2013年03月16日

「スタートレック ファーストコンタクト」(小説)

某古本屋で100円だったので思わず購入。
頭使わず読むことが出来るし、
いいかなと思って。

あらすぢ
かつて惑星連邦宇宙艦隊を苦しめた
ボーグ・キューブが再び太陽系へ侵攻してきた。
U.S.S.エンタープライズEの艦長ピカードは、
ボーグに同化されたことがあるために
迎撃任務から外されたが、命令を破って参戦し、
キューブを撃破する。

しかし、爆発寸前のキューブから脱出した
ボーグ・スフィアが時間の渦へ飛び込むと
同時に地球の姿が一変した。ボーグは
過去へのタイムトラベルを行い、
地球を同化してしまったのだ。ピカードは
歴史を元に戻すため、スフィアを追って
時間の渦へ突入する。

スフィアとエンタープライズが辿り着いたのは
2063年4月4日。ゼフラム・コクレーンが人類初の
ワープ飛行を行う前日だった。

************************

大変面白く読むことが出来た。
・・これ、確か映画化してたよな。
そっち観たほうがいいかも知れない。今度借りてくるか。



スタートレックは、基本的に低予算なんで
惑星連邦が誇る宇宙艦隊たちの
本格的な宇宙バトルシーンなぞ
祭り(映画)でもない限り、積極的に見せてくれない。

この対ボーグキューブ戦でも
惑星連邦の宇宙船はどんどんヤラレテしまって
情け無い限り。

惑星連邦の宇宙船って、
「光子魚雷」と「フェザー砲」くらいで
あんまりハデなエフェクト武器がないんだな。
よく見えない船体の穴から
いきなり飛び出す「光」。

宇宙空間においては、ヤマトのように
3連装砲なぞ、有るほうが「非合理的」なので
これもまたメリケン的(SF的?)
合理主義の賜物なんだけど。

波動砲とまでは言わんけども、もうちっと
「がんばってます!」と見た目に判る
武器のひとつも欲しいところ。

更に「エネルギーシールド」も標準装備だから
双方我慢比べの結果、敵の攻撃に耐え切れなくなって
シールドが突然無効になってしまった船から爆発する。

合理的な宇宙戦争描写というものなのでしょうが
観ててツマンナイのです。

んで、映画。出だしの10分ほどで、惑星連邦は大苦戦。
破壊された連邦船が漂うなかに到着。
我らが「ピカード」艦長とエンタープライズ。



ピカードは、ピカード戦法
(彼はボーグ側に改造されたことがあるので
 ボーグの弱点を知っているのです)
をもって、ボーグキューブを破壊します。

ところが、物語はホンの序章。
ボーグの生き残りは過去の地球にタイムスリップ。
惑星連邦なぞ存在しない、
「ワープってなんですか?」の
過去のウブな地球と同化してしまいます。

ピカード艦長はとっさに判断。
ボーグが起こしたタイムスリップ時流に自艦も乗せ
ボーグが到着したちょっと後の地球に到着する。

ここで物語は
「エンタープライズを乗っ取ろうと企む」ボーグ
 VS
「エンタープライズ留守番」ピカード艦長グループ

「ある重大な歴史的瞬間を守るため
 過去の地球に降り立った」ライカー副長グループ

に分かれます。

個人的には、ライカー副長G側の話の方が
SFマインドに溢れ、興味を惹かれますね。

ネタばれしてしまいますが・・
あらすぢにあります
「2063年4月4日。ゼフラム・コクレーンが
 人類初のワープ飛行を行う前日だった」
というのはですね・・。

「ゼフラム・コクレーン」という人物は
後の惑星連邦歴史教科書にて、さんざん出てくるらしい
スタートレック歴史上の偉人。
今の地球人類でいえば
アインシュタインみたいな存在かな。

彼こそは、人類初の「ワープによる宇宙航行」を実現。
人類の大航海時代の幕開けを告げる存在だったのです。

この時代の人類といえば、全面核戦争を
やっちまったばかり。生き残り人類は
夢も希望もなく、ただ細々と生きている体たらく。
後の惑星連邦の盟主たる姿は影も形もありません。

「ゼフラム・コクレーン」が作った
人類初のワープ可能宇宙船にしたって、核戦争で
たまたま使われなかったICBM「大陸間弾道弾」。
どうせもう使い道ないんだから改造してみた、
というような設定。なんてSFマインド。

何故、彼がワープを発明したくらいで偉大なのかといえば

スタートレック世界の宇宙人には
昔から協定がありまして、
彼ら宇宙人達と対等に扱って欲しければ
「ワープ」速力を出すことのできる技術力を
自力開発できる生命体でないといけない
のだそう。
ワープ技術を持たない生命体は無視せよってこと。

「ゼフラム・コクレーン」がワープ1の航行に成功時、
偶然、Mrスポックの出身地で有名な
「バルカン星」の辺境観測隊が太陽系を通りかかり

あれ?こんなド田舎に、超初歩的技術だが
 ワープ速度を出してる種族がいるぞ?

 アクセスしてみんべえ。長寿と繁栄を!」

となったわけであります。

何事も最初が肝心。ここでバルカン人じゃなくって
クリンゴンだったり、はたまたガミラス帝国だったり
つーか誰にも気がつかれぬまま、いきなり
ゼントラーディー軍に地球ごと消滅させられていたり
・・といった可能性もあったわけです。

理知的で友好的なバルカン星人が
ファーストコンタクトの相手で良かったですね〜。

当の「ゼフラム・コクレーン」氏
天才技師かもしれないが
下世話で酔いどれのオッサン。
後世で、自分が伝説の偉人扱いされていることを
エンタープライズの未来人達から聞かされ
自分はそんな偉い男じゃない。
停滞しきっている人類社会のなかで
飲んだくれて停滞しているだけのタダの男だ、
ほっといてくれ!と
ビビって逃げ出したりする。

こんなSFマインド。好きです。

最後はうまくいくんですけどね。
そうでないと「スタートレック」じゃない。



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2012年12月08日

「僕たちの戦争」荻原 浩

僕たちの戦争 荻原 浩 (著)
双葉社文庫。

あらすぢ
内容(「BOOK」データベースより)
2001年9月12日世界貿易センタービルに旅客機が
突っ込んだ翌朝も尾島健太(19)は、テレビの臨時
ニュースや新聞には目もくれず、一人サーフィンに
出かけた。バイトをクビになりガールフレンドの
ミナミとも喧嘩中で会えないからだ。しかし、大波に
呑まれた健太が目を覚ますと、そこは1944年だった!
1944年9月12日霞ヶ浦飛行場から飛び立った
石庭吾一(19)は、「海の若鷲」に憧れる飛行術
練習生だ。しかし、操縦を誤って海に墜落してしまう。
蘇生した吾一が目覚めたのは、なんと2001年
だった…。根拠なしポジティブのフリーターと
バリバリの特攻隊員が入れ替わり―
どうなる、ニッポン!?
愛と青春のタイムスリップ・ウォー。

************************

このあらすぢ、誰が書いたんだ?
愛と青春のタイムスリップ・ウォー
↑ 何だよこれw テキカクだけど。

現代ニッポンの頭がライトな若者と
戦争中の頭が右な特攻隊員が入れ替わったら?
それぞれの時代において
現代の若者は自意識が芽生え
特攻隊員はその凝り固まった頭が
少しずつほぐれてくる。

ころあいを見たところで両者入れ替え・・的な
なんども使われているベタベタなネタだが
手堅くまとめているとは思う。

文体が軽いのと、これはジブンも人のこといえないが
作者が戦争を知らないから
(ついでに言うなら、2001年ニッポンの
 若者のリアル文化もあまり詳しくない様子)
だからとにかく、様々な文献を読み漁って
形にしてみた・・そういった小説です。
お気軽に読めます。

そう、ラノベに近いテイスト。
この作品が双葉社から発刊されていることに
すべてが表れていると思いますね。

これまで太平洋戦争にまったく興味を持たなかった
中高生が、戦争(歴史)に興味を知るキッカケとしては
よろしいのではないでしょうか。

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2012年12月03日

「アキハバラ@DEEP」(小説)石田衣良

アキハバラ@DEEP (文春文庫) 石田 衣良(著)

面白かった。
「アキハバラ@DEEP」という題だけだったら
最期まで自分からはおそらく読みに
いかなかっただろう。実際、そうだったし。
この本は上司からのモライ物だったのです。

「アキハバラ@DEEP」とは
キャラ達が話中で立ち上げた会社名。

あらすぢ
社会からドロップアウトしたオタク青年5人が、
秋葉原に結集。画期的な検索エンジンを
開発し、まったく新しいビジネスモデルを
立ち上げる。しかし、彼らのアイデアを
略取しようと、不穏な集団が動き出す。
オタクとIT界の帝王が繰り広げる熾烈な
知能バトル。漫画、テレビドラマ、映画化
と話題を読んだ、石田衣良の代表作。

************************

展開が割とご都合主義であるのと
この小説が書かれたのが10年前。
あまりリアルなアキバを知らない自分でも
こりゃ古いなあ、と思う描写も多々あるけど
それは仕方ないところか。

ページだのボックスだの
キャラそれぞれがWEBネームで呼称されており
慣れる(思い入れが入る)まで時間がかかった。

ページ:
重度のドモリ癖、言葉の魔術師。リーダー格。
ボックス:
潔癖症で女性恐怖症なフォギュアマニア。
タイコ:
光の点滅で突然フリーズをおこす。
絶対音感を持つ小太り。

アキラ:
1人くらいは美少女キャラもいれとくかポジション。
でも男にまるでキョーミがない女格闘家。
ダルマ:
真面目な社会人だったがパニック障害に。
以後10年間、自室の壁を見続けたヒゲ男。
イズム:
アルビノ体質の天才プログラマー。

ユイ:
謎の女性。人生相談WEBを立ち上げさまざまな
社会適応障害の人たちをあるときは救い、
あるときは結び付けてきた。自身はリストカッター
で一番救われずにいた人。

コアになる初期メンバー3名に
メイド喫茶の名物メイド。彼ら彼女に
「君たちのきっと力になるから」という
ユイの導きで、スーパープログラマーと
引き篭もり社会人が仲間になるというのは・・
取ってつけたかのようで、若干出来すぎな気も。

