2007年05月20日

ブライアンジョーンズ ストーンズから消えた男

妻の影響で観ました。
ブライアンジョーンズ ストーンズから消えた男

<あらすぢ>
ローリング・ストーンズのオリジナルメンバーであり、
1969年に永眠したブライアン・ジョーンズ
その死因には諸説あるが、作品では
“彼の死亡原因は他殺である”とし、
死へと堕ちていくブライアンの姿と、
その半生を描く。フリーセックス、ドラッグ、
ロックという60年代カルチャーの体現者である彼を、
レオ・グレゴリーが好演。
(goo映画より)

一般人に「夢」を提供することのできる才能をもつ
表現者、アーティストって奴は、
パワーある作品を作り出せる異能者であるほど
社会的には「非適合者」である場合が多く、
であるからこそ、凡人からは
簡単に「天才」というひと言で
片付けられてしまう存在です。

「天才」って人々は、自分の社会的能力を
すべて好きなことに捧げてしまうからこそ
表現者として頭抜けていても
社会人としては失格なのかもしれません。

一方、売り出す側の「プロモーター」
「プロデューサー」、所属する「事務所」、
レコード会社なんて類は、巨額な「金」が
絡むだけに、冷酷なまでに
めちゃめちゃ「リアリスト」の集団なわけです。

リアリスト達も飯の種はどうしても
「異能者」に作ってもらわなければならない。
また「異能者」にしても表現した結果を
社会にアピールするには、ある程度
「リアリスト」達の力が必要。
ってなわけで、本来ならば、おおよそクロス
しそうに無い「異能者」と「リアリスト」が
交じり合う不思議な業界(ショービジネス界)が
存在してしまうわけで。

けれども、せっかくの「天才」は「リアリスト」により
一般社会に紹介され、消費され、すりつぶされ、
ともすれば自分の命すらも使い尽くす事になってしまう。
「純粋」なだけに「社会」に対する
耐久力は皆無だから。
所詮、天才は凡才の集団に勝てない。

客観的に言えば
ブライアンジョーンズは不幸だった。
彼が不幸と思っていたかどうかは
彼のみが知るところだけど。

ミックとキースは、現実に現役のためか
あまり物語に積極的に繋がってこない。
監督は「あくまでブライアンの映画だから」と
コメントしていたが、やはり作りにくいのだろうなあ。
それから(若い)ミックジャガー役がそっくりだった。

多少、ネタバレになってしまうが
映画の最後の方で、死んだ立場から、
本人がコレまでを坦々と語るところなんか
突き放していてグゥでした。

監督のオーディオコメンテータリーとともに
二回目も観劇してみると面白いですよ。
凡人のPONは素直に
若くしてモテモテの金持ちである
「ブライアン」とフリーセックスな
60年代文化がうらやましかったです。
死にたくはないケドも。

映画「アマデウス」をちょっと思い出した。



監督:スティーヴン・ウーリー

出演
レオ・グレゴリー
パディ・コンシダイン
デヴィッド・モリッシー
ベン・ウィショー
ツヴァ・ノヴォトニー
ルーク・デ・ウルフソン
モネット・メイザー
2007年 イギリス映画 DVD鑑賞

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2007年05月03日

パイレーツオブカリビアン

先日、パート2もDVD化したと聞きますが。
ディズニーのアトラクションをモチーフとした
映画化シリーズ第一弾。
「パイレーツオブカリビアン」
そのものズバリ「カリブの海賊」です。

もはや「怪優」になりつつある
「ジョニー・デップ」の熱演もあり
思ったよりも面白かったので
(二度観るには及ばないが)
映画化シリーズの第二弾、
エディーマーフィー主演の
「ホーンテッドマンション」にも
期待していたのだが・・

こちらの方は、シナリオの制約
(メルヘンなディズニーワールドに
 一般のホラー映画並の残虐描写や死の香りを
 求めるのは元から無理がある)うえ、
エディマーフィーの凋落ぶりばかりが目立って
とてもイタイ映画でした。

まあ、どっちにしても映画の事はいいや(笑)
「パイレーツオブカリビアン」の映画冒頭で
いきなり幼少時のヒロインが
あの名曲「YOHO」
(アトラクション、カリブの海賊で
海賊達が宴会で歌う歌)を歌いだし
嬉しくなった事を思い出します。

B000006073.01._AA240_SCLZZZZZZZ_.jpg

《 CD 》
『 Heigh Ho Banjo Bluegrass Salutes
 Favorite Disney Songs 』

Various Artists
価格:¥ 1,702 ¥ 1,872 (used:¥1,270)
CMH(1998/04/21)

「A Musical History of Disneyland」というのも
良いらしい。その筋の方にとりましては。

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原語の歌詞を(こっそり)載せときます。続きを読む
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2006年06月27日

ポセイドン(2006年)

小さい頃
「ポセイドン・アドベンチャー」
感動したPONは、それのリメイクが
封切られるとあっては黙っていられません。
渋る相方をなかば連れ去るように
先日の日曜日に行ってまいりました。

<あらすぢ>
豪華客船ポセイドン号が
突然の大波に遭遇したから
まあ大変、ひっくり返って
どーーん。
ぼかーーん。
きゃー。
うあー。
以上。

いや、本当に中身は
それだけなんですよ。

この映画のスタートでは船の紹介と
巨大さを印象付けるために
主人公が船上をジョギングする
シーンがありまして、カメラの「なめ方」が
凄かったんですが・・全部CGだったそうです。

同じ沈没船映画の
「レイズ・ザ・タイタニック」
製作時には、実際に廃船をそれらしく改装して
撮影に使ったりしたというのに
この映画ではむやみにCGを使っている。
実際に「ポセイドン号」なんか
この世に存在しないんですから。
セットだけで。
映画作るときにはなんでも
実物大セットを作らなければいけない、
というわけではないんですけどね。

「ポセイドン・アドベンチャー」

70年代の前作は
最も神を敬愛していた主人公が
無慈悲に命を奪う状況に最後はブチ切れ。
最後は神を呪いながら死んでゆく
ところに
従来のパニック映画とは
一味違う味があったんですが。
リメイク版にはなーーーんにも
感銘を受けるところがない。

土壇場での「ギャンブラー」のカンには
のってみてもイイかもしれない。
くらいですかね。

まあ、70年版の映画は
本来、地獄のサバイバルであるはずにしては
少しよいこちゃん過ぎる
きらいもありましたので
「ぺーターゼン」監督は
俺は少し違うんだ!という点を

・大量の死体の描写
・主人公一行が、自分の生存のために
 弱者を切り捨てるシーン

に込めていたようですが。

前作は
・なんでそんな大波が発生したのか?とか
・波を見つけるまでの船員の奮闘とか
もう少し、丁寧に描写していたけどな。

本作はそういった
細かい情報をすべてそぎ落とし
遭難によって上下さかさまになった
船内「フィールドアスレチック」
いかに生き残るか?
それだけに描写を徹底していたのが
いい加減つまらなかった。
ほとんど金のかかった
「風雲たけし城」

それにしても
カートラッセル氏、年取ったな。
リチャードドレイファス氏も
別にこの役に出演せんでも。

ポセイドン.jpg
青を基調に白地の船名の
ポスターが品がよくって
思わず見に行ってしまいましたが・・


ポセイドン (2006) POSEIDON

上映時間 98 分 製作国 アメリカ
初公開年月 2006/06/03

監督: ウォルフガング・ペーターゼン
「トロイ」「パーフェクト ストーム」
原作: ポール・ギャリコ
脚本: マーク・プロトセヴィッチ
 
出演:カート・ラッセル 、ジョシュ・ルーカス
ジャシンダ・バレット、リチャード・ドレイファス

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お約束ですが
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2006年06月24日

ハウルの働く城

先日のW杯日本チーム初戦。
日本中が手に汗握る時間帯に
やっぱりのほほんとしている相方を
無理につき合わせて
PONはこの作品を見てしまいました。

「ハウルの動く城」
ハウル(いただき).jpg

<あらすぢ>
 1920年代レベルの科学文明と魔法文明が
混在する異世界。地味な少女と魔法使いの
支離滅裂な出会いと展開がはじまる。
呪いをかけられ老婆の姿になってしまった
少女ソフィーと、動く城の持ち主で
魔法使いのハウル、ソフィーに魔法をかける
荒地の魔女、あとカカシ、その他が繰り広げる世界。

キムタコが声優やってるて言うから
意地で見なかったんだけど。
結論を言えば、結構いい演技してたよ。
キムタク。それは認める。

前作の「もののけ姫」が「ナウシカ」の焼き直し
ならば本作は「ラピュタ」+「千と千尋」でした。

なんで呪いなのか?とか
どうやって解いたのか?とか
火の悪魔との契約は?とか
結局「ハウル」は何がやりたいのか?とか
はっきり言ってそういったディティールに
突っ込みを入れるのはクダラナイと感じました。
そういうことは些細なこと。

「千と千尋」の「ハク」もさんざっぱら
思わせぶりに影で活動していながら
結局「ヘタレ」
だったし、なんとなく
想像はついていたのですが・・やっぱり
ハウルも「ヘタレ」でした。

ハウル、やっていることめちゃくちゃですからね。
「戦争」が嫌いで「愛する者を守りたい!」割には
「戦争の根本的な原因」=「国家・王様・王様付魔法使い」
には乗り込んでいかないで、イチパイロット?として
ゲリラ活動にのみ終始、むやみに戦線を拡大している。

「ミステリアス」で「万能」なのかと思えば
「ヘタレ」だし。
・・どこかのシャアみたいだな。

人間誰もが待つようにハウルの自己矛盾が
あのグロテスクな「動く城」
で象徴して
いるんだとしたら、わからんでもない。
てっぺんに「大砲」のようなものがついているから
最後は「拡散波動砲」でも
王国軍隊に撃ち込んで
キアイ見せろやゴルァ!!と思ったら
勝手に「自滅」
ちょっとがっかり。かなりがっかり。
城は「ハウルの動くガラクタ」だった。

誰もヒーロー、ヒロインにはなりえなかった。
けど、主人公のソフィーはびっくりするくらい
キモが据わっていて、非日常時に淡々と
「日常」=「お掃除」を持ち込んでしまった。

本来、女性の持つ「しなやかさ」と
日々の日常生活をたんたんと送ることのできる
「したたかさ」こそがソフィーの「呪い」すらも解く。

女性(日常生活)の強さ(バエタリティー)とは
混沌とした世界をドラスティックに
変革することは難しいが
人の生活を次世代に持ち越すくらいの
「力」は充分持ち合わせている・・

宮崎駿氏の究極の女性賛美!
そんなところでよろしいですか?皆様。

美輪明宏さん
とっても楽しそうでした。
シャバっ気(魔力)の抜けた
「荒地の魔女」も可愛かったな。
ただ・・倍賞千恵子さんが
18歳なのはかなり無理がないか?
やっぱり。失礼ながら。
どう考えても・・



製作年度 2004年
上映時間 119分
監督 宮崎駿
声の出演
倍賞千恵子、木村拓哉、美輪明宏、
我修院達也、神木隆之介

原作ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法使いハウルと火の悪魔」

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2006年06月07日

拝啓天皇陛下様

ガンダムやら電車やら生活の愚痴やら
マスライワールドは
相変わらず「わけわからん」という声が
ちらほら聞こえてまいります。
何を隠そう、他ならぬ自分からですが。

さて、本日俎上に登りましたるは
「拝啓天皇陛下様」(松竹・1963年)です。
なんか名前聞くと、ヤバイ軍国系??と
思うかもしれませんが、一応「喜劇」です。
主人公はあの、寅さん≒渥美清さんですから。

<あらすぢ>
昭和9年の岡山。帝国陸軍に徴兵入隊した
後に戦記作家となる「棟田」こと「むね」さんと
無学文盲で孤児あがりの「山田正助」こと
「山正(やましょう)」の戦後に至るまでの
奇妙な友情物語。
「山正」は、昭和初期の荒れた農村の体現者。
三食保証の上、給料までもらえる軍隊を
天国と感じ、ことのほか気に入る。
本来ならばみんなが心待ちにするはずの
兵役除隊が近づくにつれ、彼は敬愛する天皇に
自分ひとりぐらい軍隊に残させてくれ、と
お願いする手紙を書くことを思いつく。
「拝啓 天皇陛下様・・」

「山正」は
身寄りもなく、学もなく
軍隊にしか生きる場所を
見つけられなかった。
それだけに
敗戦後はもっと居場所がなかったという
哀れな話・・でした。

渥美清さんのあの優しい声で
「じゃけんのー」
「こらえてつかーさぃ」

というセリフが耳に残ります。
演じたのが彼だったから
「山正」も嫌味のない憎めないキャラクターに
なりえたのでしょう。
映画なので多少オーバーかもしれませんが
実際の軍隊には、大なり小なりの「山正」が
軍隊にイヤーーな意味で「居場所」を見つけ
己の恵まれない身の上のウップンを
新兵や占領地の人間に
ぶつけていたに違いありません。


実際に軍隊を知らないPONには
いい勉強になりました。
兵隊のタイムスケジュールの折々(起床とか)
の吹き鳴らされる「ラッパ」には
すべて違う曲があって、誰が作り出したか
妙な「歌詞」まであったりとか、

最後の画面が泣かせるんだこれが。
(超ネタバレなんで・・)
拝啓2.JPG
(ちょっと観にくいですけど)

「拝啓天皇陛下様
 陛下よ
 あなたの最後のひとりの
 赤子
 この夜
 戦死をいたしました。」

最後に・・
この映画では渥美清さんの役者としての
幅の広さを見せてくれます。
渥美清さんは「寅さん」という当たり役を
得てからは、イメージを壊したくないという理由から
私生活は極力隠し、ほとんど他の役も演じませんでした。
渥美清さんという稀代の名喜劇役者
「寅さん」という役柄にだけに
閉じ込めておいたままで終わらせてしまったのは
果たして我々にとっても幸せだったのだろうか?
そんな気もしてきます。

別の「渥美清」さんが見られる、という点で
PONは「喜劇列車」シリーズも大好きです。
(昭和の風俗と鉄道の描写もよだれモノ)
このあたりはまたいずれ。

渥美清 (山田正助)
長門裕之(棟本博)
左幸子(妻秋子)

原作:棟田博(週刊現代連載)
(光人社NF文庫)

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2005年12月02日

ポプラル!

キューバ旅行の興奮冷めやらぬ
相方に誘われて、雨の渋谷
ミニシアター「シネ・ラ・セット」
(東急BUNKAMURA前)へ
キューバ音楽が熱い
「ポプラル!」
観に行って参りました。
水曜は1000円均一!安い。

ポプラルシネラセット1.JPG
いやあ、PONみたいな田舎モンには
びっくり。全部でもキャパは50名くらい。
後ろの席こそ普通の小さな映画館だが
前半分はカウチポテトができる雰囲気。
(無論、マナーは必要ですが)
別にVIP席でもなんでもなく先着順。
ソファーベッドみたいなところに
寝転がることも可能。

<あらすぢ>
(あらすじなんて無いに等しいが・・)
1990年代からキューバ音楽界で
人気を集めてきた
「ダビ・カルサードとチャランガ・アバネーラ」
彼らのライブは、観客は常に熱狂。
その強烈なリズムは、プロデューサー、
ダビを中心に作られ、
バンドはその音楽を体中で表現する。
リハーサルや創作活動、
来日公演の様子を捉えながら、
キューバ音楽の現在の姿を映す。

・・キューバ音楽の凄さを語るには
相方に全く敵わないので
相方のブログに譲る
として
まあ、現代キューバの音楽を体現する
日本で言えば「サザン」並みに
ポピュラーなバンド
「チャランガ」のビデオクリップ。
「俺最高!」
「俺たち人気者(=ポプラル)!」

が乱れ飛ぶ。

キューバ旅行に行ったおかげで
見かけたことのある風景が出てきたりして
それだけでも嬉しかった。
観ていてビックリしたのはメンバーの入れ替えが
激しく、メインボーカル級のスター格が
あっさり辞めてゆくこと。
ラテン気質や「芸術性の違い」という
理由もあったりするが
結構「食うのに困って」という理由もちらほら。

それからキューバは
やはり社会主義国家であるから
芸術を無制限に認めるわけには行かないお国柄。
文化管理庁?のようなところから
お堅い軍服のようなものを身にまとった
イカツイ、オバちゃんが監視していて
バンマス(ダビ)が
「自由に表現できないこともある」とか
苦笑いしていたあたりが
非常に面白かった。
でも、どこかの国のように完全統制はムリ。
そもそも体からほとばしる「音楽」というものは
国家ごときが止めようとしたって
止められるモンではない。

クーバリブレ(カクテル:500円)をいただきながら
無粋な私もキューバ音楽の
「グルー&躍動感」を
ちょっぴり体験できました。
相方は多分、前列の座席を無くして
フロアーにして欲しかったと思いますよ(笑)
かなり踊りたそうでしたから。

PONもキューバのホテルのディスコで
熱にうなされながらも(風邪っぴきでした)
踊ったことを思い出した。

popular.jpg

監督 :ジェニファー・パズ
出演 :ダビ・カルザード
    チェランガ・アバネーラ
日本語版総合プロデューサー:村上龍



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2005年09月16日

亡国のイージス

見ましたよー。

<あらすぢ>
 ギリシヤ神話に出てくる無敵の盾「イージス」
名前を持つ護衛艦「いそかぜ」。その名のとおり
最新鋭の防空システムを搭載した護衛艦。
その護衛艦に沖縄米軍基地から盗まれた
 1リットルで東京都民1千万人を
死に至らしめることが可能といわれる
米軍開発の化学兵器「GUSOH(グソー)」が
某国の特殊工作員によって
持ち込まれたという情報が入る。
 「いそかぜ」の先任伍長の仙石(真田)は、
新入隊員の如月(勝地涼)が工作員ではないか?
と、部下を疑わなければならない状況に
苦しみながらも「俺の艦」を守りたい
という思いから、独自に調査を続ける。
誰を信用したらいいのか?
黒幕、某国対日工作員の「ヨンファ」
(中井貴一)とは何者なのか?その目的とは?

ひとことで言えば
「真田広之版 ダイハード」です。
いや、前評判ほどにはつまらなくなかったよ。
充分楽しめました。

・如月はもっと線の細い
 「ビジュアル系ギタリスト」のような
 カンジを想像していたのだが
 主役を演じる「勝地涼」氏は
 金八先生でいじめっ子役A君を
 演じていそうな、骨太なタイプ。
 自衛隊員だからな。そのほうがリアルかもしれない。

「中井貴一」氏はもともと線の細い演技ができる
 タイプではない(要するにラーディッシュ)ので
 かえって工作員の「不気味」さ。
 日本人と異なる「爬虫類」ぶりがよかった。

・一応、内閣調査室の調査員なのだが 
 劇中では単なるおっさんに過ぎない
 「岸辺一徳」氏の相変わらず
 おとぼけぶりもGood!

・もう一方の主役でもある、厚美DAIS局長
 「佐藤浩市」氏は
 そのまま「リゲイン」のCMに繋がるくらい
 苦悩する(疲れた)リーマンでした。

・内閣総理大臣「原田芳雄」
 猥雑で俗物な政治屋だが、決して無能ではない役。
 一昔だったら総理役は
 「山村総」氏だとか「三船敏郎」氏など
 大物俳優がやるところ。 
 原田芳雄氏なんて昔の映画だと
 下手すりゃ「鉄砲玉」役だよ?
 昔の映画なら2等兵役のような方々が
 いまは相応に歳を取られて社会の「幹部」役だもんね。

・航空自衛隊パイロット役の「真木なんたら」は
 意味不明。別に誰でもいいのでは?
 あれは友軍を殺さねばならない軍人の苦悩というよりも
 単にカッコつけているだけです。
 小説のように一度、相方が撃墜されていたら
 話も変わっていただろうけれど。
 唐突に現れ、唐突にカッコつけてた。

「寺尾聡」氏は顔が汚い。

パンフ(1000円!くそう。足元見やがって・・)には
各登場人物の背負っている背景、
なぜ彼らは行動を起こしたのか、
映画に至るまでの前日談、
はては自衛隊の豆知識、
兵器関連の専門用語の説明までがびっしり。

PON的には読んでいてウレシイけど
逆にいえばこういう文字による補填をしなければ
何を言いたいのか解らないセリフ
行動がある、全体的に説明不足
映画であったということ。
演出方法や脚本がヘボイと
文句言う人もいるだろう。
本来、映画とはその作品だけで
すべてが理解できるように
完結しているべきでしょうが
PONは、ここまでまとまっていれば
まあ及第点だと感じた。

自衛隊全面協力なのは時代を感じるが
・反乱首謀者が「いそかぜ」艦長ではなく
 副長に変更
されている事(原作では艦長)
・ヨンファはあくまで「某国」の工作員である事

この二つが映画製作者が自衛隊に遠慮して

「ひよった」

部分と思われ。

某国なイージス.jpg
「某国のイージス」でした。
おそまつ。

原作:福井晴敏
監督:坂本順治「どついたるねん」



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2005年04月03日

ポセイドンアドベンチャー

70年代に盛んになったジャンルに
「パニック映画」がある。
「エアポート」シリーズとか
「タワーリングインフェルノ」とか。
つまり大勢いるところでドカーーンで
ワーっとなってキャーになる映画群。
あんだけ騒がれた「タイタニック」
どちらかといえば純愛映画として
描かれてしまったのを見ても
正に90年代とは対照的な時代であったといえる。

その「パニック映画」を連作いや乱作した
迷プロデューサー、「アーレン・ウィン」製作の
「ポセイドンアドベンチャー」

地震による超大型三角波で転覆した旧型豪華客船。
フィールドアスレチックのような上下逆になった船内で
最も薄い装甲のスクリュー室
(本来ならば最下層)を目指し
生き残った客が変わり者の熱血牧師に
率いられ脱出を試みる・・
という誠にシンプルなストーリー。

この熱血牧師スコットを演じるのが、若かりし頃の
名優「ジーン・ハックマン」
過激すぎて上層部から煙たがられており
発展途上国へ布教の旅に流された最中に遭難。
彼は物語の冒頭で船客に熱く説教する。
「真冬に暖を神に祈っても
 ひざに血がにじむだけだ。
 暖が欲しければ放火でもなんでもしろ!」


(以下、大いにネタバレ)
牧師に付いて行く決死隊メンバーは
・風紀取締り刑事と元娼婦の「刑事夫婦」
 刑事役はエアーウルフの名バイプレイヤー
 「アーネスト・ボーグナイン」
・生意気な船オタクなガキと姉貴の「姉弟」
・善良な夫婦、同じく善良な中年独身男性
・ドサ周りの女性歌手、ウェイター

途中、ぼろぼろと脱落してゆくのは
お約束といえよう。

最後の最後になって
噴出している高温スチームが防水壁にあたっており
どうしても進めない場所に出くわす。
スチームを止めるにはバルブを閉じればいいのだが
そのバルブは空中にあり、下は煮えたぎる海水。
ここで牧師は我が身を犠牲にして
バルブに飛びつきながら閉めるという挙にでる。
そこで腹の底から叫ぶのだ。

「まだ試練を!」
「我々は貴方(神)に頼らず自力でここまで来た!」
「助けは請わなかった。邪魔をするな」
「もう構わないでくれ。まだいけにえを取るのか」
「何人殺す気だ」


神の意思に最後まで懸命に立ち向かった牧師が
スチームという神の業火に焼かれていく・・
役割を終え、すべてを受け入れた彼は
さんざんいがみ合ったロゴ刑事に後を託し、
静かに煮えたぎる海水の中へあっさりと落ちていくのだ。

最後、ロゴ刑事は叫ぶ。
「牧師の言うとおりだった!
 あの野郎め!!
 (ビューリフォーサノバビッチ!!)」

主人公が死んじゃう映画は意外に無いので
子供のとき、これを見たPONは唸ったものだった。

エイリアン4等、追い詰められ型ムービーの元祖だが 
エイリアンの代わりに迫ってくるのは海水。
変な余韻を一切残さず
スパッと終わるのも70年代らしい。
「祈る暇があったら体を動かせ」
とスコット牧師から学んだかも(笑)

劇中歌「モーニングアフター」は
映画音楽として有名。ちなみに音楽は
SW、ジョーズ、スーパーマン等でおなじみ
あの「ジョン・ウィリアムス」。
ちなみに重要そうながら結局瞬殺な船長役は
まじめな頃の「裸の銃をもつ男」
別に彼がギャグで船を沈めたワケではありませんので。

牧師20050329_2242_0000.jpg
バルブにぶら下がる牧師
(TV画面より)

1972年 アメリカ映画
ビデオ鑑賞



豆知識
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2005年02月17日

パリのレストラン

レストラン”プチ・マルグリィ”はパリの小さなパラダイス

という副題がついています。
あらすじ・・
三ツ星指定こそないかもしれないが
頑固シェフが腕を振るう、街の人々に愛された
レストラン”プチ・マルグリィ”
営業最終日に織り成す人間模様。以上。

PONの読解力の無さ
露呈してしまいますが、
正直なところ、この映画を見るときは
1)お酒飲んだり、
2)家事をしながら
3)あるいは眠いとき

には見ない方がいいです。
その辺は気合を入れて見ないと
劇中の人間関係がさっぱり判らなくなりますので。
ヨーロッパ映画は米映画にありがちな説明がありませんから。
「判る人だけ判れば良い!」スタンス。

実際、PONも観劇時
1)と3)のミックス状態だったので
ストーリーの詳細までは今に至るまでそんなに
良く判っていません。
ローラン・ベネギ監督すまん。

けど、レストランってよほどの高級店でない限り
ほどよい喧騒の中で食べますよね。
自分達の食事と会話の合間に
ふと隣の席や、たまたま目に付いた奥の席での
自分には関係のない出来事(ドラマ)が
途切れ途切れに目や耳に入ってきたり。
PONにとってこの映画はまさにそんな感じでした。

ちょうど、自分もフランス家庭料理を
食しながら様々なドラマをザッピングしているような・・
あくまで主役は、ふと我に返ったときに目の前にある
料理なのです。
ひとつやふたつのエピソードを見落としても無問題。

よく、ファミリードクター(掛かりつけの医者)
を持てとかいいますが、まさに語義どおりの
ファミリーレストランがPONも欲しいです。



ところで、主人公の頑固シェフ役、
ミシェル・オーモン氏ってロバート・デニーロ
に似ていると思いません?
シェフ!バター使いすぎ。
とってもおいしそうだけど太るって。
「世界の料理ショー」
思い出してしまいましたよ。
そうだろ?スティーブ。

あらすじ(ネタバレあり)は下を参照してください。
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http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD30029/comment.html

レンタルビデオ鑑賞 1995年 フランス映画

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posted by PON at 22:08| ☁| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画(ハ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする