽々しくとも、
デスラーが思念体の宇宙人だろうと、
森雪が”なんと”エースパイロットに
ジョブチェンジしていようと、
そんなことは気にならないくらい
キムタク版ヤマトは
当時、実にまっとーなリメイク作品
仕上がっていたと感じられたものです。

その小説版が某古本屋で108円だったこと
映画じゃ読み取れない、細かい裏設定が
小説なら書かれているかもしれない・・
そう思ったもので。
買ってみた。読んでみた。んで・・。

あらすぢ
西暦二一九九年、正体不明の敵・ガミラスが
投下した無数の遊星爆弾によって地球は放射能で
汚染されていた。人類の大半は死滅し、地球は
まさに滅亡の危機を迎えている。そんな時、
謎の未確認物体が地球に落下。現場で発見されたのは
十四万八千光年離れたイスカンダルから届いた
通信カプセルで、人類に宛てた重大なメッセージと
ともにイスカンダルへの道筋とそれを可能にする
波動エンジンの設計図が示されていた。人類はすべての
希望を託して、最後の宇宙戦艦ヤマトを建造。
ガミラスとの戦闘で兄を喪った古代進も、
遙かイスカンダルへと旅立つヤマトに乗り込む。

***********************

・・で、読んでみましたが。
特に新しい発見もなく。
映画とも違うオリジナル展開に
はしる事もない、映画どおり。

この手の小説はほとんどの場合、
駆け出しの小説家か
ファンが高じて製作側に回ったか
ときどきは映画の監督自らが
筆を執ったりするパターンだったりする。

この小説版の著者のことを
よく知らないのだけれど
文体も可もなく不可もなく。

仕方ないから、映画の方でも
なにか言及しようかと思いましたが
あれも以前に記事化してますし
再観もしていないので
ツッコミどころも変わらないでしょう。

一応、映画版の記事もココに↓
http://ponett.seesaa.net/article/174298199.html

てなわけで、PONにとって
キムタク版「SPACE BATTLESHIP ヤマト」は
この小説版も含め、
思ったよりは全然よかったけども
「宇宙戦艦ヤマト2199」がある
今となっては改めて観返す程のものでもない、
そのようなポジションの作品なのであります。
そんな三丁目の夕日。

SPACE BATTLESHIP ヤマト (小学館文庫)
SPACE BATTLESHIP ヤマト (小学館文庫)

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2018年03月05日

「シャアへの鎮魂歌 わが青春の赤い彗星」池田秀一

「シャアへの鎮魂歌
 わが青春の赤い彗星」廣済堂文庫

読んだ、すぐ売却した。
ただそれだけ。
108円→10円だった。
こってりした読書が続けば
食間に”漬物”とか
食べたくなりますよね。
てなわけで漬物に相当。

シャアの声をやっている
「池田秀一」氏の一代記。
シャアの声で脳内再生して読む。
もともと氏は子役デビューで
声優はたまたま回ってきた
仕事だったらしい。
故石原裕次郎とも交流があって
そんな話がつらつらと。

シャアへの鎮魂歌 わが青春の赤い彗星
シャアへの鎮魂歌 わが青春の赤い彗星
これは新書版の方かな・・

私生活ではブライトの中の人や
セイラの中の人(いずれも故人)と
交流があって、両人が亡くなった時の
悲しさなどが伝わってきた。
もちろんアムロの中の人とも
交流も語られている。
いまでこそ古谷徹=アムロだけど
彼も元は子役出身。
最初の超あたり役となった
巨人の星の星飛雄馬の呪縛に
相当苦しんでいたらしい。
そこへのアムロ役だった。

年齢の割に声優としてキャリアは
かなり長いので、初代ガンダムの
アテレコ中には、声優として芸暦のない
シャアにいろいろとアドバイスしたらしい。
アムロがだ。

そして、シャア自身、声優という仕事に
ようやく慣れた頃、今度はZガンダム(TV版)
をテレビでやることになった。
その時にはじめて会った
カミーユの中の人に、いかにも新人って感じで
少々危なっかしく思っていたらしい。

そんなカミーユが映画版の時には
もう大ベテランになっていたんで
その成長に「これが若さか・・・」と
思ったとは書いてなかったけど。

シャアというキャラが想像以上に
化け物人気だったんで、池田さんも
気を引き締め、大衆の前ではなるたけ
クールな振舞いを心がけたそうな。
(どうやらご本人は酒豪とか聞きますが)

あとガクトと仲がいいらしく
いろいろと交遊録が。
まあそんな感じの本でした。

いまでこそ池田さんもシャアという
キャラを大切にしているけれども、
確かにこの頃(1980年代)の声優は
声優を志してなった人は大変少なくって
劇団とか俳優で食べるのにキツイ人が
副業でやっている空気があった。
だから、あの頃の純なアニメファンが
お気にキャラ=声優だと思って話しかけると
演じているほうは飯の種に過ぎないから
さほど思い入れがない、なんてザラ。
番組終了後ズイブン経ってから、
初めてジブンが演じた役の影響力に驚く、
といった具合。
これはウルトラマンシリーズなんかにも
言えることでした。

ま、そんなわけでございまして
あくまで”漬物”でございました。

シャアの日常(6) (角川コミックス・エース)
シャアの日常(6) (角川コミックス・エース)

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2017年11月27日

「疾走」 重松清

「疾走 重松清」

疾走 重松清 

気色悪い表紙。
ちょっと調べたら
外国の前衛芸術家の作品らしい。
こんな表紙で題が「疾走」。
「失踪」の方が
判らなくもないけれど。

疾走 上 (角川文庫)
疾走 上 (角川文庫)

あらすぢ
犯罪へとひた走る14歳の孤独な魂を
描いて読む者を圧倒する現代の黙示録。

一家離散、いじめ、暴力、セックス、
バブル崩壊の爪痕、殺人……。
14歳の孤独な魂にとって、この世に
安息の地はあるのか……。
直木賞作家が圧倒的な筆致で描く
現代の黙示録。

***********************

・・だそうですがw
表紙と題の理由は
読後におぼろげながら判ってきた。

どっちかってーと今までは
”ココロあたたまるお話”
”中年さしかかり世代への応援歌”
といった小説が多かった作者が
オレだってこんな小説も書けるんだぜ?
と猛然とトライしてみた、そんな感じ。

地方都市で家族四人
普通の生活をおくるつもりで居た
少年が、いろいろあって家庭崩壊。
突然、社会に裸で放りだされた少年の話。
昔「短くも美しく燃え」なんて
映画や曲があったとおもうけど
こちらのほうは全然美しくない。
ただただ「短く燃え尽きた」。

宗教は暴力や貧困といった社会的悪意から
積極的には救ってはくれない。
穴に落ちた人間を見守ってくれるくらいだ。
でも見守ってくれている事を力に換えて
自力で立ち上がれる人も居る。

読んでいる間はページをめくる手が
止まらず、なるほど疾走感はあるけれど
読後感はあんまりよろしくないんで
私は再読しようと思わない。

無理にこの本から教訓を導き出すならば、
やくざはどこまでいってもやくざ。
近寄っちゃだめだよ、ってコトかな。

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ラベル:重松清 疾走
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2017年09月21日

「ナイフ」 重松清

「ナイフ 重松清」

ナイフ 重松清 新潮文庫
ヒトが行う最悪の愚行もしくは犯罪の
「イジメ」を主題にした短編集。

************************

「ワニとハブとひょうたん池で」
ワニはどうでもいい。
やっぱハブだな。ハブ。

小説というのは基本、独りで書くもの。
だから小説内に出てくる女の子の
思考や話し方は、結局、作者が
作品内で女子中学生を演じているわけだ。
別にリアルな女子中学生が書いた
小説が読みたいわけじゃないし
あの人らの生態とかが
知りたいわけでもないんで
いいんだけどね。
どことなく、登場するローティーンの
おんなどもの後ろに作者の顔が
浮かんでしまうのだ。
もっと言うなら重松清が
女子中学生の制服着て
作品に出てきているような。
そんな言葉はしらんだろ、とか
そんな言い回しする女子中生っているかぁ?
と思ってしまった。
それはソレとして。

子供達はつまらない日常生活のなかに
ゲーム性を求めている、という辺りは
にわかに賛成。

「ナイフ」

「けれど私はナイフを持っている」

この話で賞をとったらしいのだけど
この短編集の中では
読んでて一番面白くなかった。

「キャッチボール日和」

「正論」を武器にブルドーザーのように
人間関係を突き進んでゆくタイプの父親。
そんな父親の中に全てが真逆の
息子が生まれた。そこに起きる悲劇と再生。
荒木大輔話がうるさすぎ。

「反省と後悔の違いが初めてわかった」
「完全にコドモじゃないから、
 やってはいけないことや
 悪いことはたくさんわかってる。
 でもやっぱりコドモだから
 わかっていることをうまくやれない」

「エビスくん」

痛い。やってることも痛いが
存在が痛い。謎の転校生エビス君。
読んでいて最後までエビス君に
親しみを覚えなかったから
最後に主人公が・・

「どこにおんねや、きみはいま」

とか呟いたとしても
それがいったいナニ?
という気がした。
まあいいか、これは彼の物語なんだから。

「ビタースイート・ホーム」

この話、あんまりイジメって
感じがしなかったが、
考えてみれば、学校を舞台とした
イジメとは、生徒VS生徒、
あるいは生徒VS教師といった
構図ばかりじゃなかった。
父兄VS教師ってのもあるのだ。

この主人公夫婦の喧嘩とか
生活をめぐる言い争い
双方の仕事と子育てを
どのあたりで両立させればいいか?
教育に対する男女でのスタンスの違い
等など、いちいち身に覚えがあるので
誠にもって耳に痛い。
あーあるある、いろんなところで
共感しながら読んだ。

「ほんと間違っているんですよね。
 偉そうな事言ってても後悔すること
 だらけです。たぶん、みんな。
 親って間違いばかりするんです」

「変わることが負けというなら
 私達は負けた、それを認められるほど
 変わった。そして、誰もが結局は
 何かに負けてしまうのだとも知った」

「正しいことを同時に二つ選べなかった
 悔しさを背負って、私達は子育てをし
 年老いてゆく・・」

人生の最期は、あーこの人と一緒で
良かったなあ、と言えるようでありたい。
ありたい・・うん。

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2015年01月29日

田中芳樹さんの「タイタニア」新刊、22年ぶり刊行へ

田中芳樹さんの「タイタニア」新刊、22年ぶり刊行へ

>タイタニアははじめ徳間書店から刊行され
>その後2008年のテレビアニメ放送に合わせて
>講談社から新装版が発売された。4巻は
>講談社からの刊行となり、年内発売の見込み。


「タイタニア」は1991年発行だって。
ジブン大学一年生です。
そうだ、思い出した。
浪人中、”銀河英雄伝説”にハマった自分は
移動する電車の中で、参考書じゃなく
銀英伝の小説片手だった。
(今思えばなんという親不孝な野郎か・・)
だから当時、次の田中芳樹作品に飢えていた頃。

銀英伝みたいなスぺオペを探していた私は
「アルスラーン」はそりが合わず
「創竜伝」もなんだかなあ、で
「七都市物語」に銀英伝の香りを
少しだけ感じたものの短編なんで
あんまり読み応えがなく・・
やっとたどり着いたのが件の
「タイタニア」だった。

でもこれも主人公のヒューリック(だったっけ?)が
「ヤン・ウェンリー氏+ポプラン氏」という
もう最強だろうみたいなキャラで
相変わらずの「必勝の信念はないが戦えば必ず勝つ
という姿勢にかなり興ざめしてしまった。

そのうち実生活がそれなりに忙しくなり
「タイタニア」なんて
読んだかどうかも忘れていたんだけど
そうか・・そもそも完結すらしていなかったのか。



こうなったら、頑張って欲しいぞ。
「未来放浪ガルディーン」もw
待ってます。

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2012年10月24日

[自分でやった方が早い病]

「自分でやった方が早い病」とは

本の要点まとめサイト【ブクペ】より。
「自分でやった方が早い病」
「星海社新書」 小倉広 著

「自分でやった方が早い病」とは・・・

■病状
 ・「自分でやった方が早い」という考えに陥る

■2つの発症パターン
 ・まわりよりも自分ができてしまうから
 ・相手に悪いし、お願いが下手だから

■かかる人
 ・仕事ができ優しい、30代の新人リーダーに多い

■病の原因
 ・「人のため」と言いながら自分の利益しか考えていない
 ・まわりの人と一緒に成長しようとしない
 ・基本的な教育ができていない
 ・エースピッチャーの快感に浸り
  マネージャーの喜びを知らない
 ・自分大好き人間

病状が悪化すると
・「孤独な成功者」になる
・仕事を抱え込み、病気も抱え込む
・つねに「誰かのせい」にして生きることになる
・笑顔と余裕が消える
・いつまでたっても優秀な人が現れない
・誰も信頼できなくなる 誰にも信頼されなくなる
・仕事が途切れると、年賀状も来なくなる

克服できると
・1人の100歩ではなく、100人の1歩で進むことができる
・まわりができる人だらけになり、
 大きな仕事ができるようになる
・友達もお金も増える! 昇進、昇給もできる!
・より大きな幸せを感じることができる
・「自分がほめられるための仕事」ではなく
 本当の仕事ができる

処方箋
■「任せる」とは「失敗させる権利を与えること」
 ・失敗の経験を積ませるのが上司の仕事
 ・失敗は短期的な成果、効率を見た場合の評価
 ・育てる、任せるから見た失敗は、成長

■まわりの人をヒーローにする
 ・損な役回りを引き受けてみる
 ・目先の損を取って、長期的な得を得る

■「任せる」は「仕事をふる」ことではない、と理解する
 ・仕事は責任とセットで任せる
 ・責任も与えれば、ふられたほうも俄然やる気になる

■自分のコピーをを作ろうとしてはいけない
 ・自分がトッププレイヤーだから、
  つい自分のやり方が正しいと思いがち
 ・部下に仕事を任せた以上、
  部下のやり方に口出しはいけない