アキラのように美人で巨乳でアニメ声だけど
色恋に全然興味のない女ってのも、
一応女キャラも入れとくかー?みたいで。



シオドア・スタージョンのSF小説「人間以上」を
モデル(ベース)にした様にも見受けられる。
あっちは、全員が何かしら超能力を持ちながら
諸事情で社会ではマトモに活躍できそうにない
連中が、集合したら、相互を補完し合って
とんでもない能力を発揮するという話。



この作品でも、一人一人は社会で馬鹿にされる
いわゆる「オタク」だが、それぞれが能力を
発揮したとき、社会を変革しうる、という話だ。
ちなみに敵のモデルは、どう好意的に読んでも
某やわらか銀行の「孫」さんだ。
(中身はホリ工モンかな)

ライトノベル扱いされていても
仕方ないような話だけど文春文庫蔵。
最後は、ええ?そんなオチ?とか思った。

世の中ではなんかPONにナイショで
映画化やドラマ化もしてたらしい。
オフィシャルサイト↓
http://www.akihabaradeep.com/

あー、チーフディレクターがモテキで
大ブレイクされた「大根仁」監督なんだ。
ヒトに歴史ありだな。

ユイが本上まなみ、ふんふん。
敵の「やわらか銀行」総裁が
北村一輝か・・う、うん。

バナナマン日村はタイコ役かとおもったら
ダルマ役かよ。
んで、巨乳美少女格闘家が小阪由佳・・
このころは可愛かったんだろう・・けど。



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2012年04月03日

「斉藤家の核弾頭」篠田節子

「斉藤家の核弾頭」篠田節子 著(朝日文庫)

ひさしぶしに立ち寄った例の古本屋。
100円コーナーにて。
表紙がいまいち(メルヘンというか家庭雑誌
の差込イラストみたい。リアルだったら
エグイので、これでよかったのだろうけれど)
だったんで食指が動かなかったが
他に気になる文庫がなかったんで購入してみる。
こういう買い物しちゃうから儲かるんだよな。
例の古本屋さんは。

あらすぢ
内容(「BOOK」データベースより)
われわれは、日本に宣戦布告する!!そもそも
「特A級市民」というエリート中のエリートだった
私が、なぜ政府より、理不尽な転居命令を
受け続けなければならないんだ!
もうこうなったら…。ついに爆発してしまった
斎藤総一郎、心の叫び。
2075年、「国家主義カースト制度」により、
高度に管理された、ニッポン。
住民たちと核爆弾を作りあげ、祖国と対決する
斎藤家の明日は、何処に。

内容(「MARC」データベースより)
「国家主義カースト制」によって超管理国家となった
2075年の日本国・東京。住み慣れた家を政府の策略
により追われた斎藤家の家長・総一郎は、政府の
汚いやり方に怒り心頭。家族を守るために核弾頭を
手に立ち上がる。

***********************

うーん。最後がまさかひょっこりひょうたん島とは。
かなりディティールが大雑把な小説で、緻密な
科学的遊戯を楽しむはずのSFではくくれそうにないし、
これは一応コメディーなんだ、と最後のオチで
そう納得することにしました。

これが書かれたころには、まだ311も
福一の原発事件も起きていなかったわけですが
そのワリに、うんうん、この国の政治家と官僚(役人)
ならやりかねないな、というような描写が多くありまして
そんなところは、とぼけた味わいながら未来を
冷たく描写する小説でありました。

・役人はいつの時代も役人
・法は権力者のためにある
・国家は市民など眼中にない


ちょっとウルっときたのは、斉藤家の末っ子(だった)
女の子「小夜子」の存在。あの「ばけもの」め、とか
母親にいわれてしまうような思わせぶりの登場。
この物語は「斉藤家VS役人」の喧嘩がメインなんで、
なんでこんな設定の子供がいるんだろう?と
最初は思ってた。

 物語の日本政府は、女という奴はウーマンリブ
運動のように、扱いをよくすると増長してロクなことに
ならない。それは20世紀で証明されているのだ。
国力増強のため(一級市民とのだけ)子供を生む
機械に徹するべし。
 しかし子供が大きくなって親離れすると、女は
虚脱感にはしる傾向があり、これは国にとっても
好ましくない。であるから、たくさん子供を生んだ
家庭の末子は、遺伝子操作することで成長を止めさせ
母親のためにほうびとして永遠に乳児であるように
した(以上、小説の中の日本政府の話ですから)

そんな国家の命令で生まれた「小夜子」。
イタリー製ホラー映画「エンブリヨ」の
あの女性みたいなもんです。
その未来はまるで違ってしまったけれども。

主人公の斉藤家の家長、総一郎。ずば抜けた
頭脳をもつ、元「特A級市民」なはずなんだが、
どこかずれていて、読者としてはしっくりこないまま
話が進行する。しかたないから暫定主人公として
彼の奥さんを応援するも、最後、真の主人公は
この「小夜子」と確定した。



この本が天下の「朝日」から出版されているあたり
なるほど、そうだろうな、と納得する。

著者:篠田節子
題名:斉藤家の核弾頭
出版社:朝日文庫
発行:1999年11月第一刷(ハードカヴァーの初版は1997年)
外形:文庫判,514ページ
ISBN: 4-02-264218-1

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核といえば・・
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2011年11月29日

「火星人類の逆襲」横田順彌

火星人類の逆襲 (新潮文庫) 横田 順彌 (著)

某古本屋100円コーナー作品。
これまた不思議な小説でした。

あらすぢ
内容(「BOOK」データベースより)
明治44年8月、巨大な円筒が東京湾に落下した。
円筒から姿を現わした4台の怪異な機械。
それはなんと、13年前にもロンドンを襲った
火星人類の戦闘機械だった。高熱光線を発し、
帝都を焼き払う戦闘機械。帝都危うし!
この危機に決然と立上がる押川春浪、吉岡信敬ら
バンカラたちの集団・天狗倶楽部の面々。
帝都の運命や如何に!
明治末の東京を舞台に繰広げる書下ろしSF長編。

************************

主人公「押川春浪」は、明治時代に実在した小説家。
東宝で映画化された「海底軍艦」の
原作者として知られている。



この小説の作者である「横田」さんは
SF作家であると同時に、押川春浪に
感銘を受けたためか、明治の文化大好き人間で
あるようで、明治文化に関する著書も多数。

であれば、SF+明治文化という
本来であれば「混ぜるなキケン」的フレーバーを
混ぜてしまい、攪拌してしまい、豪快に
シェイクしてしまう、横田先生
それでいて面白いんだから・・さすがです。

明治当時の文化なんか、このような小説から
吸収するしかないんだけど。

なんか偉そうなんだな。明治生まれの男達って。
身分はたかが大学生だったりするのに。
主人公(押川)にしたって35才くらい。

学生時代がモラトリアムなんて発想もなく
「先生様」なんて先生に「様」がついてしまう時代。
大学生というステイタスそのものが、
出世を約束されたエリート予備軍っつーか、
そんなだったんだろう。

言葉がオッサンくさいのだ。
「おーーい待ってくれたまえよ」
とか
「すこぶる、いやいや痛快、でしょうなあ、
 いや失敬、あーそこのきみ・・」
いやはやなんですなあw素敵な言葉づかい。

ま、彼らが後年、社会的にそれなりの地位について
名実共にオッサンになったが故、彼らのなじんだ文化が
そのまま日本のリーマン・オッサン文化として
定着したのでしょう。

早稲田生は皆バンカラで
日本女子大はお嬢様。

※バンカラ(ばんから・蛮殻/蛮カラ)
とは・・ハイカラ(西洋風の身なりや生活様式)を
もじった語である。明治期に、粗野や野蛮を
ハイカラに対するアンチテーゼとして創出されたもの。
一般的には言動などが荒々しいさま、またあえて
そのように振る舞う人<Wiki>

※バンカラ学生の代表
吉岡 信敬(よしおか しんけい)
(1885年(明治18年)9月1日
 - 1940年(昭和15年)12月7日)
は日本の応援団員。早稲田大学の応援隊長
として「虎鬚彌次将軍」の通称で知られ、
当時は乃木希典、葦原金次郎と並んで
「三大将軍」と呼ばれたほどの人気者だった。

・・将軍といっても、明治時代の応援団長として
有名な大学生だった、というだけらしいけど。

応援で「フレー、フレー」の「フレー」って
「奮え」から来たんだな。この小説で初めて
知りました。

火星人を撃退するために「乃木、頼むぞ!」
なんて明治天皇にまで、わざわざ託されたのに
次の章題が「乃木大将の敗走」ってのは
あんまりではありませんか?横田センセイ。

しかも対異星人撃退用に編成されたスペシャル
部隊の名前が「赤襷隊」ときている。
最初から負けが約束されたようなもんだ。
乃木将軍に対する悪意100%だね。
おそらく司馬史観だろうけれど。



火星人類の意外な正体と、彼らの残した想いが切ない。
映像化したら結構いいセンまでいきそうだ。

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2011年01月17日

「神はサイコロを振らない」大石英司

「神はサイコロを振らない」(中公文庫)

なんか長編感動ミステリーが読みたいぜぇ!
と「あらすぢ」に惹かれ、某三色中古本屋の
100円コーナーから購入。

あらすぢ
【内容情報】(「BOOK」データベースより)
かつて、忽然と消息を絶った報和航空四〇二便
YS‐11機が突如、羽田空港に帰還した。
しかし六十八名の乗員乗客にとって、時計の針は
十年前を指したまま…。戸惑いながらも再会を
喜ぶ彼らと、その家族を待ち受けていた運命とは―。
歳月を超えて実現した愛と奇跡の物語。

【著者情報】(「BOOK」データベースより)
大石英司(オオイシエイジ)
1961年生まれ。鹿児島県出身。経済誌の
ライターを経て小説家へ転身。日本冒険作家
クラブにおいて、長年幹事を務める

************************

この大石英司って作家は基本的に
「国際スパイ軍事政治小説」が主力製品であるらしい。
「謀略の○○便!連続爆破うんたら」とか
「国境突破せよ!」とか表題から命令されたり。
そんな作家が、自ら見た「夢」を題材にして
感動小説を書いた・・そういうことらしいです。

