ホラー映画「呪怨」の原作者が送る
カニバリズム(食人)小説。
映画「呪怨」が結構ヒットを飛ばしたようですが
ハリウッドでも同じ日本人監督でリメイクしたとか?
すごい事だな。プロデューサーって「スパイダーマン」の
サム・ライミ監督なんだね。なるほど。
彼ならば日本のオタク文化に
理解があるはずなんで・・サム・ライミ監督!
お願いです。
樋口・ローレライ・真嗣監督にもハリウッドで
SF映画を一本作る環境を与えてあげてください!!・・って全然「小説」の解説になってないです。
ええーっと「
湘南人肉医」について。
「これ後味悪いから・・PON君読む?」いきなりそう言われて
上司!にいただいた文庫です。
そう、
本はすべて出会いです。
ご縁なんです。読破しました。
文が少なくて本が薄く、
ヘンにもったいぶった書き方をしない
(身もフタも無い書き方は「題名」にも現れている)
誠に読みやすい文体。
主人公、「小鳥田(ことりだ)」は137キロの巨漢で
「ゴッドハンド」を持つ「美容整形医」。
表面的には紳士。内面も多分紳士。
小さい頃にいじめに会い、本人も気がつかないまま、
愛の表現法が
「深く静かに」壊れてしまっただけの男。
そして自己の欲望に正直な男。
サイコホラーでありがちならば、主人公は
「引きこもり」にでも設定されそうだが、
この小説では社会的に成功した金持ちであり、
紳士であり、ぎりぎりまで尻尾を見せない。
やっている事は最悪だが。
日本のホラーだと「サイコ野郎」って
見かけも頭髪振り乱したような「サイコ」が
多いけれども彼は
社会で「普通」以上に生活できる、
アメリカ式「サイコ者」な感じ。
名前の通り「湘南」なんで、時折でてくる
「地理」もPONには「なじみ」が深く
それだけに隣町に主人公のような奴がいたら
「嫌だな」とは率直に思ったが、
「怖い」とか
「フケツ!」(笑)とかは
不思議と感じなかった。
愛する人を喰らうという行為は
究極の支配方法・愛情表現小説中では肉の色々な食べ方が
グルメ漫画よろしく
さりげなく描写されてますが
我々が常日頃食べている料理の材料が
「牛・豚・鶏」肉から
「人」肉に入れ替わっただけなんです。
その
肉が肉屋で手に入るはずも無いから
彼は仕方なく「狩り」をしているに過ぎないのです。
彼は(彼からすると)無駄な殺人もしません。
「食材」も決して粗末にしません。
最後まで大事に食べます。
食べている人間の生前の姿を思い描きながら、
食べてあげるコトを
至上の喜びとしているのです、
最後の方では「主人公」が捕まらないように
応援している自分がいたり。
まあ、この見方は彼の側から最大限
愛情を持って見た解釈で、
周りからすれば
そんな勝手な理屈で殺されるほど
理不尽、かつ許せない事はありません。文体のせいか「じとじと」していない。
あまり「血」を感じません。
淡々と事実がドキュメントのように記述されている。
もちろん、この小説を映像化したら
そんなこと言っていられないでしょうけど。
「すずらん」ちゃんはその存在自体が可愛そうだった。
藤子F不二雄作の「恋人製造法」を思い出した。
しかし博識だなあ。作者は。
私はこの本を
人に薦めません。読みたいというなら止めません。
角川ホラー文庫 大石圭
5/15追記。なんか映画化してたらしい。
見たとしてもビデオだなこりゃ。
↓
http://www.eigaseikatu.com/topics/392続きを読む
posted by PON at 13:40| ☀|
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