■計画と検証は一緒にやり、実行は一人でやってもらう
 ・リーダーの仕事は
  P(計画)、C(検証)、A(改善・仕組み化)を全力を注ぐ
 ・D(実行)の部分は部下に任せる

■あえて70点のマニュアルを作る
 ・残り30点は部下が自分で考える部分
 ・独自性を発揮できるように余白を用意しないと、
  マニュアル人間になってしまう



***********************

子育てにも通じるものがあるな。
木のそばに立って見守るのが
「親」というものらしい。
「手は抜いていい、気は抜くな」・・とも言うし。

なんか「地獄のミサワ」にも通じる。

※本の内容もさることながら
この「ブクペ」というサービスをご紹介したかった。


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2012年06月06日

世の中が加速度的に変な感じに・・

日中韓報道界シンポジウム
 ↓   ↓
いらないだろ。こんなシンポジウム。
報道統制国家と嫌日偏向教育国家の報道と
わが国のマスゴミがくっついてもロクなことしないだろうし。

バカってすげえ!という記事
 ↓   ↓
男「宝くじの当選番号教えますよ」
バカ「マジかすげえ!」
⇒160万振り込む

(愛すべき)バカってすげえ!という記事
 ↓   ↓
220万は高すぎだとは思うが
もし1万円だったら・・
逡巡した挙句、買うと思う。

そーいうのは誇り高いとはいわない。

誇り高いなら生活保護受けない。
また、受けたなら文句言っちゃダメだ。
社会とは、金を出してくれる人に対して
何もいえないものなんである。
担当者が人扱いしてくれない、とかいう話なら
それは公務員のモラルの話。

受給者への差別が論外なのはいうまでも無いけど
だからといって外に吹聴することもまた論外。
況してや、施し受けていてまだキツイなら
なおのこと努力しなさいよ。

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2011年11月21日

[プロレス至近距離の真実]ミスター高橋

プロレス至近距離の真実
 ―レフェリーだけが知っている表と裏
(講談社プラスアルファ文庫) ミスター高橋 (著)

そう気合入れて見てたという程ではないが
自分ことPONはこれで結構「プロレス」好意派。
なま温かい目で不定期観測をしている。
消防時代のかつて、水曜7時半の新日本プロレス
放映という全盛時代に遭遇していたから。

アントニオ猪木
藤波辰巳
坂口征二
小林邦昭
山本小鉄
長州力
アンドレザジャイアント
ディックマードック
ハルクホーガン
タイガージェットシン
アブドーラザブッチャー
スタンハンセン
ブルーザーブロディ
タイガーマスク
ブラックタイガー
佐々木健介
橋本・蝶野・武藤・馳
前田日明
藤原組長
ストロング金剛
キラーカーン
そしてカールゴッチ(プロレス の神様であるらしい)
(順不同)

以上は自分の頭の中に残っている
新日のレスラー。(全日が混ざっていたらスマヌ)
もちろんホンマモンのマニアには
かなうはずも無いが、もうほとんど知っている
MSの名前リストとかそんなノリである。

あらすぢっうーか内容
エンターテインメント宣言の原点ここにあり!!
「教えてもらうことなんてないと思っていたけど、
 やっぱりミスターは知っていた!!
この本こそ極上のSRS(スペシャルリングサイド)」
である!!――(浅草キッド)

新日本プロレルのレフェリーとして、アントニオ
猪木らの試合を2万試合以上裁き、また外国人
レスラー担当、マッチメイカー、審判部長を務めた
男が、そこにいた人間のみが知るリング内外の
プロレスの魅力を存分に語り尽くした!!
あのベストセラー『流血の魔術 最強の演技』に
おける「プロレス革命――エンターテインメント
宣言」の原点はここにあった!!

************************

面白かった。失礼ながらこのミスター高橋氏は
かなりクレバーな方で文もうまい。
写真もエピソードも興味深く秘話だらけ。
まさに当時内部にいた人ならでは。

ミスター高橋氏は新日でながいことレフェリーと
マッチメイカー(対戦組合せをメイキングする)の
かたわら、英語も堪能だったので、来日してくる
外国人選手の国内での世話担当も勤めていた。
彼に言わせれば、自分は外国人学校の担任。
(無論、校長先生はA猪木氏である)
外国人だって人間。レスラーだって人間。
冷徹に計算して自己の人気や演出にまで気を使う
レスラーもいれば、本当のバカ(←そこまで
ズバリとは書いていなかったけれど)や
人間失格者もいて、高橋氏は相当振り回された
ようだ(味方であるはずの校長先生にも)

例えばタイガージェットシンは高橋氏が最初に
手がけた外国人選手だそうだが、巷に言われるほど
狂虎でもなんでもない、非常に知的なビジネスマン。
「真の狂気を演じられるのは冷徹な理性である」
とか言うけど、一般的にヒール(悪役レスラー)
ほどクレバーで性格もよく、逆にベビーフェイス
(正義レスラー)のほうが、性格が悪い傾向が
あるとか。

そういった裏の面(真実の顔)が表に出ることを
非常に恐れるレスラーもいる。
自分に対するイメージが崩れることは飯の種を
奪われるも同様。イメージを大切にし
決して同僚選手とは一緒に飲みに行かない、
サインや写真を拒否する、と日常生活でも
自己演出を大事にする選手も(アンドレとかに顕著)

まさにプロ。
ウルトラマンの神秘性は人間と馴れ合わない
からこそ守られるのである。

ミスター高橋氏の暴露話。
彼は、プロレスとはショウであり、
プロの選手同士の信頼の中から盛り上がり(流れ)が
生まれる。それはけっして八百長なんかではない、
というのがポリシーで、プロ(プロレスというものが
判っている選手)のヒールが「凶器」を
持っていたとしても、安心して気がつかぬフリ、
なんてことを度々行なった。

時々近所のジイさん連中と銭湯で顔を会わせて
しまうと
「昔からお前の面倒を見てきたというのに、
 俺はお前を見損なったぞ。何であんなの
 (ヒールレスラーが凶器を仕込んでいること)
 も見抜けないんだ!」
なんてマジメに抗議されてしまい、非常に辛かった
なんて書いている。お客も純朴な時代だったんだ。



もっともこの「プロレスはショウ」と正面から
言い切ってしまった業界の人間は「ミスター高橋」氏が
ほぼ初めてらしく、プロレス至上原理主義ファン
からすれば、プロレスを八百長呼ばわりした
(よーく読みこめばそこまで書いていないんだけど)
ミスター高橋氏は「殺してもいい」裏切り者と
捉えるむきもある様子。

