2011年12月04日

クローズド・ノート 雫井 脩介

「クローズド・ノート」

クローズド・ノート(角川文庫)
雫井 脩介 (著)

某古本屋で100円。雫井 脩介氏の作品と
いえば「劇場型犯罪」ならぬ「劇場型捜査」を
描いた小説「犯人に告ぐ」を読んだんでチョイス。
本の厚みもそこそこあったし。読みやすかった
キオクもあり、ま、いいかなと思って。

あらすぢ
そのノートが開かれたとき、私の日常は
大きく変わりはじめる――。
『犯人に告ぐ』の俊英が贈る、切なく暖かい、
運命的なラブ・ストーリー。

堀井香恵は、文具店でのアルバイトと音楽
サークルの活動に勤しむ、ごく普通の大学生だ。
友人との関係も良好、アルバイトにもやりがいを
感じてはいるが、何か物足りない思いを抱えた
まま日々を過ごしている。そんななか、自室の
クローゼットで、前の住人が置き忘れたと
思しきノートを見つける。
興味本位でそのノートを手にする香恵。
閉じられたノートが開かれたとき、彼女の
平凡な日常は大きく変わりはじめるの
だった――。

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うーーむ。うむむ。
なんつーのか、予定調和でいっぱいの
泣かせますんで寄っといで的小説
・・つまりはラブファンタジー?
人によっては、その「泣かせる仕掛け」が
「Ξ」いや「ξ」チガウ・・くさい、
若しくは「あざとい」と感じるかもしれません。

それと万年筆について延々と述べるシーンがあるが
ちょっとクドい。おかげで万年筆欲しくなったけど。

今回、恋愛の対象になる、かけ出し芸術家の男。
こんな男がなぜモテる?と、フィクションで
あることをさておいても、と思うけど、まあいいか。

「女性は、男性が何か真摯に打ちこんでいれば
 惚れるというモンではなくって、気になる男性が
 何かに打ち込んでいるから、ますます気になる
 存在になるのだ」・・とか聞いたことある。

一見、朴念仁だが、それは芸術に打ちこむがゆえで
そんなアナタが素敵・・ってワケではなく、ベースが
元々カッコイイ男ってことなのだね。ふむ。

ラノベ感覚なラブストーリーで無理にでも泣きたい!
というなら読んでみて下さい。
私は二度読みしませんが。



それにしても「教育」ってヤツぁ、本気でやったら
アレほどワリに合わない仕事も無い。

<追記>
なんか映画化したらしい。さすが角川G。

文庫: 444ページ
出版社: 角川グループパブリッシング (2008/6/25)
ISBN-10: 9784043886012
ISBN-13: 978-4043886012
ASIN: 4043886012
発売日: 2008/6/25

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2011年11月21日

プロレス至近距離の真実 ミスター高橋

プロレス至近距離の真実
 ―レフェリーだけが知っている表と裏
(講談社プラスアルファ文庫) ミスター高橋 (著)

そう気合入れて見てたという程ではないが
自分ことPONはこれで結構「プロレス」好意派。
なま温かい目で不定期観測をしている。
消防時代のかつて、水曜7時半の新日本プロレス
放映という全盛時代に遭遇していたから。

アントニオ猪木
藤波辰巳
坂口征二
小林邦昭
山本小鉄
長州力
アンドレザジャイアント
ディックマードック
ハルクホーガン
タイガージェットシン
アブドーラザブッチャー
スタンハンセン
ブルーザーブロディ
タイガーマスク
ブラックタイガー
佐々木健介
橋本・蝶野・武藤・馳
前田日明
藤原組長
ストロング金剛
キラーカーン
そしてカールゴッチ(プロレス の神様であるらしい)
(順不同)

以上は自分の頭の中に残っている
新日のレスラー。(全日が混ざっていたらスマヌ)
もちろんホンマモンのマニアには
かなうはずも無いが、もうほとんど知っている
MSの名前リストとかそんなノリである。

あらすぢっうーか内容
エンターテインメント宣言の原点ここにあり!!
「教えてもらうことなんてないと思っていたけど、
 やっぱりミスターは知っていた!!
この本こそ極上のSRS(スペシャルリングサイド)」
である!!――(浅草キッド)

新日本プロレルのレフェリーとして、アントニオ
猪木らの試合を2万試合以上裁き、また外国人
レスラー担当、マッチメイカー、審判部長を務めた
男が、そこにいた人間のみが知るリング内外の
プロレスの魅力を存分に語り尽くした!!
あのベストセラー『流血の魔術 最強の演技』に
おける「プロレス革命――エンターテインメント
宣言」の原点はここにあった!!

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面白かった。失礼ながらこのミスター高橋氏は
かなりクレバーな方で文もうまい。
写真もエピソードも興味深く秘話だらけ。
まさに当時内部にいた人ならでは。

ミスター高橋氏は新日でながいことレフェリーと
マッチメイカー(対戦組合せをメイキングする)の
かたわら、英語も堪能だったので、来日してくる
外国人選手の国内での世話担当も勤めていた。
彼に言わせれば、自分は外国人学校の担任。
(無論、校長先生はA猪木氏である)
外国人だって人間。レスラーだって人間。
冷徹に計算して自己の人気や演出にまで気を使う
レスラーもいれば、本当のバカ(←そこまで
ズバリとは書いていなかったけれど)や
人間失格者もいて、高橋氏は相当振り回された
ようだ(味方であるはずの校長先生にも)

例えばタイガージェットシンは高橋氏が最初に
手がけた外国人選手だそうだが、巷に言われるほど
狂虎でもなんでもない、非常に知的なビジネスマン。
「真の狂気を演じられるのは冷徹な理性である」
とか言うけど、一般的にヒール(悪役レスラー)
ほどクレバーで性格もよく、逆にベビーフェイス
(正義レスラー)のほうが、性格が悪い傾向が
あるとか。

そういった裏の面(真実の顔)が表に出ることを
非常に恐れるレスラーもいる。
自分に対するイメージが崩れることは飯の種を
奪われるも同様。イメージを大切にし
決して同僚選手とは一緒に飲みに行かない、
サインや写真を拒否する、と日常生活でも
自己演出を大事にする選手も(アンドレとかに顕著)

まさにプロ。
ウルトラマンの神秘性は人間と馴れ合わない
からこそ守られるのである。

ミスター高橋氏の暴露話。
彼は、プロレスとはショウであり、
プロの選手同士の信頼の中から盛り上がり(流れ)が
生まれる。それはけっして八百長なんかではない、
というのがポリシーで、プロ(プロレスというものが
判っている選手)のヒールが「凶器」を
持っていたとしても、安心して気がつかぬフリ、
なんてことを度々行なった。

時々近所のジイさん連中と銭湯で顔を会わせて
しまうと
「昔からお前の面倒を見てきたというのに、
 俺はお前を見損なったぞ。何であんなの
 (ヒールレスラーが凶器を仕込んでいること)
 も見抜けないんだ!」
なんてマジメに抗議されてしまい、非常に辛かった
なんて書いている。お客も純朴な時代だったんだ。



もっともこの「プロレスはショウ」と正面から
言い切ってしまった業界の人間は「ミスター高橋」氏が
ほぼ初めてらしく、プロレス至上原理主義ファン
からすれば、プロレスを八百長呼ばわりした
(よーく読みこめばそこまで書いていないんだけど)
ミスター高橋氏は「殺してもいい」裏切り者と
捉えるむきもある様子。

久々にマンガ「プロレススーパースター列伝」を
読ませてもらったようで楽しかった。
ミスター高橋殿。お疲れ様でした。



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2011年10月18日

夜想 貫井徳郎

「夜想」 貫井徳郎(著)

あんだけ「バカ」なことをしでかした
オウム真理教(現アレフ)だけど
そもそもは中央線沿線にある
繁盛していた鍼灸院からスタートしたんだとか。
(治療士が麻原で心服した患者達が幹部に)

実は最近のPONなんですけど
「椎間板ヘルニア」と診断されてしまいまして
気持ち的に「手術」はいやだし、
これでも勤め人なんで、長期戦線離脱も致しかね・・
とにかく、妻が独身時代よりお世話になっている
鍼灸治療院へ駆け込み、助けを請いました。

なんかね、麻原のいた鍼灸院を核に
オウムを立ち上げた連中の気持ち、
ちょっとワカル気がした。

とにかく、痛さから逃れたい=救いを求める患者
(この場合、PONも含む)にとって
「治療院」の存在は、ほんと救い主だ。

なんといってもココの先生、聞き上手でね〜。
この「聞き上手」によって、患者の不安が
多少なりとも緩和され、それが回復に向わせてる
という線もアリだと思うし、
治療が引き出したジブンの自然治癒力の効だとしても
なんかもー全面的に先生を尊敬したくなる。

キャー、先生ついてゆきます〜てなモン。

そんな経験の最中に読んでしまった小説がコレ。

あらすぢ
デビュー作であり出世作でもある『慟哭』から14年。
『夜想』は、作者自ら「『慟哭』の主題に改めて挑んだ」
と語る作品。『慟哭』は新興宗教を扱った衝撃的な
ミステリーでしたが、貫井さんは「オウム以後、
新興宗教をどう描くかをずっと考え続けてきた」
とのこと。本作に賭ける並々ならぬ気合いが窺える。
事故で妻と娘を喪い、絶望の中を惰性で生きている
主人公・雪籐(ゆきとう)。ひとりの女性に出会ったことで
動き始める彼の運命は……。ミステリーの手法を通じて
“絶望と救済”を描き続ける著者の、
畢生の傑作。

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ひとことで言うなら、新興宗教が立ち上がる
プロセスのシミュレーション小説。

話は、ホンモノの超能力(触るとその人の内面を
理解する)を持つ、可愛い女子大生が、
迷える主人公(雪籐)と出会うところから始まる。
「救われた」とおもった雪籐は、殺到する相談予約を
さばくため、予約受付係をかってでる。
それが後の組織「コフリット」になる。

「力」がホンモノだろうとカンチガイであろうと
関係ない。「力」で人々を救いたいと思う気持ち。
純粋に「人助け」を旗印に立ち上げた集団だ。

まだまだ小さくて組織とも呼べないようなコミューン、
コフリット。人を騙したり、ましてや金儲けなんて
これッポチも考えていない。

でも、組織が拡大すればするほど、多様の人間が集まり
本来のイロや存在意義が揺らいでゆくもの。
これは宗教に限らず、人の集団にはどこにもある
仕方のない現象。

街のパート職場における人間関係にありがちな
オバサン信者同士のカクシツ、つーか低レベルな喧嘩。

さわやかで妙に組織に尽くしてくれるイイ奴だなあと
思ってたら、実はナンパしやすい女性を漁れるから、と
テニサー代わりだった大学生。

ハナから神なぞ信じることなく
組織など金ヅルにしか思っていない宗教ゴロも寄ってくる。
闇世界に堕ちずに、表社会にいたら結構な経営者に
なりそうな、妙なパワーを持っているもの。

以前に、ビートたけし原作の映画
「教祖誕生」ってのを観た事があったんで
ボヤッキーみたいな、このオッサンの正体を
「宗教ゴロ」だ!志村〜うしろっ、と
心でつぶやいた自分がいる。

ほかにも、王国などにありがちな、
オレが一番、教祖と教義を知っているんだ!という
「オレが一番」という意識の張り合い。
つまり、王(教祖)の寵愛を一番受けることができるか?
競争ね。

信者たちは、私を救ってくれるのは、この人(教祖)だッと
勝手に決めつけ、ジブンの理想を
勝手に教祖に押し付け、入れあげてゆく。

ジブンの救い主なんだから、こうでなきゃ困る、
こうである筈だ・・。
聖なる存在の教祖はセックスなどもってのほか
なのである。見た目可愛い女学生であればなおさらだ。

教祖と信者のめざすベクトルが一致しているウチは
これほど従順で頼れる信者もいないのだが
もし意にそぐわなくなると、思い入れるジブンが
オカシイのではなく、思い通りではない「教祖」が
イケナイのだ!という考えに至り、暴走を始めるバカも。
(この辺の心理は、偏執的なアイドルストーカーや
 一部の政治運動家にも通じる)

さらには、自分ではリクツに沿って動いている
つもりなのに、そのリクツが世間と乖離してることを
最後まで理解できず、どうにも人にメイワクをかけずには
いられない精神的に困ったオバサンも絡んできて・・・。
(↑無意識に最大メイワクなヤツ。
  ひとりで篭もって死んでくれればいいのに)

金と欲とエゴがこれほど全面に出てくる組織で
しかも教祖が「若くて可愛い女子大生」となれば
ドロドログチャグチャ、フラグが立つことは
もう決定な気もするが、この作者はいい人
(自分の作品世界を決定的に汚すことができない)
なので、教祖の属性は「聖」であり、読後感も
それほど陰鬱にはならない。

これが実社会のように「俗」だと麻原のような
末路になる。

読者としては、小説の主人公にマトモな
「判断力」と「行動」を求めたい所であるが
なかなかそうもいかない。

主人公雪籐の行動を読み進めるうちに
あれ?コイツの言動おかしくね?
ちょっとでもそう感じられたら、
まあまだあなたに救いは不要。

逆に共感しまくりだったりしたら、
現在ちょっとジブンはマズイ時期にいるのでは?と
自省してみるのもよろしいかも。



「あたしはずっと、夜の中にいました。」
救われる者と救われない者。

読者は最後に「夜想」とつけられた題の意味を知る。

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2011年10月15日

アナン、飯田 譲治・梓 河人

アナン、(上) (講談社文庫) [文庫]
飯田 譲治、梓 河人 (著)

 その少年は『未来』という名の扉を開けた!
 ホームレスの男と拾われた少年。運命の絆で
 結ばれたふたりの周囲で不可思議な現象が
 次々と起こる。「アナザヘブン」の作者が
 放つスピリチュアル・ファンタジー

作者の飯田譲治さんに罪はないんだけど
飯田というとワープの社長を
譲治というと「アウトランダーズ」の漫画家を
イメージしてしまうので、どちらにしても
なんかボリュームたっぷりな男性って感。

自分のつたない前知識では、この飯田氏とは
昔、武田真治とトヨエツが出ていた
超能力モノのドラマを作っていた気がする。

あらすぢ(上)
内容(「BOOK」データベースより)
東京に初雪が降った夜、高級料亭のゴミ置き場に
生まれたばかりの赤ん坊が捨てられていた。
その子を発見したのは、流という名の記憶喪失の
ホームレスだった。拾われた赤ん坊は「アナン」と
名付けられ、流と仲間たちによって育てられる。
やがて、アナンの周囲で不思議な現象が次々と
起こるようになる―。

************************

腰巻(帯)の惹き句がさ〜
「スピリチュアルファンタジー」
結果的に間違ってはいなかったんだけども
なんか俺には関係ない分野だなあと。
「スピリチュアル」・・「なんとかの泉」が浮かぶし
表題も「アナン、」ときてる。
中身がまるで想像つかないし
想像つかないって事は興味がわかない。

上司が、最近にしては久々ヒットだったと
いうので読んでみた。
・・で、結論。面白かった。

神に愛された子供を拾ってしまったドン底男が
奇妙で素敵な人生をおくる話。

キャラ設定にリアリティがない。
(すべてのキャラ、出来事が、すべて主人公
 アナンの人生ために用意されているといった感じ)
まあ、であるからこその「ファンタジー」。
RPGとかアドベンチャーにも感じられた。

単行本から文庫に書き換えにあたり
表題も「アナン」→「アナン、」に変わった。
理由は不明。モーニング娘。とかほっしゃん。
藤岡弘、に影響を受けたわけでもないだろうけど。

いろいろとどうでもいいケチをつけてしまいましたが・・
「あー、なんか読後感のよい小説ないかなあ」と
思われる方がいらっしゃいましたら、この小説に
安心して心をゆだねてよいでしょう。

けっこうギャグ?というかクスリとさせる
記述もあってさわやかな気持ちになれます。

あらすぢ(下)
内容(「BOOK」データベースより)
開かれた『扉』の向こうで、人類がみたものは!?
少年のまわりで次々と起こる不可思議な現象。
誰もが彼を求め、惹かれ、癒され、そして光を
みいだしていく。アナンは「進化した人類」なのか!?
ホラー映像の旗手が描く新境地!会心の書き下ろし
1400枚大巨編作品!!世紀末
スピリチュアル・ファンタジー、ここに誕生。

************************

なんかさー、あらすぢ書いている人も
書くことがなくなってしまったんだろうね。
ホラーも世紀末も関係ないし。
最後に「スピリチュアル・ファンタジー」という
奇怪な造語をムリヤリ出して、いーから読め!的
やっつけ仕事である。



小説そのものはNHKの朝の連続テレビ小説なんかで
採用されたら面白そうだ。俺は観たい。

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2011年01月31日

白寿の処女詩集

「白寿の処女詩集」

狙ってますね〜。編集者も。

よく見つけてくるな。
柴田トヨさん著
「くじけないで」だって。

あ、ちなみに「白寿」って
99歳ね。
(「百」の字の「一」を取ると
 「白」の字になることから、99歳を
 いうようになった。Wikiより)
88歳は米寿。

他にも「磯野家の相続」とか
「もしドラ」ね、
もしも野球部のマネージャーが〜」って奴。
表紙の勝利だね。
初めて「もしドラ」の文字を見たとき
やるドラ」を思い出したジブンです。

季節を抱きしめて〜 By 大藤史

最後に・・
雑誌「ムー」とさ「ニュートン」が
おなじ棚に並んでいるのは
どうかな〜
って思った。
街角の本屋にて。

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2010年10月22日

「病葉(わくらば)流れて」 白川 道

「病葉(わくらば)流れて」 白川 道

「病葉(わくらば)流れて」幻冬社文庫
 白川 道(しらかわとおる)著

これまた上司から頂いた小説。
これを読んだばっかりに、上司は麻雀が
やりたくって仕方がないようですが
・・自分も読んでみましてよく解りました。

「absurde」(アプシュルド)〜カミュ
・・私は実存する

大和言葉っていうのか?日本語って
たおやかっつーか響きがいいな。
「わくらば」

・邂逅(わくらば・わくらわ)
 稀(まれ)にあること。偶々(たまたま)巧く
 巡り合わせること。偶然に。 
用例:万葉−八九二

和久良婆爾(ワクラバニ)人とはあるを

どうもこれは違う。・・関連はあるのかもしれないが
同音異義語かも。ここは漢字の通り
「病気」の「葉っぱ」なんだろう。
 ↓
 青葉の繁茂した中に、たまたま蝕まれて
 変色した葉を見ることがある。
 病みついた木の葉であり、朽葉であり、
 秋の落葉期を待たないで赤や黄色に
 変色している。こんな葉を
《病葉・わくらば》という。

・・ね、集団からはみ出たどこか普通ではない
はっぱのこと、それは小説で主人公がタビタビ指摘される

「あなたもこちら側の人間ね。今日つれてきた
 彼を親友だと思うなら、もう博打の世界に
 連れてきてはだめ。彼は世間の大多数とおなじ、
 昼のひなかで生きてゆけるタイプ」

ま、要はロクデナシ候補生ってことですよ。

あらすぢ
そして青春が終わり、明日なき放蕩が始まった。
競輪場のジャンが鳴り、麻雀牌の音がする。
血を騒がせるギャンブラーとの勝負に、
今日も日が暮れてゆく…。一時は株の世界で
巨額の資金を転がしたこともある著者の、
奇想天外な自伝的小説。

************************

麻雀必勝ノウハウというよりは、バクチを通した
人生哲学に終始。
私の記憶が正しければ・・のドサ健がなつかしい
阿佐田哲也の「麻雀漂流記」がありましたが
あの世界を楽しめる方なればこの小説もOK。
ポンとチーの区別もつかない方は
まったく読む必要はないです。

1945年に生まれた戦後第一世代の主人公
小説の時代は1963年。
>奇想天外な自伝的小説。
とあるけども、確かに奇想天外だ。
主人公はちっと恵まれすぎ。

たぶん、著者(以前は金融方面で稼いだことも
あるのだそう)の学生時代を、それなりに自伝した
モノと思われる。麻雀(やギャンブル全般)に
狂った勉強しない学生というところは事実だけど、
スグに誘ってくる女も、金がないと貸してくれる女も
ジブンを気に入ってくれるヤクザもそういるはずもなく
当時の生活を、かなり脚色してカッコよく
書いてみました・・そんな感じを受ける。

アトラクションのような身の安全を保証された、
ところで、社会のダークサイドを経験する主人公。

バクチを通して人生を知ってしまったと自認する
素晴らしい先輩方の懇切丁寧なレクチャーがあり
バクチでスッテンテンの男に即金で金を貸し
童貞を捨てたいと思うと、女性のほうから誘ってきて
夜の街で喧嘩すれば、仲間のおヤクザさんが
救ってくれる・・ありませんから。そんなの。

ついこの間(半年前)まで麻雀も知らない
受験生だったヤツが、会員制クラブでヤクザ相手に
高レート麻雀ってのは、何ぼなんでもあり得なさ杉。
であるからこそ、まあ読んでいて楽しいのであるが。
(主人公、ぜんぜん勝てないし)

小説内の魅力的な(一部そうでない人もいますが)
キャラが実在してたら・・

・主人公:18歳・・現在65歳

・永田:主人公に丁寧に麻雀と人生と解説するいい先輩。
    2浪3留らしいので当時27歳・・現在74歳

・テコ:美人喫茶とかいう喫茶のウェイトレス。
    主人公の筆卸し相手。主人公の3歳年上、
    1942年、現在68歳

・姫子:歌舞伎町の店のママ。主人公を気に入る。
    背中が菩薩な裏オトナ世界の指南役。
    空襲の焼け野原を見たとき小学生だったらしいので・・
    1934年生まれだとすると・・現在76歳  
・有坂:ヤクザ屋さん。ヤクザ相手にイカサマはダメです。
・ポン熊:ヒロポン中毒者

ヤクザやポン熊はとうにご臨終でしょう。
姫子あたりなんかこの小説の後、後の
ハツシバ社長、島耕作と懇ろになっていそう。

つい、そんな風に考えてしまう。
人に歴史ありとはいえ・・。
公営アパートで独り暮らしとか、古本屋の主人
とか、場末の飲み屋のママとか、そんな老後を
送っていそう。黙っていればその辺のジジババにしか
見えないが、皆そんな過去を背負っていたりね。

やくざを賛美するつもりもないけれど
筋さえ通せば、やっぱ頼りになるのは確かな様で。

【永田の博打指南】

「オレは麻雀のイカサマはルール外のことを
 やることだと思っている・・勝負事ってのは
 与えられた材料を最大限に使うことだ、牌が
 裏返っていたら覚えるのもいいし、積み込んだ
 っていい。でも牌を隠す、すり替えるって
 のはダメだ・・」 

「多面待ちが平気で単騎に負けるのが麻雀だ。
 確率論ではなくって、博打の時間とは
 瞬間的で一瞬の刹那的な時間なんだ。」

「いいか、初心者のうちは攻撃一本槍で行け。
 防御なんてものはカミソリのような攻撃力を
 身につけてからでいい・・」

「麻雀の神様は気紛れでな。技量の劣るヤツには
 「引き」という武器を与えた―
 人の捨て牌を喰えば、自分の引きは少しずつ落ちてゆく・・」

【姫子の大人への階段講座】

「大きな事をやろうとするときは理屈じゃないわ・・」

【お友達】

「女はいいが博打はダメって?」
「お国レベルになると滅ぼすのは女だが
 男をダメにする元凶の一番は博打なんだそうだ・・」

「博打なんて興味を持った人間だけがやればいい。
 けど俺が言いたいのは、意味が無いからといって
 博打を全否定するのはどうかと思うんだ。
 博打をやっていると人より早く年を取るという、
 どうしてだかわかるか?」

【おヤクザさん】

「坊主、気に入ったよ。博打事で仲間はできても
 友人はできないもんだ。そんなツラで近づいてくる
 やつがいたら一番警戒しな」

【ポン熊】

「キャキャキャ」
「ゼハハハハハハ・・」は黒ひげだった。

いい事も結構書いてありました。
「どんなに親しくっても、女とバクチは別。
 金は女から借りるな」とか。
「同じバクチ打ちから(麻雀で負けたのなら
 少なくともその負けた面子からは)
 金を借りてはいけない」
(バクチ打ちの仁義だとかなんとか)とか。

なんか「病葉(わくらば)」シリーズは
映像化したり、2やら3やらシリーズ化
したようだけども
・・自分はこの一冊読めばもういいや。

最後に、敬愛する漫画家「ジョージ秋山」氏
(浮浪雲の作者ですね)のひとことを。
「人生を学ぶとしたら先生からであって
 少なくとも「遊び」は先生ではありません。
 あれは友達です」

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2010年01月02日

「下妻物語」(小説)嶽本野ばら

「下妻物語 ヤンキーちゃんとロリータちゃん」
 嶽本野ばら著 小学館文庫

上司が貸してくれた本です。さすがにびっくり
しましたが。(これまでハードボイルド物が
多かっただけに)

あらすぢ
四方八方田んばだらけの茨城県下妻。そんな田舎
で浮きまくりのバリバリロリータ少女・桃子は、
大好きなお洋服欲しさに始めた個人販売で、これまた
時代遅れなバリバリヤンキー少女・イチコと出会う。
見た目も趣味も全く違うこの二人。わかり合える
はずはないのに、やがて不思議な友情が芽生えて…。
ギャグぶっちぎり!思いっきり笑ってほんのり泣ける
爆走青春ストーリー。刺激的でエンターテイメント・
センスがたっぷりなコマーシャルで知られる
ディレクター・中島哲也氏が惚れ込み、自ら監督を
名乗り出た素敵な映画化原作。

************************

面白かった。
映画、小説どちらから読んでもOK。

映画ではどちらかといえば、ヤンキーイチコからの
語り口だったと思いますが、小説は最後まで
ロリータ娘桃子からでした。
細かいジョークがあちこちにあり、ネタが解る方ほど
楽しめる仕掛けになっていますが、小説のほうは、
そのうちだんだん風化してしまうでしょうね。
唐獅子株式会社のように。

【ロココの精神・・なのだ】
街中でたまーに「ロリータ」ファッションをしている
女性を見かけてしまうと、何が好きでそんな120%
社会から浮いてしまうカッコをするのか、不思議で
仕方なかったワケですが、この小説でそのナゾが
氷解しました。

作者の嶽本野ばら氏は、こういう世界が大好きらしく
その持てる薀蓄をすべて小説で披露しています。
それもとっても解りやすく。
ロリータの服装の原点は「ロココの精神」
「他人の評価や労力を査定の対象とはせず、
 自分自身の感覚で、これは嫌い、これは好きと選別。
 労働は忌避する」そんな貴族社会で始まった
 究極の個人主義が、ロココの根底な様子。
中には、単に可愛いからという理由だけでロリータ
ファッションをする人もいるんでしょうけれど、

【ロココはどんな思想よりも
 パンクでアナーキーなのです】


【ご意見無用・・なのだ】

であるからして
誰がなんと言おうと、これが己の生きる道、
お指図不許可!であるならば、ロリータも
(イマドキ)ツッパリヤンキーも同じところに
立っているわけです。桃子(ロリータ少女)は、
冷徹な自己分析からロココなる境地に達しましたが、
イチコ(古いタイプのレディース)は若いうちの
感性だけで同じ境地(ご意見無用)に立っています。
イチコの場合は、これからも桃子のような
自己分析できないと思われますが、彼女
とにかくバカなので。

ラスト、桃子が元ヤンで、それなりの戦闘力を
持っていた・・という燃える展開を待っていたのですが、
火事場のバカぢからと、落語こんにゃく問答のような
勘違いから、何とかなってしまいました。
(これは映画もおんなじ)

それにしても、よく下妻や尼崎の住民から
クレームが来ないものだ。小説中にもあったけれども
彼ら(特にヤンキー)はネットとか難しいものを
読まないから騒がれないらしい。
それとジャスコも太っ腹だね。

以下、下妻近辺の人にしかわからないお言葉
いずれも小説に出てくる実在の店。
・粉とクリーム(通称「こなくり」)
 →うまいと評判のパン屋さん
・貴族の森 
 → 喫茶店チェーンなのだが
 最近経営者が変わった様子。名前が変わってた。

景気悪化は地方ではもう死活問題。

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2009年12月12日

風が吹くとき(絵本)

「風が吹くとき」

「風にひとりで・・」はガンダム、
「風に吹かれて」はボブ・ディランです。

声が「森繁久弥」氏、「加藤治子」さん

原作はマンガ仕立ての絵本。
PON初見は図書館かどっかでたまたま読んだヤツ。
向こうの「マンガ」なんで淡々としたコマ割り。
シャレではないけれど「タンタンシリーズ」とか
そういった類に似ている。

裏表紙にインパクトがあって、核爆発によって
イギリスの田舎の家の窓ガラスが、ストップ
モーションで歪みながらはじけ飛ぶ様子が、
淡々と描かれていて・・。

あらすぢ
この『風が吹くとき』は、もともとイギリスで
1982年に出版された作品で、日本語訳は以前
別の出版社で出ていましたが、今回翻訳を
し直してあらたに出版することになりました。
出版当時から、漫画のコマ割りの手法を使って
シリアスな問題を描いた、絵本の常識をくつがえす
作品として、大きな評判を呼んだ作品です。
内容(「BOOK」データベースより)

************************

「無知で善良な市民が、政府を信じて
 最善を尽くしながらも最後は死ぬ」


第二次世界大戦に子供時代を過ごし、立派に
子供を育て上げ、ロンドン郊外に隠居して
いる、善良な夫婦が主人公。

「イギリスの市民」として、とつとつと日々の
生活を送ってきた主人公。
家事については一家言あるが、世界情勢などには
まったくといって興味のない奥さん。

もっとも、核の脅威を知っていたとしても
この夫婦以上のことがPONに出来るかといえば
まずムリだと思うので、コトが起きてしまった時
のことを心配するよりも、少しでも起こさない
努力をした方がいい。
とはいいながら、さりながら、その「努力」と
言ったって結局、ネットの片隅でつぶやく位しか
できない一介のリーマンに過ぎないわけで
ああ。

実は東西冷戦時以上に、現代の方が核の恐怖ってのは
増大していると思うのだが、この映画を観た時は
確かPONが中学生くらいの時、東西冷戦の真っ最中
であったんで、その衝撃はかなりのものがあった。

としょかん  (2).JPG
レイモンド・ブリッグズ著@市立図書館にて

あの頃と状況はまったく変わっていないんだな。
むしろ敵の姿が見えにくくなっている現代の方が
よほどタチが悪い。

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2009年08月14日

「その日のまえに」 重松清

「その日のまえに」 重松清、文春文庫収蔵。

上司よりもらった本。重松氏の作品では以前に
「流星ワゴン」を読みましたけども、
平凡な人間達が、それぞれの淡々とした日常の
積み重ねの中で、未来を思う余裕もなく、
過去を振り返るヒマもないまま、今日を生きてゆく。

そんな「永遠」の中、不意に「生と死」に直面した
とき、ヒトは何を考え、どう思うか?そんな小説。
古今東西、数多の宗教ではウンザリするほど
論じられていることなんですけど、答えは
未だ出ていないようです。オフィシャルとしては。

「昨日まで、いた
 今日からは、もういない。」


「われら、死への道のり半ばに―」

あらすぢ
出版社 / 著者からの内容紹介
僕たちは「その日」に向かって生きてきた
男女が出会い、夫婦になり、家族をつくって、
幸せな一生なのか。消えゆく命の前で、妻を静かに
見送る父と子。感動の重松ワールド

内容(「BOOK」データベースより)
昨日までの暮らしが、明日からも続くはずだった。
それを不意に断ち切る、愛するひとの死―。
生と死と、幸せの意味を見つめる最新連作短編集。

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映画化、ドラマ化はしやすい。あざとい、といえば
あざといお涙モノではあるが、心静かに、読書したい
時にはオススメかもしれない。

この小説を読んでまず最初に思い出したのは
昔、なんかで見たTVドラマ。食堂を営む仲良し夫婦の
おかみさんが交通事故死?だか、とにかく突然死亡して
しまった。旦那役はたしか、武田鉄矢氏だったと思う。

ホワイトボードには、「キャベツ何個とか、
○○屋へ注文TEL」
といった、妻の字が残っていることに気がついた
鉄矢オヤジは、妻の生活の残りにすがり、泣きじゃくった
まま、いつまでも現実を見ない父親の姿に、ひとり息子は、
そのボードの文字を消してしまうのだ。

「おまえはなんて事をしてくれたんだッ!!」
と金八ばりに怒髪天になる鉄矢オヤジにむかって

「こんなものいつまでも大事にしていたって
 お母さんは戻ってこないんだぞ!」
と息子は返し、オヤジはハッとする。

たしか、そんな感じ。ウチは実家が自営業だったんで
親父やお袋のメモがホワイトボードに書きなぐってある
のを見るにつけ、なるほど、彼らが死んだらこれが
遺言になるのか?と縁起でもない感心をした覚えが
あります。

まあ、いいです。

「先生は「ヒステリア・シベリアナ」って言葉
 知ってますか?なんかあいつが若い頃に読んだ
 小説に出てたって」


村上春樹の「国境の南、太陽の西」に出てきた
「ヒステリア・シベリアナ」という言葉が、この作品
にも出てきました。おそらくは村上作品の方が、先に
世に出ているのでしょうが。
なんか、こんなリンクを発見すると嬉しいですね。



一見、短編集ですが、すべては、最後にむかって
集約してゆきます。そのリンクを見つけるのも
またこの小説の楽しみ方。安心して読み進めて下さい。



号泣というほどでないにしろ、読後には、今の自分の
当たり前の生活を改めて大事にしてみよう、と思う
かも知れませんよ、一日くらい。

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2009年08月02日

「国境の南、太陽の西」村上春樹

「国境の南、太陽の西」村上春樹

嫁が薦めるので読んでみました。
エルサレム賞受賞記念ってことで。
(1Q84ベストセラー記念でもOK)

あらすぢ
今の僕という存在に何らかの意味を見いだそうと
するなら、僕は力の及ぶかぎりその作業を続けて
いかなくてはならないだろう―たぶん。
「ジャズを流す上品なバー」を経営する、絵に
描いたように幸せな僕の前にかつて好きだった
女性が現われて―。日常に潜む不安をみずみずしく
描く話題作。
内容(「BOOK」データベースより)

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>日常に潜む不安をみずみずしく描く
まあ、そういう話。
平凡な毎日(=幸せ)といえる生活を送っている
主人公が、エキセントリックな昔の想い人に
振り回される・・筋だけ書くならばね。

はじめ、「国境の南、太陽の西」っていうから、
太陽=日本であるから、日本の西
国境=対馬海峡、つまり朝鮮半島の南ってことで
九州」のこと?とか深読みしたんですが
まったく意味がありませんでした。
(正解は小説内にさらっと記述があった気もしますが
 忘れてしまいました。知りたい人は読んでください)

「村上春樹」にしても「村上龍」にしても、あるいは
「辻仁成」にしても、この手の小説家の作品は
筋を追っかけるのはヤボというか、あんまり意味がなく
場面の空気の積み重ね、行間を楽しむモノなんだろう。

【ヒステリア・シベリアナ(シベリア・ヒステリー)】

作品中に唐突に出てくる用語。シベリアの農民が、四方
八方、地平線を見渡せる広大な農地を、毎日毎日耕して
いる「永遠」。うんざりするほど同じことの繰りかえし。
その「永遠」という名の日常に耐え切れず、. ある日
突然、その農民達が夕日の沈む方角へと歩きだし、死ぬ
まで歩き続けるという神経症。

・・なのだそう。その出典や根拠は不明。

「音楽の海岸」とかもそうだけれども、いわくありげな
オトナのサブカル的豆知識、音楽や、酒(カクテル)関係、
芸術、ドラッグ&セックス・・といった「ウンチク」が
結構GETできて、オトクな気になれます。
なれますが、ちょっと気になったんで
「ヒステリア・シベリアナ」・・ネットを叩いてみました。

Q:村上春樹「国境の南〜」に出てくる
  ヒステリア・シベリアナはフィクションですか?


答えが秀逸

「春樹さんは真顔で虚構を書くので
 真実かはわかりません。」


そうだったですか・・。
ミもフタもありませんねぇ。



面白い、つまんないとかではなくって
春樹流の「空気」を感じたい方に。

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ハルキの本を読んでいるつもりが・・
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2009年04月04日

「透明な遺書」 内田康夫

「透明な遺書」 内田康夫

気がつけばすっかり上司が勧める文庫を読み
漁っておりますが、今回はコレ。浅見光彦
シリーズ
「透明な遺書」です。前回、同シリーズの
「鐘」を読み、初めて「浅見光彦」という存在を
知りました。2時間ドラマなどではおなじみで、
水谷豊さんが演じたようですけど・・なんか
あったみたい
ですね。てな訳で頭の中は「水谷豊」
(若干若めのころの・・)で翻訳しながら
読み進めました。

―昔、日本沈没という映画があった。なにより恐ろしい
と浅見が思ったのは、平穏な生活の裏で、静かに確実に
崩壊が進行しているという部分だった ―

<あらすぢ>
「警察は自殺だと言ってます。でも、私は自殺だ
なんて信じてません」福島県喜多方で排ガス自殺と
断定された父の死因を承服できない清野翠。翠の父の
友人であった「歴史と旅」藤田編集長の依頼をうけて
浅見光彦は、彼女とともに残された“透明な遺書”を
よりどころに、正々堂々、喜多方にむかうのだが。
内容(「BOOK」データベースより)

文体はとっても読み易い。持って回った書き方もなく
すらすらと頭の中に入ってくる。文章を書くことを
職業とする方にはお手本にして欲しいほど。

我らが主人公が名推理を見せる。さすが「浅見光彦」!
凄いぜ!というよりも、このワールドの創造主=神である
内田康夫さんが、浅見に成り代わって演じているんだから
それくらい知ってて当然・・という感じも受けます。

それと完全無欠の兄が、エリートで警察庁の刑事部長を
務めているいるって設定もなあ。
浅見光彦シリーズでは、基本的に兄貴が兄貴なんで
「警察」というものは、困ったところもあるけれど、
市民社会最後の良心の砦となりうる存在として描かれている。
浅見が困った時には(個人の力ではどうにもならなくなる時)
バックに警察(兄貴)の影の援助がある。
ネタばれだけど、今回の話では主人公は、そんなの頼りに
なる「警察」と、更に言うなら、警察や公安もそのボスは
政治屋なわけで、その体制と図らずも喧嘩(対立)する
ことになってしまう。

内田康夫氏の小説はなんとなく「ブロック」方式な
気がする。著作はまだ二冊しか読んでいないけれども。
主人公が不得手な分野、例えば、暴力で困ったとき、
あまり知らない分野の情報を入手したい時など、
決まって(都合よく)それらを補てんしてくれる存在が
「ごそ」っとブロックのように話の流れの中に表れる。
まあひとことでいえば「ご都合主義」なんだが。
エンターテイメントであるならば、これでいいと思う。
肩もこらないし。

例えば、前に読んだ「鐘」であれば、「鐘」製作所の
気のいい社長の話(まるっきり社会見学みたいな描写)
が延々と続き、それが話のブレイクスルーにつながり
この作品にしても、主人公、浅見が持ち合わせていない
分野(政治や権力)で行き詰ると、スーパーなお兄さんが
出てくる。

非常にテレビドラマ化に向いた小説なんだな。
あまり時間軸が混み入った描写もなく、適度に地方都市も
出てくるから、撮影クルーが出かけるにも良い。
「鐘」→尾道、因島、高松、富山(高岡)
「透明な遺書」→喜多方、富山
それから今回も「金」の話のはずが実は「鐘」だった
なんていうようなトリック?もありました。

これに近いものと言えばロールプレイングゲームの
シナリオかな。主人公が独力で未来を切り開いてゆく
というよりか、主人公に活躍してもらうために
すべての謎はあらかじめ用意してあります・・の感。
そんなこと言ったら、すべての小説がそうでは?と
突っ込まれそうだけど。

この主人公、浅見さんは、事件に関連する女性に
妙にモテルんだけれども、007のボンドガールの
ように、一話につき妙齢の女性一人出てくる設定で、
しかも映画寅さんのように、その誰ともプラトニック
ラブで毎回終了してしまうのだろうか?
主人公の恋愛が全く進展しないのは、作者の内田康夫氏が
現代の女性描写に不得手だからなのかもしれません。
この私でさえ、今どきの女性はそんな言い回ししねーだろ?
なんて思う時も少々。

― 人間が死によって失うのは彼の生命だけでなく、
彼の持っていた「情報」もまた大きな損失であることを
痛感した・・



実社会でも、秘書だの金庫番だのたいそうな方々が
突然、自殺してますよねえ。くわばらくわばら。



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<抜き出し〜ネタばれが嫌な人は御遠慮くださいまし>
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2009年03月29日

「カオス」梁石日

言いたかないけど、早いねぇどうも。
そんなに急いでどうするよ。
月日さんよ。
日々「カオス」で生きる当ブログ。
とまあ、そういうことで。

マスライです。

************************

カオス」 幻冬舎文庫
梁石日(やんそぎる)著。

「女というのは、男が入れ込めば
 入れ込むほどつけあがり、逆に
 突き放すとしがみついてくる生き物なのだ」


上司からいただいた本。
当ブログで取り上げる本も、ホント「カオス」状態で
ありますが、

いやービックリ。いまどき冒頭に引用したような
内容が平気で出てくる小説ってのも。
いまさら、女性蔑視だ!なんて騒ぐつもりは
毛頭ないけれど、某福島氏や田島センセあたりが
見つけたら、どうなることやら。

あらすぢ
宗教、人種、性別…。秩序から解放された時、
誰もが正統にも異端にもなり得る-。現代社会の歪みを
凝縮させた街・歌舞伎町を舞台に、混沌に潜む
人間の業と希望を鮮烈に描く。
『ポンツーン』連載に加筆・修正して単行本化。
内容(「MARC」データベースより)


歌舞伎町が良くも悪くも元気だった
1990年頃を想定したお話。

民族学校(北朝鮮系)を卒業した在日、
日本人でも朝鮮人になることもできない
そんな何も頼るものがない腐れ縁
二人の男のピカレスクロマン。

身を守るためにとは言え切った張った
(早朝の歌舞伎町で発砲したり)する彼ら。
PONのような一般民からしたら、いったい
主人公と「極道」=やくざの何が違うのか?
とも思うけど、あんな主人公達ですら
極道でないとするなら、彼らの言う
本物の「極道」や「アジアンマフィア」とかって
どこまでバケモノ(非人間的)なんだろ?
という気もした。

なんつーか、主人公のガクとテツ。
彼らは生き抜くために、危ない橋を
渡らざるをえない存在であるに過ぎない。
そんなに選択肢のない彼らが、
ただこっちの方が幾分マシと選んだ道には
さらに酷い状態を招くきっかけとなり。

小説の主人公であるからには、爽快な
活躍をお願いしたいところであるが、
この主人公達は、自分達の手に入れられる
情報とコネだけを頼りにただ生き残るのみ。
神の視点なんか持つはずもないから、いつも
後手後手。

彼らが爽快な活躍をして、歌舞伎町の
片隅を掃除して歩く・・とか、嫌々ながら
最後にはついに立ち上がり、天に代わって
悪を討つ(敵組織壊滅)・・なんて、筋書きは
絶対出てこない。どこまで行っても、彼らは
単に生き延びるために目先の選択をし続ける。
恐らく自分達が死ぬときまで。
だから、このあらすぢの
「命と金をまもることができるのか?」
は、大げさでもなんでもない。

組織相手の喧嘩だもの。一個人だったらまあ
そんなものだろう。

そうだなあ、前に読んだ小説「千里眼」シリーズの
主人公「岬美由紀」が、戦局まで変えてしまう
万能選手「ガンダム」なら、こちらの主人公は
「MSのあしもとで、数少ない選択肢を行使
 ただ生き延びるためだけに頑張る歩兵」
って感じ。まさか敵(MS)を倒すなんて、
大それたことなど考えられない。
毎度解り難いたとえでスミマセンが。

かつては日本人の中にも、既存の価値観も組織も
権威も完璧に破壊された戦後の焼け野原で
全力で生きていた連中もいたんだろうな。

でも、戦争が終わって65年以上経ち、
社会の仕組みもたいてい確立してしまった今に
いちおう勤め人をやっているPONにとって
彼らの、動物的な生き方(意図的な殺人以外に
タブーなど存在せず、ただ、やりたいからヤル。
欲しいからムチャをして、旨い物をたらふく食い
人二倍裏世界の闇を怖がり、酒に逃げ、女を
孕ませる)には、少々、目からウロコだった。

ああいう生き方もあったのだ。
今の勤め人(日本人)には「タブー」が多すぎる。
PONも含めて、なんと自分は飼いならされて
しまったんだろうな〜と思わなくもない。
戦後の文部省の教育の成果だ。



在日の闇社会にはまだ残っていたようだ。
少なくともこういった内容が小説として
成立する時代があったということは。

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2009年03月27日

「龍は眠る」 宮部みゆき

「龍は眠る」

「ヘンね。超能力っていうとなんで
 スプーン曲げなのかしら。・・スプーンなんて
 いくら曲げたってなんにもならないじゃない?」


「宮部みゆきってヤベーよ」
十年前にPONなんかよりよほど読書家の
友人が騒いでいたことがあったけれど
今になると彼が騒いでいた理由が解かる。
なにがそんなに「ヤベー」のか?
仮にも読書家なら、もう少しマトモな
日本語をつかって説明してみろよと
当時のPONは言ったものだが
「・・読んでみなければわからんよ」
と一蹴されてしまったことを思い出す。

<あらすぢ>
嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう
道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた
少年を拾った。何となく不思議なところがあるその少年、
稲村慎司は言った。「僕は超常能力者なんだ」。
その言葉を証明するかのように、二人が走行中に遭遇した
死亡事故の真相を語り始めた。それが全ての始まりだったのだ
…宮部みゆきのブロックバスター待望の文庫化。

************************

「現実と非現実、合理と非合理は、それとよく似た形で
 共存している。永遠に交わることのない二本のレールだ。・・
 合理のレールに傾きすぎれば冷血漢になり、
 非合理のレールだけで走ろうとすれば狂信者と呼ばれる・・」


面白かった。お勧め。
ひとことで言えば「超能力者」の話なんだけどね。

話の展開が、主人公と少年が出会う、
前半の「マンホール」事件と
後半の「主人公脅迫とその一連の」事件に分かれる。
その両方の謎解きに読者はテンポ良く振り回される。
宮部みゆきさんは、その性格からか、事件の
理由と裏事情を、適度にじらせながらも必ず
種明かししてくれる(しかもわかり易く)ので
その辺は安心して小説に浸っていただいてかまわない。
とにかく次が読みたくなること請け合いだ。

小説は、犯人が誰なのかという軸に加えて
誰が嘘をついているのか?
敵なのか味方なのか?
そもそも超能力なんて存在するのか?
なんて疑惑が交錯して進む。

「ときどき人は致命的に無責任になる。
 悪意があってやったことならまだいいが」


「人間はな、大人は、自分が知らないうちに
 悪いことをしたと気づいたとき
 すぐに「スミマセン」と言えるほど単純じゃないんだ」


主人公というか狂言回しの「高坂昭吾」も
オトナとしてのキャリアをみせる。

その高坂の同僚記者で百戦錬磨の生駒氏もカッコいい。
硬軟あわせ持つ考えのできる大人だ。

「おまえは元彼女にえらく自尊心を傷つけられているからな。
 傷ついたプライドを取り返したいばっかりに、人に惚れるー
 惚れ続けるってことはある。敗者復活戦を狙うわけだ・・」

超能力者にはなれずともよいので、願わくば
こういうオトナになりたいものです。
自らはいわゆるオールドタイプ(一般人)でありながら
知力と経験に裏打ちされた洞察力で、主人公に
的確なアドバイスをする。この小説世界に
ニュータイプ(超能力者)が居なかったら
彼こそが、もっとも真相に近づくことのできる
人間だったろう。近づくことはできても完全解明は
できなかっただろうけど。

でも、実社会においてもたいていの人間は
わずかな手がかり、表面上の事象をもとに、
そして少しの考えだけで判断、行動するしかなく
ほとんど何もわからないまま、後始末に生きる
しかないのが本当のところ。

「俺は無神論者だよ。でも世の中がよくできた何か
 によって辛うじて回っているくらいは理解しているー」


「超能力なんて存在しない。あれは大人の夢だよ。
 だけど子供はときどき茶目っ気をだして、
 それをかなえてくれようとするときがある・・」


「過去に小細工は効かない。これは絶対だ」

小田原で隠居している元刑事。もう少し活躍するかと
思ったが、本人が話中で話していた姿勢のとおり
もう隠居したので結局アドバイザーどまり。しかも事後
で終わってしまったのにはちょっと残念。

この小説が「稲村慎司」を中心にシリーズ物と化したら
元刑事は良い後見人として結構話が展開しそう。
慎司はまだ若いから、この小説ではあまり
いい所がなかったけれど、織田直也が持つことができなかった
生きる前向きさを武器にして、今後も経験を重ねてゆけば
無敵のトラブルバスターになれそう。
っつーかこの小説では彼は真の主役ではなかった。

【少々ネタばれ】
主人公がヒロイン(三村七恵)と一緒になってしまう
ところと、○○がその能力をもってマンホール事件の
犯人を利用、事件の収拾にあたるあたりは、少々
無理矢理な感じもしたけれど。

「織田直也」の過去には明け透けな馬鹿ギャルが
出てくるが、明け透けなだけに能力者にはかえって
安心できる(脳みそツルツルで裏表がまったくないから)
存在という逆説は面白いものがあった。

「龍は眠る」っていったい何が「龍」なのか
最後の方になって突然判明するが、この小説のカラーには
(どんなカラーなのかといわれても困るが)
「龍」の文字はちょっとそぐわない感じも。



最後に、主人公を振り回したスーパー自己中な
元婚約者「青写真・小枝子」。
たしかに己の理想だけが中心のお嬢様で非常に
厭な奴ではあるが、あまりといえばあんまりな
ぞんざいな扱い。一応、被害者で妊婦なのですよ?
彼女のことがそんなに嫌いなのか?作者さんは(笑)
俺も厭だけど。そばに居たら。でも実際に居そうで怖い。

世の中、起こってからでないと他人に理解されないことの
なんと多いことか・・。

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2009年01月12日

千里眼 メフィストの逆襲 松岡 圭祐

「千里眼 メフィストの逆襲」

松岡 圭祐 小学館文庫
上司からの頂き物シリーズであり
千里眼シリーズであります。
「洗脳試験」に続いて読んでみました。

今度は暗黒面に支配された「ダーク岬美由紀」
ともいうべきキャラが、北の国からやってくる!

人の家にあがりこんで大きな顔をする国の組織
【人民思想省】に所属する彼女。

対話を求めればはぐらかされ
対立せざるをえないと感じると
すすんで敵対関係を選ぶ相手。
本質的に異なる人生観を身につけた
異星人のような彼女(北朝鮮の工作員)に
対して・・

あらすぢ
シーズン・オフの日本海海岸。父親の目の前で、
十三歳のひとりの少女が忽然と姿を消した。
海上には、時を同じくして朝鮮民主主義人民
共和国(北朝鮮)の不審船が出没していた。
それから四年。北朝鮮人民思想省工作員と
思われる謎の女が、千里眼・岬美由紀の前に現れた。
同時期、岬は奇妙な銃器事件に遭遇する。
その陰には、かつて岬を苦しめた
“メフィスト・コンサルティング・グループ”の
密使の姿があった。北朝鮮とメフィスト―。
二大マインドコントロール集団が
岬を、そして日本を襲う。

内容(「BOOK」データベースより)

************************

前に読んだ「洗脳試験」がオウム真理教ネタなら
今度は北朝鮮拉致事件。
作者は、その当時のタイムリーでセンセーショナルな
事件を作品に絡めている様子。

相変わらず、Wikiで調べたのだが
どうもこの「千里眼」シリーズは
小説発表→単行本発売→文庫化と経るたびに
陳腐化する時事ネタを書き直したり
展開を少々変えたりしているようで。
しかも時期によって「角川文庫」から発売されたり
「小学館文庫」から出ていたり。
なんか色々事情があるのでしょう。まあいいや。

文体は、変にまわりくどい表現や展開もないので
スラスラ読めて、ストレスなし。

それにしてもすごい。主人公、岬美由紀さん。
ヤクザ、チンピラレベルなら
阿修羅のごとくたたき伏せ、
強権を持つ悪辣な政治家、官僚には進んで刃向かい
弱者(本当に困ったヒトや老人、子供)には慈母のごとく。
それでいて28歳、だれがまあ見ても「美人」と
断定できる風貌とプロポーション。
F−15イーグルも大型バイクも乗りこなし
簡単な爆弾くらいなら解体可能。カウンセラーとして
数々の読心術もあって、なお独身。

最強でしょ。

こちらの方が先輩なんだろうけれど、福井春敏氏の
「亡国のイージス」にそっくりなフレイバー。
妙にミリタリーに詳しく、日本の政治と国防を
憂い、一般民とマスコミの堕落振りを嘆く。
ましてや今回はベースが「北朝鮮による拉致」だもんな。
ますます似ている。

こういった小説をネトウヨと同レベル。
文才のある軍事マニアが書いた小説
と断定するのは簡単なんだが、
あくまでフィクションで「エンターテイメント」小説に
過ぎないことを差っぴいても、常日頃、あまりに歯がゆい
日本の政治・外交を見せつけられてしまうと、
つい、こういったミリタリー小説で、溜飲を
下げたくもなるよ。

けど、それじゃあ、ひと昔前に南朝鮮で流行った
天皇家の一人娘が南朝鮮の青年と恋に落ち
 日本という国のあまりの酷さに

(あくまで南朝鮮から見ての話ねw)祖国を裏切る」
って小説「百済書記」を楽しんでしまう
あの国の思考様式と同レベルになってしまうし。
難しいところ。

せめて、かかった火の粉を振り払うことくらいは
堂々と行える国であって欲しい・・と思う反面
戦前、戦中のような国に戻るのも勘弁して欲しい
と願う自分は小市民であります。

助けて、岬二尉。



〜信頼できるハズの上司のセリフ
「裁判所がダメでも、そこまであやしいなら
 外務省が何らかの手を打つんじゃないのか?」
これだ―美由紀は内心悪態をついた。
誰かがなんらかの手を打つ。どうにかしてくれるだろう。
日本ではそういう責任のたらい回しが常識となっている。
息を潜めて楽観主義に徹していれば救われるに
ちがいないと信じている

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今度調べておこう・・
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2008年12月24日

「さよならの代わりに」 貫井徳郎

あらまーなんと
本日はクリスマスイブ。
仏教で言えば潅仏会(かんぶつえ)前日。
一応、悲恋?モノを紹介します。

マスライです。

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「さよならの代わりに」貫井徳郎

幻冬舎文庫。上司にもらった文庫です。
相変わらずノー前知識で読書スタート。
凶と出るか吉と出るか。

そもそも自分の読んでいるモノのジャンルすら
判らないままの読書なんで、物語のオチが
宇宙人モノや、たとえ怪獣に殺されて終わろうとも
驚きません。そんなときは上司の本の好みに
改めてビックリするかもしれませんが。

「自分を情けなく思うようなことは
 普通の人にとってどれくらいあるものなのだろうか。
 ぼくはけっこうある。(中略)「駄目だなぁ」と
 声に出したくなるほどだ。(中略)でも、図太いなと
 自分でも感じるのは、決して自己嫌悪に
 陥らない点だ―」

あらすぢ
劇団“うさぎの眼”の看板女優が、上演中に控え室で
殺害された。事件と前後して現れた、真犯人の存在を
ほのめかす謎の美少女。駆け出しの僕は、彼女と共に
事件の真相を追い始める。彼女に振り回され、時折
見せる曖昧な言動に戸惑いながらも、僕は、その不思議
な魅力に次第に惹きつけられていく。
しかし、彼女は、誰にも言えない秘密を隠していた―。
内容(「BOOK」データベースより)

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良作。
うーーん。なんだろう。サラリーマン向けの
ライトノベルみたいなモンだろうか。
要はタイムトラベルジャンルなんですが。

主人公の憬れ人、いつもドライな智美さんが語ります。
「タイムトラベルもののSFを読んでいると、
 とりあえず株や競馬で稼いで、その時代での
 活動資金を得るという場面がよく出てくるのよ。
 でもあたしはいつも思っていたの(中略)
 そんな風に都合よく結果を憶えているものかなって」

その辺は、主人公が一応の理屈を用意してくれています。
というか、作者は多数のタイムトラベルものに
接するうちに、このロジックを思いつき
それを小説にしたくって、一冊書き上げたようにも
見えます。

「彼の告白を自分は理解した。(中略)それはきっと
 彼が本音を語っているからだろう。本当の裸の
 感情だと、直感的に理解できるからであろう」

犯人がなんじゃそら?と思わなくもないけれど
まあ、犯人と追いつ追われつの、純粋なミステリー小説
ではないので、その辺はいいでしょう。別に。

あるプロダクションがあって、売り出したい女優なり
アイドルなりがいて、彼女を主役にできる
なにか手ごろな映画化素材はないかな?なんて
考えたら、この小説に飛びつきそうですね。
っつーか、もう既に映画化されていそうだ。
未調査だけど。
この小説程度のSF度であれば、TVドラマ化も可能。
未来を再現するのにそれほど金はかからなそうだし。

「時をかける少女」が好きな方であればどうぞ。
(そういえば、先日地上波で「時をかける少女」の
 リメイクアニメ版がやっていたけれど、話は
 ともかく、絵はキレイでした。前作の主人公が
 タイムスリップ体験を忘れられないのか、ハイミスで
 出演しているのが良かった)



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以下、ネタバレ
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2008年11月03日

「千里眼 洗脳試験」 松岡 圭祐

「千里眼 洗脳試験」 松岡 圭祐
小学館文庫

上司からの頂き物シリーズでございますが
千里眼シリーズもこの作者も、知りませんでした。
どうもスミマセンね。

あらすぢ
東京・奥多摩山中に忽然と出現した白亜の六角形の
建造物。それは、主宰も目的も不明な謎の自己啓発
セミナー「デーヴァ瞑想チーム」のものだった。
防衛庁出身の元国家公務員で“千里眼”の異名をとる
カウンセラー・岬美由紀は、そこに4000人の人質が
捕らわれ、爆弾テロに脅かされていることに気づく。
その中核にはカルト教団教祖としてかつて日本を
震撼させたあの女の存在があった…。
岬の宿敵・友里佐知子は生きていた!
制限時間500分。増長する現実のテロリズム世界を越える、
史上最悪爆弾テロ成立の可能性を描いたシリーズ第四作を
緊急文庫化。
内容(「BOOK」データベースより)

>緊急文庫化
いや、なにも緊急文庫化しなくてもいいけどねw
小学館さんも。

「デーヴァ瞑想チーム」ってぶっちゃけ作者は
「オウム」の事件を書きたかったんだと思う。

面白かった。ノンストップアクション小説。
「千里眼」シリーズって総計400万部の
売り上げのあるエンターテイメント小説らしい。

ガンダムで言えば、ファーストを観ないで
いきなり「逆襲のシャア」から観てしまった
ようなので、いまいち消化不良な部分が残ったが
それは読む順番に無頓着であったPONの
責任であるのでまあ良いでしょう。

主人公、岬美由紀は、すべてのエエところを
盛り込みまくったスーパーウーマンで
あまりにも超人過ぎて、人間味にかけるのと
キャラがかわいそう。

あれじゃ活躍させすぎ。作者が用意した絶体絶命の
ピンチにすべて応じている
(だからこその主人公ではあるのだが・・)
少しは休ませてあげて。あれかな、作者は
主人公をいじめる為に小説を書いているのかな。

この主人公、PONの得意ジャンルで言えば
そう「ガンダム」。オールパーパス仕様なんで
とりあえず「岬美由紀」出しておけば安心・・みたい。
大抵のことはパーフェクトに後始末をしてくださる
彼女がいるおかげで、作者は相当ムチャな
シチュエーションを仕立てることができます。
大気圏突入も可能ですよ。彼女なら。

岬はパーフェクトすぎる女性なんで
この話でリベンジのためかえって来た
最強、最悪な悪役、友里佐知子のほうが
よほど魅力?的なキャラになっていた。
そんな意味でも岬美由紀というキャラは
少々かわいそう。

岬美由紀について言ってもいいですか・・

いねーよ。そんな奴。(笑)

作者は、文庫化、単行本化するたんびに
追加修正をしているらしく、常に最新の版を
お読みください、とか書いていたけれども
さもありなん。

けっこう実名で、当時の日本の文化風俗が
突然出てくるので、その点風化するのも早い小説。
例えば、作中で、死んだと思っていた人物が
生きていることが判明するのです。
最強の敵が生きていたことを信じたくない
対策本部の面々は、
生前のビデオが残っていただけだ!・・と
無理矢理、推測するんですけど
画面に、女性雑誌だか新聞の切れ端だかが
映っていて、そこには
「チューブの前田と飯島直子が離婚!」
と書いてあることから、
今wの話であることを嫌でも理解する・・だとか。

ネタバレですが、最後なんか
主人公、岬がガンダム=アムロならば
友里佐知子はシャア。
ただし、岬の方がアムロよりも弁が立つので、
こちらの話では迷走するシャアすら
説き伏せてしまってます。



ハリウッド映画のように深く考えず
楽しんだ後には、何も残らない・・
まあそれで良いのだと思います。
このシリーズは。
さて、つづきのシリーズを読むとしますか。

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ネタバレ
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2008年10月25日

「リセット」 北村薫

「リセット」北村薫著 新潮文庫

「―かの時に言いそびれたる―
  大切の言葉は今も―胸にのこれど」

これも上司からもらった本。
北村薫氏の本は初めて・・だったと思う。

これは北村薫「時の三部作」のひとつで。
「スキップ」「ターン」「リセット」
自分は、いきなり最終作から読むことになった。
もっとも、この三つは特に繋がっている
訳ではないようで、作者が「時と人」にこだわって
書いた一連の作品ってことらしい。

あらすぢ
遠く、近く、求めあう二つの魂。想いはきっと、
時を超える。『スキップ』『ターン』に続く
《時と人》シリーズ第三弾。

「・・・また、会えたね」。昭和二十年五月、神戸。
疎開を前に夢中で訪ねたわたしを、あの人は
黄金色の入り日のなかで、穏やかに見つめてこう
いいました。六年半前、あの人が選んだ言葉で
通った心。以来、遠く近く求めあってきた魂。
だけど、その翌日こそ二人の苛酷な運命の始まりの
日だった。流れる二つの《時》は巡り合い、
もつれ合って、個の哀しみを超え、生命と生命を
繋ぎ、奇跡を、呼ぶ。

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ちょっと読みにくいのが難点。

あまりに表現方法に凝りすぎていること、
(主人公に、わざわざ病床からカセットテープを
 用いて子供たちに遺言めいた思い出話を
 させるあたりとか・・)
時代感を出したいためか、その時代の子供文化を
作者が一生懸命、研究して散りばめたシーンが
各所に見られること。はっきり言ってその時代に
まったく興味のないPONのような人間には
読みにくいだけで。そんな、細々と昭和初期の
芦屋のハイソな生活、少女かるたや、
昭和30年代の男子小学生の生活のことを
記述されてもねえ。

各時代の子供文化のシーン描写中ともなると
作者がその描写に夢中になってしまい、
一部、物語の展開が止まってしまってます。
さらには詳細に記述しすぎて、興味を持って
よーく読み込まないと、せっかく物語のキーとなる
「歌」や「小道具」を読み飛ばしてしまうかも。

それだけ研究したんでしょう。だけに最後の
参考資料の数々はすごい。この小説は、当時の
子供の生活を凝縮したタイムカプセルとして成り立つ。

さらに、主人公のハイソな少女時代、
大人の情報の断片から、子供の視点で
大人の世界=太平洋戦争の推移が、
「他人事」として描写されているところには
「まあそんなモンだったんだろうな〜」と
素直に感心した。

その分、物語の構成は実はシンプルなんで、
タイムスリップモノにありがちな、
「一方その頃、もう一方の主人公は?」
といった頻繁な場面転換、時系列の変更が少なく
その点で読みにくさは多少緩和される。

この物語、はっきり言ってキモは、
悲恋の修一君と真澄さんが、実はなんども
「〇〇〇〇〇」って「〇〇〇」あう
という部分なんで、そのキモをひとつの
小説として完成させ、感動に結びつけるため
肉付けしつつ、細部に工夫を凝らした・・と。
そんな感じです。

「・・・いきなり、いなくなってしまうのは
 止めてほしい」


自分は一回読めばもういいか。

それにしてもずいぶんと、遠回りしましたなあ。
お二人さん。



ちなみに現在、船の資料館に二式大艇はないよ。

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「しし座流星群」とか
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2008年09月02日

「峰の記憶」 渡辺淳一

峰の記憶

渡辺淳一。文春文庫。
初出は昭和50年(1981年)だってんだから
かなり古い作品。実際、上司から借りた文庫も
ところどころ赤茶けている。
多分、こういう縁でもなければまったくPONが
手を出すことはなかっただろう。

「渡辺淳一」さんといえば失楽園で、不倫で
団塊の世代のすけべえで、有名な作家だと
勝手に思っていたのだから。

なんの期待もしないで読み始めたのですが・・
(自分の読んでいる小説は「峠」の記憶だ、と
 思っていたくらい)
すみませんです。ひとくちに小説といっても
ジャンルによって様々な面白さがあるのですね。
勉強になりました。

あらすぢ
大雪山系を貫く縦貫道路の建設に携わる北海道開発局の
工事現場の若き所長を通じて、自然保護と国土開発、
現場と上層部、反対団体とお役所、個人の考えと
自己の職分、仕事と恋愛、そして男と女についての話。

ひとことでいえば、熱意たぎる青年が
仕事と女でエライ目に合って一歩だけ進む話だ。

ひとつ言わせてもらうと、女性の話し方の描写が
エラク古風だなと。20数年前の女性だからと言って
ああまで、奥ゆかしいというか、女性は男性をたてて
一歩譲ったところに立て、みたいな価値観。
平たく言えば、当節の若い女性のモノの言い方を、
オヤジが想像して無理に紡ぎだしているっつーか。
要は、いくら昭和の女性だからと言っても
そんないいかたしねーだろ?ってコトです。

「困ったわ」「じゃあ、いらして」
「正しいわ」「損だわ」「感謝すると思うわ」
「もったいないと思うわ」
ヤッターマン2号かおまえわ。

あるいは、ほんのひとむかし前の女性は
本当にそんな話し方をしていたのかな?

主人公たちも人間ですから、必要に応じて
えっちシーンもあるわけですが、その描写なんかは、
後に失楽園を大ヒットさせる、氏の片鱗が見受けられて
面白かったですよ。

ネタばれになりますが、主人公は技術系エリート役人で
仕事を無難にこなしていれば、昇進は約束された
ような人物です。その彼が「俺は他と違う」「俺は正しい
ことをやっているんだから、恥ずべきことはない」と
革新的なやり方を仕事(土木工事)に持ち込もうとします。

よく、小役人が退職あいさつなんかで
「皆様方のお陰を持ちまして、大過なく職務を
 全うできました・・」
なんて言います。
「大過なく任期を全うすること」が
美徳になってしまうんですから。
ザッツお役人ズ世界ですねえ。
そんな世界で彼が上手くいくのかどうか?
本質的にはまだ若いので、ときどき芯がぶれたりする
彼の行動をハラハラしながら、読者は追ってゆくわけ
です。

言われたことだけをやって褒められるのは
ペーペーの時期だけ。ある程度の歳を経た人間が
所属する組織で評価されるには、進退を賭した
提案(思いつきや単なる批判ではなく)を
しないと、埋もれてしまうんだなあと。
最近、仕事でいろいろ考えるところのあるPONに
結構、ヒントを与えてくれた小説でした。

主人公が述懐するシーンは、素直に肯いてしまいました。
「自分は挫折を知らないできた。―素直で、正義感があって
 男らしい、といわれたところで現実の世界では、
 あまり価値がないのかもしれない。
 少なくとも、仕事をしていく上では必ずしもプラスには
 ならない。もう少し複雑に、本心を見せず、巧妙に立ちまわり
 ときには非情に相手を振り切っていく、そういうところが
 なければ、大成しないのかもしれない・・」

「うまくいっているときはいいが、一旦まずくなりだすと、
 女はすぐ被害者になる。女とはなんと身勝手なのか
 ・・開き直った女の怖さか」

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「ネタばれ含むセリフ集」
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2008年07月15日

江戸の繁盛しぐさ

「頭ごなし」

例えば、仕事の上でお世話になった取引先とか業者を
同僚や大切な知人に紹介することがある。
紹介したあとに何の音沙汰もない・・
なんだ、結局うまくいかなかったのかな?と思って
それとなく探りを入れたら、大変うまく行っていて
なんか馬鹿らしい気分になった・・なんてことは
ありませんか?

縁を取り持った、自分という存在がいるのに
自分の頭ごなしで彼らだけで成功してゆく。
成功するのは良いとしても、自分にひとこと
くらい状況連絡の話があっても・・
なんか、そんなことが実社会でありましてね
「頭ごなし」というキーワードで突然
ググってみました。したら出てきた言葉が
「頭越しのしぐさ」

これは、その言葉を紹介していたサイトの転載です。
(未許可です、ゴメンナサイ)

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【江戸の繁盛しぐさ】イキな暮らしの知恵袋 
 (日本経済新聞社発行。1992年12月)

【江戸しぐさ】は全国から江戸に集まった商人たちが
 一流の商人を目指して心得や振る舞いを磨いた集大成。 
 江戸の町を 「争い」や「いじめ」のない町にするため
 の諸ルールのこと。基本は「常に相手を考え尊重する心」

 江戸を動かしたのは ものを生産する巧(たくみ)と
 それを販売する商人。リーダーたちはいかにすれば 
 今のこの平和な世の中が続くのか 、たった一度 の人生
 を気持ち良く楽しく暮らすための心がけや行動を
 示しました。それがいつしか江戸っ子のくせ
 (江戸しぐさ)になったそう。

 以下は本の中から抜粋。

【男しぐさ】  いい男とは 
@ 自分を演出するうまさがある
 (しぐさが良い常に全体を把握し無駄な動きをしない、
  適切な表現力)
A 男前で感じのいい表情をしている
B お金がある(ある程度の経済力) 
C 優れた芸を持っている
 (自分でなければできないオンリーワンを持っている)
D 声がいい(相手を安心させる落ちついた声)

【女しぐさ】 いい女とは
@ 生まれつきの見目形だけでなく後天的に
  自分の努力で身につけた奥ゆかしい雰囲気
 (ひかえめなしぐさ・知性に裏付けられた
  心惹かれる魅力ある品性)をもっていること
A 素敵な笑顔(商家は女次第・嫁は江戸では愛嬌と言われた) 

【六感しぐさ】 
 直感的に何かを感じとる六感がないと江戸では
 生きられないと言われた。磨きぬくには三代かかるので
 江戸っ子の資格ができるという説

【腕組みしぐさ】 
 他人を寄せ付けない衰退のしるし
【足組みしぐさ】
 相手に対して敬意を払っていないしるし
【威張りしぐさ】
 へりくだることが大事とされたので軽蔑された
【頭越しのしぐさ】
 紹介者を飛び越して直接付き合わない、
 成功したら紹介者に感謝を忘れない
【逆らいしぐさ
 だって、でもなど否定的な言葉
【おせっかいしぐさ】 
 相手の自立を妨げる、失礼になる

―などのしぐさは、特に江戸時代は いけないしぐさと
されました。大人らしい気のきいた会話でお互いにイキの
合うことが粋とされましたが、反面 自分勝手に話をし
相手の・・・(以下略)

************************

江戸っ子って言ったら、「火事」と「喧嘩」と「スシ」
が大好きで、「渋谷」と「日比谷」の区別がつかず
てやんでーべらぼーめ、宵越の金はもたねーぜ!って
考えてみたら、これ全部実践してるヒトは、単なる
生活破たん者ですね。
(全国の江戸っ子さん、どーもすみません)

いい話だな。江戸時代を馬鹿にしてはいけないなあ。

公共広告機構のCMかなんかであったやつ。
傘をさした通行人が狭いところですれ違う時には、
互いの傘を外に向けるとか、そういうのが「イキ」で
あったらしい。「常識」ではなく「粋」なのだ。

「常識人だね〜」と褒められるよりも
「粋」だね、と褒められた方がうれしい。

「悪いこと」だからするな!というよりも
「カッコイイ」奴はそんなことしない、という
美意識の徹底から統制したほうが、自分も含めて
公衆道徳は守られるんではないか?
そんな結論はすでに出ている気がするのだ。

電車の中の大声、唾吐き、化粧、
AND SO ON・・。



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2008年07月02日

「お金の原則」 邱 永漢  

「邱 永漢  お金の原則」

光文社 「知恵の森文庫」収蔵

お金に関することを丁寧につらつらと。
エッセー集とでもいえばいいのかな。
お金を儲けることのできた人間には
なんでも言える権利があります。

書いてることはなるほど、もっともだと
思いますね。資産家の爺さんから訓示を
受けているようなそんな内容。
「金持ち父さん貧乏父さん」とほぼ一緒。

・金持ちになるには金を使わないこと。
・袋に例えると、入口を広く出口を狭くせよ。
・生活費の借金は絶対しない。
・小銭を馬鹿にしない。
・自分のメインバンクを選ぶには銀行の
 大きさではなく、いずれお世話になりそうな
 銀行をセレクトすべし。
・貯蓄も借金もこつこつ処理すること、
 それが「信用」となり次につながる
・いつも節約ではなくたまには贅沢をせよ
・お金はさみしがり屋なのであるところに寄ってくる
・100万円貯蓄できたら500万円は近い。
・貯金だけではなくて株に手を出せ
(但しその時点の部相応の金額で)

こんなところですかね。

こんなこと特に目新しくもなく、皆さんも
当然分かっていますよね?というレベルの記述。
けれどこの当たり前のことをまとめ、「邱永漢」
ブランドを貼りつけると、買う人必ず買いますし、
またまた邱さんのところにはお金が舞い込む仕組みです。
金が金を呼ぶのはこんなところからもうかがえる。



PONが書いても誰も買わないでしょうな。
こつこつと、信用が第一。
言うだけなら簡単ですが、
人間、なかなか直視、実行できません。

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