面白かったんだけれども
感動シーンへ持ってゆくための背景描写などで
ともすれば筆が暴走、飛行機の性能や、
日本の空の航空管制体勢について、
とくとくと書き始めちゃったりと、
ミリタリー小説作家の片鱗がそこかしこに。

「これはこれこれこうなのです。
 ですから感動してください」
なんかそんな部分が見え隠れした小説だった。

知っている方ならば浮かぶでしょうけど
「黄泉がえり」と話の筋は一緒。
死者が復活した「理屈」が違うだけで。

事故死というのは、当然だけど
予告のある死ではなく突然死ぬ。
どんな善人でも悪人も関係ない。
まだまだ生き続けるつもりだったのに
連続する時間と人の縁をすべて
ブッタ切って死ぬ。
神とこの世の無慈悲を痛切に感じるけど。

大木はたとえ切り株になろうとも
地面に根付いていれば、周囲から
また若葉が息づく。

ようやく若葉が芽生えてきた周囲に
不可逆なはずの死者が帰ってくる話。
天才学者の予測によれば
3日後には過去の世界へ戻ってしまうらしい。
期間は3日。彼らは残された時間を
どう生きてゆくのか。周囲はどう受け止めるのか?
なんと残酷なんだろ。

最初、誤解していたのだが、小説では
YS‐11機に乗って死亡した六十八名
全員の内情が描かれるわけではない。
それだとトンでもないボリュームに
なってしまうからね。
そこは書き応えのある乗客および主人公周辺の
関係者にしぼった様子。

それでも搭乗客は、一風変わった名前が続き
職業も、天才演奏家、自衛隊のパイロット
親殺し企画者、駆け落ちカップル、天才テニス
プレイヤー、そして犯罪者とバラエティに富む。

以下ネタバレ少々。
涙腺がゆるくなってヤバかったのは
はじめてのひとり旅で飛行機に搭乗
事故死したはずの5歳児の帰還。
自分の息子とシンクロしてしまい
電車内で目が曇った。

息子の死を契機にその夫婦は離婚、
双方(特に父親)はどん底まで転落する。
そんな中に、10年前とまったく変わらない
ひとり息子が突然帰ってくるのだ。
おとーさーーん」と
空港ロビーを無邪気に駆けながら。

ラスト、きずなの復活した親子3人で
約束していた富士山登山中、
「タイムリミット」がやってくるのだ。

「ねえ、おとうさん・・」
子供の問いかけに振り向こうとした瞬間
着ていたパーカーが「ぱさっ」と地面に落ち
子供は掻き消える・・。
俺があのオヤジだったら
もう立ち直れない。えぐえぐ。

それぞれに遣り残した宿題を終わらせて
乗客たちはまた元の世界へ戻ってゆく。



数年前にドラマ化したらしい。
その際はオチが変更になっていたそうだが
自分は、小説版のほうがいい。
その辺はさすが軍事小説作家。

※タイトル
そもそも、「神はサイコロを振らない」という
言葉はアルベルト・アインシュタインのものである。

1926年12月、アインシュタインからマックス・ボルン
に送られた手紙の中で、
"独: Der Alte wurfelt nicht." 
日本語訳、「神は賽を投げない」と不確定性原理へ
の反論に使っている。

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2011年01月13日

「DZ 〜ディーズィー〜」小笠原慧

「DZ 〜ディーズィー〜」角川文庫


原題は「ホモ・スーピエンス」
(「ホモ・サピエンス」に対する「超人類」の意)
だったらしい。

それを「DZ」に改題。「DZ」の意味は
興味があれば調べてください。
(文庫版のあとがきにも載ってますが)
最初は非武装地帯かと思ったけど、
それは「DMZ」(demilitarized zone)でした。
思いつく言葉が非常にオレらしいが
この小説に38度線は全然関係ない。

あらすぢ
1980年、ベトナム。奇胎妊娠の恐れがあると
診断された女性が病院を脱出。翌年、沖縄近海で
発見された難民船には、1人の妊婦が乗っていた。
数年後、米ペンシルバニアの田舎で、冷凍庫の中
から夫婦の死体が発見され、5歳になる息子が
行方不明になる事件が起こる。
現代。アメリカに留学中の石橋は、天才研究者
グエンから共同研究の申し出を受けた。
グエンの研究は、霊長類の核移植による遺伝子
操作だった。夜を徹して研究を続ける石橋は、
グエンの研究対象、目的に違和感を覚え始める。
一方、石橋の恋人涼子は、重度心身障害者施設に
医師として勤め始め、そこで心を閉ざした1人の
少女に出会う。
第20回横溝正史賞を受賞。

************************

ちょっとね。最初のうちはキャラの周囲に関係する
面々の描写のために現在過去東西に話が飛びすぎで。
こういう物語スタート形式は読んでいて疲れるのだ。

種とはなんぞや
進化って何?

遺伝子工学についてちょっとだけ
解ったような気になれる
最近、マンガなんかでは流行の
情報もGETできるオトクな小説。
エンターテイメントでありながら
知的興奮wも得られるってやつ?
説明が若干クドイ気もするが。

更に「ちょっとそれは無いだろ」って設定が・・

傷心のヒロインはド田舎の精神患者治療施設へ赴任。
ひっそりと暮らすつもりでいた。
結局は、すべてソコで決着するんだけど
田舎の治療施設に、いかな変わり者の
所長のシュミとはいえ、最新ヘリポート施設や、
今すぐ生命工学の実験ができる施設が
整っているってのはどうか?
あまりにご都合主義的にスギる。

理由は様々なれど
「人の気持ちに拠った考えのできない」
≒「「仁」を理解できない」できないヤツには
医術や生命をもてあそばせてはならんってことで。

それと、このヒロインの女医に対しても
お気の毒だとは思うが、なんの思い入れも
持てなかった。
女性のもつ「さが」なのか、何なのか。
彼女に想いを寄せた男ドモがまるでかわいそう。

話の要諦は、染色体がもたらす生物の進化にあり
「染色体のロバートソン型転座」
(2本の染色体が偶然くっつくこと)
によって、ある種の中に静かに「別の種」が生まれる。
これが進化なんだそうだ。

「チンパンジーと人類のDNAは98%以上同じなんだ。
 たった1%余りの違いが人間を人間たらしめている。
 ・・しかも500万年前に両者が枝分かれしたとき
 表現系の違いではほとんど区別できないくらい
 似ていたはずだ。でも二つは別々のものに分かれて
 いった。どうしてだと思う?」

「簡単だよ。チンパンジーと新しく生まれた
 人類との間には子供ができなかったからだよ・・」

ひょっとしたらアムロやシャアも
子供が残せないのではないか?



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2010年02月06日

「降伏の儀式」

「降伏の儀式」

降伏の儀式 上下巻
ラリー・ニーヴン&ジェリー・パーネル著
東京創元社 創元推理文庫SF

SFファンには言わずもがな。超有名な小説
「降伏の儀式」であります。ずっと気になって
いたんだけども、市立図書館にあったんで
只ならまあいいかなと。

あらすじ
"1990年代、とある天文台が観測した謎の光点。
それは地球に向けて接近する、一隻の巨大宇宙船
だった。かくして人類は、初の地球外生命到来の
瞬間を待ち構えるが……奇妙にも、異星船は
地球からのメッセージになんの返答もよこさない。
彼らは一体なにを目論んでいるのか?
SF界きってのベストセラー・コンビが放つ
超本格的地球侵略SF大作。星雲賞受賞。"

************************

最初からネタばれ全開です。長いです。

>彼らは一体なにを目論んでいるのか?
といわれても、もうオチは見えているのだが。

子象に似た異星人(フィスプという)が
地球を侵略しにくる。土星で機を伺い
一気に地球侵略開始。何も知らない人類は
途中の宇宙ステーションで歓迎しようとするが
捕虜にされてしまう。彼らの地球侵略の方法は
単純。地球に大質量の「隕石」を落とす。
俗に言うシャアの反乱である。ウソだけど。

2センチ厚で上下巻。長い、長すぎる。
要らないところを
はしょって全一巻にまとめられる。

場面描写はざっくりと分けて・・
・米国政府の人々
・ソ連政府の人々
・ソ連製宇宙ステーションの人々
(→後に「捕虜たち」になる)
・米カンザス州の生き残りの人々
・侵略者側の人々


このうちまず「ソ連政府の人々」の人物
描写なぞいらん。ソ連政府なんぞ
外部から見た、協力してくれるのかどうか
よく解らない組織・・程度でかまわないと思う。
(この小説は1988年に書かれたもので
 疑り深く、秘密主義で「えばりんぼ」の
 「ソ連」が健在なのです)
米カンザス州の生き残りの人々の様子や
バイクで走り回り、最後は乗り組み員になる
ところなんか全部不要。

長々と読まされるからこそ、
下巻の残数十ページあたりで
ようやく人類(実質メリケン人のみ)側反撃に
Yahoo!(実質メリケン人読者のみ)となる訳。
カタルシスってやつ。最後に爆発する高倉健さん。

・米国政府の人々
やっぱ人類側のキモなんで
米国政府は外せない。
宇宙人との外交計画、防衛、そして反攻計画
あたりの描写はやっぱ一番読みたいところ、
というか唯一物語を進めてくれる連中ですし。

米国政府は宇宙人問題に対する諮問機関として
国内の著名なSF作家達を招集しますが・・
いくらなんでも自分達を持ち上げすぎでしょ。
ラリー・ニーヴン&ジェリー・パーネルさん。

・ソ連政府の人々
「ソ連に何かあったとき、あの国が真っ先にやること
 といえば決まってる。「動員」さ」

ソ連側の書記長やら人民会議議長など要職の人間が、
アメリカに都合よく途中からめちゃくちゃ物分りよく、
洞察力のある人物たちに代わってくれる。
なもんで、内部的には色々あったようだけど、
少なくとも人類にとって致命的な反発をせず
米国に同調。米国以外で唯一宇宙人とやりあう
国力(つまり核兵器)を見せ付けてくれる。
そのうちソ連自体が小説に出てこなくなるけど。

それと○○スキーとか、××チェフ、△△ネンコ等々、
ロシア人には悪いが、個人的にロシア人の名前って
ぜんぜん覚える気がせず、非常に読みにくい。
なもんで人物の読みわけもできない。
登場人物がみんな同志か、さもなくばKGBでいいです。

・ソ連製宇宙ステーションの人々
(→後に「捕虜たち」になる)

「大航海時代、白人達の乗る帆船を南太平洋の
 原住民たちが丸木船でもいいから、外洋で
 迎えていれば、もう少しまともな出会いに
 なっていたと思うんだ(意訳)」

宇宙人が訪問してくるなら、座して待つより
少しでも外に出て歓迎した方が馬鹿にされない
だろうという理屈で、宇宙ステーションは
ソ連製ながら、アメリカ下院議員の
でしゃばり男がアメリカ特使として乗船する。
人類初の宇宙人との接触者なので、どんな
宇宙人なのか知りたい読者側からにしても、
彼らの驚きや知り得たことは、そのまま
読者の喜びにはなる。
(なんかマクロスの輝たちを思い出してしまった)
彼らの存在もその内、だんだんどうでもよくなる。
一緒につかまったソ連人とは喧嘩ばかりだし。
(最後に大活躍するんだけど)

・侵略者側の人々
なんと敵側宇宙船内で殺人(象)事件ミステリー
までおきる始末。内容が盛りだくさん杉。
ソ連内部の描写やカンザス生き残り人民の描写
よりは読んでいてよっぽど楽しかったが。

一番重要なこととして・・もっとも
熱く、かつ楽しめるはずのバトルシーン描写が
へボ杉。
これ致命的だよ。
ほとんど結果しか書かれていない。
SF侵略小説の要諦であるというのに。

それと邦題の「降伏の儀式」がなあ。いまいちかなと。
なんか食指動かないし。
原題は「Footfall」
意味としては「足音、歩み」。
これが「降伏の儀式」になるのは、
フィスプの降伏儀礼が
「相手の胸に足をおろさせること」
これは彼らが象タイプの生物から進化したかららしい。

確かに「降伏」とその考え方ってやつは、
この宇宙人どもの根源に通じるものがあるんだけれども
小説内では「蹂躙」とも訳されており
彼らの繰り出す最終兵器の名称でもある。
結局は巨大隕石。

一方で彼らは何故か南アフリカ共和国を端とした
アフリカ一帯への降下・侵略も開始する。
最新アメリカ兵よりも、動物相手に巧みに狩りをしてきた
マサイの戦士たちのほうが戦果を上げているのには苦笑。

フィスプ戦士も、ジャングルでベトコンに
酷い目にあった帰還兵のように
ヤサグレる連中が続出

彼らの地球侵攻方法。
武装した小象兵で、アメリカの農村一帯に
ハングライダーで降下するのです。

想像してみてください。みるからにアホだから。

まあ、おバカSFだったんです。
インディペンデンスデイやディープインパクト
アーマゲドンも結構影響を受けたんではないでしょうか?

更にネタばれは加速します。
人類側が切り札として総力を挙げて製造するのが
宇宙戦艦「大天使(ミカエル)」

人類の希望である宇宙戦艦を、横から見て
絵文字で簡単に書き表すと

 ⌒ 
⌒ ⌒
↑U↑
⌒⌒⌒

こんな感じ。マジ。

「⌒」部:子象型侵略宇宙人のビームをはね返す傘。
「U」部:操縦席兼戦闘ルーム
「↑」部:NASAの誇る現役
 スペースシャトル4機を武装して搭載
 「コロンビア」「チャレンジャー」
 「アトランティス」「ディスカバリー」
 (シャトル事故が起きる前にかかれたので
  全部現役なのれす)

 あまったスペースには「ストーヴパイプ」
 呼ばれる簡易宇宙戦闘艇を複数搭載。
 ガンダムで言えば「ボール」
 ただしこいつの装備する砲は
 アメリカ海軍戦艦アイオワ級の40センチ砲。
 弾頭は通常に非ず・・。

 宇宙戦艦ミカエル本体の武装もやっぱり原爆。
 正確に言えば原爆爆発で発生する
 ガンマ線相手にぶつけるガンマ線レーザー。
 レーザーを相手にぶつけるには反射鏡が要りますが
 これも一発撃つごとに鏡が吹き飛ぶ使い捨て兵器

 ミカエルの傘内には、人類が自滅のために過去
 営々と作り上げてきた原爆が豊富にストック
 されてますんでご心配なく。

「⌒⌒⌒」部:
 キモはここ。この宇宙戦艦、エンジンがありません。
 エンジン部には、大きくて丈夫な「おわん」があるだけ。
 どうやって打ち上げるのか?
 答えは簡単。
 おわんの中で原爆をサクレツさせるのです。
 当然、発射基地といいますか拠点だった街は壊滅します。
 さらには地球環境にも相当の影響が。
 けど、いいんです。人類危急の時。
 少数の犠牲は多数の幸福の為に無視されるのです。

もう原爆万歳、ブラボゥ核兵器の世界です。
絶対、日本人には書けない小説でしょう。
とにかく笑える。発想が小学生だから。
このミカエルの活躍シーンのために
ツマランページを我慢して読んできた
そんな感じすらします。

すげい、ミカエルだ・・↓
http://www.up-ship.com/apr/michael.htm

文字通り「なりふり構わぬ」人類側の反撃に
ついに・・・でも人類も負けたようなもんかな。



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2010年01月18日

「時空のクロス・ロード 最終譚」 鷹見一幸

「時空のクロス・ロード最終譚― 
 一番列車は朝焼けに」
(電撃文庫) 鷹見 一幸

・北斗氏からお借りした小説最終章。

時空のクロス・ロード1
 〜主人公:木梨 幸水 
時空のクロス・ロード2
 〜主人公:朝霧夏実 
時空のクロス・ロード3
 〜主人公:楠本ショウ 

そしてコレ・・
時空のクロス・ロード最終譚デス。 

あらすぢ
世界中を襲った熱病「三日熱」の猛威から4年後―。
生き残った者たちによるコミュニティが各地に生まれ、
社会には少しずつ秩序が戻りつつあった。そうした
コミュニティの一つ前橋キャンプのメンバー・和彦
には夢があった。
鉄道マンを目指していたあの頃のように、再び
鉄道を走らせたいという願い。それは再び世界に
平和が戻った証しになるはず!夢を実現するために
エンジニアの楠本ショウや仲間達が集結する。
だが、実現にはいくつもの大きな障害が
立ち塞がっていて―!?「向こうの世界」
のその後を描く『時空のクロス・ロード』
感動の最終譚。
内容(「BOOK」データベースより)

************************

鉄道賛歌だ。

これまでの三作とは違い、主人公が最初から破滅した
世界の住人。いかにしてあの世界が崩壊して
いったか、主人公の父親(鉄道マン)や、家族、
主人公の想い人との交流を通して描かれる。
世界が崩壊していく様を詳細に描いており
そういった黙示録的SF的設定が大好きな方にはグウ。
そんな中、子供しかいなくなってしまった世界で
人間社会を取り戻すために、
まず「鉄道」を復活させようという、彼らの物語。

「理想という名の高所にある光は、進むべき
 先を照らしてくれるかもしれないが
 足元の茨の道までは照らせない・・」

おお、と思う言葉も随所に。
しかし、それぞれの言葉は、そのキャラの
血の通った発言というよりも、どこからか
引用してきた言葉を、ところどころで
発言させているって感がどうしても否めない。

説明的セリフが多すぎることや、リアリティの
ため、ディティールにこだわって妙に豆知識を
披露することに夢中になりすぎ、
作者自身が、作品全体の俯瞰というか布石を
忘れてしまい、なんか結局ノベタンな展開に
終始するあたりは相変わらず。

自らを「雑文家」と称している限り、いつまでも
この作者に小説は書けない気がする。
世の鉄道マンが「時間通り正確に動いて当たり前」
「誰も褒めてくれない」職に、ひとりひとりが
黙々と従事していられるのは、その職業が
「好き」で「誇り」を持っているからと、
本人が作中で書いているように、自分も小説家の
ひとりなのだと自覚すべきだろうと思う。
たとえそれがラノベジャンルであっても。

いいところもありますよ。シリーズの前の作品群と
比べると、グッと文も読みやすくなっているし。

それにしてもどうしてこう、自分はこの作家に
対して否定的見解ばっかり述べるかなあ(苦笑)
ごめんなさいね。>北斗氏。

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2010年01月17日

「時空のクロス・ロード3」鷹見一幸 

時空のクロス・ロード 3 バースディは永遠に
(電撃文庫): 鷹見 一幸

これも、当ブログのご意見番
北斗氏から貸与されたものです。

「俺は花美を助ける事が出来なかった。
 そして父は僕を助けてくれなかった」


あらすぢ
 小学校4年生の夏、幼なじみの少女・花美を
助けようとして一緒に川に落ちた楠本樟。だが
濁流に飛び込んだ父が助けようとしたのは花美
だった。しかも生還できたのは、樟ひとりだけ
であった。
「父さん…俺は、いらなかったのかい?」
19歳になった今でも、樟はその答えを見つけ
られずにいた。そんなある日「答えが欲しいかね」
樟の前に謎の爺さんが現れる。渡された不思議な
装置。そのスイッチを入れた樟は、崩壊した
浅羽野市に転移していた。そしてそこには、
死んだはずの花美の姿があった…。遂に動き出す
“選ばれし者”。その総攻撃から、樟は花美を
守る事が出来るのか。

************************

実の息子と幼馴染の女の子(花美)が同時に川に転落。
親父が助けようとしたのは幼馴染の女の子の方だった。
親父と女の子は死亡、結果的に、息子は生き残り
その息子の心に強烈に残った思いが残る。

「父さん…俺は、いらなかったのかい?」

主人公、楠本樟はそのトラウマから、こっちの世界
(普通の世界)では世捨て人のように人生を
ただ生きていた・・というのだが
「実の父親が選択してくれなかった」事は
「自分はいらない人間」こととイコールに
なるんだろうか?
主人公のトラウマ発生要因には一抹の違和感が
残った。まあ中にはそう感じる人もいるのかも
しれない。

実際、今後自分が生きてゆくうえで、普通は
そんなシチュエーションにならんと思うので、
正確にはなんとも・・ではあるが、自分の
想像力が足らんのかな?
(確かにそういう場合、俺なら何があっても
 自分の息子の救助を選択するけれども)

以下若干ネタバレ。
この3作目からは若干趣向が変わり1作、2作共、
主人公は迷いつつも、結局は異世界ではなく
自分が生きてきた世で生きてゆく道を選択してきたが
この主人公は荒廃した世界で生きてゆく決断をする。
どうせ向こう(荒廃していない方)の世界には
何にもないし、なによりこっちは自分が死んでて
彼女が生きている世界であるから。

今作の主人公の年齢も、前作たちとくらべると
ちょっとオトナ。なんか雰囲気的に
仮面ライダーにでも変身しそうなヤツだった。

相模原薬科大(だったっけ?)での前主人公との邂逅は
なかなか面白かった。シリーズ小説ならではです。

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2009年10月09日

「時空のクロス・ロード2」鷹見一幸

なんとまあ、オバマ大統領に
ノーベル平和賞ですか。
自画自賛(意味合いは正確には違いますケド)な感も
ありますが、もっとも核廃絶を実現する力を持つ方へ
世界からのエールなんだと考えることにします。

マスライです。

************************

「時空のクロス・ロード2
―サマーキャンプは突然に」

時空のクロス・ロード―サマーキャンプは突然に
鷹見 一幸 / メディアワークス (電撃文庫)

あらすぢ
電撃hpに一挙掲載され、読者人気第1位を獲得した
『時空のクロス・ロード』のシリーズ第2弾。
「あんたって、自分の運が悪いくせに、
 自分より不幸な人を見ると
 一生懸命になっちゃうのよねえ…」。
親友も嘆くほど、運に見放された少女・朝霧夏実。
ある日、そんな彼女の前に謎の爺さんが現れる。
「わしは、お前さんの不運を幸運に変える事ができる。
 どうする?やってみるかね」。爺さんから渡された
不思議な装置。そのスイッチを押した夏実が辿りついた
のは崩壊した東京だった。
「こんなめちゃくちゃな世界で…
 一体どこが幸運だっていうのよ!」。
当惑する夏実。だがそこで、彼女は忘れられない夏を
体験する事になる―。
内容(「BOOK」データベースより)

************************

ラノベなんでまあ、小一時間もあれば読むことは
できます。読書が楽しくなってきて、とにかく
濫読したい、というメインターゲットたる中高生
であれば、エンターテイメントとして楽しむことが
できます。

プロットは、ほぼ一緒。我らが退屈で平和な世界が
あって、一方に平行世界の荒廃した世界があって、
不思議な爺さんが貸してくれる機械で自由に行き来が
できて、荒廃した世界には、状況が狂ってしまった
だけで、自分の世界と同じ友人達が精一杯生きている。
選ばれた主人公はこの世界で何ができるか?

今度も余計なところが長かった。荒廃社会になにか
コダワリの食品を一品登場させて、深刻な状況に希望を
演出する・・といったところだが、前回は「お好み焼き」
今回は「カレー」。次はハンバーグか?

今日も「美味しいものが食べられる」という希望こそが
人が生きることにつながるとか、前作にあったけど、
それを表現したいものと思われ。

これからこのパターンでいろんなバリエーションで
物語を続けていけます。

よーく読みこまなかったからなのかもしれないが
この小説内でひとつ納得いかない展開があった。

以下、ネタバレ御免。

荒廃した世界には、好きなように生きるさ!と
暴力で刹那的に生きる集団(ゾクと呼ぶらしい)がいる。
彼らの唯一のアドバンテージといってもよい
大量に確保されたガソリン(バイクや装甲車を走らせる)
を少しでも無駄遣いさせるべく、主人公側勢力は策を
めぐらす。

ワザとおいしい情報(食物や医薬が「茨城県龍ヶ崎市」に
あるとのデタラメ情報)をゾクに流し、彼らが本拠地の
相模原から龍ヶ崎まで往復させる間に、トラップを仕掛け
ゾクの物品、人間両面での消耗を図るというもの。

作戦そのものはそんなのもアリなのかも知れないが、
作戦開始後に判明したことには、ワザワザ、ゾクを誘導
しようとしてる場所(龍ヶ崎)には、やっぱり味方に
とっても本当に大事なものが眠っているのだとか。
そこは人類の英知の結晶とまで言わないまでも
国会図書館だか、そういったデータが保存されている
センターがあって、ゾクには単なるゴミであっても、
見るヒトが見れば素敵な場所なのだ。

味方陣営に急病人(しかも希望の星、赤ちゃん)が発生
その治療法および今後の医学復興の為に、龍ヶ崎にあると
される医学DBのデータ確保が急務となったから
というのが事の起こり。
ゾクの到着が先か、大事な情報ゲットを任務とする
主人公のパーティーが先か?ハラハラどきどき
デットヒートという展開なのだが
・・もう少しどうにかならなかったの
だろーか?この辺。

なぜ最初におとりの場所として、龍ヶ崎なんかを
指定したんだろう。ゾクが興味を持つ「食い物」も
「ガソリン」も無さそうだったから?
どうせ誘き寄せの為に、どこかを指定するにしても
別の場所を指定することもできたんじゃないのか?
もっというなら、あまりにもグーゼン過ぎないか??
おかげで主人公達エライ苦労していますよ。

細かいところで登場するキャラクターの名前を
丹念に覚えておきますと、この先のシリーズにて
結構渋いところで活躍しますよ。彼らや彼女ら。
シリーズの世界観に厚みが生じます。

運命管理人のじいさんがいうところの
「因果律」だの「君の幸運が世界を変える」だの、
荒廃した世界に、いくばくかの希望と物資は
与えたかもしれないが
主人公達が、本当にこの世界を決定的に変えた・・
ようにはあんまり見えないのが難といえば難。

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2009年05月30日

「時空のクロス・ロード―ピクニックは終末に」鷹見一幸

「時空のクロス・ロード―ピクニックは終末に」

時空のクロス・ロード―ピクニックは終末に
鷹見 一幸 / メディアワークス (電撃文庫)

「でたまか」シリーズの作者が書いた本。
北斗殿よりお借りして読みました。

「我々は衣食住を保障された、このサバイバルを生き抜き
 かつていかなる先達も実現し得なかった地上の楽園を、
 あの永遠のシャングリラを創り上げるのだァ!」
(うる星やつら2ビューティフルドリーマー
 メガネ著 友引全史第一巻終末を越えて 序説第三章より)

あらすぢ
「それにしても、平和だよな」気が置けない仲間達に
囲まれ、平凡だが平和な日々を過ごしていた富子市の
高校生・木梨幸水。そんなある日、
「お前さんには才能があるようじゃ―」
彼は不思議な爺さんと出会い、時空転移装置なるものを
手渡される。スイッチを入れた彼が辿り着いた先、
そこは、「この世界は、地獄だ…」崩壊した富子市だった。
そして、困難な状況の中で必死に生き延びてきた仲間達が
彼を待っていた。「よかった…生きてたんだ…」生還を
喜ぶ幼なじみの香織。だが幸水は戸惑いを隠せなかった。
「ここは、僕の世界じゃない…」電撃hpに一挙掲載され、
読者人気第1位を獲得した注目作、待望の文庫化。
内容(「BOOK」データベースより)

************************

平々凡々な生活に飽き飽きするというような
フザケた思想の持ち主(スネかじりの若者ありがち)に
「飽き飽き」することのありがたみを知れ!
という小説。

主人公の世界観を根底から変えるため、引き合いに
登場させられる世界からすればタマッタもんではない。

その引き合いにされた世界とは、いわゆるパラレルワールド
で、たまたまその世界の人類は三日熱(水疱瘡)の耐性を
持たず、20歳以上はほぼ死滅、荒廃しきった日本。
不思議ジジイに見込まれた主人公は、彼よりさずかった
時空転移装置(見た目はほとんどDS)を使って
好きなときに元の世界と行き来ができる。このあたり
なんともシステマチックでゲーム感覚。さすが秋葉系
サブカル雑誌出身小説だけのことはある。

この不思議ジジイはことある毎に「因果律」を口にする。
ジジイの言うところでは「因果律」とやらは「運命」で
あり、この世界に「神」は居ないが「運命」は決まっている
のだそう。主人公はその「因果律」を変える運を持つ
オトコとして選出されたらしい。ほう。

なんせ主人公が行うことは週末(終末)だけの
救世主活動なのだ。
ただもとの世界とおんなじペースで時が流れるため
一介の高校生が、無法世界でたまたま一夜を
過ごしたものなら、元の世界の親御さんに
大目玉!となるわけである。

この本を読んでいると「小説って、横からごちゃごちゃ
言うのは簡単だけど、いざ書こうとなるとやっぱ
むずかしいんだなあ」と思わせる。
小説を書いたことのない人間が四苦八苦しながら
書いている様を、追体験しているような・・
残念ながら小説とは呼べない内容。

でもラノベ分野「エンターテイメント」としては
よろしいと思います。二度読みは不要ですが。

お好み焼きは美味しそうではあるものの、
ほとんど伏線にもなっていない。
だいたい数十ページにわたって書くようなコトだろうか?

そもそも、あんな高校生ドモいないよ。
あだち充作品に出てくる高校生ドモもそうだが。
すべて「・・・・・」で以心伝心。友人達は
頼まれもしないのに主人公の為、見えないところで
イキな計らいをする・・みたいな。
理系の天才、サバイバルバカにツンデレ幼馴染
加えて、天然美少女後輩。

自身が何かに応募して落選した作品をリライトして
形にした様子。なるほどね。
ところどころ、切り貼りしたような印象を受けたのは
そのせいか・・。

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毎度毎度・・
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2009年01月10日

「不死販売株式会社」シェイクリィ

不死販売株式会社―フリージャック
ロバート・シェクリイ 著
ハヤカワ文庫SF 1992

「フリージャック」として映画化された事
もあったらしい。PONが持っている文庫本の
「腰巻き」には、主演、ミックジャガーの写真入り。

PON初出は、もちろん小学校の図書館にあった
あかね書房「少年少女世界SF文学全集」。
前にも書きましたが、
「怪奇植物トリフィドの侵略」で衝撃を受け
同じような絶望感を味わえる話は他にないかな〜と
シリーズ内を模索しているときに出会った一品。
我ながら妙な奴だ。

hushi.jpg

あらすぢ
1958年(!)、休暇を終えてハイウェイを
走っていたトマス・ブレインは、スピードの
出し過ぎから衝突事故を起こして即死。
ところが、目覚めてみるとブレインは22世紀
にいて、生前とは似ても似つかぬ肉体の中にいる
自分を発見する。
この時代には、死後の世界――来世の存在が科学的に
立証されており、魂を別の肉体へ移す技術も確立
されていた。有力企業のひとつレックス社
(不死販売株式会社)が、20世紀で死亡した
ブレインを時間流の中へ引き上げ、別の
強健な肉体を与えて復活させたのだった。
すべては、自社の技術力をセンセーショナルに
喧伝するため。ところが・・

************************

この小説でPONは未来世界やら来世やら
ゾンビやら、そんなSF概念がこの世にあることを
マスターしました。

完全にネタバレで書きます。
1950年代に生きていた主人公にとって
不死販売株式会社の保護下で見る
未来世界とは死の恐怖をも乗り越えてしまった
レトロフューチャー、バラ色の世界。

しかし、会社のCMキャラクターとしての
存在価値がなくなり、ひとたび外の世界に
無一文で放り出されてみると、
技術ばかり先行しても、社会の内実(人間の内面)
は全然変わっていない、むしろ悪化していることに
気がつく。

この世界、金持ちは貧乏人から若い肉体を購入し
自分の魂を移植することで人生を延長することが
技術的に可能かつ合法になっている。
貧乏人の遺族には補償金が残り、肉体を提供した本人も
来世≒天国?への道が補償されているので安心。
普通に死ぬと、善行を積んだとかとはまったく関係なく
来世にいけるかどうかはランダムなため、
確実に来世にいけるというのは魅力的なのだ。
(こんな有様なので、この時代の宗教団体は既に崩壊)

魂の移植には莫大な金がかかるが、生命保険に
入っていれば、一般人でも人生のエクステンドが可能。

一度死んだ魂は、「来世の入り口」にたどり着く。
階段で言えば踊り場のような場所。ここに居る限り
現世の通信が電話!で行えるし、肉体が用意されれば
ここから蘇ることも可能。

が、夢のような話にはかならず裏が。

人類の科学力にも限界があって、一度「来世」≒成仏
してしまうと、その先に何が待っているのか、
誰も知らないのだ。
これまで「来世」から戻ってきた人間がいないので
ああ成仏したんだな・・ってことになっているけれども
「来世」の先はホントは地獄なのかも知れないのだ。

現世でも、いかに貧乏とはいえ自らの若い肉体を
提供しようとする人間がそういるはずもなく、
一方で人生の延長を望むセレブ層の数は果てしない。
金持ちは、あの手この手で貧乏人から
健全な体を巻き上げる構造。

移植手術でも数%の技術的なミスも起こり得るし、
正当?な肉体の後継者(魂)が新しい肉体に入る前に
横から悪意を持った浮遊霊が乗り込んでしまったり、
はたまた、持ち主(魂)のいなくなった肉体は、
いなくなった瞬間から腐り始めるので、中途半端に
移植されてしまうと、生きながら腐りはじめる・・そう
ゾンビになってしまうことも。
(このゾンビには理性があるので、普段は物陰にひそみ
 自らの腐臭を隠すべく、一日一本オーデコロンを
 使い切ってしまう。悲しい)

未来世界とは「欲」と「エゴ」と「ゾンビ」と
「幽霊」が普通に存在する、とんでもない世界に
なっていたのである。
そんな中で、1950年代の知識しかない古代人
ブレインはどうやって生きてゆくのか。

「蘇り技術」が未来社会へもたらした影響や、
たどった歴史は、PONが大人になってから
文庫版を読んで知った。

「あかね文庫」版は、少年少女向けなので、その辺は
結構省略してあり、未来社会で都合よく仲良くなった
ガールフレンドの助けを借りて、主人公が生きぬく話に
絞ってある。

・・しかし、こうして思い返してみると
奇妙な小説だよな。まだあまり世の中を知らない
少年少女に、こんな小説を読ませても良いものなのか。
多少、ソフィティスケートされてたにしても。

人生のこのあたりの段階において、子供たちが
「赤毛のアン」のような物語に出会うか
「不死販売株式会社」を読んでしまうか
はたまた、楳図マンガでトラウマこさえるか
まったく読書することなく外で運動するか

・・そんなささいな分岐が、その後の人生
(その人の親しむカルチャー)を
決めてしまうような気もする。



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少年少女世界SF文学全集リスト
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2008年10月12日

「自由死刑」島田雅彦

「自由死刑」 島田 雅彦

(集英社文庫)
いつもは上司からもらった(あるいは借りた)
小説ばかりを、読破&この場でご披露しているんですが
この小説なんか、電車の網棚で拾っちゃいました。
こんな本との出会いもあるんですよ。

あらすぢ
「自由死刑」適用者の第1号(つまりは自殺を決意した)
となった喜多善男(きたよしお)は、死ぬ日を1週間後の
金曜日と決め、限られた時間を楽しもうとしていた。
自殺を決めた日、善男はタクシー待ちをしていた男、
八代平太(やしろへいた)と同じタクシーに乗ることに
なる。見ず知らずの他人に善男は、自分が1週間後に自殺
することを告げると、八代は善男が残りの1週間を楽しむ
ために協力することを約束する。
善男は有り金を使って酒池肉林を楽しみ、別れた元恋人
に出会い、八代のコネでポルノ女優と戯れ、憧れの
アイドルと一夜を過ごす。しかし、その一方で八代は
善男を保険に入れ、殺し屋を雇って善男を殺害することを
企てていた。そのことに気づいた善男はある行動に出る。
彼に自由な死は与えられるのか。

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オトナのファンタジーというかおとぎ話ですなぁ。
後書きにあったけれど、最初はとことん
「コメディ小説」として連載開始したが
文庫に納める際の全面改定で、
結局「人生って何?生きるって何?」的な
まぢめ小説に書き改められたらしい。
時々どっちつかずの描写が見られ、なんだろなと
思っていたのだが、それで納得。

あらすじにもあるけれど、死を超越した
(少なくとも本人はそう思っている)存在って
そんなにモテるものなのか?

これまで全然モテず、地味な人生だった善男の
周囲に、死ぬと決めた瞬間、いろんな女性が
彼に心を残すようになり、さすがの彼も死ぬのを
止めようかなとすら思う瞬間がでてくる。

・元恋人
・自殺未遂の常連女
・ポルノ女優
・憧れのアイドル
・田舎の女子高生・・

昔「傷だらけの天使達」という喜国雅彦の
4コマ漫画があった。そのなかで、
女にモテたいのにまったく縁のない
おバカ男子高校生が、
性欲があるからこんなに苦しむんだ!
 神よ!こんな煩悩はイリマセン!
」と願ったら
神の気まぐれで、ほんとに女に興味が無い男に。
そのとたん
「最近、あのヒト変わったよね〜
 女には興味が無いって硬派なところがステキ!」
と女性からキャーキャーいわれるように
なってしまったという、悲劇を描いていたけれども。

この小説を読んでいたら急に思い出した。
まあ、それだけ。

鴨川の水の流れと、賽の目だけはどうにもならんと
昔の絶対権力者でも、そんなことを嘆いていたが
とかく「ままならぬ」のが世の中というもの。
主人公は、人生でたったひとつ、自由になるものと
信じていた「自ら死を選ぶ」という行為すら、
運命(というか作者の意思で)に遊ばれて自由にならない。

小説内で、主人公がつぶやいていたけれど
「死ぬ」という行為にすら「気力」と「体力」が
いるんだそうだ。
逆説的だけど、立派に死ぬことのできる
「気力」と「体力」がいまだ体に残っているなら
別に死を選ばなくても生きていけるってこと。

自殺はするモンではない。ホント。

ああ、小説は面白かったけれど
二度読むほどの話ではないな。
TVドラマ化狙いの小説かと。

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2008年09月22日

「怪奇植物トリフィドの侵略」中尾明訳

怪奇植物トリフィドの侵略」中尾明訳 

PONは怪獣映画の影響大で、もともと不思議な
ものが大好きでしたが、学校というのものは
そういった「エンタ−テイメント」とは無縁の
無機質で朴念仁な世界。自分の家を出たらそういう
サブカルとは切り離して考えるものなのだと勝手に
思ってました。
それだけに、当時図書館でみつけた
あかね書房刊「少年少女世界SF文学全集」の存在には
衝撃を受けました。こんなところ(無機質な学校)
にも面白いもんがあるじゃん。しかも学校公認で、
無論ロハで借りていいの?ヤリーィってな感じでした。

「少年少女世界SF文学全集」は名前のとおり
古今東西のSF文学全集ですが、若干低年齢向けに
書きなおしてあり、低年齢者にはいささかまずい描写
もザックリカットしてある親切編集。挿絵なども、
1973年頃に出版された全集なんで、劇画レトロ
フューチャー的でありながらどこか突き放した
不気味さが存在し、それがこのシリーズの怖さに
拍車をかけておりました。

PONが最初に手にしてしまったのがコレ
「怪奇植物トリフィドの侵略」
ジョン・ウィンダム作 中尾明訳 
誰が作者かとか翻訳者は何者か?なんて豆知識は
後日知ったもので、当時はこの題名に既に
やられてしまいました。なにせ「怪奇」で「侵略」
ですから。

あらすぢ
ある夜、緑色の流星雨が流れ、世界中の人々がその
天体ショーを目撃する。歩行する食用植物トリフィドの
栽培場で働いていた主人公は、トリフィドの毒を持った
鞭で目をやられ、治療のために入院し目を包帯で覆って
いたために流星雨を目撃しなかった。その天体ショーの
翌日は主人公の包帯を取る日であったが、朝起きて周囲の
様子が違うことに気が付き自力で包帯を取る。流星雨を
見た人々は皆盲目となっていたのだった。主人公は、
誰も目が見えず絶望に覆われたロンドンの街の中を歩き
始める。ところが・・

もともとは、「トリフィド時代」とか「トリフィドの日」
とか呼ばれる小説で、SF映画として「人類SOS」
という題で1960年代にイギリスで映画化もしています。
いいなあ。題名がストレートで。

PON@小学5年生はマジにぶるるでした。
読後、人のぬくもりwを求めて、いつもなら
飯の時以外はあまり近寄らない我が家の「居間」へ
思わず行ってしまいましたもん。当然ながら
オヤジも、おふくろもいつものごとくだったんで
自分が生きている実世界は、まだ安心なんだなと
胸を撫で下ろしたものです。

獅子座流星群とか、○○年に一度きりの
天体ショーなんてときどき新聞とかで騒がれますが
とりあえず、この小説の影響がありまして
PONはそういう時、絶対にブームに乗らないように
しようと心に誓ったのであります。
具体的にいえば、皆が騒いでいても空を見上げるのは
やめよーってコトです。だって、流星群を見ちゃうと
失明しちゃうんですよ?リスクは最小限にしたい
じゃないですかw

後ですね、この小説の背表紙とかの表題は
カラフルに使い分けがなされているのですが
この「怪奇植物トリフィドの侵略」、色は
緑です。それも「ふかみどり」系。緑という色は
人の緊張感をほぐすのだとか、よく言われたり
しますがPONには通じません。
(ふか)緑=トリフィド のイメージが刷り込まれて
しまいましたんで。新緑の「緑」は大好きですがね。

このトリフィドって奴は、ソ連が遺伝子操作で作り出した
もので、こいつから良質の「食物油」が取れます。
そのために、牧場(トリフィドは動き回れる!)で
人類の管理下のもと家畜化していたんだけれども、実は
こいつは肉食。毒の鞭を持っていて、生物をしびれさせて
動物を捕食するというとんでもない奴。

こういう設定も大人になってから知ったんで、
このあかね書房版では、結構省略されてます。
何かの事故で目の手術をした主人公が、いよいよ
包帯を取る日に悲劇(流星雨を市民が皆見て、皆盲目に
なってしまった)が起こり、あたふたしている間に
なぜか、地下!から怪奇植物群が出現、人類ピンチ。
「生き残りVS無限増殖の植物群」だったと記憶します。

とりふぃど.jpg

本当の原作では、生き残りが結成するコミューンにも
様々な考えを持つ組織があり、弱者は生存の邪魔と
盲目市民は排除するタイプから、しっかり受け入れる派
まで、人のエゴとか、いざとなったら人はどう動くのか
のシミュレーション的描写もあったようです。

怖い植物と言えば、「マンドラゴラ」でも
「ワイアール星人」「ケロニア」「スフラン」でもなく
こいつにとどめを刺しますよ。今でも。



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2008年08月13日

「蒲生邸事件」宮部みゆき

「蒲生邸事件 宮部みゆき」

時は過ぎ去るとき、その痕跡を残す
 ―タルコフスキー

結構前の話かもしれないが、宮部みゆきブーム
って奴が、かつて読書界wにあった気もする。
遅まきながら、ハマってしまったPONです。
ここのところ(1ヶ月くらい)、読書から
縁遠かった自分ですが、同じく通勤時間が長く
読書好きな上司から借りた文庫です。
ひとつは、先日記事にした「理由」、そして
もうひとつがコレ「蒲生邸事件」。
大正時代の洋館で起きた
乙女チックフレーバーなミステリーものかなと
また勝手に勘ぐっていたら・・話の展開に驚いた。
これ、SFだったんだ・・。

あらすぢ
予備校受験のために上京した受験生・孝史は、
二月二十六日未明、ホテル火災に見舞われた。
間一髪で、時間旅行の能力を持つ男に救助されたが、
そこはなんと昭和十一年。雪降りしきる帝都・東京
では、いままさに二・二六事件が起きようと
していた―。大胆な着想で挑んだ著者会心の
日本SF大賞受賞長篇。

兵ニ告グ。勅命ガ発セラレタノデアル
一、今カラデモ遅クナイカラ原隊ヘ帰レ
二、抵抗スルモノハ全部逆賊デアルカラ射殺スル
三、オ前タチノ父母兄弟ハ國賊トナルノデ皆泣イテオルゾ
戒厳司令部

宮部みゆきさんの小説の題名は
潔いというかなんというか、非常に
簡潔でありまして、宮部みゆきブランドを
知っている読書家ならば迷わず選択する
でしょうが、まったく関心外の人間が
興味を持つには若干、弱いというか
詰らない気がします。だからといってこの
「蒲生邸事件」が、
「タイムトリップアドベンチャー 
 時のエトランゼ」wwとか
そういう題ならば、PONがもっと早くに
読んでいたかと言うと、そうでもないと思うんで
まあいいか。題名なんてそんなものかもしれない。

さて、ヨタ話のなかでさりげなく?ネタばれして
しまいましたが、この小説は「タイムトリップ」
モノです。

宮部さんの小説の良いところは、あやふやなところを
まったく残すことなく、しっかりと最後まで責任を
持って説明してくれるところですね。読者の想像の
余地や最後の余韻がないじゃん!とか思う方も、
ひょっとしたらおられるかもしれませんが、行間や
空気や雰囲気を心で感じろ!と開き直っておられる
創作物(映画とか小説とか漫画とか)に遭遇すると、
非常に高確率で
「なになに?いま何があったの?巻き戻して」とか
騒ぐPONにはこのくらいの方が丁度よろしいです。

タイムスリップものの醍醐味、主人公が過去の人々と
ふれあい、現代の戻ってきてから、その時代を改めて
検証するときに思い出される記憶と記録。
いつの時代も人は生きている。
その時代という軍隊に所属している「軍人」として。

ローレライのように、丁寧にその後が描写されていて
非常にほんわかしたものが残った。
蒲生邸に行ってみたくなります。
とってつけたような悪役が?ですけど。

臆病者は臆病者ではなくなって
異能者は人間として人生を送った
ではあなたは?という話。
良作。

終わった― 今、世界が閉じてゆく・・



昔、PONの伯母の前で「戦車図鑑」を読んでいたら・・

伯「PON君はこんなものが好きなのかい?
P「うん(どうせ分らないだろうと思ってテキトーに)」
伯「あたしゃ、この戦車見たことがあるよ?」
P「へ?」
伯「雪が積もった寒い日に、この日本軍の戦車が
  通りを都心へ向けて走ってゆくのを見たことがある。
  あれが226事件だったんだねぇ」

伯母さん・・失礼いたしましたw 

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2008年07月13日

「アウトニア王国人類戦記録」(第三部)

「アウトニア王国人類戦記録
(第三部)でたまか」鷹見一幸作 角川書店

当ブログの上得意様でいらっさいます
北斗氏が貸与してくれた「ラノベ」
(ライトノベル)「でたまか」シリーズで
あります。

その第三部、
「アウトニア王国人類戦記録 でたまか」
ようやくご紹介できます。もうとっくに読んで
いたんですが、なかなか記事が追い付かず、
こんなに遅くなってしまいました。

「データは明らかだ…。絶対に人類は
 ザナックスに勝てない。全滅する―!」

改めて、簡単にご紹介しておきますか。
辺境の小国、アウトニア王国をめぐる物語。
でたまかシリーズは一応、三部作でして

アウトニア王国奮戦記(第一部)
・・主人公が所属する巨大な帝国、それに
  匹敵する宗教国家が対峙する人類世界。
  両者はまだ全面戦争には至らず、国境で
  小競り合いを繰り返す。主人公マイドは
  帝国軍士官学校卒の聡明だが木訥な青年。
  士官学校時代の同期である貴族のボンボンの
  嫌がらせで赴任したアウトニア王国で奮戦する
  物語。

アウトニア王国再興録(第二部)
・・名前のとおり、一時は帝国の横暴に潰された
  アウトニア王国をマイドとその仲間たちが
  復興させるまでの物語(紹介済み )

そして今回
アウトニア王国人類戦記録(第三部)
黄昏落日篇、霜降暗夜篇、漆黒無明篇 
群青黎明篇、長嶺来光篇から成ります。
・・人類社会での騒動がようやく一息ついたころ
  これまで探査が及ばずにいた、暗黒宇宙より
  異種生命体ザナックスが襲来する。ここにおいて
  題名の通り、アウトニアはもとより人類全体の
  物語となる。

異種生命体ザナックスとは
トップをねらえ!の宇宙怪獣と
スターシップトルゥーパーズのバグズと
宇宙戦争(トムクルーズ版)の宇宙人
これらを全部合わせたような侵略者。
まったく、人類と意思の疎通が図れない。
彼らは唯、生きるために繁殖を目的とし、
そのために「地球型惑星」を一族のエサとする
のみで行動する。
小説中にも書いてあるが、彼らにとって
人類とは、畑仕事中に出くわした「みみず」
程度の存在であり、たとえば畑を開墾する際に
みみずにいちいち挨拶する農民がいるか?という
コトである。殺るか、殺られるかでしない。

また、人類が敵と戦うには、当然宇宙船を作って、
訓練して、兵隊を育てて、といったプロセスが必要だが
彼らは有機的な宇宙船そのものを「生み出す」ことが
出来る。生産性は圧倒的に人類に不利。
こんな中、マイドをはじめとする人類陣営は
どうやって戦うか?というのが最大の見せ場。

最終決戦の途中までは結構盛り上がる。
が、敵の巣(要塞)へ特攻をかけるにあたり
仲間が強制的に主人公を退艦させるのはどうだろう??
ここで泣けとでも言うのだろうか。
しかもその後日談なんかアウトランダーズみたいだ。

全編を通しての総括としてはそこそこ面白かった。
しかし二度読みたいかというと限りなくNoに近い。

なんかこの合間にも「エピソード集」として
「拾遺録」シリーズがあるようだが、
この作者は、たくさん出した「登場人物」設定を
残念ながら活かしきれていないし、読んでる自分も
思い入れが足りないため、キャラを再展開して
掘り起こされ、エピソード集で取り上げられた
としても・・正直「誰だそれは?」なのである。


やはり文章力は大事だ。設定だけ見ると、この話は
もう少し面白く成り得たのにねえ。残念至極。

借りておいてなんですが・・ごめんなさい。
>北斗様

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2008年05月02日

「アウトニア王国再興録D でたまか」

「アウトニア王国再興録D でたまか」
 青天霹靂 編
 鷹見一幸作 角川文庫

北斗氏から借りた「ラノベ」第六弾。
王国再興録もいよいよ佳境であります。

あらすぢ
現皇帝アウストレストとでたまか艦隊の親分、
マイドとの確執は遂に帝国を二分にした内戦に
発展した。

銀英伝では、ゴールデンバウム王朝を
打倒するまで結構ありましたが、当小説、
でたまかでは比較的あっさりと政権交代が
起きました。

そこに至るまでの流れも、先の皇帝「ダイテツ2世」
がいけない。てめーの息子が殺されて、世の中を
はかなみ、皇帝を辞めたくなる(仕事をしたくなくなる)
ことはまあ誰が皇帝であっても当然の反応だと
思うけれども・・それでも、心のどこかでは、超然とした
皇帝の姿を期待したいじゃないですか。読者としては。

まあ、貴族は「ぼっちゃん」のエリートであり
エリート中のエリートたる皇帝ともなれば、
根は究極のボンボンなんでしょう。
だれか取り巻きに退位を止める、気骨のある奴が
いなかったんだろうか。
俺?俺だったら・・無理。

以下ネタばれしますが、ヒロインツートップの
反帝国軍艦隊が、正帝国艦隊に弱点を看破され
大変なピンチ時、突然やってきた新生アウトニア
艦隊の登場は良かったです。
これまた銀英伝で言うところの、アッテンボロー
練習艦隊が帝国軍(こちらはラインハルトのに
捕まってしまって、ヤンが要塞駐留艦隊全軍で
救出に現れた時のような爽快感が楽しめました。
知らない人にはまったく分らない「たとえ」だと
思いますが。

さらに、無敵アウトニア艦隊の戦闘ノウハウを
協力星系に譲渡することで、軍事同盟でなく
牛丼チェーン店のような「フランチャイズ化」って
発想には素直に笑えました。かつての沈黙の艦隊に
あった「戦力の保険化」とか、よく解らん方向に
もったいぶることもなくらず、小説内のキャラも皆
呆れているところが、なんともグゥ。

一応、このD巻までで「王国再興録」は終了
次の「人類戦記録」に続けます。
しかし引っ張ること引っ張ること。

スぺオペである前に、宇宙を舞台にした
ハーレクインロマンスな感じがしてまいりました。
主人公カップルが褥を共にする日は
いったいいつになる事やら。



「でたまか」シリーズ。まだ続きます。
文体も非常に洗練されてきて
ますます読みやすくなりました。
が、記事にするのが正直しんどくなっております。
(読むペースに記事作成が追い付かない・・)

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2008年04月22日

「アウトニア王国再興録 でたまかB〜C」

「アウトニア王国再興録 でたまかB〜C」 
天下大乱篇
驚天動地篇
鷹見一幸作 角川文庫

北斗氏から借りた「ラノベ」第五弾。
B巻、C巻はまとめて記事にします。

<あらすぢ>
潤沢な資金を誇るはずであった、アウトニア残党
だったが帝国に資産を没収されてピンチに。
金ない、武器ない、志と士気だけはある主人公陣営。
ついに帝国の正規軍である第三軍宇宙艦隊の
攻撃が始まった・・。

だいぶ、文体がこなれてきて読みやすくなってきた。
ひょっとしてこの作者は「銀河英雄伝説」とか
「星界の紋章」とかがホントにも―大好きで、
宇宙艦隊戦こそを一番書きたかったのではあるまいか。
逆にいえば、キャラの描写ってのは本当に
難しいんだなあ・・とシロウトの自分でもそう思う。

B巻はC巻の戦闘開始のための準備期間であり
帝国、アウトニア残党それぞれの人の思いが
つづられている。これぞスペースオペラってのは
やっぱり艦隊戦なので、待ってました!
いったところ。
主人公マイドのお手並み拝見って感じです。
その点読者はいいねえ。無責任に高みの見物が
できるから。

B巻9章にて、帝国の陰謀により、ある重大な事件が
発生する。ある人物が戦争を止めようと、要するに
テロを起こすわけだが、その犯人は「アウトニア」
大学の学生で、純粋な「アウトニア」国民である点。
そして逮捕されるや、
「私は平和こそが正しいと信じる・・・正義の戦争より
 不正義な平和の方がマシだ」
と堂々と公言、自己の正義をまったく疑わず
自分の行為が、帝国の片棒担ぎだとまったく
認識していない点がどうにも居たたまれない。

これは小説だから、犯人が明らかにトンチンカン
野郎だと、さすがの自分にもわかるが、実生活での
事件だったりしたら、ひょっとしたらこの犯人の
行動にも一理あるんじゃないか?とか考えてしまいそうな
自分もいる。

面白いところとしては
Cの第七章に、アウトニア残党軍に堅物の艦長(U)と
(「くれない信田」だかーかーらー違うよIME!
 「紅の豚」だって)
「紅の豚」の女メカニック、フィオみたいな
女の子(ティー)がでてきて秘密兵器を
運用するとこ。

・・ちなみに、フィオを見ると
毎度「フィレオフィッシュ」が食べたくなるのは、
おそらく自分だけだと思うので
これ以上は言及しないでおく。

彼らが操る一撃必殺の兵器、超戦艦「ギガント」。
その正体はカネ余りの帝国が、予算消化と状況の
泥縄でつくったけれど運用しないで廃棄したゴミ船。
要塞攻略用主砲一門を作りかけのまま廃棄された
スクラップ艦だった。

要するに、ガンダムで言うところの
「ソーラ・レイ」みたいなもんかな。
ギガントが合わせた照準線が
「GER・DRB」と呼称されるんで
元ネタはもう間違いのないところだろう。

今回のアウトニア軍は、「戦いは数だよ、アニキ」って
ことで、宇宙中のスクラップが集まってくる、
パーツセンターのようなゴミ山の星へおもむき、
スクラップ軍船をリサイクル、数合わせをします。
まじめにリサイクルしたら金が足らんから、
元はゴミなんで、大抵の船は一発撃てば壊れてしまう
程度のシロモノ。その代り、後先考えない、全力の一発
だけ撃てるような船とした。
使い捨ての宇宙戦艦ヤマトですな。
船達のコードネームは「撃てルンです」。

これまたガンダムで言うところの、ボールに近い。
MSや戦闘機ならいざ知らず、仮にも宇宙船の
使い捨て集団ってのは初耳だ。
もっともボールのほうがマシかもしれない。
一応、撃っても壊れないと思う。あっちは。

10倍の敵を相手に「負けなかった」アウトニア軍。
その実績は、宇宙を動かすことになる。

ここに至り、キャラクターも出そろって来まして
だいぶ面白くなってまいりましたよ。
「アウトニア王国再興録」シリーズとしては
あと一巻、D巻で終了らしい。

・・ケルプワイン艦隊名物、エース集団
「かしまし娘カルテット」が、宇宙を駆けるときの愛機。
これは宇宙戦闘機に手と足のようなものをついていて、
UMBACで高機動を誇る戦闘機ってことらしいのだが。
それって、宇宙戦闘艇が主力の世界に
4人だけ「モビルスーツ」乗っているってことかしら?

カルテット娘には、あまり個々人の背景描写に
注力しないでほしい。これまで通り背景で
キャーキャー言っているだけでいいです。
そういう個人的背景が出て来始めると、Vガンダムに
おける「シュラク隊」のように成りかねないからね。
これは独り言でした。

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2008年04月15日

「アウトニア王国再興録 でたまかA」

「アウトニア王国再興録 でたまかA」 
 天地鳴動篇
 鷹見一幸作 角川文庫

北斗氏から借りた「ラノベ」第四弾。
ぼくらの」もカウントすると、
もう「なにがなんだか」になってしまうので、
カウントそのものが無意味に
なりつつありますが。

あらすぢ
前回、またも主人公に恥をかかされた皇帝
アリクレストは、意趣返しに、かつて自分が滅ぼした
旧アウトニア国民が立ち上げた植民星(まだ国家
ですらない)ネオアウトニアに武力侵攻を開始する。
一方その頃、もう黙っていられなかった主人公が
物語正面に復活する。

この巻では、来るべく戦いに備えての各自の奔走と
これから活躍しそうなキャラの小出し、そして
主人公マイドの復活劇がメイン。

帝国辺境の国々は、皇帝の命令であるネオアウトニア
侵攻が踏み絵に使われる。各国とも心情的にも、
物質的にも主人公陣営に味方する。主人公陣営の
これまでの「損して得取る」(あるいは信用を大事にする)を
真顔で実践してきたやり方が、ここへきて少しずつ生きてくる。

辺境国家エデッサの一年会議のエピソードは面白かった。
ひとことで言えば国の総力を挙げての
「サボタージュ」なんだけど。皇帝の命令に逆らうはずも
ない。無論ネオアウトニアはとっちめるべし!
軍備に不備があってはとんでもないので
3か月以上ぶっ続けで会議をすることにする。

ことに「バナナはおやつか食糧か」という人類永遠の課題
までに踏み込んで会議するエデッサ国議会に涙。
会議は終わらないよそれじゃあw

ところで「でたまか」というのは「でたとこまかせ」の略。
行き当たりばったりではなく、あらゆる事態を想定し
それに対する備えを万全しておき、柔軟に対応する
ってことらしい。

それから「帝星ブックス」「マガザン帝国」など、なんとなく
「本」にまつわるネーミングが続くけれども、
そもそも「アウトニア王国」からして、あの今は無き
みのり書房のサブカル雑誌月刊「OUT」をオマージュ
してのネーミングであるらしい。いやはや。こんなところで
月刊「OUT」とは。懐かしいのう。
(お茶の水駅前に集合する日時はいつだっけか?)
作者は出版関係出身なのか?(未調査)

まだ続くよ。
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