久々にマンガ「プロレススーパースター列伝」を
読ませてもらったようで楽しかった。
ミスター高橋殿。お疲れ様でした。



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2011年01月31日

白寿の処女詩集

「白寿の処女詩集」

狙ってますね〜。編集者も。

よく見つけてくるな。
柴田トヨさん著
「くじけないで」だって。

あ、ちなみに「白寿」って
99歳ね。
(「百」の字の「一」を取ると
 「白」の字になることから、99歳を
 いうようになった。Wikiより)
88歳は米寿。

他にも「磯野家の相続」とか
「もしドラ」ね、
もしも野球部のマネージャーが〜」って奴。
表紙の勝利だね。
初めて「もしドラ」の文字を見たとき
やるドラ」を思い出したジブンです。

季節を抱きしめて〜 By 大藤史

最後に・・
雑誌「ムー」とさ「ニュートン」が
おなじ棚に並んでいるのは
どうかな〜
って思った。
街角の本屋にて。

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2010年10月22日

「病葉(わくらば)流れて」白川道

「病葉(わくらば)流れて」 白川 道

「病葉(わくらば)流れて」幻冬社文庫
 白川 道(しらかわとおる)著

これまた上司から頂いた小説。
これを読んだばっかりに、上司は麻雀が
やりたくって仕方がないようですが
・・自分も読んでみましてよく解りました。

「absurde」(アプシュルド)〜カミュ
・・私は実存する

大和言葉っていうのか?日本語って
たおやかっつーか響きがいいな。
「わくらば」

・邂逅(わくらば・わくらわ)
 稀(まれ)にあること。偶々(たまたま)巧く
 巡り合わせること。偶然に。 
用例:万葉−八九二

和久良婆爾(ワクラバニ)人とはあるを

どうもこれは違う。・・関連はあるのかもしれないが
同音異義語かも。ここは漢字の通り
「病気」の「葉っぱ」なんだろう。
 ↓
 青葉の繁茂した中に、たまたま蝕まれて
 変色した葉を見ることがある。
 病みついた木の葉であり、朽葉であり、
 秋の落葉期を待たないで赤や黄色に
 変色している。こんな葉を
《病葉・わくらば》という。

・・ね、集団からはみ出たどこか普通ではない
はっぱのこと、それは小説で主人公がタビタビ指摘される

「あなたもこちら側の人間ね。今日つれてきた
 彼を親友だと思うなら、もう博打の世界に
 連れてきてはだめ。彼は世間の大多数とおなじ、
 昼のひなかで生きてゆけるタイプ」

ま、要はロクデナシ候補生ってことですよ。

あらすぢ
そして青春が終わり、明日なき放蕩が始まった。
競輪場のジャンが鳴り、麻雀牌の音がする。
血を騒がせるギャンブラーとの勝負に、
今日も日が暮れてゆく…。一時は株の世界で
巨額の資金を転がしたこともある著者の、
奇想天外な自伝的小説。

************************

麻雀必勝ノウハウというよりは、バクチを通した
人生哲学に終始。
私の記憶が正しければ・・のドサ健がなつかしい
阿佐田哲也の「麻雀漂流記」がありましたが
あの世界を楽しめる方なればこの小説もOK。
ポンとチーの区別もつかない方は
まったく読む必要はないです。

1945年に生まれた戦後第一世代の主人公
小説の時代は1963年。
>奇想天外な自伝的小説。
とあるけども、確かに奇想天外だ。
主人公はちっと恵まれすぎ。

たぶん、著者(以前は金融方面で稼いだことも
あるのだそう)の学生時代を、それなりに自伝した
モノと思われる。麻雀(やギャンブル全般)に
狂った勉強しない学生というところは事実だけど、
スグに誘ってくる女も、金がないと貸してくれる女も
ジブンを気に入ってくれるヤクザもそういるはずもなく
当時の生活を、かなり脚色してカッコよく
書いてみました・・そんな感じを受ける。

アトラクションのような身の安全を保証された、
ところで、社会のダークサイドを経験する主人公。

バクチを通して人生を知ってしまったと自認する
素晴らしい先輩方の懇切丁寧なレクチャーがあり
バクチでスッテンテンの男に即金で金を貸し
童貞を捨てたいと思うと、女性のほうから誘ってきて
夜の街で喧嘩すれば、仲間のおヤクザさんが
救ってくれる・・ありませんから。そんなの。

ついこの間(半年前)まで麻雀も知らない
受験生だったヤツが、会員制クラブでヤクザ相手に
高レート麻雀ってのは、何ぼなんでもあり得なさ杉。
であるからこそ、まあ読んでいて楽しいのであるが。
(主人公、ぜんぜん勝てないし)

小説内の魅力的な(一部そうでない人もいますが)
キャラが実在してたら・・

・主人公:18歳・・現在65歳

・永田:主人公に丁寧に麻雀と人生と解説するいい先輩。
    2浪3留らしいので当時27歳・・現在74歳

・テコ:美人喫茶とかいう喫茶のウェイトレス。
    主人公の筆卸し相手。主人公の3歳年上、
    1942年、現在68歳

・姫子:歌舞伎町の店のママ。主人公を気に入る。
    背中が菩薩な裏オトナ世界の指南役。
    空襲の焼け野原を見たとき小学生だったらしいので・・
    1934年生まれだとすると・・現在76歳  
・有坂:ヤクザ屋さん。ヤクザ相手にイカサマはダメです。
・ポン熊:ヒロポン中毒者

ヤクザやポン熊はとうにご臨終でしょう。
姫子あたりなんかこの小説の後、後の
ハツシバ社長、島耕作と懇ろになっていそう。

つい、そんな風に考えてしまう。
人に歴史ありとはいえ・・。
公営アパートで独り暮らしとか、古本屋の主人
とか、場末の飲み屋のママとか、そんな老後を
送っていそう。黙っていればその辺のジジババにしか
見えないが、皆そんな過去を背負っていたりね。

やくざを賛美するつもりもないけれど
筋さえ通せば、やっぱ頼りになるのは確かな様で。

【永田の博打指南】

「オレは麻雀のイカサマはルール外のことを
 やることだと思っている・・勝負事ってのは
 与えられた材料を最大限に使うことだ、牌が
 裏返っていたら覚えるのもいいし、積み込んだ
 っていい。でも牌を隠す、すり替えるって
 のはダメだ・・」 

「多面待ちが平気で単騎に負けるのが麻雀だ。
 確率論ではなくって、博打の時間とは
 瞬間的で一瞬の刹那的な時間なんだ。」

「いいか、初心者のうちは攻撃一本槍で行け。
 防御なんてものはカミソリのような攻撃力を
 身につけてからでいい・・」

「麻雀の神様は気紛れでな。技量の劣るヤツには
 「引き」という武器を与えた―
 人の捨て牌を喰えば、自分の引きは少しずつ落ちてゆく・・」

【姫子の大人への階段講座】

「大きな事をやろうとするときは理屈じゃないわ・・」

【お友達】

「女はいいが博打はダメって?」
「お国レベルになると滅ぼすのは女だが
 男をダメにする元凶の一番は博打なんだそうだ・・」

「博打なんて興味を持った人間だけがやればいい。
 けど俺が言いたいのは、意味が無いからといって
 博打を全否定するのはどうかと思うんだ。
 博打をやっていると人より早く年を取るという、
 どうしてだかわかるか?」

【おヤクザさん】

「坊主、気に入ったよ。博打事で仲間はできても
 友人はできないもんだ。そんなツラで近づいてくる
 やつがいたら一番警戒しな」

【ポン熊】

「キャキャキャ」
「ゼハハハハハハ・・」は黒ひげだった。

いい事も結構書いてありました。
「どんなに親しくっても、女とバクチは別。
 金は女から借りるな」とか。
「同じバクチ打ちから(麻雀で負けたのなら
 少なくともその負けた面子からは)
 金を借りてはいけない」
(バクチ打ちの仁義だとかなんとか)とか。

なんか「病葉(わくらば)」シリーズは
映像化したり、2やら3やらシリーズ化
したようだけども
・・自分はこの一冊読めばもういいや。

最後に、敬愛する漫画家「ジョージ秋山」氏
(浮浪雲の作者ですね)のひとことを。
「人生を学ぶとしたら先生からであって
 少なくとも「遊び」は先生ではありません。
 あれは友達です」

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2010年01月02日

「下妻物語」(小説)嶽本野ばら

「下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん」
 嶽本野ばら著 小学館文庫

上司が貸してくれた本です。さすがにびっくり
しましたが。(これまでハードボイルド物が
多かっただけに)

あらすぢ
四方八方田んばだらけの茨城県下妻。そんな田舎
で浮きまくりのバリバリロリータ少女・桃子は、
大好きなお洋服欲しさに始めた個人販売で、これまた
時代遅れなバリバリヤンキー少女・イチコと出会う。
見た目も趣味も全く違うこの二人。わかり合える
はずはないのに、やがて不思議な友情が芽生えて…。
ギャグぶっちぎり!思いっきり笑ってほんのり泣ける
爆走青春ストーリー。刺激的でエンターテイメント・
センスがたっぷりなコマーシャルで知られる
ディレクター・中島哲也氏が惚れ込み、自ら監督を
名乗り出た素敵な映画化原作。

************************

面白かった。
映画、小説どちらから読んでもOK。

映画ではどちらかといえば、ヤンキーイチコからの
語り口だったと思いますが、小説は最後まで
ロリータ娘桃子からでした。
細かいジョークがあちこちにあり、ネタが解る方ほど
楽しめる仕掛けになっていますが、小説のほうは、
そのうちだんだん風化してしまうでしょうね。
唐獅子株式会社のように。

【ロココの精神・・なのだ】
街中でたまーに「ロリータ」ファッションをしている
女性を見かけてしまうと、何が好きでそんな120%
社会から浮いてしまうカッコをするのか、不思議で
仕方なかったワケですが、この小説でそのナゾが
氷解しました。

作者の嶽本野ばら氏は、こういう世界が大好きらしく
その持てる薀蓄をすべて小説で披露しています。
それもとっても解りやすく。
ロリータの服装の原点は「ロココの精神」
「他人の評価や労力を査定の対象とはせず、
 自分自身の感覚で、これは嫌い、これは好きと選別。
 労働は忌避する」そんな貴族社会で始まった
 究極の個人主義が、ロココの根底な様子。
中には、単に可愛いからという理由だけでロリータ
ファッションをする人もいるんでしょうけれど、

【ロココはどんな思想よりも
 パンクでアナーキーなのです】


【ご意見無用・・なのだ】

であるからして
誰がなんと言おうと、これが己の生きる道、
お指図不許可!であるならば、ロリータも
(イマドキ)ツッパリヤンキーも同じところに
立っているわけです。桃子(ロリータ少女)は、
冷徹な自己分析からロココなる境地に達しましたが、
イチコ(古いタイプのレディース)は若いうちの
感性だけで同じ境地(ご意見無用)に立っています。
イチコの場合は、これからも桃子のような
自己分析できないと思われますが、彼女
とにかくバカなので。

ラスト、桃子が元ヤンで、それなりの戦闘力を
持っていた・・という燃える展開を待っていたのですが、
火事場のバカぢからと、落語こんにゃく問答のような
勘違いから、何とかなってしまいました。
(これは映画もおんなじ)

それにしても、よく下妻や尼崎の住民から
クレームが来ないものだ。小説中にもあったけれども
彼ら(特にヤンキー)はネットとか難しいものを
読まないから騒がれないらしい。
それとジャスコも太っ腹だね。

以下、下妻近辺の人にしかわからないお言葉
いずれも小説に出てくる実在の店。
・粉とクリーム(通称「こなくり」)
 →うまいと評判のパン屋さん
・貴族の森 
 → 喫茶店チェーンなのだが
 最近経営者が変わった様子。名前が変わってた。

景気悪化は地方ではもう死活問題。

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2009年12月12日

「風が吹くとき」(絵本)

「風が吹くとき」

「風にひとりで・・」はガンダム、
「風に吹かれて」はボブ・ディランです。

声が「森繁久弥」氏、「加藤治子」さん

原作はマンガ仕立ての絵本。
PON初見は図書館かどっかでたまたま読んだヤツ。
向こうの「マンガ」なんで淡々としたコマ割り。
シャレではないけれど「タンタンシリーズ」とか
そういった類に似ている。

裏表紙にインパクトがあって、核爆発によって
イギリスの田舎の家の窓ガラスが、ストップ
モーションで歪みながらはじけ飛ぶ様子が、
淡々と描かれていて・・。

あらすぢ
この『風が吹くとき』は、もともとイギリスで
1982年に出版された作品で、日本語訳は以前
別の出版社で出ていましたが、今回翻訳を
し直してあらたに出版することになりました。
出版当時から、漫画のコマ割りの手法を使って
シリアスな問題を描いた、絵本の常識をくつがえす
作品として、大きな評判を呼んだ作品です。
内容(「BOOK」データベースより)

************************

「無知で善良な市民が、政府を信じて
 最善を尽くしながらも最後は死ぬ」


第二次世界大戦に子供時代を過ごし、立派に
子供を育て上げ、ロンドン郊外に隠居して
いる、善良な夫婦が主人公。

「イギリスの市民」として、とつとつと日々の
生活を送ってきた主人公。
家事については一家言あるが、世界情勢などには
まったくといって興味のない奥さん。

もっとも、核の脅威を知っていたとしても
この夫婦以上のことがPONに出来るかといえば
まずムリだと思うので、コトが起きてしまった時
のことを心配するよりも、少しでも起こさない
努力をした方がいい。
とはいいながら、さりながら、その「努力」と
言ったって結局、ネットの片隅でつぶやく位しか
できない一介のリーマンに過ぎないわけで
ああ。

実は東西冷戦時以上に、現代の方が核の恐怖ってのは
増大していると思うのだが、この映画を観た時は
確かPONが中学生くらいの時、東西冷戦の真っ最中
であったんで、その衝撃はかなりのものがあった。

としょかん  (2).JPG
レイモンド・ブリッグズ著@市立図書館にて

あの頃と状況はまったく変わっていないんだな。
むしろ敵の姿が見えにくくなっている現代の方が
よほどタチが悪い。

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2009年08月14日

「その日のまえに」重松清

「その日のまえに」 重松清、文春文庫収蔵。

上司よりもらった本。重松氏の作品では以前に
「流星ワゴン」を読みましたけども、
平凡な人間達が、それぞれの淡々とした日常の
積み重ねの中で、未来を思う余裕もなく、
過去を振り返るヒマもないまま、今日を生きてゆく。

そんな「永遠」の中、不意に「生と死」に直面した
とき、ヒトは何を考え、どう思うか?そんな小説。
古今東西、数多の宗教ではウンザリするほど
論じられていることなんですけど、答えは
未だ出ていないようです。オフィシャルとしては。

「昨日まで、いた
 今日からは、もういない。」


「われら、死への道のり半ばに―」

あらすぢ
出版社 / 著者からの内容紹介
僕たちは「その日」に向かって生きてきた
男女が出会い、夫婦になり、家族をつくって、
幸せな一生なのか。消えゆく命の前で、妻を静かに
見送る父と子。感動の重松ワールド

内容(「BOOK」データベースより)
昨日までの暮らしが、明日からも続くはずだった。
それを不意に断ち切る、愛するひとの死―。
生と死と、幸せの意味を見つめる最新連作短編集。

************************

映画化、ドラマ化はしやすい。あざとい、といえば
あざといお涙モノではあるが、心静かに、読書したい
時にはオススメかもしれない。

この小説を読んでまず最初に思い出したのは
昔、なんかで見たTVドラマ。食堂を営む仲良し夫婦の
おかみさんが交通事故死?だか、とにかく突然死亡して
しまった。旦那役はたしか、武田鉄矢氏だったと思う。

ホワイトボードには、「キャベツ何個とか、
○○屋へ注文TEL」
といった、妻の字が残っていることに気がついた
鉄矢オヤジは、妻の生活の残りにすがり、泣きじゃくった
まま、いつまでも現実を見ない父親の姿に、ひとり息子は、
そのボードの文字を消してしまうのだ。

「おまえはなんて事をしてくれたんだッ!!」
と金八ばりに怒髪天になる鉄矢オヤジにむかって

「こんなものいつまでも大事にしていたって
 お母さんは戻ってこないんだぞ!」
と息子は返し、オヤジはハッとする。

たしか、そんな感じ。ウチは実家が自営業だったんで
親父やお袋のメモがホワイトボードに書きなぐってある
のを見るにつけ、なるほど、彼らが死んだらこれが
遺言になるのか?と縁起でもない感心をした覚えが
あります。

まあ、いいです。

「先生は「ヒステリア・シベリアナ」って言葉
 知ってますか?なんかあいつが若い頃に読んだ
 小説に出てたって」


村上春樹の「国境の南、太陽の西」に出てきた
「ヒステリア・シベリアナ」という言葉が、この作品
にも出てきました。おそらくは村上作品の方が、先に
世に出ているのでしょうが。
なんか、こんなリンクを発見すると嬉しいですね。



一見、短編集ですが、すべては、最後にむかって
集約してゆきます。そのリンクを見つけるのも
またこの小説の楽しみ方。安心して読み進めて下さい。



号泣というほどでないにしろ、読後には、今の自分の
当たり前の生活を改めて大事にしてみよう、と思う
かも知れませんよ、一日くらい。

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2009年08月02日

「国境の南、太陽の西」村上春樹

「国境の南、太陽の西」村上春樹

嫁が薦めるので読んでみました。
エルサレム賞受賞記念ってことで。
(1Q84ベストセラー記念でもOK)

あらすぢ
今の僕という存在に何らかの意味を見いだそうと
するなら、僕は力の及ぶかぎりその作業を続けて
いかなくてはならないだろう―たぶん。
「ジャズを流す上品なバー」を経営する、絵に
描いたように幸せな僕の前にかつて好きだった
女性が現われて―。日常に潜む不安をみずみずしく
描く話題作。
内容(「BOOK」データベースより)

************************

>日常に潜む不安をみずみずしく描く
まあ、そういう話。
平凡な毎日(=幸せ)といえる生活を送っている
主人公が、エキセントリックな昔の想い人に
振り回される・・筋だけ書くならばね。

はじめ、「国境の南、太陽の西」っていうから、
太陽=日本であるから、日本の西
国境=対馬海峡、つまり朝鮮半島の南ってことで
九州」のこと?とか深読みしたんですが
まったく意味がありませんでした。
(正解は小説内にさらっと記述があった気もしますが
 忘れてしまいました。知りたい人は読んでください)

「村上春樹」にしても「村上龍」にしても、あるいは
「辻仁成」にしても、この手の小説家の作品は
筋を追っかけるのはヤボというか、あんまり意味がなく
場面の空気の積み重ね、行間を楽しむモノなんだろう。

【ヒステリア・シベリアナ(シベリア・ヒステリー)】

作品中に唐突に出てくる用語。シベリアの農民が、四方
八方、地平線を見渡せる広大な農地を、毎日毎日耕して
いる「永遠」。うんざりするほど同じことの繰りかえし。
その「永遠」という名の日常に耐え切れず、. ある日
突然、その農民達が夕日の沈む方角へと歩きだし、死ぬ
まで歩き続けるという神経症。

・・なのだそう。その出典や根拠は不明。

「音楽の海岸」とかもそうだけれども、いわくありげな
オトナのサブカル的豆知識、音楽や、酒(カクテル)関係、
芸術、ドラッグ&セックス・・といった「ウンチク」が
結構GETできて、オトクな気になれます。
なれますが、ちょっと気になったんで
「ヒステリア・シベリアナ」・・ネットを叩いてみました。

Q:村上春樹「国境の南〜」に出てくる
  ヒステリア・シベリアナはフィクションですか?


答えが秀逸

「春樹さんは真顔で虚構を書くので
 真実かはわかりません。」


そうだったですか・・。
ミもフタもありませんねぇ。



面白い、つまんないとかではなくって
春樹流の「空気」を感じたい方に。

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ハルキの本を読んでいるつもりが・・
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2009年04月04日

「透明な遺書」内田康夫

「透明な遺書」 内田康夫

気がつけばすっかり上司が勧める文庫を読み
漁っておりますが、今回はコレ。浅見光彦
シリーズ
「透明な遺書」です。前回、同シリーズの
「鐘」を読み、初めて「浅見光彦」という存在を
知りました。2時間ドラマなどではおなじみで、
水谷豊さんが演じたようですけど・・なんか
あったみたい
ですね。てな訳で頭の中は「水谷豊」
(若干若めのころの・・)で翻訳しながら
読み進めました。

―昔、日本沈没という映画があった。なにより恐ろしい
と浅見が思ったのは、平穏な生活の裏で、静かに確実に
崩壊が進行しているという部分だった ―

<あらすぢ>
「警察は自殺だと言ってます。でも、私は自殺だ
なんて信じてません」福島県喜多方で排ガス自殺と
断定された父の死因を承服できない清野翠。翠の父の
友人であった「歴史と旅」藤田編集長の依頼をうけて
浅見光彦は、彼女とともに残された“透明な遺書”を
よりどころに、正々堂々、喜多方にむかうのだが。
内容(「BOOK」データベースより)

