2015年06月26日

人類資金

「人類資金」

この空はつながっている・・

解約してしまった日本映画専門チャンネルだが
時々実施している客寄せの”無料放送”にて
放映していたので録画観賞。
ポリティカルやエコノミック
サスペンスドラマって奴は
映像化するに監督に相当の力量がないと
寝ちゃうんだよなあ・・とも思い
原作が亡国のイージスの福井晴敏なんで
ちょっと期待もするという・・複雑な心境で
観はじめたのだが・・やはり最初の二回は
気がつくと寝てしまっていた。
ってなわけで三度目の正直。

あらすぢ
終戦後、ひそかに回収されたというM資金と
呼ばれる旧日本軍の秘密資金。それをネタにした
詐欺を行い続けてきた真舟(佐藤浩市)は、
石(森山未來)という青年から彼が所属する
日本国際文化振興会なる財団の人間に会うよう
迫られる。だが、財団のビルに足を踏み入れた
瞬間、高遠(観月ありさ)が率いる防衛省
秘密組織の一団に襲撃される。石の助けを
借りて逃げ出した真舟は、そのまま
本庄(岸部一徳)という男に引き合わされ、
50億円の報酬と引き換えに某投資ファンドが
管理する10兆円ものM資金の奪取を持ち掛けられる。

************************

この手合いの映画を観て
登場人物の物言いとか行動、行動事由なんかが
理解できなかったりすると
”オレの読解力が不足してるのかな?”とか
”やっべ、今の主人公の行動が理解できないオレは
 敵にバカにされる大衆側の人間だ・・”とか
妙に卑屈になりがちなPONだったりします。

が、少なくともこの映画に関しましては、
ご安心ください。
誰もがさっぱり理解できない内容
仕上がっています。
理解できないのは、観客の頭が悪いのではなく
作品の出来が悪すぎなのです。
理解できなくて当然なのです。

いったいどの辺りが
出来が悪すぎるのか?詳細に解説されてる
ブログがこちら(ネタバレ上等)


この作者の世界は”亡国のイージス”も
そうだったけど、ポリティカルやエコノミック
あるいは軍事サスペンスということで、
出てくる人物誰もがスゲー組織をバックに持ち
不必要過ぎるほどの深刻な過去を背負い
もの凄い技術を持ちつつ
やらなくてもよい余計なニッポン革新を
断行したり、止めようとしたり、
暗殺したりされたり、と
我ら凡俗達のすぐ裏で暗闘を繰り広げており
それがとっても通常営業なようで厭すぎる。

そんな、感情なんて1ミリも入り込めないような
業界に、びっくりするくらい
”青臭い理念”や”理想論”

(もうほとんど中学生レベルの理想論に近い)
現れて物語を動かしてゆくのだ。

「亡国〜」の方は、たかが大学の卒論で
自衛隊員の子息が「戦えない軍隊なんて
軍隊ではありません」と書いたことから
始まった事だし
この「人類資金」も、ネタバレしちゃうけど
日本の裏社会で代々”M資金”を運営してきた
一族の一番若い奴(スマップの慎吾ママ)が
単なる投機マネーに堕落してしまった
”M資金”のありようを嘆き、”M資金”
本来の役割であるらしい・・「困っている国や
組織に無利息で、ある時払いの催促なしで
融資、人類社会全体の発展のため役立てる」
へ方針転換を企てることから始まる大騒動だ。

有りもしない”富”を流通させ
 奪い合えと命じるのが
」ルール。

欧米が生み出したこのルールに
日本も便乗、結果として国家を
破滅させてしまった、という反省から
慎吾のジーちゃんは金塊を奪取。
アメリカでも日本政府でもない
第三勢力として、”M資金”という存在を確立。
人類を発展させるため
貧乏(だが志を持った)人たちを
応援する資金にした。
それは戦後日本を復興させる原動力とも
なったのだが、何時の間にかマネーゲームの
原資に変わってしまった。

そんな風潮に孫の慎吾ちゃんは憤り、
更に「分かち合う」という新資本主義を
目指すまでに理想を進める。
しかしそうなると資本主義の恩恵を
最も受けているアメリカの親分さんが
黙っているはずないわけで、で・・。

なお”M資金”のMは
GHQのマーカス少将から採られたというのが
通説だが、慎吾ちゃんは
マンカインド=人類のMなんだと力説する。

あらゆるところに”才能は”眠っている

慎吾ちゃんの部下で、主人公の佐藤浩市を
助ける男(敵かな?味方かな?的ポジション)
セキ(演:森山未來)という男。
カペラ共和国(架空)なる東南アジア最貧国出身。
慎吾ちゃんは若い頃、オヤジと対立して出奔。
世界中をバックパックしていた時に、この国を
訪問、戦争孤児だった彼と知り合う。

セキは6ヶ国語を話し、格闘術にも精通。
経済学にも明るくその気になれば博士号を
取れるスーパーな野郎。
セキのように、生まれた国なぞ関係なく、
相応の教育と情報を与えればスーパー人間に
なれる素質の人はどこにでもいる。
それは国家も同じことで、本来”M資金”は
そういった境遇にあるものをバックアップする
為にあるんだと、慎吾ちゃんは目覚めた。

人を互いに競わせ
 数字だけの成長を強いる

慎吾ちゃん、演技は頑張ってるんだけれどな。

世界中の投機筋≒報道機関の目を
「カペラ共和国」に向けるため、いきなり
株価操作を始める佐藤浩市たち。
いくら劇上でスーパーなキャラといっても
世界的には無名で、カペラ共和国の公務員でも
議員でもないセキが、何故か国連で代表演説
することになる。

物語後半はセキの国連演説をめざす主人公側と
阻止しようとする謎の一派とのドタバタが続く。
(この辺、Zガンダムの
 ダカール・シャア演説を巡る
 よく解からないゴタゴタに似ている。
 あれも観客そっちのけで、登場人物だけが
 演説を実現できないと地球が滅ぶ・・
 それくらいの深刻さでドタバタやってた。
 作者、ガンダム大好きだからなあ)

結局、セキは国連会議場の演台に立つが
はじめからセキの話を聞こうともせず
退席し始める大国代表たち。

ここにも実は敵の手が回っていて
大国の代表は事前に裏でイロイロゆすられたり
買収されており、積極的に退場する。
ところが発展途上国の代表はそういった
力が及んでいないから、退席しないのだった
(はじめから闇の勢力の相手にされていない)

主人公側も手をこまねいていたわけじゃない。
M資金にモノを言わせ、事前にカペラ国民に
大量のカメラ付き端末(PDA)をバラマキ、
彼らがとった他愛もない写真を
会議場のプロジェクターに映す。
自国民の笑顔あふれる写真を前に演説をぶつセキ。
それだけで何故か自席に戻ってきてしまう
代表たち。拍手喝采。

「世界人口の7割は電話もかけたことがない」
「すばらしいでしょ?ついこの間まで
 電話をかけることも知らなかった国民に
 情報革命を起こすこともできるんです!
 このお金(M資金)には!!」

つまり、M資金は実在する、が一部金持たちの
マネーゲームの原資に堕するくらいなら
可能性を持つ発展途上国に投資すべきだ!
・・といいたいらしい。セキや福井さんたちは。

え?これで終わり?この映画のオチってコレ?

謎の女(一応ヒロインらしい)に観月ありさ。
そもそも出演の意図も行動原理すら謎の女だけど
(元慎吾ちゃんの彼女らしく、それでいながら
 防衛省情報局(DAIS)諸属という)  

彼女が所属する防衛省情報局は
今回、この映画に堂々とは出てこないが
作者(福井氏)の作品世界に共通して出てくる
架空の組織で、亡国のイージスでも出てくる。
そこの局長役として佐藤浩市が出演しており
また、内閣情報調査室(内調)お偉方として
岸部一徳も出演している。
せっかく共通の世界観なんだから
役者も共通にしておけばいいのに。
もっとも、彼らをこの配役にすると
今回はカメオ出演並みに顔を出さなくなってしまう。
というよりも、主役やる人が
いなくなっちゃいますがね。

殺し屋エンドーがカッコいいけど気持ち悪い。
(このひとも先祖代々殺し屋であるらしく
 1945年の先代はトヨエツが演じてるのに
 出演は最初の数分だけ。現代のエンドーを
 トヨエツにやらせれば良かったのに。)


小説は映画と別でまだまだ
続くようです・・。

人類資金

監督:阪本順治
脚本:福井晴敏・阪本順治

原作:福井晴敏
製作:「人類資金」製作委員会

出演者:
佐藤浩市
香取慎吾
森山未來
観月ありさ
石橋蓮司
豊川悦司
寺島進
三浦誠己
岸部一徳
オダギリジョー
ユ・ジテ
ヴィンセント・ギャロ
仲代達矢

音楽:安川午朗
撮影:笠松則通
編集:早野亮

製作会社:КИНОキノフィルムズ

配給:松竹
公開:2013年10月19日
上映時間:140分
製作国:日本

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2015年02月18日

スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねえ

「スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねえ」

日本映画専門チャンネルで放映。
(もう半年以上前の話)
クレージーキャッツを通して
当時のサラリーマン文化、世相を見たいという
多少、ひねくれた観劇理由。
わかっちゃいるけどやめられねえ。

あらすぢ
新入社員の第一歩を踏み出した石橋と梅田は、
五人の同僚と一緒に中村課長の下に配属され
こき使われることになった。仕事は忙しいし
どなられ通しだが、少しは良い事がないでもない。
それは女子社員に大いにもてることだ。
だが、石橋君、小森君始め七人の新入社員に
とって、それにうつつを抜かしていられない
大事件が持ち上った。三ヵ月後に社長と社長令嬢が
渡米することになり、二人の随員が七人の中から
選抜されることに。つかめ出世の糸口・・。

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原作は青島幸男とあるが、おそらく
この映画原作ではなく、題の「スーダラ節」の
作詞者だからのクレジットなんじゃないかな。
この辺未確認ですが、どーもすんません。

でも「スーダラ節」って
1)ハシゴ酒でベンチ就寝
2)馬で金もうけした奴はいない
3)女にフラれた
しか歌っていないので
この映画の内容にはあんまりフィットしてない。
「歌」にかこつけて「サラリーマン喜劇」を
作りたかっただけなのかもしれない。

ハナ肇ばっかりで、植木等があんまり出てこない。
開幕冒頭、登場するにはするのだが
なんかマジメに世相を語りだす植木等。
話のあと、ちゃぶ台ひっくり返すかのように
植木笑いでも見せてくれるのかと思えば・・
そんなこともない。
ドリフ大爆笑でいかりや長介が、コントで笑いを
取るためか、司会進行は至極マジメな
進行だったのと似たような感じ。

ゴジラ映画見に行ったのに
モスラばっかで場をつないでいるみたいで
クレージーキャッツの他のメンバーも
終盤になって、物語で必要性ゼロの
謎のよっぱらい集団として
やっと勢ぞろいする体たらく。
”大人の事情”でサービス出演ってのが真相なのか。

観客としてはやっぱ”クレージー=植木等”の歌を
期待して映画館に来るわけですが、
そんな事は華麗にスルーされて
しばらくは若手俳優「川崎敬三」「川口浩」の
初々しい?演技を見せられることになります。

そのダブル主人公。一方は
「そーなんですよ川崎さん」の川崎敬三
彼の一族はなんと”水上生活者
一族の期待を一身に背負い、大学を出て
一流企業へ就職した男。
それにしても”水上生活者”・・
今では絶対使えない設定だ。
1960年代にはまだまだ居たんだな。


もう一方が川口浩。貧農の出の彼も
大学の学費をまかなうため、家族は虎の子の
田畑を売ってしまう。こちらも一族の
希望の星なんで、上京時には皆さんでお見送り。
親戚のおばちゃんなんか開口一番。

「早くうんと出世して、お前の学費のために
 売りとばした田んぼを買い戻しておくれ!
お・・重過ぎる。

しかも彼、背広が買えなかったんで
入社式に詰襟学生服で出席です。
時代なんだなあ。
そんな彼なのに物語終盤に
奥さんこそ会社で見つけたものの
「出世より夢を追うんだ」とかで退社する。
(その結果が水曜スペシャルなんですね)

以下はWiki先生より。
「スーダラ節」が大ヒットしたことを受け
当の植木等は

「こんな歌がヒットするようでは悲しいなぁ」
「冗談じゃない」
「こんなのがヒットするってことは、俺が考えてる日本と
 本物の日本は違うものなのか」
と思い悩んでいたんだとか・・。



ところで・・
「PON君、古い映画ばっかり観過ぎ。
 文化的にドンドン置いて行かれるよ」
と妻が言うため
「オレだって新しい映画だって観るよ」
と2019年のLAが舞台の映画
「ブレードランナーディレクターズカット版」
を観はじめたら、呆れてしまったのか
向こうへ行ってしまいました。



スーダラ節 わかっちゃいるけどやめられねえ
スタッフ
監督:弓削太郎
脚色:高橋二三
原作:青島幸男
企画:竹谷豊一郎
撮影:石田博

キャスト
川口浩:石橋信一
川崎敬三:夢田春夫
藤原礼子:荒牧しのぶ
ハナ肇:中村渉外課長
目黒幸子:松子

製作年:1962年
製作国:日本
配給:大映

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2014年11月09日

地獄でなぜ悪い

「地獄でなぜ悪い」

TSUTAYAでレンタル。

第70回ヴェネツィア国際映画祭
オリゾンティ部門で公式上映され、
上映後は約1200人の観客から
7分間のスタンディングオベーションを
送られた。

う・・うーーん。
こんな映画に?7分間も?
スタンディングオベーション??

あらすぢ
極道・武藤組の組長・武藤大三は、
服役中の妻・しずえの夢でもあった、
娘のミツコを主演にした映画製作を決意する。
映画の神様を信じるうだつのあがらない
映画青年・平田純と、通りすがりの普通の
青年・橋本公次を監督に、スタッフや
キャストは全員自分の子分のヤクザで
構成した。さらに、武藤組と対立する
池上組の組長で、ミツコに恋心を抱く
池上純と池上組全体を巻き込んで、
事態はとんでもない方向に進んでいくのであった。

************************

先日、先行で記事にしましたけれど
やっぱ
「♪全力歯ぎしりレッツゴー」
外せないか。

あの劇中CMは、ヤクザの娘ミツコが
10歳(演:原菜乃華)時の
センセーショナルデビューCMという設定。
これから更に芸能界で飛躍する、って時に
父の武藤組が池上組の襲撃にあう。
留守番していた武藤組長の妻(演:友近)は
これをひとりで撃退するが刑務所入り。
娘の芸能人生命も絶たれてしまった。

それから10年。
・芸能人という夢を壊され
 人生をこじらせてしまった娘、ミツコ
(演:二階堂ふみ
→たまーにタモリ倶楽部に出ている、
 それ程気になる女優じゃなかったが
 結構魅力的じゃないですか、この映画じゃ。
・出所が近い妻に娘主演映画を見せてやりたい
 と願う組長(演:國村隼
→コワモテヤクザ役を演じてくれる人も
 もはやこの人くらいになってしまった。 
・武藤組襲撃時に偶然出会った
 ミツコに惚れてしまった池上組組長
(演:堤真一
→相変わらず楽しそうに仕事されててグウ。
・知識は膨大だが一本も映画を撮ったことがない
 映画バカ(演:長谷川博己
→かつての監督自身と思われ。
・ただ巻き込まれた若者(演:星野源
→星野って、このヒトなんなの?

とかいった10年前から因縁の面々が
融合した時、画面がサクレツする。

とにかくあきれた。
最後は画面真っ赤っか。お口アングリ。
よく商業ベースでつくったな。
和製キルビルといえば聞こえはいいかも知れないが。

クリエイティブな世界に生きる人は
やっぱどこかオカシイのかもしれない。
ある意味”地獄”であって
地獄でなぜ悪い、と居直るほかないのか。



まあ〜、一般受けはしないわな。
もうこの人の映画は観ない。

キャスト
武藤大三:國村隼
池上純:堤真一
武藤ミツコ:二階堂ふみ(現在)/原菜乃華(10歳)
武藤しずえ:友近
平田純:長谷川博己(現在)/中山龍也(高校時代)
橋本公次:星野源(現在)/伊藤凌(高校時代)
谷川カメラマン:春木美香(現在)/青木美香(高校時代)
御木カメラマン:石井勇気(現在)/小川光樹(高校時代)
佐々木鋭:坂口拓(現在)/中田晴大(高校時代)
木村刑事:渡辺哲
田中刑事:尾上寛之
オマワリ:水道橋博士
鈴木剛:山中アラタ
松野拓行:市オオミヤ
真田龍太:本城丸裕
正造:菊池英之
みつる:仁村俊祐
吉田國広:土平ドンペイ
ロッコ:橋本まつり
サッチ:皆川尚義
正太:清水智史
千葉義紀:山本亨
小室哲夫:野中隆光
飯塚信弘:中泉英雄
住田:諏訪太朗
ヒットマン:北村昭博
夕暮太郎:児玉拓郎
増田:板尾創路
佐藤:裴ジョンミョン
木下プロデューサー:石丸謙二郎
店主:でんでん
映写技師の小野さん:ミッキー・カーチス
モギリの大谷さん:江波杏子
吉村みつお:永岡佑
ジュンコ:神楽坂恵
マサコ:岩井志麻子
池上の女:つぐみ
ヨシコ:成海璃子
マスター:深水元基
ウエイトレス:ぼくもとさきこ

スタッフ
監督・脚本・音楽:園子温
音楽:井内啓二
撮影:山本英夫
編集:伊藤潤一
配給:キングレコード、ティ・ジョイ
製作:「地獄でなぜ悪い」製作委員会
(キングレコード、ケー・エイチ・キャピタル、
 BizAsset、ティ・ジョイ、ガンジス)

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2014年08月24日

サイレントワールド2011

「サイレントワールド2011」

また観ちゃったよ。西暦災害シリーズ。

西暦災害系は大きく分けて
隕石が落ちてくる話”アルマゲドン”系と
地球寒冷化話”デイアフタートゥモロー”系に
分類できたりします。
アルマゲドンもブルースウィルス版以来
自称後継者映画が脈々と続いているけど
この作品は地球寒冷化話ね。

ひとつ言わせてもらえば・・
西暦ついている作品に名作なし!

あらすぢ
オゾン層破壊により氷河期に突入した
地球を救うべく立ちあがった男の戦いを
描いたパニック映画。オーストラリア沖で
気象観測船が遭難し、乗組員たちが
凍結遺体となって発見された。調査に
乗り出した気象学者ジャックは、
オゾン層に入った亀裂からマイナス70度の
超低温大気が地表に降り注いでいることを
突き止める。亀裂が世界各地に拡がっていく
中、オゾン層でミサイルを爆発させることで
亀裂を修復する作戦が実行に移されるが……。

************************

”極悪寒冷前線”がやってきた!
地球(というかオーストラリア)が大ピンチ!
以上、そんな映画。

やさぐれ気象学者が親友の異常な死に方に
ホンキを出し、取り合えず家族を守るために
奮戦します。
今回の地球の危機は大気汚染によるオゾン層破壊。
それが限界に達して「中間層」とかいう
上空の寒いところから、これまた極寒空気が
吹き降りて寒冷前線化したものであるらしい。

(オゾンホールはもはや一般人でもナジミだが・・
 オゾン層が地表を守っているのは
 極寒空気じゃなくて紫外線じゃないのか??)

名前の通り”前線”なんで
極寒空気の”壁”がだんだん迫ってくる仕組。
壁に触れるそばから万物は凍り付く。
バナナで釘が打てます。
なお主人公の親友も乗ってた気象調査船が
前線と交差した瞬間、フリーズドライで
お亡くなりになった模様。
ビジュアルでもわかりやすい。

で、しばらくは助かった死んだ
凍った、凍らなかったと大騒ぎが続き
オーストラリア海岸線一帯で
寒冷前線と人間の命がけの鬼ごっこが続きます。
とりあえず”火”のある所とか
発電機を独自に設置している公共施設なんかに
逃げ込めれば吉。止まっている車の中はNGです。
そのまま走って逃げるなら吉ですが。
でもこの安全地帯ルールも例外有りまくりで・・
米軍空母が凍り付いてしまうってのはどうなの?
空母の原子力の火って
主人公の家族が籠る暖炉の火に負けてしまうの?

主人公は疎まれている上司(彼は米本土に
居るのであまり危機感がなく、かなりの温度差)
に事態の収拾方法を進言しますが
「あー判った。でもこっちでも専門家対策
 チームが、よろしくやってるから
 お前が心配することじゃない」
と電話を切られてしまう始末。
上司との関係は常に良好にしておきましょう。

で上司チームが考えていた案てのが
”オゾン穴に化学的ナントカをバラマキ、
 ミサイルを撃ちこんで発散、穴をふさぐ”作戦。
もちろん失敗、穴が世界的に分散して大惨事。

主人公イチオシの案も
”オゾン穴に化学的ナントカをバラマキ、
 ミサイルを撃ちこんで雷を発生、穴をふさぐ”
というもの。

もうこの辺テキトーに観てたんで
細かな(聞いたところでどうせしょーもない)
理屈は覚えてませんが
違いは”雷”は発生させるところかな。

で、仕方ないんで主人公案はオーストラリアの
ローカルPC環境で軌道計算やら
チマチマと行っているため遅々として進まず、
そのうち、協力してくれてる同僚が病気でぶっ倒れ
主人公自らが、なんと薬を求めて凍った街へ。
そんなことやってる場合か?

以後、そんなぼんくら主人公の代わりに
流れで引き継ぐことになった娘さんが
膨大なシミュレート資料を
アメリカ本土にデータ転送しようと苦戦したり・・
(とんでもなく”ザル”な主人公側)と
あらゆる障害が主人公の行く末を適度に邪魔します。

あとは・・もういいですよね。
主人公案で地球環境も家庭争議も解決しました。
ちゃんちゃん。
もう二度と観ません。



監督:ブライアン・トレンチャード・スミス
製作:ステファン・ウォドスラフスキー
   ジーナ・ブラック
脚本:ジェイソン・ボルク
撮影:マーク・ウィンドン
音楽:マリオ・セヴィニー
出演:マイケル・シャンクス
   アレクサンドラ・デイヴィス
   ブルース・デイビソン
   インディアナ・エヴァンズ

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2014年08月20日

白雪姫と鏡の女王

「白雪姫と鏡の女王」

MIRROR MIRROR (白雪姫と鏡の女王)(2012)

CSムービープラスで放映。
白雪姫を現代風にアレンジした映画だが
そんなコンセプトを持つ映画はコレばかりでなく
たとえば「snow white(2012) 」ってのも
有った気がする。
今回の「白雪姫と鏡の女王」は
有名な人(ジュリア・ロバーツ)が出ているんで
それなりに観られる映画なんじゃあるまいか?
そんな軽い気持ちで観劇してみやした。

名のある俳優が出ているからという理由で
観てみた映画に大激怒、なーんて経験
これまでもたくさんあるんですけども。
懲りないですな俺。

あらすぢ
幼くして国王である父を亡くしてしまい
強欲な継母である女王によってお城に
幽閉されながら育った白雪姫は次第に
外の世界に憧れを抱いていった。
ある夜、お城で開催された仮面舞踏会に
紛れ込んだ白雪姫はかつて森で出会った
他国の王子アルコットと再会する。
共に惹かれ合う二人であったが・・。

************************

やっぱ童話の映画化は
ディズニー
の方がお手のもんだね。
なんだかんだ言って洋の東西、老若男女問わず
安定して楽しめる映画ができる。
最後にはすぐ忘れてしまうような内容でも。

白雪姫のお城は
湖に突き出した岬の上に作られているのだが
これがまあ・・ちゃちぃ(笑)
ちゃちすぎ。
いったい国民はどこに住んでいるのだろう?

白雪姫を演じるはリリー・コリンズさん(25)
眉毛が太いが美人。
剃らない自然な眉毛だったらあんなもんか。
(画像検索したら、そもそもリリー・コリンズの
 素の眉毛がキリっと元気だった)

18才まで引き籠りだった白雪姫
そら肌だって白いわ〜。

ジュリア・ロバーツ演じる悪の継母女王が言う。
負けを知ることも大事よ
このセリフが後に自分に返ってくる。

白馬の王子、アルコット王子
(演:アーミー・ハマー)
出自と人柄は悪くないようなのだが
いまひとつ頼りない男。
特に口の割に戦闘力が今一歩。

原作童話での”七人の小人”は
ディズニーでもおなじみだがドワーフ種族で
ドワーフの得意ワザ、地下で宝石を
掘るのがお仕事。
ところがこの映画の小人どもの商売は山賊。
森に侵入してきた主に金持ちから収奪する。
あんな、ちんちくりんの身長だと
戦闘力にギモンフがつきそうだが心配無用。

彼らは不思議なテクノロジーを持っており
森の木々にワイヤーロープを渡し
進撃の巨人の主人公たちのような
立体機動戦闘が可能。
また、瞬時に展開する竹馬を足に装備。
身長面のハンデを克服、接近戦にも対応。

映画冒頭、アルコット王子も小人たちに
散々な目に合うのだが、この小人たちの持つ
ゲリラ戦法が、後に白雪姫を
実戦的な戦士(なんだそりゃ)へ
仕立て上げ、ひいては王国の革命に
貢献するのだ。

王子が継母女王謁見時のカット切り替えが素敵。
映画的におもしろいビジュアルだった。

それなりにおもしろかったけど
ディズニー作品ほどではない。
半端に雰囲気が暗く半端に真面目。



白雪姫と鏡の女王
Mirror Mirror

監督:ターセム・シン
脚本:マーク・クライン
ジェイソン・ケラー

原案:メリッサ・ワラック
原作:グリム兄弟『白雪姫』
製作:ライアン・カヴァノー
バーニー・ゴールドマン
ブレット・ラトナー
ケヴィン・ミッシャー

出演者:
邪悪な女王 - ジュリア・ロバーツ
白雪姫 - リリー・コリンズ
アルコット王子 - アーミー・ハマー
ブライトン(女王の側近) - ネイサン・レイン
ベイカー・マーガレット(白雪姫の侍女)
- メア・ウィニンガム
7人の小人
ナポレオン - ジョーダン・プレンティス
ハーフ・パイント - マーク・ポヴィネッリ
グラブ - ジョー・ノッフォ
グリム - ダニー・ウッドバーン
ウルフ - セバスチャン・サラセーノ
ブッチャー - マーティン・クレバ
チャック - ロナルド・リー・クラーク

男爵 - マイケル・ラーナー
王様 - ショーン・ビーン

音楽:アラン・メンケン
撮影:ブレンダン・ガルビン
編集:ロバート・ダフィー
ニック・ムーア

製作会社:レラティビティ・メディア
配給:ギャガ

公開:日本 2012年9月14日
上映時間:106分
製作国:アメリカ

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2014年08月19日

シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ

「シェフ! 三ツ星レストランの舞台裏へようこそ」

久々のTSUTAYAレンタル。
しかも相方セレクト。さもありなん。

この手の映画を観ると金がかかってしまう。
どうしてもおフランス料理が
食べたくなってしまうからだ。

あらすぢ
問題だらけの寄せ集めシェフたちが、高級三ツ星
レストランを守るため奮闘する姿を描いた
コメディドラマ。20年間にわたり三ツ星評価を
守り続けてきたパリの高級レストラン
「カルゴ・ラガルド」は、厨房の要たる
ベテランシェフのアレクサンドルがスランプに
陥ってしまい、危機を迎えていた。次の品評会が
迫るなか、新メニューが浮かばないアレクサンドルは、
天才的な舌をもつ若手シェフのジャッキー・ボノに
出会う。生意気な性格のためいくつものレストランを
クビになり、老人ホームでペンキ塗りをしていた
ジャッキー・ボノと、老人ホームの厨房で働いていた
素人シェフも仲間に加わり、アレクサンドルらは
カルゴ・ラガルドを守るため立ち上がる。

************************

主人公は味覚も腕も確かで、料理の知識も
持ち合わせているものの、コミュ力が
決定的に不足しており
(要するに単なる料理オタク)
調理人として出世できず、自分を
理解してくれない世間へ不満だけが蓄積していった。

あらすぢにある通り、ジャン・レノ演じる
天才三ツ星シェフがスランプに陥る。
これまでの看板と経験で低空安定飛行を
続けるジャン・レノ。冒険をしなくなって
手抜きの多いルーチンワークが続く。
若い頃はガッツと家族を犠牲にし
仕事一筋でここまでの地位に上りつめた彼だった。
そんな彼に厳しい意見をする者などいる
筈もなかったのだが・・。
意見するだけは一人前の主人公はそれを
見逃さなかった。

その二人が刺激し合って、実情は落ち目に
なっていたジャン・レノのレストラン
「カルゴ・ラガルド」を立ち直らせてゆく話。

レストラン「カルゴ・ラガルド」が傾いてゆく
過程にて、ジャン・レノが一番弟子だと
思っていたナンバーツーの料理人が、
高い給料で別支店のシェフに転身するシーンがある。
ナンバーツーがジャン・レノを裏切ってまで
新しい店でやりたかったことは
フランス料理界は古すぎる。
これからは新しい風をどんどん取り入れた
新フランス料理「分子料理」で勝負する
ことだった。

「分子料理」って何?ホントにあるの?
フラスコとビーカーなんかを使った
調理というよりは理科の実験といった感じの
皿が出てくる。映画じゃ極端に描かれていて
グリーンの蛍光色が鮮やかすぎ。

アサヒの記事だけど
「料理と科学が出会う時」より。
ホントに存在してます。


レストラン「カルゴ・ラガルド」の経営は
先代社長が担当、現場監督がジャン・レノだったが
先代がアホボンボンに経営を引き継ぐにあたり
ボンボンは古臭い頑固職人のジャン・レノを嫌い
将来的には自分のレストラングループから
ジャンレノを追い出し、分子料理で勝負する野望を
持ってた。

そこで主人公側は分子料理の新店を
偵察(実質ぶち壊)すべく、ジャン・レノと主人公が
なぜか日本人外交官夫婦に変装して潜入する。
なにやってんだ仮にも三ツ星シェフが!と
思わんでもないが、基本的にはこの映画
コメディーなんでまあいいです。

旦那は下駄ばき、奥さんゲーシャ。
「ドモドモ」
「ドモアリガトゴジーマス」

かなり日本人のことをおちょくっている
描写が目立つ。
ジャン・レノは比較的日本になじみのある
フランス俳優だけれど
ああいう描写に異議を唱えないあたり
典型的なフランス人メンタリティーの持ち主で
本人はさほど親日というか、日本文化に
コダワリがあるようには思えないな。

とはいえ、どこかの南朝鮮のように
目くじら立てるつもりは皆目ありません。
・・日本人を舐めすぎに思うぞw



まあギャガ配給だからな。

スタッフ
監督:ダニエル・コーエン
脚本:ダニエル・コーエン

キャスト
ジャン・レノ:アレクサンドル・ラガルド
ミカエル・ユーン:ジャッキー・ボノ

原題:Comme un chef
製作年:2012年
製作国:フランス・スペイン合作
上映時間:85分
配給:ギャガ

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2014年07月15日

ジェネラルルージュの凱旋(映画版)

「ジェネラルルージュの凱旋(映画版)」

NHKBSプレミアムで放映。

佐藤ちゃんに一つだけ言っておく
 上に立つものは
 ワガママでなければならない


”佐藤ちゃん”とは
ジェネラルルージュと畏怖される
救急医師のエース”速水”(演:堺雅人)の
部下兼弟子の医師(演:山本太郎)のこと。

”佐藤ちゃん”の実社会での
迷活躍ぶりについては、この際
ここでは置いておくとして・・。

堺雅人はこう続ける
指揮官は時に人でなしでなければならない

あらすぢ
“チーム・バチスタ事件”を解決に導いた
(と思われている)東城大学付属病院の
窓際医師・不定愁訴外来の田口公子(竹内結子)
は、院内における諸問題を扱う倫理委員会の
委員長に図らずも任命された。ある日、そんな
彼女の元に一通の告発文書が届く。その内容は
「救命救急の速水晃一センター長(堺雅人)は
医療メーカーと癒着しており、花房看護師長
(羽田美智子)は共犯だ」というものだった。
速水は“ジェネラル・ルージュ(血まみれ将軍)”
の異名を持つ男で、切れ者だが冷淡で非情な
彼にはよからぬ噂も多かった。速水が主張する
ドクターヘリの導入も、それが何かしら彼の利益
になるからだという者もいるくらいだ。
そんな中、告発された医療メーカーの支店長・
磯辺が院内で自殺・・。

************************

この頃はもう”堺雅人”づいていたんで
(もちろん、半沢直樹っすよ〜)
思わず観劇。

冒頭に記述した
「指揮官は時に人でなし・・」のくだりに
山本太郎医師
「部下に恨まれてもですか?」と返す

速水=堺雅人は
「それで助かる命がひとつでも
 増えるのならばな・・」



ありきたりなセリフだけど
やっぱカッコいいじゃん!堺雅人氏。

今度は大河ドラマで”真田幸村”を
演じるそうであるが・・なんか微妙に
ミスマッチ感が漂うのだけれども
彼が一体どのような”幸村”を演じるのか
それはそれで楽しみな気もする。



堺医師のチュッパチャプスが
後ほどエライことに・・・。



ジェネラル・ルージュの凱旋
The Triumphant General Rouge

監督:中村義洋
脚本:斉藤ひろし/中村義洋
原作:海堂尊
製作:佐倉寛二郎/山内章弘/佐藤毅
製作総指揮:間瀬泰宏

出演者:
田口公子 - 竹内結子
白鳥圭輔 - 阿部寛
速水晃一 - 堺雅人
花房美和 - 羽田美智子
佐藤拓馬 - 山本太郎
沼田利博 - 高嶋政伸
三船啓二 - 尾美としのり
如月翔子 - 貫地谷しほり
磯部信也 - 正名僕蔵
小峰小太郎 - 林泰文
川村明 - 中林大樹
二宮直行 - 大塚幸汰
山本(リハビリ担当) - 長江英和

井川 - 並樹史朗
中島 - 岡安泰樹
市川(田口の患者)- 河原さぶ
江波(田口の患者)- 山田スミ子
亜希子(自殺願望の患者) - 黒瀬真奈美
サラリーマン風の男 - 中村有志
野村勝 - 伊藤正之
庄司(田口の患者)- 市野世龍
病院事務スタッフ - 根本美緒
三船の妻 - 古川りか
三船の娘 - 朝田帆香
事故現場のレポーター(声)
- 堀井美香(TBSアナウンサー)
事故現場のレポーター
- 吉井歌奈子
村上教授 - 加藤雄二
女性患者 - 大島久枝
五十嵐教授 - 天田将行

垣谷雄次 - 佐野史郎
酒井利樹 - 玉山鉄二
藤原真琴 - 野際陽子
黒崎誠一郎 - 平泉成
高階権太 - 國村隼

音楽:佐藤直紀
主題歌:EXILE 「僕へ」
撮影:佐々木原保志
編集:阿部亙英

製作会社:
映画「ジェネラル・ルージュの凱旋」製作委員会

配給:東宝
公開:2009年3月7日
上映時間:123分

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2014年06月24日

空の大怪獣Q

「空の大怪獣Q」

イマジカBSで放映。
かの珍作「冷凍凶獣レプティリカスの惨殺」
(デンマーク製、1961年作品)
のように50〜60年代に
ドサクサで作られたカイジュー映画のひとつかと
思いきや、この映画は1982年。
比較的新しめだったのに少々びっくり。

びっくりは以下の二点。
怪獣映画が下火になりつつあった80年代に
怪獣映画を作ろうとした映画人がいたこと
その80年代に制作しながら
こんなレベルであること

あらすぢ
ニューヨークの真ん中でビル清掃人の首無し死体
が発見される。その後、全身の皮を剥がれた
死体や、屋上で日光浴をしていた女性が謎の失踪を
遂げるなど、奇怪な事件が相次いで起こった。
シェパード刑事は事件の裏にアステカ文明の
邪教集団の存在を知る。一方、詐欺師クインは
借金の取立人に追われていた。逃げ込んだ高層ビル
で彼は巨大な卵を発見する。それはアステカの神
として崇められた怪鳥ケツァルコアトルの卵だった。

************************

いやまあ・・駄作

イマドキ、怪獣じゃ客は呼べないが
おっ○いなら呼べる、それくらいのこと
ラリー・コーエンも知ってたのだろう。
被害者がビルの屋上で
日光浴しているトップレス女性だったり
お色気を交えてなんとかしようと頑張っている。

その頑張りはうれしいけど
肝心の映画の出来が”ゴミ”すぎるからなあ。

邦題も”空の大怪獣Q”とヒドイ。
日本で”Q”といったら
オバケがまず初めに来ちゃうから。
なお、ケツァルコアトル
(英語: Quetzalcoatl)の”Q”のようだ。
Wiki先生によれば、アステカ神話の
文化神・農耕神である、とのことだが
映画のQの生態はモノスゴク生物的で
”神”にはとっても思えない。
造形もぬめっとしたブロントサウルスの背中に
申し訳程度に羽根が生えている。

そんな神も、これまで散々焦らせながら、
やっと全貌が見えてきた映画終盤
警官隊とクライスラー・ビルで交戦。
機関銃やらピストルで蜂の巣となり撃墜される。

人類の神殺しの寓意が含まれている・・
ようにはぜんぜん思えず。

ハリウッドゴジラもそうだったけれど
海外の怪獣は人類の持つ通常兵器で
倒されないと”ウソ”なのかも知れない。

空の大怪獣Q
Q - The Winged Serpent

監督: ラリー・コーエン
製作: ラリー・コーエン
製作総指揮: サミュエル・Z・アーコフ
ディック・ディ・ボナ
ピーター・サビストン
ドン・サンドバーグ
脚本: ラリー・コーエン
撮影: フレッド・マーフィ
   ロバート・レヴィ
特撮監修: デイヴ・アレン
特撮: ピーター・クラン
モンスター・デザ
イン: ランディ・クック
編集: アーモンド・レボウィッツ
音楽: ロバート・O・ラグランド

出演:
マイケル・モリアーティ ジミー・クィン
デヴィッド・キャラダイン シェパード刑事
リチャード・ラウンドトゥリー パウエル巡査部長
キャンディ・クラーク ジョーン
ジェームズ・ディクソン マレー警部補
マラキー・マッコート マッコネル警察長
フレッド・J・スコレイ フレッチャー警部
ジョン・カポダイス ドイル
トニー・ペイジ ウェッブ
エディ・ジョーンズ
ラーキン・フォード
ピーター・ホック

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2014年03月13日

009 RE:CYBORG

「009 RE:CYBORG」

PONにとってサイボーグ009シリーズは
アニメも漫画もそれほど親しみがありません。
カラーアニメOP
さいぼうぐ戦士〜 誰がために戦う〜”の
アレですが・・は常々名曲だと思ってた傍らで
話はほとんど見ていないのです。



それなのにどうして観てみようと思ったのか?
YOUTUBEのMADで
003フランソワーズの黒下着姿を
偶然見てしまったからに他なりません。
まったくもってアタマ悪ですね〜。

どうもこの映画は、原作者急逝により
未完となっていた漫画の、再解釈作品
であるようですね。

熱狂的009ファンからすれば
ジブンなんか後からきて俺のシマ荒らすんじゃないよ!
と言いたくなるような存在だと思います。
ガンダムでいえば・・ファースト観てないのに
逆シャアだけ観たヤカラがグダグダ
書いている奴みたいなもんだかんな。

石ノ森章太郎氏も最後の方は
平井和正氏と組んで幻魔大戦を
漫画化に取り組んでいたようですし
幻魔といえばハルマゲドン
人間と荒ぶる神々の絶望的な戦い、とか
そういった話に向かうことは既定路線なんで。
009シリーズも、やっぱ行っちゃうのかな?
と思えば・・。

あらすぢ
物語の舞台は、2013年の現代。

ロンドン、モスクワ、ベルリン、ニューヨーク。
大都市の超高層ビルが次々と崩壊するという、
同時多発爆破事件が発生。

いつ、誰の意志で計画されたかもわからない
無差別テロは、世界を不安とパニックへと
陥れていた。

かつて、世界が危機に陥るたびに、人々を救った
9人のサイボーグ戦士がいた。

その役目を終え、各々の故国へと帰っていた
ゼロゼロナンバーサイボーグ達は、生みの親である
ギルモア博士からの呼びかけによって、
再び集結しようとしていた。

一方、ゼロゼロナンバーサイボーグのリーダーである
日本人、009こと島村ジョーは、過去の記憶を消し、
東京・六本木でひとり、暮らしていた。

サイボーグ戦士最後の切り札であるジョーは、
ギルモア博士によって 30年間、3年に一度、記憶を
リセット され、高校3年間を繰り返していたのだ。

全世界同時多発爆破事件の犯人とは?
ヒーロー不在の時代、彼らは、誰がために戦うのか?
彼らが立ち向かう、新たな時代の「正義」とは?

ジョーの記憶が呼び覚まされた時。
ゼロゼロナンバーサイボーグの新たな戦いが始まる!

************************

ネタバレでゆきます。

幻魔大戦と攻殻機動隊を足して
天使のたまごを振りかけたような・・
そんな話でした。
各ゼロゼロナンバーサイボーグの活躍シーンは
それぞれ現代的解釈になっていて
非常にカッコいい
でも惜しいかな、活かし切れていない。

ゼロゼロナンバーサイボーグが大活躍
した時代、我らがヒロイン003は18歳?
くらいかな。ってことは+27年だから
御年45歳???
「また私だけ3年、年をとったわね」
とか本人も言ってるし。


これがそう。仮にも009は制服・・。

同時期に”おおかみこどもの雨と雪”も見たんだけど
いわゆるメイクラブシーンは余計だと思うんだ。
限りなく子供が見る可能性が高い両作品とも。

それでも003の黒下着姿が
この映画を観る気になった一大モチベーション
となった事実は否定できないのですが。
一緒に見ていた7歳の息子は
大人というものはハダカに近い姿で
ハグすることが仲良しの証拠・・それくらいの
意味合いで乗り越えたようです。
親はなくとも子は育ちますな。ほんに。

世界的規模で連続高層ビル爆破テロが発生
その犯人の共通項はただ一つ
「”彼の声”が人類をリセットせよと言った」
ドラえもんを言い訳にしたどこかの
頭悪すぎる凶悪犯くらい、頭の悪い理由。

どうやら、家でボケっとしている人よりも
様々な分野で”エリート”と目され
常に真面目なことを考え
ストレスにさらされている人間ほど
彼の声”に遭遇しやすいらしい。

そのうち、世界最強の武器群を預かっている
米軍兵士にまで”彼の声”は波及し
B2スティルス爆撃機まで米国政府の管轄を離れ
なんとドバイを核攻撃してしまう。

今回、押井映画でいえば後藤さんのような
長講釈
をしてくれるのは
004ハインリッヒ。
(そこまで研究・考察したのは
 いつの間にか考古学の大家となっていた
 008ピュンマ)

004=008の説明によると
彼の声とは神の声

「ピュンマ(008)は人類の起源を
 探求する途上
 もしかしたら人類の脳そのものが
 何らかの原因により
 「神」になったのではという
 仮説を立てていたようだ

 人類の祖先が「死」の恐怖から
 「神」をつくりだしていったように
 天使の化石を見た連中は
 心の中に”彼の声”なる幻想を
 抱いていったのではないか

 そもそも神ほど自分勝手に
 多くの人間を殺してきた存在は
 いないってわけだ」

・・よく判りません。
そうかも知れませんが
んで何が言いたいのでしょう。

「さすがにピュンマの推察も
 早急に過ぎるきらいがある」
と004に言わせ、逃げの手を打っている
カントクにもどうかと思いますけど。

そしてついには米国大統領(明らかに有色人種)まで
なにかムチャクチャを言ったようで
秘書をおたおたさせる始末。

さあどうすんべ。

結局、ネオコンやら軍産複合体やら
怪しい要素をちりばめつつ
話は進み”彼の声”って彼らが開発した
”脳波装置”やら”洗脳装置”やら
そんな奴かな〜とか思うじゃないですか。
ネタバレしますと、神はマジにいたらしいです。

仲間割れしていた002と009の
共同作業で人類の危機を必死になって救う姿を
強大な存在(=神)に見せ、人類もまだまだ
捨てたもんじゃない、ということをアピール、
最後は神が翻心したのだそう。

一言いいたい。

なんじゃそら?



ふざけた設定も結構あって
002と009の確執の理由とか
009が何年も高校生を繰り返しているとことか
006(張々湖)とギルモア博士が
もう何年も泥沼の訴訟合戦を繰り広げているとか
とにかくよく判らない設定だらけ。

◆サイボーグ001: イワン・ウイスキー
超能力を持つ。代償にずっと赤ちゃんのまま。
00ナンバー戦士や博士何なんかと比べても
実は一番マトモな人なのではなかろうか・・。


◆サイボーグ002: ジェット・リンク
特技、マッハで飛ぶ。足の変形が今風。
アトムの生みの親と双璧であるワシ鼻
これまた今風にモデルチェンジ。
何故か009と仲が悪いそうで
その理由が「奴だけ特別扱い」
「世界の警察官たるアメリカ人の自分じゃなく
 専守防衛しかできない国の男がリーダー」
という理由に、なんかとっても辟易。
ガッチャマンやゴレンジャーもそうだけど
ナンバー2はいつも立ち位置が違うものだが。


◆サイボーグ003: フランソワーズ・アルヌール
特技、黒下着(←まだ書いてる)
昔は千里眼とスーパー聴覚だったが
現代では無難にIT情報収集の鬼。
つまり戦闘力のない草薙素子。


◆サイボーグ004: アルベルト・ハインリヒ
能力、全身兵器。体内には核爆弾も。
冷戦時代の遺物あつかいで、部品(おそらく
内蔵弾薬も)ワンオフ製品であるため
とにかくアンタは金がかかるから、
むやみに撃ってくれるなと
本国よりキツく言い含められている様子。
だからというわけでもないだろうが
死体兵士群に苦戦するところが残念。


◆サイボーグ005: ジェロニモ・ジュニア
特技、パワーファイトと覇気w。
寝ぼけていた009を覚醒させるため
無理やり喧嘩を仕掛ける・・という
どこかの幻魔大戦で見たような役回り。
死体兵士群にギルモア研究所が襲撃される中
急きょ戦線離脱することになった
009と003と004を尻目に、
まーだ研究所で戦わされていた
カワイソウナ人。


◆サイボーグ006: 張々湖
中国人は「〜アル」と話す、とのステロタイプを
日本の子供に植えつけたのは間違いなくこの人。

サイボーグ009および石ノ森作品ファンの
皆さんには非常に申し訳ないのですが、
自分が幼少期009シリーズをあまり
好きになれなかったのは、この006〜008に
魅力を感じられなかったからであります。

自分の肉体を代償に、岩をも溶かす
紅蓮の火焔が吐けてもなあ・・。
今回、意外と活躍。


◆サイボーグ007: グレート・ブリテン
特技。バイオによる変身能力。
旧作ではアタマがハゲのまま胴体がトカゲに
なったり・・これもあんま嬉しくない能力。
紳士の国(とされる)
イギリス人である必要性ゼロである。
今回は変身能力を”周辺風景に溶け込む”力と
して活用、イギリス人=スパイとして活躍。
MI6(イギリスの情報機関)の許しが出たら
合流する、と言い残しつつも失踪。


◆サイボーグ008: ピュンマ
特技、深海活動能力。話としてなかなか
活躍の場を出しにくいよな。
いかにも”黒人”ってことで、ちびくろサンボ
を潰しにかかった左巻き団体が、口角泡立てて
クレームつけそうなデザインから
これまた現代風の黒人さんにモデルチェンジ。
もっとも真相に近づきながら、もっとも早く失踪。
なんだそりゃぁ。


◆サイボーグ009: 島村ジョー
特技、加速装置、主人公。
声が宮野真守氏。ウルトラマンゼロである。
設定では001〜008までのノウハウを
すべてつぎ込んだ、00ナンバーサイボーグ
では”最強”ということらしい。
来るべき時に備え、3年ごとに記憶をリセット
しつつ、延々と高校生活を送らされて来たとか。
コールドスリープでもさせとけばよかったのに。
加速装置発動スイッチは奥歯にあるらしく
俺の子供の時には、奥歯をかみしめながら
加速そうーち!!」なんて言えないよな、と
うそぶく、アホ餓鬼でございました。
全能力を使ってやっていることは
核爆発から逃げること。シャカシャカ。


でもフランソワーズの黒下着(←まだ書いてる)と
各ゼロゼロナンバーサイボーグの
現代的活躍が堪能できただけでも良しとするかな。

その辺は日進月歩のCGということもあって
話は抜きにしても何度でも見たくなるシーンです。

2012/日本 上映時間107分
監督・脚本:神山健治
原作:石ノ森章太郎
音楽:川井憲次
キャラクターデザイナー:麻生我等
絵コンテ:青木康浩、林祐一郎
アニメーションディレクター:鈴木大介
演出:柿本広大
リードアニメーター:植高正典
美術設定:渡部隆、滝口比呂志
美術監督:竹田悠介
色彩設計:片山由美子
撮影監督:上薗隆浩
サウンドデザイナー:トム・マイヤーズ
ラインディレクター:川端玲奈
制作プロデューサー:松浦裕暁
製作プロデューサー:石川光久
プロデューサー:石井朋彦

声の出演:
◆サイボーグ001: イワン・ウイスキー
(Ivan Whisky)
演:玉川砂記子(たまがわ さきこ)
◆サイボーグ002: ジェット・リンク
(Jet Link)
演:小野大輔(おの だいすけ)
◆サイボーグ003: フランソワーズ・アルヌール
(Francoise Arnoul)
演:斎藤千和(さいとう ちわ)
◆サイボーグ004: アルベルト・ハインリヒ
(Albert Heinrich)
演:大川 透(おおかわ とおる)
◆サイボーグ005: ジェロニモ・ジュニア
(Geronimo Jr.)
演:丹沢晃之(たんざわ てるゆき)
◆サイボーグ006: 張々湖
(Chang Changku)
演:増岡太郎(ますおか たろう)
◆サイボーグ007: グレート・ブリテン
(Great Britain)
演:吉野裕行(よしの ひろゆき)
◆サイボーグ008: ピュンマ
(Pyunma)
演:杉山紀彰(すぎやま のりあき)
◆サイボーグ009: 島村ジョー
(Joe Shimamura)
演:宮野真守(みやの まもる)

http://009.ph9.jp/staff/

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2014年01月11日

スリザー

「スリザー」

映画専門チャンネルムービープラスより。

題の「スリザー」には風邪薬とか
なんとなくマイコーをイメージしてしまう私。

ネット辞書Weblioによると
SLITHER
【動詞】 【自動詞】
1ずるずる滑る.
2ずるずる滑っていく.
【名詞】【可算名詞】
ずるずる滑ること.

いずれにせよ”ずるずる”が肝要なようで。

ゾンビ映画に宇宙人侵略映画、モンスター映画等々
古今東西のB級映画を観まくったと思われる人が
本気で作ってみたパロディー映画。
一応、意図的な笑いの場面は入れず
真面目なグロホラー映画の体裁ではあるんだが
この路線が好きな人には、パロディー以外の
何物でもなく、ただただ笑うのみ。
(”苦笑”ではなく、ホントの笑い)

その「観まくった人」とは
「ドーン・オブ・ザ・デッド」の脚本を手がけた
ジェームズ・ガン氏。
彼はこの映画で監督デビュー。

映画エイリアン的バイオ襲撃モノ、
物体X的スナッチものでありながら
ゾンビ映画エッセンスもある。
一粒で何度もおいしい。

あらすぢ
アメリカ南西部の田舎町で、隕石(いんせき)が
落下した日を境に、町では奇妙な連続事件が
起きていた。警察署長のビル・パーディ
(ネイサン・フィリオン)は、町の有力者グラント
(マイケル・ルーカー)の異様な変わりように
目をつける。森へ逃げ込んだグラントを
追い込んだ警官たちだったが、無数の未知の
生命体“スリザー”に口から侵入され……。

************************

いつものようにネタバレで行きます。

大きくて赤いナメクジのような化け物。
こいつが口から入って脳内に侵入。
人間は化け物と化す(以降繰り返し)。

いきなり被害者(グラント)の透視図から。
虫の侵入経路が一目瞭然。解りやす。

名作漫画「寄生獣」や映画「ブロブ」のオープニング
ガメラの敵怪獣「レギオン」の生態にも似てる。
とにかくその手の作品の「あ、あの状況・・
ってのが次々に出てくる。

グラント(ハゲ)は町一番の金持ち。
金に物を言わせて現夫人をモノにする。
とはいっても、奥さんも意に反して
結婚させられたわけでもなく、
実は玉の輿狙い。奥さんしたたか。
旦那も、けっこう真っ当に奥さんを
愛しているようで、DVとか浮気しまくり、
といったこともなく
また、金持ちになったプロセスにしても
これまで町の人の恨みを買っているとか
そんなこともない。

なんだ、いい奴じゃん
見た目はコワイけど。

一方、そんなグラントの奥方。
演じるはエリザベス・バンクス
若干トウがたってきている。
美人であるが、ノーおっぱいなのは
かなり残念な点。
キャスティングに猛省を望むところ。

そんなグラント(ハゲ)だったが、
夜のメイキンラブを一回断られてしまい
プンすか。そのまま夜の街へ飲みに行く。
そこで人生初(?)の浮気を敢行しようと
夜の森へ繰り出す・・のだが
この時モーテルでも選んどけばよかったんに。
金持ちはこういうところでケチるから
金持ちなんだろうな、と妙に納得。

状況が破綻してゆくプロセスは・・

・隕石から出てきたちっさい虫(母体虫)
 ↓
・町の有力者グラント(ハゲ)に寄生
 ↓
・グラントはメイン化け物になる
 ↓
・肉食って、葉っぱあつめて巣作り
 ↓
・グラントは自らの触手で尻軽女を襲撃
 ↓
・尻軽女は巨大な肉の塊モンスター化
(体内は「巨大ナメクジ」の養殖場)
 ↓
・破裂、ナメクジ大量発生、町の人に寄生
(寄生された人は、疑似ゾンビと化す)
 ↓
【今ココ】
・寄生ゾンビとは「グラント」に奉仕するために存在
(餌の搬入および希望者はグラント本体と
 ドロドロぐちゃぐちゃ一体化)
 ↓
【予定】
・いずれは全地球生命体が「グラント」モンスター化

グラント(ハゲ)モンスターは
何故か妻には手を出さない。
それは妻に「愛」を教わったから、と書けば
聞こえはいいが、要するに
モンスターは妻に「ドウ×イ」を
奪われてしまったからのようだ。
オリジナルのグラント意思は
母虫に寄生された段階で消滅した模様。
しかし虫には生前のキオクが継承され、
その中に「奥さんを大事にしよう」と
いう意識もあったらしい。

エライじゃん。グラント。
で、奥さんはダンナがいつもとちょっと違うナ
と思いながらも、昨晩のお詫びも兼ねて
かなり盛り上がっちゃう。

さ、ここでセクロスの素晴らしさを
知ってしまったグラントモンスター・・。
「人の世に愛があーる
 人の世に夢があーるぅ〜」


長いこと宇宙を放浪し、かなりの生物を
殺戮、吸収してきたハズなのに
意外に経験不足、ウブなんですな・・。
笑える。

そして状況打破を期待したい主人公の保安官。
彼、若くして田舎警察署長に就任。
この保安官、じつはグラント奥さんに
フラれた(彼が堅物すぎたのと
グラント奥さんが玉の輿を選んだため)
経験をバネにして出世。

で、この保安官、
頼りになるやらならないやら。
なにかってーと、救急車呼びすぎ。
いわゆる「正常性バイアス」が
強く働いてしまっているってことでしょうか?
あんなドロドロぐちゃぐちゃ&ゾンビだらけの場に
「救急車」呼んだところで
どうにもならんでしょうに。

その思考硬直性が奥さんにフラれる原因なんだよ。

途中からヒロイン(奥さん)が豹変する。
思わず周囲がつぶやく・・「女って怖い
ホントだ。

なぜこの人が?みたいなキャラ(ジャック)が
結構しぶとく生き残っていたりして、
そんな程度で観劇者の意表を突いた
つもりなんだろうか?

監督は、シャワーシーンに
グラント奥さん女優(この時32歳)では
さすがに厳しい・・とでも思ったのか
ティーンエイジャーを、もう一方のヒロインに用意。

「大草原の小さな家」を地で行く「農家の娘」
パパ、ママ、双子の妹は全部ゾンビ化。
双子の妹の迫真ゾンビ演技に少々困惑したり。

ティーンエイジャーは最後まで生き残るが
この彼女、途中で何度か寄生されそうになり
理屈は分からんけど、スリザーと意識を共有、
彼らの種としての歴史を垣間見てしまう。
口から侵入しようとする巨大ナメクジとの死闘。
なんか、赤い恵方巻き食っているようだ。

そして・・。
エンディングロールは最後まで観ましょう。
ええ、期待を裏切りません。

息子には見せられないが
それなりに面白かった。

スリザー(2006)
SLITHER

上映時間 96分
製作国 アメリカ
公開情報 劇場公開(東宝東和)
初公開年月 2007/12/08

彼ら(スリザー)の侵略は、“口”から始まった。

監督: ジェームズ・ガン
脚本: ジェームズ・ガン
撮影: グレゴリー・ミドルトン
特殊メイク:
トッド・マスターズ
ダン・レバート
プロダクションデザイン:
アンドリュー・ネスコロムニー
編集: ジョン・アクセルラッド
音楽: タイラー・ベイツ

出演:
ネイサン・フィリオン/ビル
エリザベス・バンクス/スターラ
マイケル・ルーカー/グラント
グレッグ・ヘンリー/ジャック
ブレンダ・ジェームズ/ブレンダ
タニア・ソルニア/カイリー
ジェナ・フィッシャー
ロイド・カウフマン
ロレーナ・ゲイル

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2013年12月30日

首都消失

「首都消失」

新宿!新宿御苑!・・・永谷園
(べーしッ君より)

首都消失っていうとべーしッ君の
上記のネタがまず頭をよぎるジブン。

あらすぢ
ある日突然、首都・東京を覆った高さ2km、
直径50kmの巨大な“雲”。外部から一切の
連絡は行えず、中でいったい何が起きているのか
想像すらできない。判っている事は2000万人
という都民を飲み込んだまま、日本の中枢が
突如、機能を停止したという事だけだ……。

************************

まず・・映画が長い。
いちいちワンシーンが長い。
どうでもいいシーンに時間かけすぎだ。
後30分は圧縮できよう。



ある日突然、「雲」が首都圏を覆う。
ざっくりいえば環八に沿ってかな。
「雲」はあらゆる物理的アクセスを遮断し
生命が通り抜けようとするものなら
稲妻が走って「黒コゲ」確定。
装甲車も「電子機器」があっさりとオシャカになる。

原因究明と事態打開に乗り出すのは
「北斗電気」なる民間の電機メーカー。
ここのアツイ技術部長(演:渡瀬恒彦)が
勝手に使命を感じ、事態の収拾に乗り出す。
政府や自衛隊はほとんど何もしない。

国がひっくり返りかねない「原発事故」を
未だ、すちゃらかイチ民間企業
(退職者続出なんで、課長職以上に
 一律10万円を支給したという
 あのアホ企業です)に任せきりな
我が国の現在が
この時代に見事にシミュレートされている
・・ようだ。

「新宿!新宿御苑!」
とP‐3C上から叫ぶのが
芸能界最強伝説にして主人公の渡瀬恒彦氏。
あのシーンは当時さんざんTVCMで流れました。
「雲」のわずかな切れ間からセンサーを投下。
雲の中が一体どうなっているのか
確認しようとする大事なシーンであります。

技術部長、渡瀬恒彦さんには、
高校生の娘がおり、雲の中には離婚寸前の妻がおり
さらには今回の騒ぎで知り合った美女
名取裕子(こちらはすでにバツイチ)が居る。
サミシイなあ、この女にすがっちゃおうかな・・
いや主人公としてそれはどうだろう。
離婚寸前といっても妻は妻だ、
そんな葛藤がダラダラと。

北斗電気顧問、つくば大学教授
「大滝秀治」博士
彼の発案で、つらい時期だが息抜きも必要と、
博士の定宿らしいとこで
主人公周辺一同のささやかな宴会が開催される。
ここで恒彦氏の娘は酒に手を出す。
女子高校生の飲酒シーンだ。
たしなめる周囲に
「少しくらいいいだろう。
 彼女たちだって疲れているんだ、ええ?」

とは「大滝秀治」博士の言。
そんなもん?緩やかな時代だなあ。

(今話題の「風立ちぬ」に
 タバコをいいように描きすぎと
 日本禁×協会とかいうバカモノども
 抗議したようだけど、ジブリ作品だから
 擁護するわけじゃない。
 ああいう組織がなんでもかんでも
 我が物顔でクレームつける姿勢が
 気に入らない
のだ)

「大滝秀治」博士は言う。
「我々の時なんか戦後、東京・名古屋・大阪・・
 日本全部が焼け野原だったのにここまで来た。
 それに比べたら東京が無くなっただけだ。
 大丈夫、お父さんや私の世代が
 きっとなんとかしてみせる」

首都が消失しても
日本人や国が消失したわけじゃないから
まだ頑張れると。なるほど団塊世代はしぶとい。

東京への一極集中がひどいと
いわれるようになった80年代
もし「首都」が無くなったら
残された日本人はどうするだろうか?という
シミュレーション描写がメイン。
だから「雲」の原因は最後まで不明。
宇宙人の地球調査センサーなんだとか
小説には書かれているようだけど。

大阪人が
「やったー! 太閤はん以降、
ようやく大阪が主役に返り咲く時がきたでえ!

とか叫ぶのに、他県の知事は
そうはさせじ、と足の引っ張り合いをしたり
政界を引退した大物政治家OB(丹波哲郎)が
(「前民主党幹事長」w)
フタを開けてみたら全然使い物にならなかったり
ミンス、ダメダメまでシミュレートしていたとは。

一方、アメリカも冷戦まっさかり。
ニッポン人が必死で取ってきた「雲」データも
SDI計画(別名:スターウォーズ計画、
その言葉すら懐かしい)に転用すべく隠ぺい。
更にこの際だから日本を信託自治領にしたくて
軍事介入のシオを狙っていたり、と
とにかく国際社会も頼りになりません。

画面に、丹波哲郎、大滝秀治、渡辺文雄
このお三方が収まってるシーンがありまして
ビジュアルを見れば
何かやってくれそう・・と「頼もしく」見えますけれど
お三方とも物故者ですよ。
嗚呼、昭和は遠くになりにけり

TV報道部長役に財津一郎
映画で彼にスポットが当たるたび
財津さんの「つるつる頭」からイン。
シワのよった頭がちょっとキモチ悪い。
報道機関なんで、映画の展開が変わる情報
(台風直撃、米ソ軍の動向、「雲」の動き等)は
まず彼のもとに集まってくる。
必然的に彼のハゲ頭が画面に大写しだ。

山下氏演じるTVディレクター。
いちいちムカつく言動ばかり選択
元恋人の名取裕子にたしなめられると
一瞬だけ静かになる男を熱演。
彼、演技がクサくって昔からニガテだ。

「雲」の境目ギリギリのところで
野外フェスにいそしむロッカーたち。
雲の見物客のために屋台まで出現する始末。
「事態の深刻さがわからず
 騒ぐネタにしか思っていないらしい。
 全く最近の若い者は・・」
そう思って山下がロッカーを注意してみれば
ロッカーは視覚障がい者だった。
「雲の向こうの友人に俺の音よ届け―」
とばかりに野外ロックに励んでた様子。

なんか注意したほうが急に
「悪い人」のような奇妙な空気に。
それがどうした、障がい者ならいいのかよ?
という気もする。
演ずるは松村冬風氏。
誰だこの人?とググったら「一世風靡セピア」の
一人でした。ギバちゃんや哀川翔のお仲間。

他に渡瀬恒彦の部下の一人に岸部一徳。
まだこの頃は自分の演技を確立していない
時代らしく、セリフも棒読み。
そんな彼の奥さん役がこれまた棒読み
演ずるは海老名みどり。
彼女なんかホントどうでもいい役

あやしい関西弁を話す商社マン役に津村隆。
「元地球防衛軍(ZAT)のエリート」だったのに
こんなところで株価の話ばっかりしている。
「時節をわきまえず儲け話ばかり話す男
 =関西人」
ってイメージは
こういうステレオタイプがメディアを通して
長い年月の間に浸透しておこるものなんだと思う。
禁×協会より関西人さんこそ
こういうものに怒るべき。

で、まあいろいろありましたけれど
問題の雲は「電磁波」で
なんとかなりそうだと。
実は北斗電気で渡瀬恒彦氏が
離婚危機を招いてまで熱中していたもの。
それはリニアむけ「電磁発生装置」の
研究開発だったのでした。
社外秘の「電磁波発生・むっちゃスゴイ機械」
(たぶん「超電磁ロボ」にも
 転用しようとしていたに違いないのである)
を日野のエンブレムも眩しい民間トラックに搭載する。

このトラックがまた・・色だけはオリーブドラブ
なので、辛うじてミリタリーっぽいが
運転席は一般車そのまんまのガラス。
世のゾンビ映画にあるように
せめて鉄の角材を溶接するとか
あるいは自衛隊の73式装甲車にでも
搭載すればよかったのに。
やっぱ国は全面非協力だった模様。

てなわけで、衆人注視の中
1号車、2号車とも北斗電気の技術者が
乗り込んで「雲」に突入を開始する。
機器の操作もあるだろうから
エンジニアが乗り込むのは仕方ないが
運転手こそ自衛隊員にやらせるべきだろう。

ところが突入作戦は
急激に雲の状況が悪化したので中止になる。

「くそー、何が何でも
 妻をすくいだすんじゃぁ〜」

ヤケになった渡瀬恒彦は1号車に乗り込み
突撃を敢行する。
どうやらこのトラック。気合を込めて
ハンドルをがっちり握りしめるほどに
頑張ってくれる仕組み
のようだ。

でも結局、渡瀬氏は失敗。1号車ごと
スタートラインに吹き飛ばされてしまった。

「今度は俺の番だ!」
と山下氏。
いや、違うから。
誰も君の番だなんて言ってないから。
彼は唯一残った2号車トラックで吶喊する。

「うおおおおお・・・」
気合と涙で何とかなるのは
スクールウォーズだけ。
やめろよ、お前単なるTVマンだろ。
日本に二台しかない改造トラックに
素人が乗り込んだって壊すだけ
じゃんか。
更に事態の悪化を招くだけだろ。

そして期待通り自爆。
トラックは昭慶バクハツ
・・なのに顔がススで汚れる程度で
道端に倒れる山下さん。
あの爆発の中どんなトリックつかったんだ?

もうだめか・・そんな空気が流れだした頃
絶対遮断されてたはずの雲のむこうから
一匹の小犬が迷い込んでくる。
結局、トラックが役に立ったのか立たなかったのか
それすらよくワカラナイ「活躍」だったが
なんと雲が晴れてきた。

山下氏ドヤ顔で、名取裕子も
取り返したからグッドエンディングなんかな。

あ、あと「あさりよしとお」の漫画
宇宙家族カールビンソンにもパロディーがあった。

改造トラックには「竹やり」を装備。
まんがでの雲の正体は
「お父さん」がお遊びで用意した
巨大なザルでできたバリヤー。
ザルには電気と磁力が流れるが
基本は”綿”だった・・ってオチ。



首都消失
監督 舛田利雄
脚本 山浦弘靖/舛田利雄
原作 小松左京 製作 徳間康快/村上七郎

音楽 モーリス・ジャール
撮影 飯村雅彦
編集 谷口登司夫
製作会社
関西テレビ/徳間書店/大映映画
配給 東宝
公開 1987年1月17日
上映時間 120分

出演者
渡瀬恒彦 - 朝倉達也(北斗電機技術開発部長)
名取裕子 - 小出まり子(フリーキャスター)
山下真司 - 田宮洋介(関西放送報道部員)
石野陽子 - 松永美恵子(女子大生。北斗電機バイト)
大滝秀治 - 大田原権造
(筑波大学電子工学教授<物性物理学>北斗電機技術顧問)
夏八木勲 - 佐久間英司(航空自衛隊二等空佐)
財津一郎 - 川村(関西放送報道部長)
ザ・ぼんち・おさむ - 小山(関西放送報道部カメラマン)
津村隆 - 浦部(32、商社マン)
松村冬風 - 松尾豊(20、学生)
江角英明 - 竹田(北斗電機研究所員)
岸部一徳 - 安原(北斗電機研究所員)
並木史朗 - 吉武(北斗電機研究所員)
星正人 - 北斗電機研究所員
苅谷俊介 - 森田(関西放送報道部員)
平泉征 - 和田(関西放送社会部デスク)
宮内洋 - 関西放送外信部デスク
平淑恵 - 朝倉由美子(朝倉の妻)
濱田万葉 - 朝倉佐和子(朝倉の娘)
三木のり平 - 木村松吉(双子の祖父)
浅利香津代 - 木村光子(双子の母)
海老名みどり - 安原敬子(安原の妻)
加藤治子 - 小出梅子(まり子の母)
青木義朗 - 末富海将
児玉謙次 - 荒木空将補
相馬剛三 - 谷崎陸将補

ドン・ノード - ローガン准将(横田基地司令官)
ジョー・グレイス - グレイス中佐
デビッド・ワインバーグ - フォード大佐
クリスティン・マレン - ローラ中尉
ジェリー・L・インマン - バーナード博士
トム・キロー - EP3E(アメリカ海軍哨戒機)機長

不破万作 - 国鉄東海道新幹線車掌
山本亘 - 城南医大・久保教授
丹波義隆 - 駿河テレビディレクター
うえだ峻 - 関西放送取材ヘリ・パイロット
安井昌二 - 大槻駐米大使
田口計 - 植草駐英大使
入江正徳- 北海道知事
梅野泰靖 - 愛知県知事
尾形伸之介 - 鹿児島県知事
久遠利三 - 福島県知事
河合絃司 - 兵庫県知事
竜雷太 - 堀江(外務省国際局次長)
渡辺文雄 - 小室達夫(大阪府知事)
石橋蓮司 - 三好大一郎(郵政大臣秘書)

丹波哲郎 - 中田代議士(前民主党幹事長)
清水大敬、浜田晃、毛利八郎、
飯島大介、大塚国夫、栩野幸知 ほか

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2013年11月14日

THE LAST MESSAGE 海猿

「THE LAST MESSAGE 海猿」

なんだかんだ書いちゃったけど
この海のサルシリーズ。
第一作のチビノリダー死亡作〜
第二作、豪華客船沈没作〜
(脱出のタイムリミットと戦ってんのに
 煙突のなかで「愛を」携帯で語る駄作)
そして第三作のこれ。

なんかその昔(2008年)
『252 生存者あり』なる映画でも
伊藤英明氏がレスキューしてた気がするんで
あの映画も「海猿」シリーズなのかと
勘違いしていたんだけど
あっちはまったく別物。
海上保安庁じゃなくって
消防庁のハイパーレスキューが舞台。
紛らわしいな。まったく。

あらすぢ
日韓露が関わった国家規模の重要プロジェクト
として福岡沖で稼働する巨大天然ガスプラント
施設“レガリア”で火災事故が発生。折しも
大型台風が接近、一層の緊張が高まっていた。
その現場へ、仙崎大輔、バディの吉岡哲也ら
海上保安庁救難隊がレガリアの設計主任・
桜木と共に駆けつけ、すぐさま救出作業を開始。
だがそのさなか、突然爆発が起こり、大輔たちは
レガリア内に取り残されたうえ、逃げ場を
失ってしまう。そんな彼らを救ったのは、
第七管区機動救難隊の服部だった。しかし、
現場は依然としてヘリも船も近づけない孤立状態。
大輔は妻の環菜と生後間もない長男への思いを
胸に、服部とバディを組んで帰還する方法を
模索していくのだが…。

************************

7歳の息子が(意外なことに喜んで)観てた。
自分は途中から。
なんか映画パトレイバー第一作みたいだな、とか
そんなことを思いながら。

相変わらず大活躍な仙崎隊員(演:伊藤英明)

確か、第一作では潜水士教員(演:藤竜也)が
「お前たちはなぜ潜水士に志願した?
 潜ってもいいことなんてほとんど無いぞ。
 自分が現役時代、24回現場で潜ったが
 生きていたのは2人だけだ」


なんてカッコよくも恐ろしいセリフを決めていたが

仙崎隊員のいるところ、派手な現場ばかり。
名探偵コナンのいるところ殺人事件ばかり、
ひょっとしたら、すべての原因はアンタにある?
教官のおっしゃる通り、大概は
「ドザエモン」がお相手。
第二作でもこの第三作でも
事故現場にて美人さんにお会いしますが
基本、そんなこと期待しないほうが
無難なのでしょう。現場の真実とは。

映画を作るにあたって
仙崎隊員の日常生活、訓練→任務→日常を
延々と描写しても仕方ないことですし。

で、今回は日露韓で共同開発した
海底ガス発掘プラント(パトレイバーで
いうところの「箱舟」みたいなものです)
にて事故発生。
いろいろあって、仙崎隊員と別の部の隊員
設計者1名、女医1名、労働者1名が
取り残される。
そこへ台風が直撃。
ヘリも飛ばせない通信途絶時間がやってくる。

別にフツーならば台風一過までの残り時間、
何てことないけれども、ここは事故現場。
一筋縄ではいかないイベントが
わんさと待ち構えておりまして・・。

また、仙崎隊員の奥さん(演:加藤あい)も
第二作と第三作の間に
未熟児ながら長男を出産。
(なるほど、彼女、スレンダーだもんな〜
 と不思議に変なところに納得。ゴメン)
その長男も父親不在中に原因不明の
熱をだし、加藤あいは夜の町をオロオロ。

ま、そんな感じ。
各イベントは仙崎隊員を休ませない。
空いている時間に、しゅんせつ船内部
(のドリルみたいな奴)に進入して、
火事の原因となるガス泥の吹き出しを止める。
それだけのガンバリを見せながらも
ガス発掘プラント“レガリア”の
ガス爆発は時間の問題となる。

アドバイスとして仙崎隊員に同行し
トラブルに巻き込まれた
レガリア主任設計者(演:勝村政信)
彼は自らが作り出した最大の作品
「レガリア」をグーグルアースから
眺めるのが楽しみ
なんだとか。
その気持ちわかるなあ。
さる帝国海軍の空母の艦長は
自らの船が沈めた敵艦の写真を
眺めるのが趣味
だったとか聞くし。

台風が過ぎ去りつつあり通信回復。
仙崎隊員の状況報告をもと
ようやく現場の状況をつかみ始めた
本部のプロ達(この場合の”プロ”には
何故か政治家と官僚は含まれないのだ)
が検討した結果、生き残りたちを
しゅんせつ船に移すと共に
仙崎隊員を“レガリア”の最深部に進入させ
キングストン弁(自沈装置)を
作動させるのがベター、と意見がまとまる。

爆発したら、しゅんせつ船も吹き飛んじゃうが
沈めれば火は消えるか
せめて生存者だけでも無事、というスンポー。

これを聞きつけ
ちょwwwおまwwww
エリート官僚(演:鶴見辰吾)が大慌て。

「(残留している)彼らは、
 1500億円をふいにしてまで
 救うにあたうる人間なのか?

と言ってはならない言葉を口にする始末。
(高校聖夫婦のくせしてさ)

海猿たちの大将、指令本部の山猿
(劇中ではそう呼称してません。
 時任さん、ごめんなさい。見たまんまです)
下川ー(演:時任三郎)隊長が反駁する。
「自分には、あなたのおっしゃる意味が
 理解できません!」

で、仙崎隊員はなんとか任務達成するも
帰路に骨折、身動きが取れなくなる。
「お前だけでも行け、行くんだ!」
「置いてなんかゆけません!!」
のやり取りが続く。

台風一過の青空のもと
満を持して生存者たちを救いに急行する
海上保安庁のヘリと海猿たち。
「この人たち・・繋がってる」と吹石女医が呟く。

仙崎隊員がエース級であるのと
バディーとしての繋がり、
海上保安官のシーマンシップ
仲間を思う気持ちは解らんでもないけど、
彼一人のために、十数人がヘリから
ダイブってのは
さすがにやりすぎでしょう。
二重遭難になりかねないよ。



なお「REGALIA」とは 【名詞】
1王位の象徴,即位の宝器
2(官位などの)記章,勲章.
3(官位などを示す正式の) 衣服; 華美な礼装
だとか。

そういやPONが
映画「ポセイドンアドベンチャー」を観て
ジーンハックマンのかっこ良さに
シビれたのも7歳の時だった。
うちの息子が喜んでみていたのも
無理ないか。

スタッフ
監督 羽住英一郎
製作総指揮 亀山千広
プロデューサー 臼井裕詞 安藤親広
原作 佐藤秀峰
原案 小森陽一
脚本 福田靖
撮影 佐光朗
美術 清水剛
編集 松尾浩
音楽 佐藤直紀

キャスト
伊藤英明 仙崎大輔
加藤あい 仙崎環菜
佐藤隆太 吉岡哲也
加藤雅也 桜木浩一郎
吹石一恵 西沢夏
三浦翔平 服部拓也
濱田岳 木嶋久米夫
香里奈 松原エリカ
勝村政信 遠藤翔太
鶴見辰吾 吉森久貴
石黒賢 北尾勇
時任三郎 下川ー(いわお)

製作年 2010年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 129分

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2013年11月03日

ゼブラーマン

「ゼブラーマン」

NHK「あまちゃん」が好評のため
(我が家でも)
クドカン再評価ブーム到来。

CSではクドカン作品が結構
頻繁に放映されている。
これもその中の一つ。
もう8年くらい前の映画。
当時は表題見ただけで見向きもしなかった。

「みんな狂っているんです。
 でも生きてゆかねばならない」


あらすぢ
舞台は2010年。生徒からも家族からも疎まれる
冴えない小学校教師市川新市は32年前に
低視聴率で僅か7回の放送で打ち切りとなった
特撮テレビ番組「ゼブラーマン」に登場する
「白黒つけたぜ」が決め台詞のヒーロー・
ゼブラーマンのコスプレという特異な趣味を
持つ。

その頃、市川の住む八千代区で、地球征服を
目論む宇宙人による奇妙な事件が続発。
ひょんなことから市川は憧れのゼブラーマンに
扮しその宇宙人と戦うことになるのだった。

************************

中2病を発症している中学生が
(⇒クドカンのことですハイ)
真面目に書いた脚本を
これまた忠実に映画化!というようなそんな映画。
「哀川翔主演100本記念作品」であるらしい。
が、そんな設定からしてもうオカシイ。

スッとぼけた設定。
基本は「金のかかったコント」なのに
どこか設定が生々しいという不思議な映画。
いじめ、援交、不倫などもあるし、
ヒーローがいてもいなくても
フザケタ外見の宇宙人の攻撃で人は死ぬし
そして死んだ人間は二度と還ってこない。

ああ、クドカンはマーズアタックとか
ティム・バートン監督が大好きに違いないのである。
そしてティム・バートン監督も
ゼブラーマンのことを大いに気に入ると思う。

このひと(クドカン)
真面目に仕事しているんだろうか?
こんなシナリオを書いてしまい
それが曲りなりにも採用、作品化されてしまう
今のニッポンをナメたりしないだろうか?
など要らぬ心配をしてしまう。

それにしても鈴木京香がスゴイ。
妄想(夢)の中とはいえ
「ゼブラナース」
胸の谷間が!谷間が。
寄せて作ったにしてもだ。
これは2004年の映画。
このとき彼女ン才?
(彼女1968年生まれだそうな)
事務所もよく出演を許可したなぁ。



防衛庁特殊機密部
(ネーミングからして隠す気ゼロwだ)の
渡部篤郎が乗り回す車。
怪しいガラクタがてんこ盛りの商用車。
その名も「チロリアン」(笑)
彼はブツブツいいながら
それでも上司の命令で仕方なく
八千代区の騒動を追っかける。

八千代区はもちろん架空の場所だが
横浜の山の方、ということで
画面に出てくるは「横浜線」だ。
仕事柄「横浜線」沿線になじみのある
PONは急に仕事を思い出してしまって少々幻滅。

バイオハザードシリーズを振り返るまでもなく
パニックを無理やり解決するには
街にボムを落っことすのが常套手段。
「中性子爆弾」にはご丁寧にも「MADE IN USA」と
書いてあったり

それと忠告。垂直離陸せんとする
ハリアーの真下に居るなよw
「あちッ」どころじゃ済まないぞ。ホントなら。

ツッコミどころばっかりだけど
ツッコむのは野暮天でしょう。
あまりにおバカすぎて
いつの間にか「ゼブラーマン」を
応援している自分
がいる。
ご都合主義とか
もうそんなレベルで観てはいけない映画。
真面目にみちゃいけないのです。

最後は正義の「ペガサス」に変身。
シマウマがベースだからシマシマのペガサスだ。
なぜコスプレに過ぎなかった
ゼブラーマンが本物の能力を持つに至ったのか?
信じれば、努力すれば
空を飛べるまでになってしまう彼の姿に
我々はめまいにも似た感動すら
覚えてしまうのである。
ウソだけど。

理屈じゃないんだ、
理屈じゃないんだったら。

信じれば夢はかなう
Anything Goes!


ゼブラーマン
監督 三池崇史
脚本 宮藤官九郎
製作 岡田真、服部紹男
製作総指揮 黒澤満、平野隆

出演者
ゼブラーマン / 市川新市:哀川翔
ゼブラナース / 浅野可奈:鈴木京香
浅野晋平:安河内ナオキ
市川みどり:市川由衣
市川幸世:渡辺真起子
市川一輝:三島圭将
瀬川:近藤公園
放火魔:徳井優
スーパーの買い物客:田中要次
一本木:内村光良(友情出演)
ニュースキャスター:麻生久美子(友情出演)
スーパーの店員:袴田吉彦(友情出演)
駄菓子屋のオヤジ:古田新太(友情出演)
カニ男 / 北原:柄本明
神田:岩松了
目黒国治:大杉漣
及川:渡部篤郎

音楽 遠藤浩二
主題歌 『日曜日よりの使者』
THE HIGH-LOWS
撮影 田中一成
編集 島村泰司
製作会社 セントラル・アーツ
配給 東映
公開 2004年2月14日
上映時間 115分
製作国 日本

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2013年10月25日

ザ・フォッグ(2005)

「ザ・フォッグ(2005)」

CSで放映していたので録画観賞。
当たり外れの激しいカーペンター監督
作品の中で評判がいいとされる
「ザ・フォッグ」のリメイク。
とはいえ、前作も観ていないPONでありますが。

こういう映画では、社会的に疎外されている人
(浮浪者とか)が真っ先に不吉な予兆を察知するもの。
人間社会のすみっこに追いやられているからね。
(気が早いと早々に犠牲になる)

で、この映画でも海岸をウロウロしている
浮浪者がなんか異変を察知(謎の刻印を拾う)する。
でも警告したいからというよりも
みんなに構ってほしいから、という感じで
主人公たちにいきなり声をかける。

でも変なジジイが、町の異変を入手しても
”はいはいそうね”と軽くアシラワレテしまい
けっして「警告」には結びつかない。
むこうでも、いわゆる「浮浪者」なんかは
”わが町の名物じーさん”として認識されつつも
かるく無視されたりする様子。

そんなじいさんが主人公どもにこんなことを言う。

「浮き荷と投げ荷の違いは
 がらくたか、放置されるだけの違いだ・・」


意味がよくワカラナイのだけど
ネットで検索すると
「flotsam and jetsam」とあり、

(1) 浮き荷と投げ荷
《海中に漂う貨物と海辺に打ち上げられた貨物》
(2) がらくた, くだらないもの
(3) [集合的に] 浮浪者

なんだそうだ。
なんだろ?西洋のことわざか何かが
関係してくるところなのかもしれないが
自分にはよく解らんです。
どっちも荷物じゃないんか??

あらすぢ
ジョン・カーペンター監督による80年製作の傑作
ホラーを、人気若手俳優を起用してリメイク。
平穏で小さな町が生誕100周年を迎えた夜、
霧の中から怨念と憎悪に満ちた死霊たちが現れる。

静かで平和な港町アントニオ・ベイ。生誕100周年を
迎えた夜、町が濃く深い霧に覆われる。そして
その霧から憎悪に満ちた死霊たちが現れ、
町の人々を次々と惨殺していく…。100年前の
怨みを晴らそうとする死霊たちの恐怖を描く。

************************

舞台はアメリカの港町。田舎町といえど
地方の中心都市になっているが
ここまで大きくなるには
いろいろ後ろ暗いことがあったみたいだ。

「親の因果が子に報い〜ベンベン」って奴。

しかしそれは「逆恨み」というものですよ。

よしんば、100年前の町の開拓者が
悪行を重ねて今の町の繁栄があるとしても
その子孫はいざ知らず、のちに難も知らずに
住み着いただけの住民にまで
ウラミの矛先が行くというのも・・。

まあ相手は積年の「怨念と憎悪」に
充ちた物の怪。
その町に住んでいる人間ならただそれだけで
「ああ、恨めしい・・殺してやる」という
困った思考で、はなから理性など
吹き飛んでいる連中なんだとすれば
オカシクありませんか・・。

ホラー映画で異性と青春を謳歌する奴らは
ほぼ真っ先に殺される、というのはもはや
テッパンでありますが
最初の犠牲者は、海上でよろしくやってる
ガイドの黒人男と白人男
+身体ばっかりケシカラン成長を遂げた女性ども。

黒人なんか、霧(モノノケ)の向こうに
姿を消すのに、なぜか冷蔵庫の中で助かります。
霧は、密閉空間には侵入できないから
助かったということらしいが
誰かが生き残らないと、一行がヒドイ目にあった
理由がオカに伝わらないから
生き残るキャラも必要だった、という
製作者側の理由があるようです。
もっとも冷蔵庫に半日以上潜んでいたら
死んでいますよ普通。
物凄い持久力だな黒人。
貴君が一番化け物じみている。

さあ、モノノケ(霧)が大暴れ開始。
でも、ローカルFM局のDJママの
クソ餓鬼が殺されないのに、
留守番を務める呑気なばーちゃんが、
映画中一番悲惨な形で死亡するってのは
いかがなものか。

かく非常時に、好き勝手なことをする
クソ餓鬼。こんな奴、死んでしまっても
構わないと思うのだが生き残る。
こうなったら、ウラミ骨髄。
”ばーちゃん”こそ悪霊として蘇って
悪の霧から町を守ったれ。
その方が面白い映画になりそう。



ネタバレしますと。

悪の霧の正体は、100年前に
この町を訪れた移民船の人々。
移民船は結構な小金もちだったので、
当時の町の人々は、彼らの財産狙いで
船の人々を惨殺、財産は町ぐるみで着服。
財産はその後の町の発展に役に立った、
という黒歴史。

足を踏んだ方はスグに忘れてしまっても
踏まれた方は決してその痛みを忘れない、
とか申しますが。
移民船の怨霊は100年後に復活。
霧という形となって住民に復讐を開始したのだった。

が、めんどくさいことに、その移民船の
船長の奥さんだけは、この町に生まれ変わり
そんな前世をまったく気にせず暮らしていた。
最終的に怨霊たちは、船長の元奥さんの魂をもつ
ヒロインを覚醒させ、悪霊側に引き入れることに成功。
船長は満足したみたいで、状況終了。
撤退していった。なんなんだ?それ。

よくわからないシーンが一点。
主人公どもが乗り回してたピックアップトラック。
町中を走行中、窓ガラスがいきなり割れるのだが
どうしてなのか?
謎の神父が車を停めようと石でも投げたのか?

ザ・フォッグ
The Fog
監督 ルパート・ウェインライト
脚本 クーパー・レイン
製作 ジョン・カーペンター
デブラ・ヒル/デヴィッド・フォスター
製作総指揮 デレク・ドーチー
トッド・ガーナー/ダン・コルスラッド
音楽 グレーム・レヴェル
撮影 ネイサン・ホープ
編集 デニス・ヴァークラー
配給 ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント
公開 2005年10月14日
上映時間 100分
製作国 アメリカ合衆国/カナダ
言語 英語

キャスト
ニック・キャッスル/演: トム・ウェリング
エリザベス・ウィリアムズ/演: マギー・グレイス
スティーヴィー・ウェイン/演: セルマ・ブレア
スプーナー/演: デレイ・デイヴィス
トム・マローン/演: ケネス・ウェルシュ
マローン神父(ロバート)/演: エイドリアン・ハフ
キャシー・ウィリアムズ/演: サラ・ボッツフォード
アンディ・ウェイン/演: コール・ヘッペル
キャプテン・ブレイク/演: ラデ・シェルベッジア
マンディ/演: ソニア・ベネット

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2013年09月27日

サバイバル・オブ・ザ・デッド

「サバイバル・オブ・ザ・デッド」

CSのムービーアルファにて放映。
なんだろ?ロメロ映画特集だったんかな。
この頃やたらとゾンビ映画ばっかり放映してた。

「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」の
姉妹映画。
てなわけでコレもジョージ・A・ロメロ監督作品。

あらすぢ
世界で死者がよみがえるようになって6日後。
デラウェア州沖、大西洋に浮かぶプラム島では、
死者は眠らせるべきと考えるオフリン一族と、
死者は生かしておくべきと考えるマルドゥーン
一族が対立していたが、数で勝るマルドゥーン側が
相手側リーダーのパトリック・オフリンら数名を
島外へ追放した。

それから3週間後のペンシルベニア州
フィラデルフィア。軍から脱走した元州兵の
サージたちは、とある集団を襲った際、
生き残った若者のボーイから「安全な島」の
情報を知らされる。

************************



うーん。
それなりに面白かった・・が
二度見するほどではない。
ロメロ氏が監督でなかったら
B級にしちゃそれなりによく出来た
ビデオ映画として上映もされず埋もれてゆきそう。

あらすぢにもある通り、追放された側の
オフリン一派は、外部から助勢を引き連れ
故郷の小さな島へ舞い戻ってくるわけだが・・
プラム島が舞台になった瞬間
めちゃくちゃ規模が小さいお話になってしまう。

今回、ロメロ先生がソンビ映画を通して
語りたかったのは・・おそらく

こんな状況になってもやっぱ人間はバカです
ってことと
ゾンビを飼い馴らすことは可能か?
という実験視線。

この二点。

地獄が現実世界になってしまうと
皆ただ生き残るのに必死で、
ヒーローになる余力のある奴などいるはずもなく。

この映画の主人公がかろうじて主人公なのは、
ここまで、必要以上には殺人をしてこなかった
という、ただそれだけ。それも「たまたま」

前作「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」の記事でも
書いたけれど、この映画の主人公ドモは
道中、通りかかった学生のバスから
生活物資を巻き上げるている。
その被害者の学生たちが、前作の主人公たちだったり。

シーンが唐突に浮いているのですぐ解るし
どちらかの映画しか見ていない人には
なに?今のシーン?で終了するあっさり感だ。
彼らにとって「日常」だからな。

脱走州兵たちが最終的に目指すことになる
デラウェア州沖の大西洋に浮かぶ「プラム島」。

島では大陸から移住してきた2つの家系が
勢力を持っていて
死者は眠らせるべき」=射殺しろと考える
オフリン家
死者は生かしておくべき」=病気の一種だから
いつか治る、と考えるマルドゥーン家

はっきり言って、両家の殺し合いに
発展するほど対立しなきゃならない話じゃないし
話がオフリン家側から描かれているのも
主人公とたまたま最初に接触したからにすぎず、
ゾンビ射殺論にしたって、仮にマルドゥーン家が
先に言い出していたら、じゃあ俺ら(オフリン家)は
反対、とゾンビ擁護派に回っていたと思われる。
そんな程度なのだ。どっちもアホ。

んで、監督はこの期に及んでも喧嘩をやめない
人間のアホさを描きたかった様子。
もはや趣味の”ゾンビ映画”を作りながら・・。

んで、趣味の方。
「ゾンビを飼い馴らすことは可能か?」
という実験視線。

島を追い出されたオフリン家リーダー老人に
連れてこられる形で主人公達が上陸する。
かつてのオフリン家の農場には
使用人たちがゾンビとなって
生前の仕事をただひたすらトレース動作している。
某TDLアトラクションの人形のようだ。

オフリン家リーダー老人はつぶやく。
「くそ、アイツらめ!
 ワシの農場をこんなにしやがって」


そこへいきなり馬が視界を横切る。
馬上には女性が乗っているようだが
様子がヘン。周囲には無反応で
ただひたすら馬に乗っているよう。
よく見れば、目が死んでいる。
ああ、娘だ

そう。本邦初公開。

騎乗するゾンビ!

ここ笑うとこ?

あにはからんや、実は物語の動向を
少しだけ左右する重要なシーンのようでした。
といいますのも・・

◆世のゾンビは人を見ると襲うバカばっか
 ↓
◆なのにオフリン家の娘(現ゾンビ)は馬に乗ってる
 ↓
◆彼女は乗馬が大好きだったな
 ↓
◆ってことは・・ゾンビに食欲以外の「趣味」
 (興味の対象)を与えれば
 人間を襲わなくなるのではないだろうか?
 ↓
◆ええっもしかして人類の未来に光明が?

不思議な観点もあったものであるが
脱走兵の立場なぞどこかへ
映画はいつの間にか
そんな話が焦点になってきました。

てなわけで選択肢は二つ。

if 娘ゾンビが馬を襲わない
⇒ゾンビを飼い馴らせる可能性あり

if 娘ゾンビが馬を襲う
⇒やっぱゾンビはバカ

以後、映画の人たちは、ゾンビの行動を注視しつつも
西部劇のように、島の牧場で意味不明な
射撃戦を繰り広げるのでした。

「お前らそんなことやっている
 バアイじゃないだろう?」

ひとことでいえばそうなりますかね。

ネタバレしますと、ラスト、ゾンビの皆さんは
「馬」を襲撃、生きたまま食べちゃいます。
・・なんと、ゾンビは人しか襲わないというのは
間違いでした。かつて、ゾンビは「犬」に
興味を示さない・・って設定の映画がありましたが、
アレ嘘だったんですね。

ダメじゃん。ゾンビ。やっぱ底なしのバカでした。

「”敵か味方か”の世界では−」
「どちらが正しいかは 水掛け論になる」


「戦いの原因は忘れ去られ
 最後は意地の張り合いだ」


・・ところがどっこい、島の有力者二人は
死んでもなお互いをやっつけることにしか
興味がないようで、フルムーンの下
弾の入っていない拳銃をカチカチ向け合う。

皮肉にも、強烈な思念を残してゾンビになった奴は
食欲よりも生前の行動を優先する傾向がある
ことも
また解ってまいりました。
ということは、ゾンビ娘は、死後に執着するほど
馬術が好きじゃなかったってことなのかも。

主人公はどうしたかと申しますと
生き残った少数で島を脱出、
また地獄へ戻って行きました
・・島でゾンビを掃討したほうが
まだ生き残る率が高いのでは?



サバイバル・オブ・ザ・デッド
Survival of the Dead
監督 ジョージ・A・ロメロ
脚本 ジョージ・A・ロメロ
製作 ポーラ・デヴォンシャイア
製作総指揮 D・J・カーソン
マイケル・ドハティ
ダン・ファイアマン
ピーター・グルンウォルド
アラ・カッツ
アート・スピゲル
ジョージ・A・ロメロ
パトリス・セロー

出演者
アラン・ヴァン・スプラング
ケネス・ウェルシュ
デヴォン・ボスティック
リチャード・フィッツパトリック

音楽 ロバート・カールリ
撮影 アダム・スウィカ
編集 マイケル・ドハーティ
配給 マグノリア・ピクチャーズ
   プレシディオ
公開 2010年5月28日
上映時間 90分
製作国 アメリカ合衆国
言語 英語

前作 ダイアリー・オブ・ザ・デッド

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2013年07月19日

スプライス

スプライスとは「結合」の意。
昔、映画秘宝か何かの紹介で
一瞬この映画のことが気になったが
また瞬時に忘れてしまった、そんな映画。

映画冒頭に出てくるジンジャーと
ブレッドなる人工生命体。
見た目はまんま、生きている男○器。
新鮮な「移植臓器」生産と
「食糧事情向上」のために作られたもの。
シュミ悪。
こんなものを作り出している時点で、
すでにこやつら主人公科学者カップルも
バイオ会社も「倫理観」と「芸術性」を欠く
人間的にもまったく心情を寄せることが
できないキャラが確定する。

なもんで終始、ああん?勝手にすれば?
という気持ちがぬぐえなかった。

あらすぢ
科学者であるクライブ(エイドリアン・ブロディ)
とエルザ(サラ・ポーリー)夫婦の2人は
法と倫理を無視して禁断の領域に踏み込み、
人間と動物のDNAを配合し、新種の生命体を
創造するという実験を行う。実験は成功し、
新生命体が誕生する。.

クライヴとエルザはその生命体にドレンという
名前をつけ、誰にもこのことが知られないよう、
秘密裏に育てていく。
ドレン(デルフィーヌ・シャネアック)は、
急速に美しい女性に成長する。.

しかし彼女の成長は止まらず、2人の想像を
はるかに凌ぐ、得体の知れないモンスターへ
と変貌を遂げる。クライヴとエルザは
ドレンを抹殺しようと考えるが――。

************************

ネタバレで行きます。

古典映画「フランケンシュタイン」を
ベースに
昔のイタリア映画「エンブリヨ」
「スピーシーズ」・・
まあ、あの辺が混ざった映画といったところか。
見世物小屋映画だ。

映画は、子供を育てる覚悟も資格もない
科学者カップルの間に、
いわゆる「障害」をもつ子供が
生まれてしまったときの
観察映画的側面を持つ。
ただ、このプロップをそのまま
映画にしてしまうと、自由な映画作りができないし
なにより、この監督が目指す先は
そんな人権教育お涙頂戴映画なんかじゃなく
「エログロ」モンスター映画なのでして
このような映画となってしまったようです。

「たまには僕の言うことを聞いてくれよ!」
とカップル男性側の声が切ない。
そんな声を聞く耳持つはずもなく
サラ・ポーリーは最後まで大暴走します。
ええ、期待を裏切りませんよ。この辺。

娘「ドレン」の名の由来。
「ドレン」の知能実験中、サラ・ポーリーの
来ていたTシャツの柄に
「NERD」(英語でオタクの意)と。
それを見た「ドレン」が文字カードを使って再現。
「DREN」となったもの。
これが日本語だったら「オタク」の反対で
「タク夫」といったところかな。

************************

ここでCS番組ムービープラスよりCM。
「オブザデッド」シリーズ4作一挙放送!とのこと。

「オブザデッド」シリーズとはゾンビ映画の巨匠
ロメロ監督のゾンビ映画
「ナイト」「ドーン」
「ダイアリー」「サバイバル」の4作品。

CS系統が我が家で観られるようになってから
全部観たや、これら。
いい時代になったのかどうなのか。

************************

ドレンは、1日が1ヵ月程度に相当するとのことで
最初は陸上を這うオタマジャクシみたいだったのに
やがてマクロスの「リガード」みたいになり
そのうち手が生え、首から上に頭もできて・・
デビルマンかシレーヌか
背中には収納自在の羽根があり
(興奮すると背中から生えてくる)
更にシッポの先には毒バリ。
足はダチョウのような逆間接だが
ボディーは成人女性。
顔は「田中麗奈」に「研ナオコ」を足した感じ。
なお、髪は最後まで生えてきません。

作り物かCGだろうと思ってたら
さすがにシッポや羽根なんかはCGだけども
ボデーや頭は女優が演じたみたい。
まったくもってスゴイ、その女優魂。

デルフィーヌ・シャネアック:Delphine Chaneac

女科学者役のサラポーリー。
昔より全体的に劣化しているのは否めない。

彼女にも問題の過去があり
実の親にさんざん折檻を受けた
アダルトチルドレン。
だもんで、周囲が意のままにならないと
(含む男性科学者)とにかくキレるし

だんだん言うこと聞かなくなるドレンに対しても
昔親から受けたとおり手ひどく折檻だ。
ドレンをセッカンするシーン、
その時のサラポーリーの眼は、
まんま「ドーン・オブザ〜」で
ゾンビとバトルしているときの彼女のそれだ。

自分を一瞬殺そうとした「ドレン」に怒り狂い
サラ・ポーリーは「ドレン」を拘束。
麻酔なしでシッポ切りを敢行する。
中途半端なしっぽ切りをするんじゃない。
やるなら全部切れよ。
(多分すげー生命力なんで、切っても
 スグ復活したでしょうが)

「二人とも混同してる、善と悪を」

倫理観の欠如している科学者夫婦の
これまたその背中を見て育つ子供。
元々モンスターなんだから、
(面白いから)猫は殺すは、性にタブーはないわ・・。

お父さんも、娘(ドレン)に誘惑されるや
すぐパンツ脱いじゃうし、ダメダメじゃんこいつら。

そこをサラ・ポーリーが目撃する。
状況破綻に見事なダメ押し。
あれじゃあ「誤解も六階」もあったもんじゃない。

ドレンは動物とサラポーリーの遺伝子から生まれ、
まあ娘みたいなもんだな。
その娘と科学者男はあろうことか・・
スプライス!
おそらくその影響もあってドレンは男性化、
今度は母親に胎内回帰・・そして妊娠。
まったく書いていてウツになるが
そういう筋書きだもの。

ロリコン、ファザコン、マザコン、近親相姦、
父親殺し、母殺し、アダルトチルドレン、
エディプスコンプレックス等々うんぬん、
心理学とかに出てきそうな
ヤバ目のケーススタディ博覧会。

社会の「ゆがみ」を構成する人間関係は
だいたいこのお三方が持ってます。
それほどこの三者(科学者カップルとドレン)の
関係は複雑怪奇となってしまいました。
ちゃんちゃん。

公式ホラー
「エロスとタブー」を交配した”至高の美女”
禁断のサイエンスホラー〜なのだそうな。
↓   ↓
http://www.splice-movie.jp/

撮影が何気に「日本人」。
頑張っていらっしゃいます。

原題 SPLICE
製作年 2010年
製作国 カナダ=フランス=アメリカ
配給 クロックワークス
上映時間 104分

スタッフ
監督 ヴィンチェンゾ・ナタリ
脚本 ヴィンチェンゾ・ナタリ 、
   アントワネット・テリー・ブライアント 、
   ダグ・テイラー
原案 ヴィンチェンゾ・ナタリ 、
   アントワネット・テリー・ブライアント
撮影 永田鉄男
音楽 シリル・オーフォール
編集 ミシェル・コンロイ

キャスト
クライヴ・ニコリ/エイドリアン・ブロディ
エルサ・カスト/サラ・ポーリー
ドレン/デルフィーヌ・シャネアック
ジョアン/シモーナ・メカネスキュ
ウィリアム・バーロウ/デイヴィッド・ヒューレット
ギャビン・ニコリ/ブランドン・マクギボン
ドレン(子供)/アビゲイル・チュ

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2013年05月13日

ステキな金縛り

「ステキな金縛り」

物語のスタートはちょっとタルくて
しかも映画の題名も「ステキな金縛り」と
あまり食指が動かないコトバ。

ところが、やっぱこの人
日本が誇る最後のコメディアン
西田敏行さん演じる落武者「更科六兵衛」さん。
彼が出てくるあたりから
俄然面白くなってきました。
アドリブ利かせまくりだったんだろうな。

あらすぢ
妻殺しの容疑で逮捕された矢部五郎の弁護を
担当する宝生エミは、将来性ゼロの三流弁護士。
勝てる見込みのない裁判に矢部は
「旅館で金縛りにあった」とアリバイを証言し
無罪を主張する。矢部が泊まった旅館に赴いた
エミは、矢部に金縛りをかけたという
落ち武者・更科六兵衛を法廷につれて、
矢部の無罪を証言してもらうことに。しかし、
対する検事・小佐野徹はオカルトを真っ向から
否定して、六兵衛の証言は法的に無効であると
主張する。更には殺された鈴子の愛人、
日野勉が陰陽師を雇って六兵衛を除霊しようと
していた。

************************

てなふうに、西田敏行氏を持ち上げてみたけれども
これはアレだな・・。
一般的には「西田敏行」と「深津絵里」の
映画のように宣伝されるが(実際そうなのだけど)
実は阿部ちゃんの映画だと思う。

三谷幸喜が自身で話していたが
「落武者が裁判に出廷する」シーンだけを
夢で見たことがあり、妙に気に入ってしまった。
そこから話を無理やり膨らませていったものらしい。
なもんだから、もともと無理がある設定。

例えコメディーといえど、幽霊に「裁判」を絡めるには
主人公側には理解者と、
裁判を続ける上で、話のわかる「裁判長」および
「検察官」がいなければならない。

「話」の無理な「ゆがみ」を全部吸収してくれる
役回りだったのが「阿部」ちゃんであり
裁判長であり、三木プルーンだった。
阿部ちゃんなぞ最後は責任とって
いきなり死んでしまうし。

阿部ちゃん演じる弁護士事務所のボス。
とぼけすぎである。

絵里「ボス〜どうしましょう」
阿部「2時間か・・まだだいぶあるな。
    よし、俺が時間を稼ぐ」
ええ??そんな時間稼ぎ方法があったのですかw

いわゆる「三谷」ファミリーというか
三谷映画の常連さんが、かしこに端役で出演。
なにもそんな役で出なくっても、
と思わずにはいられない。

オンキリキリバサラ・・
高名な陰陽師「安倍清明」の親友から数えて
数十代目のえせ陰陽師、安倍つくつく。
演じるは市村正親。とっても楽しそう。
んで楽しそうに死神に吹き飛ばされる。

私、あーゆーの嫌いなんです・・
カッコよかったなあ。
白づくめの死神役「小日向文世」さん。
六兵衛さんも恐れていたけれど
「ほら小指でた、でたよ小指〜」
(↑こういう言い回しは西田チックで好物だ)

普段、柔らかいニコニコ顔であるからこそ
本気を出したときの死神は
そらもータダでは済まない能力を持つ。
なのに、物わかり良すぎなキャラがここにも。

私と貴女は敵味方ではありません。
 真実を追求する意味では同志といえます

中井貴一がこれまた気持ちよさそうに
「検察官」を演じている。

「裁判は勝ち負けではありませんからね」
なぜ彼は最後にあんな繰り返したんだろう?

「阿部ちゃん」「裁判官」「検察官」「死神」
誰かひとりでも、ガチな原理主義者だったら
そもそも話が成り立たたないところでした。

佐藤浩市。今回も勘違い俳優役。
調べていないが、別の三谷映画
「ザ・マジックアワー」に出てきた
俳優と同じ設定だったら面白いのに。
彼が出ると、なんか画面が息ぐるしく感じるのだ。
たとえ喜劇を演じていても。

主人公?のひとり。
北条家家臣、侍大将(現・落武者)
更科六兵衛さん役、西田敏行氏。
六兵衛さん、全然落ち着きないw。
常に画面のどこかで動き回っているよ。

最後、父上が登場するところは
さすがに無理矢理お涙頂戴に感じましたが。
三谷映画(コメディー)として素直に楽しみました。

キャスト
宝生エミ〔弁護士〕 - 深津絵里
更科六兵衛
〔証人、落武者の幽霊、後北条氏家臣〕 - 西田敏行
速水悠〔弁護士〕 - 阿部寛
小佐野徹〔検事〕 - 中井貴一
菅仁〔裁判長〕 - 小林隆
矢部五郎〔被告人。鈴子の夫〕 - KAN
矢部鈴子
〔美術品バイヤー、風子の妹〕- 竹内結子
日野風子
〔化粧品会社・社長、鈴子の姉〕 - 竹内結子(一人二役)
日野勉〔風子の夫、鈴子の愛人〕 - 山本耕史
木戸健一
〔歴史学者、更科六兵衛の子孫〕 - 浅野忠信
阿倍つくつく
〔陰陽師、安倍晴明の友人の子孫〕 - 市村正親
宝生輝夫〔エミの亡き父〕 - 草g剛
工藤万亀夫
〔エミの恋人、役者〕 - 木下隆行 (TKO)
段田譲治
〔向こうの世界から来た男、管理局公安〕
- 小日向文世
日村たまる〔法廷画家〕 - 山本亘
旅館「しかばね荘」の女将・猪瀬絹 - 戸田恵子
旅館「しかばね荘」の主人・猪瀬潤 - 浅野和之
占部薫〔タクシー運転手〕 - 生瀬勝久
伊勢谷〔トラック運転手〕 - 梶原善
野島〔スモーク係〕 - 阿南健治
心霊研究家 - 近藤芳正
村田大樹〔まだ売れていない役者〕 - 佐藤浩市
前田くま〔ウェイトレス〕 - 深田恭子
悲鳴の女〔コールガール〕 - 篠原涼子
ドクター - 唐沢寿明
ラブ - ナナ(声:山寺宏一)
漆原森太郎〔傍聴マニア〕 - 相島一之
ナース - 西原亜希
弁護士〔勝訴を持つ男〕 - 大泉洋
裁判官(左側) - 中村靖日
被告人(老人) - 榎木兵衛

ステキな金縛り
Once in a Blue Moon
監督 三谷幸喜
脚本 三谷幸喜
音楽 荻野清子
撮影 山本英夫
編集 上野聡一
製作会社 フジテレビ/東宝
配給 東宝
公開 2011年10月29日
上映時間 142分
製作国 日本
言語 日本語

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2013年02月01日

ザ・フライ

もう2月、2月といえばコレ
「ザ・フライ」です。

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CSでやってたので観た。
昔(10年位前?)、地上波で続編
「ザ・フライ2 二世誕生」を
いきなり観てその結末になんか
納得できなかったキオクが。
1は実はPONにとって初観賞でした。

デビッド・クローネンバーグ監督の
名前を広めた作品。
そしてジェフ・ゴールドブラムのギョロ目も。
ジーナ・デイビスもなつかし。
けどジーナ・デイビスって
あんなブ○だったっけ?

あらすぢ
科学者セス・ブランドルは、物質転送機「テレポッド」
の開発に全てを捧げていた。それは「隣り合う2つの
“ポッド”の片方に物体を入れ、分解してもう片方へ
転送、元の状態に再構築する」という成功すれば
世界を変えることになるかもしれない代物だった。
無機物の転送実験には成功していたが、
有機物(生物)は未だ成功せず焦りを募らせていた。
ある日、自分を取材した記者であり後の恋人となる
ベロニカの助言をヒントに改良を重ね続け、遂に
生物の転送に成功する。
次に人体の段階へ移行した彼は、自らの身体を
実験台として転送実験を行った。体に何一つ
不具合はなく、むしろ転送前より強靭な肉体と
なった事で成功を収めたかに見えたこの実験だった
が、その後、セスの身体に昆虫の体毛が生えた事
から始まった数々の異変が発生。
調査の結果、実験時に彼の入った転送ポッドに
1匹のハエがまぎれ込んでおり、再構築にあたって、
遺伝子レベルでセスとハエが融合したことが判明した。

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展開が速いな。早すぎ。
ジーナ・デイビス、なんたるアバズレ。
あれほどオタクっぽい不気味な
科学者を嫌っていたのに、
ベッドインして、ハエになるまで30分ちょっと。
監督は男女の恋愛とか描くの苦手なのかもしれない。

ハエに成りかかりのセス。
イナズマンのサナギマンのように
目だけが「ジェフ・ゴールドブラム」
あのちょっと着ぐるみチックなのは気に入らない。

コンピュータが「有機物(生物)」という
複雑怪奇なものを再合成するには
「愛」の解釈がいるらしい。

二人と共に、物質転送機「テレポッド」の
可能なこと、不可能なことを
次々と実験で見せてゆく映画運びは面白い。
ヒヒ(兄)を転送したら、コンピュータに
生命の解釈ができず、ヒヒは生きたまま
裏表逆に再構成されてしまったり、
生命ではないが、有機物代表として
ステーキ肉を転送。試食したらこれまた激マズ
「人工肉」みたい、と吐き出すジーナ・デイビス
自分「人工肉」なんて食ったことない
(成形肉ならある)がどんな味なのか?
ちなみにヒヒ(弟)は実験成功例第一号となった。

セスもなあ、コンピュータが理解不能な状況に
陥ったときには、まず処理を中断する
設計にしとかんと。そこは。
フェイルセーフってやつな。

マイクロソフトを見習おう。W98の頃程ではないが
全然セーブしないで入力し続けたエクセルファイルの
強制終了なんて、嫌がらせのように実行してるぞ。

「よく解んないけど、とりあえずくっつけてみた」
なんてテキトー処理が許されるのは、
命に別状のない状況にて、そかも人間様にだけ
許される行為ですだよ。

それといろんな意味で危ないから、
テレ・ポッドの中が視認できるように
照度が落ちるまで開封禁止しような。



でも最後は愛だな、ヒロイン。
あんなグチャグチャ男に抱きつくとはね。
なんだかんだいっても生んだわけだし。

更に最初はイヤーな奴だと思ってた
ジーナ・デイビスの元彼氏(ヒゲ野郎)。
いい奴ジャンよ。

それにしても自己の肉体と、自分以外の物質の
境界線はどこにあるんだろう?

転送されたとき混ざっちゃ嫌だから、
服を脱いでポッドに入る。それはいい。
おそらくメガネもダメだろう。無機質だから。

コンタクトもNGかもな。じゃ入れ歯は?
銀歯は?骨折時に入れたボルトは?
セスが最後に体を張って見せてくれたように
無機物と有機物は融合可能の様なんで
それはまあダメなんだろ。

でも人間に限らず、生物ってのは
何かの生物と共生関係にある。
例えば、顔ダニは?
セスの頭に頭シラミがいたら?
おなかにサナダムシがいたら??
連中と混ざったらどうなっちゃうの?
ハエ人間じゃなくってダニ人間?

なんかの文で見たんだが
クローンネンバーグ監督は
映画館でバイトしていたとき
「ハエ男の恐怖」を見て
どうにも納得がいかなかったそうで。
(頭と片腕だけハエってどういうことよ?)
その憤りが、この映画を作ったらしい。

自分が子供の頃には、12CHあたりで
ときどき「ハエ男の恐怖」を放送していたので
(スゴイ時代だ)何回か観た。
同じ映画を観てんのに、憤りから
リメイクしちゃう人もいるんだもんな(苦笑)
個人的には、くもの巣にかかって
「タスケテー、タスケテー」と叫ぶ
もう一方のハエ(頭と片手が人間の小さなハエ)を
発見した刑事さんが・・ってところに
納得いかず。

ザ・フライ
The Fly

監督 デヴィッド・クローネンバーグ
脚本 デヴィッド・クローネンバーグ
製作 スチュアート・コーンフェルド
製作総指揮 メル・ブルックス
出演者 ジェフ・ゴールドブラム
ジーナ・デイヴィス
音楽 ハワード・ショア
撮影 マーク・アーウィン
編集 ロナルド・サンダース
配給 20世紀フォックス
公開 1986年8月15日
1987年1月15日
上映時間 95分
製作国 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $15,000,000
次作 ザ・フライ2 二世誕生

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ラベル:ザ・フライ
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2013年01月10日

ジュラシックパーク

もう何回観たっけなぁ。
そういえば、初見は学生時代。
京王沿線の小さな映画館だったっけ。

今回はCSの洋画チャンネル系で
ジュラT〜Vまでのぶっ通し放送してたんで。
HDDの容量の都合もあってT〜Uのみ録画。

恐竜の出現するシーンのみを
飛ばし飛ばし鑑賞、さっさ消そうとしたら
向こうの部屋で遊んでいた息子がやってきて
一緒に鑑賞することに。

「なんで〜?」「どうして??」
「お父さん、勝手に飛ばさないでよ〜」

彼には申し訳ないけれども
「DNA」とか「胚」とか「遺伝子」とか
パークのデブ科学者の不審な行動の理由とか
そもそもパークが機能不全になってしまった
いきさつなど、説明するのめんどくさいんだよね。

今はまだ観ていても理解できないだろうし
なにより自分がツマラナイから・・
でも早送りしようとすると怒るんですよ、彼。

お金持ちが、絶滅した恐竜を科学の力で
よみがえらせ、富士サファリパークみたいな
動物園を作ったけれど、裏切り者の悪い人のせいで
恐竜が暴れだし、人間が食べられちゃうの。
わかった?
そういう説明で、一応納得してくれました。



「ディズニーランドだって最初は
 不具合続きだったんだ・・」
「カリブの海賊は人を喰わないよ」


あらすぢ
 大富豪ジョン・ハモンドの招待で、古生物学者
グラントとサトラー、そして数学者マルコムが
南米コスタリカの沖合いに浮かぶ島を訪れた。
そこは太古の琥珀に閉じ込められたDNAから
遺伝子工学によって蘇った恐竜たちが生息する
究極のアミューズメント・パークだったのだ。
だがオープンを控えたその“ジュラシック・パーク”
に次々とトラブルが襲いかかる。嵐の迫る中、
ついに檻から解き放たれた恐竜たちは一斉に
人間に牙を剥き始めた

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PONも、「激突!」「ジョーズ」「ET」や
「インディジョーンズ」など、
とにかく当時ヒット作を連発してた
「スティーヴン・スピルバーグ」監督作品にこそ
親しみを覚え、「ハリウッド映画」というものを
さんざん楽しませていただいたのですが。

いつものごとくナマイキなこと書かせていただきます。
結構いろいろな著作物を観てきた
この歳(41)にもなりますと、
スティーヴン・スピルバーグ作品が
素直に楽しめなくってきた自分がおりましてですね。

まず、長い。くどい、シツコイ。
彼の作品によくある「追っかけっこ」シーン。
主人公が追い詰められているときの執拗な描写。

「大衆はこういうシーン入れておけば喜ぶんだろ?
 ハラハラドキドキするんだろ?ほれ?」と
監督が斜めに見ながら作っているようなシーンの嵐。

それが万人が楽しめる「ハリウッド映画」の
真髄であり、そもそもスピルバーグ監督が、
ハリウッド映画のフォーマットを
世に広めてしまったといえるのですが。

「ハリウッド映画」は、さんざっぱら
観てきたから、もう飽きがきたのかもしれない。
それとジョンウィリアムスの音楽なんかも
今でも嫌いじゃないが、やっぱクドイ。

恐竜(ブラキオサウルス初登場のシーン)の
CGの出来のよさに、スピルバーグ監督が
これまでのように「作り物」特撮から
CGへの完全な移行を決意させたとか
聞いたことありましたけれども
そんなCGですら、今の肥えてしまった目から見ると
やっぱ少しチャチく観えたり。
(息子は喜んでいました)

もう売っちゃったけれど
カプコンからバイオハザード系列の恐竜版ゲーム
「ディノクライシス」ってのもあったなあ。



キャスト・スタッフ - ジュラシック・パーク
監督
スティーヴン・スピルバーグ
出演
サム・ニール
ローラ・ダーン
ジェフ・ゴールドブラム

作品情報 - ジュラシック・パーク
ジャンル パニック
製作年 1993年
製作国 アメリカ
配給 ユニヴァーサル映画=UIP

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2012年11月27日

世界大戦争

もはやおなじみCS「日本映画専門チャンネル」
東宝特撮王国より。
東宝特撮にしてはめずらしく怪獣が
出てこない映画。

冷戦下で、核戦争の危機を大いに煽る
作品としては、東映アニメーションが
作ったアニメで「FUTURE WAR 198X」って
作品があった。
一部では有名だけども、東映は昔から
「労働組合」の力が非常に強く
「FUTURE WAR 198X」は非常に好戦的な
アニメであり、製作には応じられない
ナーンセンス!と当時経営者側と喧嘩したらしい。
非常に時代を感じさせるエピソードだけど
東映経営者側は、あくまで反戦映画だとして
製作を強行するも、反戦映画とかそういう話じゃなく
見事に駄作映画だったのを思い出す。



(あの宮崎駿氏も昔、労組でバリバリ活躍
 していたらしい。左翼運動に挫折した
 オシイ監督の作品は人があっさり死ぬもの
 が多く、左翼運動に取り組んだ宮崎カントク
 の映画では人が死なない、と指摘している
 アニメ評論家がいたな)

・・が、まあそれは別の話。

「平和を無駄遣いしちゃあいけねーや」

あらすぢ
世界各地に連鎖反応的に起りつつある侵略と
闘争は、全人類の平和を危機に追いつめていた。
核戦争の鍵を握る同盟国側(東側)と連邦国側
(西側)は、一触即発の状態を続けていた。
戦争が始まったら、間違って押したボタン一つから
でも音速の十倍以上で飛んでくるミサイルが、
全人類を灰にし、地球は取返しのつかないことに
なってしまう。全人類が一つになって原水爆禁止
のための何かをしなければならないのだ。
日本の一市民である田村茂吉(演:フランキー堺)
はアメリカ・プレス・クラブで運転手として
働いている。彼は戦後の焼け野原から裸一貫で、
ささやかな幸せを築きつつあった・・。

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フランキー堺が演じる主人公、田宮は
アメリカ・プレス・クラブの
お雇い運転手なもんで耳が早い。
(PONは役柄をずっとタクシー運転手だと
 思ってたが違ってました)

後部座席に乗るアメリカのダンナ達、
アメリカ・プレス・クラブの記者が
世界情勢は深刻であることを折に洩らしても
田宮にとっては儲け話にしか思えない。
動乱が近いと感じ取った田宮が
最初にしたことといえば、車を止め
街中の赤公衆電話から、証券屋に
「鉄鋼」と「造船」会社の株を買うよう
指示するのである。

「かあちゃん、この辺の地価、坪10万だってさ!」
へへへ、と含み笑いをする夫婦
戦後の焼け野原から再出発。
ようやくここまで来たという、
誇りと幸福をかみしめる小市民一家。

かあちゃん(演:乙羽信子)にも苦労かけたなあ。
これからは少しラクさせてやるからな。
神経痛がひどくて・・と辛そうな
奥さんに代わって庭先にチューリップを
植えるフランキー堺。

フランキー堺は、戦争(殺し合い)を
どこか遠くのことと捉えている
典型的な日本人として描かれており、
日本人の意識は今日も変わっていない。

アイスランドで冷戦は終結したかもしれないが
現代のほうが大国の締め付けが緩くなった分
下手するとこの映画が作られたときよりも
状況はヤヴイ、とずっと思っている。
いまだ我々はフランキー堺のことを笑えないのだ。
そこにこの映画の怖さがある。

特撮はややチャチいところがあるし
映画関係者も特撮映画を作るのは得意だけど
当時の軍事兵器や社会情勢には、あんまり
詳しくなさそうだな、と感じさせるシーンも
多々見られる。が、そんなことは瑣末なこと。
この映画、やはり一回位は観ておきたい。



ミサイル落下間近の東京。
発狂したかのような真っ赤な夕陽に向かい
フランキー堺は、自分が立てた我が家の
つつましい物干し台から泣き叫ぶ。

「かあちゃんには別荘を建ててやるんだ!
 息子には大学へ行かせてやるんだ!
 俺が行けなかった大学へよ。 
 娘には、盛大な結婚式を挙げさせてやるんだ!
 次女はスチュワーデスにさせるんだ!!」(意訳)

俺もフランキー堺みたいに絶叫するしかないだろう。

フランキー堺には、似つかわぬ娘がいて
(演:星由里子・・きれいだ)
彼女には父親に内緒で付き合っている
外国航路の航海士の彼氏がいる(演:宝田明)
彼女は宝田明と洋上でも会話ができるように
アマハムだかモールス信号だかのの
免許を取得するくらいの熱愛ブリ。
そしてそれがラストの(ささやかな)布石になる。

コーフクダッタネ・・

敵国の核ミサイルが東京に迫る。
由里子は東京だが、宝田明は仕事で洋上。
カクジツに迫る、二人を引き裂く最期。
二人の最後の会話を無線で交わす
シーンは胸をうつ。涙そうそう。
(ちなみに宝田明の船長は
 東野英治郎≒南雲中将である。
 そのまま敵国へ海の荒鷲を飛ばしてくれ!)

船のサーバー(演:笠智衆)が他人事のようにつぶやく。
「そうですか・・人類は消え去ってしまうのですか。
 人類ってのはそれほど悪くはなかったんですが」
淡々ブリがまたいい。

船は洋上なので直接の被害こそなかったものの
ふるさとは、既に放射能とガレキのみ。
一同はそれを承知で、なお日本に戻る決意をする。

無力な市民にはどうしようもない悔しさ。
この映画で平和の大切さを身に染みて感じたとしても
実際にわれら一般民にいったい何ができよう?
圧倒的な絶望感が伝わる。
ひたひたと戦争の足音が聞こえるたびに
「なーに、たいしたことねえやな」と
根拠もなく否定、必要以上に強がる
フランキー堺だったが、最期の時は唐突に訪れた。

「俺たちは何も悪いことなんてしちゃいねえ。
 こんなささやかな幸福が消されるんだとしたら・・
 神も仏もいねーことになる。
 こんなバカな話があるか!」

キャスト - 世界大戦争
出演
フランキー堺 (田村茂吉)
乙羽信子 (田村お由)
星由里子 (田村冴子)
富永悠子 (田村春江)
阿部浩司 (田村一郎)
宝田明 (高野)
笠智衆 (江原)
白川由美 (早苗)
ジェリー伊藤 (ワトキンス)
中北千枝子 (おはる)
坂部尚子 (鈴江)
石田茂樹 (有村)
野村浩三 (石橋)
三田照子 (伊本)
東野英治郎 (笠置丸船長)
清水由紀 (商事会社の女事務員)
森今日子 (船会社の女事務員)
中野トシ子 (近所の人(1))
一万慈鶴恵 (近所の人(2))
山村聡 (首相)
上原謙 (外相)
中村伸郎 (官房長官)
河津清三郎 (防衛庁長官)
高田稔 (司令)

スタッフ - 世界大戦争
監督 松林宗惠
特撮監督/特技監督 円谷英二
脚本 八住利雄
木村武
製作 藤本真澄
田中友幸
美術 北猛夫
音楽 団伊玖磨
録音 矢野口文雄
照明 森弘充
スチール 田中一清
特撮スタッフ 有川貞昌
渡辺明
岸田九一郎
向山宏

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