文体はとっても読み易い。持って回った書き方もなく
すらすらと頭の中に入ってくる。文章を書くことを
職業とする方にはお手本にして欲しいほど。

我らが主人公が名推理を見せる。さすが「浅見光彦」!
凄いぜ!というよりも、このワールドの創造主=神である
内田康夫さんが、浅見に成り代わって演じているんだから
それくらい知ってて当然・・という感じも受けます。

それと完全無欠の兄が、エリートで警察庁の刑事部長を
務めているいるって設定もなあ。
浅見光彦シリーズでは、基本的に兄貴が兄貴なんで
「警察」というものは、困ったところもあるけれど、
市民社会最後の良心の砦となりうる存在として描かれている。
浅見が困った時には(個人の力ではどうにもならなくなる時)
バックに警察(兄貴)の影の援助がある。
ネタばれだけど、今回の話では主人公は、そんなの頼りに
なる「警察」と、更に言うなら、警察や公安もそのボスは
政治屋なわけで、その体制と図らずも喧嘩(対立)する
ことになってしまう。

内田康夫氏の小説はなんとなく「ブロック」方式な
気がする。著作はまだ二冊しか読んでいないけれども。
主人公が不得手な分野、例えば、暴力で困ったとき、
あまり知らない分野の情報を入手したい時など、
決まって(都合よく)それらを補てんしてくれる存在が
「ごそ」っとブロックのように話の流れの中に表れる。
まあひとことでいえば「ご都合主義」なんだが。
エンターテイメントであるならば、これでいいと思う。
肩もこらないし。

例えば、前に読んだ「鐘」であれば、「鐘」製作所の
気のいい社長の話(まるっきり社会見学みたいな描写)
が延々と続き、それが話のブレイクスルーにつながり
この作品にしても、主人公、浅見が持ち合わせていない
分野(政治や権力)で行き詰ると、スーパーなお兄さんが
出てくる。

非常にテレビドラマ化に向いた小説なんだな。
あまり時間軸が混み入った描写もなく、適度に地方都市も
出てくるから、撮影クルーが出かけるにも良い。
「鐘」→尾道、因島、高松、富山(高岡)
「透明な遺書」→喜多方、富山
それから今回も「金」の話のはずが実は「鐘」だった
なんていうようなトリック?もありました。

これに近いものと言えばロールプレイングゲームの
シナリオかな。主人公が独力で未来を切り開いてゆく
というよりか、主人公に活躍してもらうために
すべての謎はあらかじめ用意してあります・・の感。
そんなこと言ったら、すべての小説がそうでは?と
突っ込まれそうだけど。

この主人公、浅見さんは、事件に関連する女性に
妙にモテルんだけれども、007のボンドガールの
ように、一話につき妙齢の女性一人出てくる設定で、
しかも映画寅さんのように、その誰ともプラトニック
ラブで毎回終了してしまうのだろうか?
主人公の恋愛が全く進展しないのは、作者の内田康夫氏が
現代の女性描写に不得手だからなのかもしれません。
この私でさえ、今どきの女性はそんな言い回ししねーだろ?
なんて思う時も少々。

― 人間が死によって失うのは彼の生命だけでなく、
彼の持っていた「情報」もまた大きな損失であることを
痛感した・・



実社会でも、秘書だの金庫番だのたいそうな方々が
突然、自殺してますよねえ。くわばらくわばら。



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<抜き出し〜ネタばれが嫌な人は御遠慮くださいまし>
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2008年12月24日

「さよならの代わりに」貫井徳郎

あらまーなんと
本日はクリスマスイブ。
仏教で言えば潅仏会(かんぶつえ)前日。
一応、悲恋?モノを紹介します。

マスライです。

************************

「さよならの代わりに」貫井徳郎

幻冬舎文庫。上司にもらった文庫です。
相変わらずノー前知識で読書スタート。
凶と出るか吉と出るか。

そもそも自分の読んでいるモノのジャンルすら
判らないままの読書なんで、物語のオチが
宇宙人モノや、たとえ怪獣に殺されて終わろうとも
驚きません。そんなときは上司の本の好みに
改めてビックリするかもしれませんが。

「自分を情けなく思うようなことは
 普通の人にとってどれくらいあるものなのだろうか。
 ぼくはけっこうある。(中略)「駄目だなぁ」と
 声に出したくなるほどだ。(中略)でも、図太いなと
 自分でも感じるのは、決して自己嫌悪に
 陥らない点だ―」

あらすぢ
劇団“うさぎの眼”の看板女優が、上演中に控え室で
殺害された。事件と前後して現れた、真犯人の存在を
ほのめかす謎の美少女。駆け出しの僕は、彼女と共に
事件の真相を追い始める。彼女に振り回され、時折
見せる曖昧な言動に戸惑いながらも、僕は、その不思議
な魅力に次第に惹きつけられていく。
しかし、彼女は、誰にも言えない秘密を隠していた―。
内容(「BOOK」データベースより)

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良作。
うーーん。なんだろう。サラリーマン向けの
ライトノベルみたいなモンだろうか。
要はタイムトラベルジャンルなんですが。

主人公の憬れ人、いつもドライな智美さんが語ります。
「タイムトラベルもののSFを読んでいると、
 とりあえず株や競馬で稼いで、その時代での
 活動資金を得るという場面がよく出てくるのよ。
 でもあたしはいつも思っていたの(中略)
 そんな風に都合よく結果を憶えているものかなって」

その辺は、主人公が一応の理屈を用意してくれています。
というか、作者は多数のタイムトラベルものに
接するうちに、このロジックを思いつき
それを小説にしたくって、一冊書き上げたようにも
見えます。

「彼の告白を自分は理解した。(中略)それはきっと
 彼が本音を語っているからだろう。本当の裸の
 感情だと、直感的に理解できるからであろう」

犯人がなんじゃそら?と思わなくもないけれど
まあ、犯人と追いつ追われつの、純粋なミステリー小説
ではないので、その辺はいいでしょう。別に。

あるプロダクションがあって、売り出したい女優なり
アイドルなりがいて、彼女を主役にできる
なにか手ごろな映画化素材はないかな?なんて
考えたら、この小説に飛びつきそうですね。
っつーか、もう既に映画化されていそうだ。
未調査だけど。
この小説程度のSF度であれば、TVドラマ化も可能。
未来を再現するのにそれほど金はかからなそうだし。

「時をかける少女」が好きな方であればどうぞ。
(そういえば、先日地上波で「時をかける少女」の
 リメイクアニメ版がやっていたけれど、話は
 ともかく、絵はキレイでした。前作の主人公が
 タイムスリップ体験を忘れられないのか、ハイミスで
 出演しているのが良かった)



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以下、ネタバレ
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2008年10月25日

「リセット」北村薫

「リセット」北村薫著 新潮文庫

「―かの時に言いそびれたる―
  大切の言葉は今も―胸にのこれど」

これも上司からもらった本。
北村薫氏の本は初めて・・だったと思う。

これは北村薫「時の三部作」のひとつで。
「スキップ」「ターン」「リセット」
自分は、いきなり最終作から読むことになった。
もっとも、この三つは特に繋がっている
訳ではないようで、作者が「時と人」にこだわって
書いた一連の作品ってことらしい。

あらすぢ
遠く、近く、求めあう二つの魂。想いはきっと、
時を超える。『スキップ』『ターン』に続く
《時と人》シリーズ第三弾。

「・・・また、会えたね」。昭和二十年五月、神戸。
疎開を前に夢中で訪ねたわたしを、あの人は
黄金色の入り日のなかで、穏やかに見つめてこう
いいました。六年半前、あの人が選んだ言葉で
通った心。以来、遠く近く求めあってきた魂。
だけど、その翌日こそ二人の苛酷な運命の始まりの
日だった。流れる二つの《時》は巡り合い、
もつれ合って、個の哀しみを超え、生命と生命を
繋ぎ、奇跡を、呼ぶ。

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ちょっと読みにくいのが難点。

あまりに表現方法に凝りすぎていること、
(主人公に、わざわざ病床からカセットテープを
 用いて子供たちに遺言めいた思い出話を
 させるあたりとか・・)
時代感を出したいためか、その時代の子供文化を
作者が一生懸命、研究して散りばめたシーンが
各所に見られること。はっきり言ってその時代に
まったく興味のないPONのような人間には
読みにくいだけで。そんな、細々と昭和初期の
芦屋のハイソな生活、少女かるたや、
昭和30年代の男子小学生の生活のことを
記述されてもねえ。

各時代の子供文化のシーン描写中ともなると
作者がその描写に夢中になってしまい、
一部、物語の展開が止まってしまってます。
さらには詳細に記述しすぎて、興味を持って
よーく読み込まないと、せっかく物語のキーとなる
「歌」や「小道具」を読み飛ばしてしまうかも。

それだけ研究したんでしょう。だけに最後の
参考資料の数々はすごい。この小説は、当時の
子供の生活を凝縮したタイムカプセルとして成り立つ。

さらに、主人公のハイソな少女時代、
大人の情報の断片から、子供の視点で
大人の世界=太平洋戦争の推移が、
「他人事」として描写されているところには
「まあそんなモンだったんだろうな〜」と
素直に感心した。

その分、物語の構成は実はシンプルなんで、
タイムスリップモノにありがちな、
「一方その頃、もう一方の主人公は?」
といった頻繁な場面転換、時系列の変更が少なく
その点で読みにくさは多少緩和される。

この物語、はっきり言ってキモは、
悲恋の修一君と真澄さんが、実はなんども
「〇〇〇〇〇」って「〇〇〇」あう
という部分なんで、そのキモをひとつの
小説として完成させ、感動に結びつけるため
肉付けしつつ、細部に工夫を凝らした・・と。
そんな感じです。

「・・・いきなり、いなくなってしまうのは
 止めてほしい」


自分は一回読めばもういいか。

それにしてもずいぶんと、遠回りしましたなあ。
お二人さん。



ちなみに現在、船の資料館に二式大艇はないよ。

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「しし座流星群」とか
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2008年09月02日

「峰の記憶」渡辺淳一

峰の記憶

渡辺淳一。文春文庫。
初出は昭和50年(1981年)だってんだから
かなり古い作品。実際、上司から借りた文庫も
ところどころ赤茶けている。
多分、こういう縁でもなければまったくPONが
手を出すことはなかっただろう。

「渡辺淳一」さんといえば失楽園で、不倫で
団塊の世代のすけべえで、有名な作家だと
勝手に思っていたのだから。

なんの期待もしないで読み始めたのですが・・
(自分の読んでいる小説は「峠」の記憶だ、と
 思っていたくらい)
すみませんです。ひとくちに小説といっても
ジャンルによって様々な面白さがあるのですね。
勉強になりました。

あらすぢ
大雪山系を貫く縦貫道路の建設に携わる北海道開発局の
工事現場の若き所長を通じて、自然保護と国土開発、
現場と上層部、反対団体とお役所、個人の考えと
自己の職分、仕事と恋愛、そして男と女についての話。

ひとことでいえば、熱意たぎる青年が
仕事と女でエライ目に合って一歩だけ進む話だ。

ひとつ言わせてもらうと、女性の話し方の描写が
エラク古風だなと。20数年前の女性だからと言って
ああまで、奥ゆかしいというか、女性は男性をたてて
一歩譲ったところに立て、みたいな価値観。
平たく言えば、当節の若い女性のモノの言い方を、
オヤジが想像して無理に紡ぎだしているっつーか。
要は、いくら昭和の女性だからと言っても
そんないいかたしねーだろ?ってコトです。

「困ったわ」「じゃあ、いらして」
「正しいわ」「損だわ」「感謝すると思うわ」
「もったいないと思うわ」
ヤッターマン2号かおまえわ。

あるいは、ほんのひとむかし前の女性は
本当にそんな話し方をしていたのかな?

主人公たちも人間ですから、必要に応じて
えっちシーンもあるわけですが、その描写なんかは、
後に失楽園を大ヒットさせる、氏の片鱗が見受けられて
面白かったですよ。

ネタばれになりますが、主人公は技術系エリート役人で
仕事を無難にこなしていれば、昇進は約束された
ような人物です。その彼が「俺は他と違う」「俺は正しい
ことをやっているんだから、恥ずべきことはない」と
革新的なやり方を仕事(土木工事)に持ち込もうとします。

よく、小役人が退職あいさつなんかで
「皆様方のお陰を持ちまして、大過なく職務を
 全うできました・・」
なんて言います。
「大過なく任期を全うすること」が
美徳になってしまうんですから。
ザッツお役人ズ世界ですねえ。
そんな世界で彼が上手くいくのかどうか?
本質的にはまだ若いので、ときどき芯がぶれたりする
彼の行動をハラハラしながら、読者は追ってゆくわけ
です。

言われたことだけをやって褒められるのは
ペーペーの時期だけ。ある程度の歳を経た人間が
所属する組織で評価されるには、進退を賭した
提案(思いつきや単なる批判ではなく)を
しないと、埋もれてしまうんだなあと。
最近、仕事でいろいろ考えるところのあるPONに
結構、ヒントを与えてくれた小説でした。

主人公が述懐するシーンは、素直に肯いてしまいました。
「自分は挫折を知らないできた。―素直で、正義感があって
 男らしい、といわれたところで現実の世界では、
 あまり価値がないのかもしれない。
 少なくとも、仕事をしていく上では必ずしもプラスには
 ならない。もう少し複雑に、本心を見せず、巧妙に立ちまわり
 ときには非情に相手を振り切っていく、そういうところが
 なければ、大成しないのかもしれない・・」

「うまくいっているときはいいが、一旦まずくなりだすと、
 女はすぐ被害者になる。女とはなんと身勝手なのか
 ・・開き直った女の怖さか」

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「ネタばれ含むセリフ集」
posted by PON at 21:00| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする